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第3章 魔導帝国ハビリオン編
魔法の特訓パート1
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緑豊かな草原に爽やかな風が吹いている…その草原には木が疎らに生えていてザワザワと枝が擦れる音が響く
そんな草原の真ん中辺りに俺とハティオさんは立っている…ここはハビリオンから少し離れた草原であまり人がいない場所らしい…うん確かに俺達以外見えない
「……まずはここで魔物と戦ってもらう」
ハティオさんがそう言って指し示した方向に魔物の気配を感じる…イノシシみたいな姿の魔物だ
「わかりました」
魔物を見ながらまずは鑑定
《ワイルドボア
レベル9
状態 健康
パッシブスキル
夜目
物理攻撃補正
アクティブスキル
威嚇
称号
無し
称号からの追加補正
ワイルドボアは群れで行動するため繁殖相手を見つけると全員を相手にしなければならない》
ふむ…そこまで強くはない…けど油断はせぬ!先手必勝!
「【風の刃】」
細い刃のような風が1つ…一直線にワイルドボアに向かっていく…そして
「ブオォ!!」
背中の辺りを切り裂いた…ワイルドボアは攻撃されたことに気付いたのか怒り狂いこちらを見て突進してきた…ひぃぃ怖っ!
「【風の刃】!」
再び風の刃が飛んでワイルドボアに当たるが止まらない…連続で刃を飛ばしてなんとか倒した…一体倒すのに時間かかりすぎかな?1発で仕留めたかった…
俺がそう考えているとハティオさんに呼ばれる
「……魔法のスピードや威力は申し分ない…質の良い綺麗な魔法だ」
細かな所は賢者先生が補正してくれてるのだろうけどそう言われて照れてしまう
「……だが戦い方は素人だ」
ぐっ…痛いところを…
人を褒めてから落とすハティオさんによるとただ魔法を撃っているだけでこのままでは魔物に殺されてしまうぞと…
そこまで言う!?
「……どこにどんな威力でどういうタイミングでどの魔法を使うかを瞬時に判断しなければ隙ができる」
ハティオさんが言うことにぐうの音も出ない…賢者先生は俺がイメージした魔法を構築してるだけで勝手に魔法を構築してるわけじゃない…だからこそ俺自身が的確な判断が出来ないとやられてしまう
攻撃を当てる場所も賢者先生の補正がかからないから自分で考えるしかないしこれこそが授業の課題だな…
「わかりましたがんばります!」
俺はハティオさんにお礼を言って再び魔物を探す…倒したワイルドボアはハティオさんが回収してくれるらしいので戦いに集中出来る
草原を見回すとまたワイルドボアがいたのでゆっくりと近付く…そして今度は狙いを定めて…
「【風の刃】」
ヒュッと音を鳴らして風の刃が飛んでいく…あっという間にワイルドボアに到達し…
「ブガァ!」
頭の辺りを掠める…惜しいっ!と俺が思っている間に怒って突進してくるワイルドボア…ふっ…そんな行動想定内!
「【落とし穴】」
俺がそう言うと同時にワイルドボアの前の地面にぽっかりと穴が出来る…そのまま止まること無くワイルドボアは穴の中へ落ちていく
ドサッ…
あ…落ちたな…クックックッ…馬鹿正直に突進してくるからだ!
穴の中を見ると数メートル下にワイルドボアが気絶していた…ふむ…ウィンドカッターっと…
穴の中に飛んでいった風の刃が気絶したワイルドボアの首を切断する…息絶えたワイルドボアを見ながらこの穴どうしよう…と考えているとハティオさんがやってくる
「……いい考えだな」
お褒めいただきありがとうごぜぇます
基本的に魔物には知性が無いのでこういう作戦は効果的だという…やったね!
そのまま次のワイルドボア…と草原に目を向けた時に気付いた…気配感知にたくさんの反応があることに
そういえばいつものようにあまり確認していなかった追加補正のところにワイルドボアは群れで行動するとか説明されてたな…
じゃあこの前方にあるたくさんの気配は全部ワイルドボアですか…そういう大事な事は追加補正の項目で説明しなくてよくない?
そんなことを考えていると気配が動き出しこちらに接近してくる…この速さは…突進してるな…
気配の方向を見ると茶色い体のワイルドボアが複数突進してくるのが見える…やばいな…どうしよう…
「……大丈夫か?」
ハティオさんがこちらを見ながら言ってくる…手伝おうか?という意思が読み取れる
ハティオさんの実力を知らないけどウィアベルさんが先生として選んだ人なんだからきっと強いんだろう…でも…
「大丈夫です」
俺はそう言って暗黒魔法を使用する…すると俺の足元から闇が噴き出して全身に纏わりついてくる…そしてあっという間に鎧になってしまった…それだけじゃなく俺の右手に黒い剣が生まれる
「……!」
ハティオさんが驚いているような気配を感じる…ふっふっふっ…これぞ近接戦闘用の暗黒魔法【闇の鎧】&黒い剣なのです!!
レッサーベヒモスの時は防御に使っていたが真の力は防御にあらず!見せてやりましょう!ええ!
俺はワイルドボアの群れに向かって走り出す…魔力で出来た鎧や剣は重さを全く感じないので足の速さは衰えることなくすぐに1体目のワイルドボアに接近する
「うおりゃっ!」
「ブギャッ!!」
俺が剣を横薙ぎにするとワイルドボアが正面から切り裂かれ血を撒き散らしながら倒れる…それに気付いたのか他のワイルドボア達もこちらに向かってくる
その群れを1体…また1体と切り伏せていき…
「ぷはっ…」
数分後には周りは血の海になっていた…俺は力を抜いてその場に座る…息をすると血の匂いが鼻を通って嫌な気持ちになる
剣の性能が良かったのかワイルドボアを切った時はそこまで切った感触が無くて体力的に楽だったが数が多くて結構疲れてしまった…
「……よくやったな」
そんな声とともにハティオさんがワイルドボアを回収しながら近付いてくる…ハティオさんはウィアベルさんと同じようにワイルドボアをどこかの空間に入れているようだ…
少し休憩しようと言われたので一度立ち上がり血の海から離れた場所に再び座る…闇の鎧も一度解除した
雑草の生えた地面からハティオさんを見ているとワイルドボアの回収が終わったのかなにやらゴソゴソ持ってきたバッグを探っている…
何をしているんだろうと思ったら何かを取り出して血の海に撒き始めた…するとあら不思議!血の海が蒸発するように消えていきあっという間に元の草原に戻った
こちらに戻ってきたハティオさんに聞くとさっきのは聖水らしく魔物の血などを浄化させる効果があるらしい…なんでそんな事を?と続けて聞くと魔物の血が残っていると他の強い魔物が来る可能性もあるしアンデッドなどが生まれる可能性もあるみたい
魔素の塊である魔物の死骸をほっとくと色々影響が出てくるみたい…だから普通は死骸を見かけたら浄化するんだって…ふむふむなるほどね…まぁ当たり前か…
「……ん…?」
そんな事を考えているとハティオさんが草原の向こうの森の辺りに目を向けた…何かいるのかな?新しい魔物?
俺の気配感知では遠くの森まで感知出来ないのでなにがあるのかわからない
「……少しここで待っていてくれ」
ハティオさんはそう言うと俺がなにか言う前に森の方へ走っていってしまった
なんなんだろう?まぁいいか…魔法の練習でもしとこう
そんな草原の真ん中辺りに俺とハティオさんは立っている…ここはハビリオンから少し離れた草原であまり人がいない場所らしい…うん確かに俺達以外見えない
「……まずはここで魔物と戦ってもらう」
ハティオさんがそう言って指し示した方向に魔物の気配を感じる…イノシシみたいな姿の魔物だ
「わかりました」
魔物を見ながらまずは鑑定
《ワイルドボア
レベル9
状態 健康
パッシブスキル
夜目
物理攻撃補正
アクティブスキル
威嚇
称号
無し
称号からの追加補正
ワイルドボアは群れで行動するため繁殖相手を見つけると全員を相手にしなければならない》
ふむ…そこまで強くはない…けど油断はせぬ!先手必勝!
「【風の刃】」
細い刃のような風が1つ…一直線にワイルドボアに向かっていく…そして
「ブオォ!!」
背中の辺りを切り裂いた…ワイルドボアは攻撃されたことに気付いたのか怒り狂いこちらを見て突進してきた…ひぃぃ怖っ!
「【風の刃】!」
再び風の刃が飛んでワイルドボアに当たるが止まらない…連続で刃を飛ばしてなんとか倒した…一体倒すのに時間かかりすぎかな?1発で仕留めたかった…
俺がそう考えているとハティオさんに呼ばれる
「……魔法のスピードや威力は申し分ない…質の良い綺麗な魔法だ」
細かな所は賢者先生が補正してくれてるのだろうけどそう言われて照れてしまう
「……だが戦い方は素人だ」
ぐっ…痛いところを…
人を褒めてから落とすハティオさんによるとただ魔法を撃っているだけでこのままでは魔物に殺されてしまうぞと…
そこまで言う!?
「……どこにどんな威力でどういうタイミングでどの魔法を使うかを瞬時に判断しなければ隙ができる」
ハティオさんが言うことにぐうの音も出ない…賢者先生は俺がイメージした魔法を構築してるだけで勝手に魔法を構築してるわけじゃない…だからこそ俺自身が的確な判断が出来ないとやられてしまう
攻撃を当てる場所も賢者先生の補正がかからないから自分で考えるしかないしこれこそが授業の課題だな…
「わかりましたがんばります!」
俺はハティオさんにお礼を言って再び魔物を探す…倒したワイルドボアはハティオさんが回収してくれるらしいので戦いに集中出来る
草原を見回すとまたワイルドボアがいたのでゆっくりと近付く…そして今度は狙いを定めて…
「【風の刃】」
ヒュッと音を鳴らして風の刃が飛んでいく…あっという間にワイルドボアに到達し…
「ブガァ!」
頭の辺りを掠める…惜しいっ!と俺が思っている間に怒って突進してくるワイルドボア…ふっ…そんな行動想定内!
「【落とし穴】」
俺がそう言うと同時にワイルドボアの前の地面にぽっかりと穴が出来る…そのまま止まること無くワイルドボアは穴の中へ落ちていく
ドサッ…
あ…落ちたな…クックックッ…馬鹿正直に突進してくるからだ!
穴の中を見ると数メートル下にワイルドボアが気絶していた…ふむ…ウィンドカッターっと…
穴の中に飛んでいった風の刃が気絶したワイルドボアの首を切断する…息絶えたワイルドボアを見ながらこの穴どうしよう…と考えているとハティオさんがやってくる
「……いい考えだな」
お褒めいただきありがとうごぜぇます
基本的に魔物には知性が無いのでこういう作戦は効果的だという…やったね!
そのまま次のワイルドボア…と草原に目を向けた時に気付いた…気配感知にたくさんの反応があることに
そういえばいつものようにあまり確認していなかった追加補正のところにワイルドボアは群れで行動するとか説明されてたな…
じゃあこの前方にあるたくさんの気配は全部ワイルドボアですか…そういう大事な事は追加補正の項目で説明しなくてよくない?
そんなことを考えていると気配が動き出しこちらに接近してくる…この速さは…突進してるな…
気配の方向を見ると茶色い体のワイルドボアが複数突進してくるのが見える…やばいな…どうしよう…
「……大丈夫か?」
ハティオさんがこちらを見ながら言ってくる…手伝おうか?という意思が読み取れる
ハティオさんの実力を知らないけどウィアベルさんが先生として選んだ人なんだからきっと強いんだろう…でも…
「大丈夫です」
俺はそう言って暗黒魔法を使用する…すると俺の足元から闇が噴き出して全身に纏わりついてくる…そしてあっという間に鎧になってしまった…それだけじゃなく俺の右手に黒い剣が生まれる
「……!」
ハティオさんが驚いているような気配を感じる…ふっふっふっ…これぞ近接戦闘用の暗黒魔法【闇の鎧】&黒い剣なのです!!
レッサーベヒモスの時は防御に使っていたが真の力は防御にあらず!見せてやりましょう!ええ!
俺はワイルドボアの群れに向かって走り出す…魔力で出来た鎧や剣は重さを全く感じないので足の速さは衰えることなくすぐに1体目のワイルドボアに接近する
「うおりゃっ!」
「ブギャッ!!」
俺が剣を横薙ぎにするとワイルドボアが正面から切り裂かれ血を撒き散らしながら倒れる…それに気付いたのか他のワイルドボア達もこちらに向かってくる
その群れを1体…また1体と切り伏せていき…
「ぷはっ…」
数分後には周りは血の海になっていた…俺は力を抜いてその場に座る…息をすると血の匂いが鼻を通って嫌な気持ちになる
剣の性能が良かったのかワイルドボアを切った時はそこまで切った感触が無くて体力的に楽だったが数が多くて結構疲れてしまった…
「……よくやったな」
そんな声とともにハティオさんがワイルドボアを回収しながら近付いてくる…ハティオさんはウィアベルさんと同じようにワイルドボアをどこかの空間に入れているようだ…
少し休憩しようと言われたので一度立ち上がり血の海から離れた場所に再び座る…闇の鎧も一度解除した
雑草の生えた地面からハティオさんを見ているとワイルドボアの回収が終わったのかなにやらゴソゴソ持ってきたバッグを探っている…
何をしているんだろうと思ったら何かを取り出して血の海に撒き始めた…するとあら不思議!血の海が蒸発するように消えていきあっという間に元の草原に戻った
こちらに戻ってきたハティオさんに聞くとさっきのは聖水らしく魔物の血などを浄化させる効果があるらしい…なんでそんな事を?と続けて聞くと魔物の血が残っていると他の強い魔物が来る可能性もあるしアンデッドなどが生まれる可能性もあるみたい
魔素の塊である魔物の死骸をほっとくと色々影響が出てくるみたい…だから普通は死骸を見かけたら浄化するんだって…ふむふむなるほどね…まぁ当たり前か…
「……ん…?」
そんな事を考えているとハティオさんが草原の向こうの森の辺りに目を向けた…何かいるのかな?新しい魔物?
俺の気配感知では遠くの森まで感知出来ないのでなにがあるのかわからない
「……少しここで待っていてくれ」
ハティオさんはそう言うと俺がなにか言う前に森の方へ走っていってしまった
なんなんだろう?まぁいいか…魔法の練習でもしとこう
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