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第3章 魔導帝国ハビリオン編

魔導帝国ハビリオンに到着!

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『ユウト!』

『だから無理だって!』

えー皆さん今俺は空の上で口論をしております…相手は…まぁ知っての通りアルバですはい…

なぜアルバと口論しているかといいますと…


ウィアベルさんの鳥でハビリオンに向かっている途中

『ユウト!』

「とぅわっ!」

「!なんじゃ!?」

俺がアルバの声に驚き…そして俺が急に驚いた事に驚くウィアベルさん…アルバびっくりさせるな!!

俺はウィアベルさんに何でもないですと言い…アルバと話す

『なに!びっくりしたじゃん!』

『ユウトが帰ってこないから心配したぞ』

え?帰りませんよ?洞窟のことだろ?帰りませんよ?大事な事だから二回言ったけど

『いやいや…帰らないよ?…というか帰れないし』

『なぜだ!?』

…なぜって…ああ…出発が急だったからアルバ達には言い忘れてた…

俺はアルバにハビリオンの事などを伝えて

『だからごめん』

しばらくの間洞窟には行けない事を謝る…が

『俺もついていく』

これ…前にもなかったか…?

ということで冒頭に戻る…

『もう俺出発してるしハビリオンは遠いんだよ?』

『それでもだ!愛する番を守りたいんだ!』

…ニートが何いってるの…そして番じゃねーし

『ハビリオンには魔物は入れないし…それと番じゃないから』

『ならハビリオンの近くで待っている!』

『もしかしたら何年もいるかもしれないんだよ?』

『それでもだ!』


…ああ…このニート狼…何いっても無駄だ…どうしよう…

『頼む!近くにいさせてほしい!』

…はぁ…

『…わかったよ』

俺は折れることにした…忘れてたとはいえ勝手に出発しちゃったからその罪悪感もある…

『すぐに追いかける!』

その言葉を最後にアルバは念話を切った…こいつ…ニートなのに行動力ありすぎだろ…

俺はアルバの事はほっといてウィリーに念話で食べ物や薬草やらを集めるのを一旦やめてもらった…これは忘れちゃいけないよね…あぶないあぶない…

色々伝え終わりホッとしている俺を見てウィアベルさんが

「百面相しておるの…やっぱり不思議な子じゃのぅ」

そう呟いていたが風の音で俺には聞こえなかった

・・・

・・・・・・

異世界版太陽が空の頂点に差し掛かる時…前方に大きな街…いや…国が見えてきた

「見えてきたようじゃの」

「おおお!!!」

ひらけた場所に遠目からでもわかるほど巨大な街が見える
円形で造られている街は外周が高い赤茶色っぽい壁に囲まれており出入口だと思われる門からは真っ直ぐ地平線の向こうまで道が続いている

壁の中は真ん中に大きな城がそびえていてその城を中心として蜘蛛の巣のように道が出来ているようだ…すごく綺麗な街っぽい…あっ国か…

街の中は家などの建物が密集していたりするけど城に近付くにつれて家が少なくなってきて塔みたいなものや大きな建物が多くなっている
境界線のような物もあるみたいだ…

そして俺の目には国全体を覆う大きな膜が見える…もしかしてこれって結界?

《その通りです》

国全体を覆うって凄くね?この国相当でかいよ?空から見てるのに向こうまで見えないもん…

「門から入るのでのここからは降りて歩くじょ」

…まだじょ言ってるんかい…口癖か?

俺達が乗る鳥がゆっくりと降下を始める…少しづつ地面が近付いてくるとたくさんの人がハビリオンに向かっているのが見えた

鳥は門から離れた道の端に降りる…俺が先に鳥から降りてウィアベルさんも続けて降りる

「おお…」

近くで見ると壁の高さがよくわかる…見上げていると首が痛くなってくる
赤茶色の壁だと思っていたがよく見るとレンガみたいだ

「こっちじゃよ」

鳥を消したウィアベルさんに連れられて門の近くまで歩く

門の前には長い行列が出来ておりローブを着た人やザ魔法使いって格好の人が多い
さすが魔法都市だ!


俺はウィアベルさんとその行列の横を進みながら並んでいる人を見ていた…すると


はっ!!あ…あれは…

足は動かし続けていたので少ししか見れなかったが少し長い髪にすらりとした体…そして髪から見える尖った耳…

そう!エ!ル!フ!だー!!!

きたー!!魔法都市だからもしかしたらって思ってたけどいたよ!いましたよ!きゃー!!ああ…男でなければな…なんで男しかいないんだろう…エルフは女の子であるからこそ価値があるのに…(失礼)

俺は一瞬見ただけのエルフを脳内で女の子に変換しながらウィアベルさんについて行った

門の入口らしき所には同じデザインの服を着た兵士や魔法使いが立っていて列の先頭の人に話しかけて順番に通したりしている…きっと

「!こ…これはウィアベル様!」

門にいた魔法使いの数人がウィアベルさんに気付いて慌てて敬礼のようなものをした…

「ただいまじゃよ」

ウィアベルさんはその魔法使い達の1人に少し話をしてこちらを向いて手招きするので近くにいく

「まず学院までこうかの」

ウィアベルさんと俺は門を通り街の中へ入った…すると

《一部の機能が制限されました》

ん!?なに!?

俺は驚いて立ち止まってしまう

「…ん?どうしたのじゃ?」

「い…いえ…なんでもないです…」

ウィアベルさんについて行きながら賢者先生に話しかける

どういうこと!?なんかの攻撃!?

《この国全体にかけられている術式により能力の一部に制限がかかるようです》

ふむふむ…あの結界のせいかね?制限は解除できないの?

《現在は不可能です》

…おふ…なるほど…了解です

「ユウト君大丈夫かね?」

「あ!はい…大丈夫です!」

少し賢者先生と話をしていたのでボケッとしていてウィアベルさんに心配されたようだ…慌てて返事をする

「そうかの?」

誤魔化せたようでウィアベルさんは街の説明をしながら歩き出す

魔導帝国ハビリオンは円形都市のような形で造られていて門が西と南と俺達が入ってきた東に一つずつ建てられている

街の中は5つの区画に分かれており
北側に居住地区
東側に学業地区
西側に競技地区
南側に商業地区
中央に貴族地区

となっている
ハビリオン学院は東側の学業地区にあるので結構近い…と思う…いや正直この国めっちゃ広いし…ウィアベルさんがいなかったら絶対迷子確実だわ…

ちなみにハビリオンにある冒険者ギルドは商業地区にあるらしく必要ならば案内するぞ?とウィアベルさんが言ってくれたのでお願いすることにした…というかウィアベルさん暇なの?あなた校長でしょ?

街の雰囲気はファンタジーというか中世の街並みに近い…まぁ本屋…みたいなのが多いけど
そして街を歩くのは人間だけでなくさっき見かけたエルフ族もそうだが他にも獣人族や魔族もいる

ふぉぉ…ファンタジー!!スータの町では人間ぐらいしか見かけなかったからちょっと残念だったけどここで一気にテンションアップ!

そしてやっぱりエルフ族も獣人族も魔族も男しかいない事にテンションダウン!!あははは!


俺が心で号泣しているとウィアベルさんが急に立ち止まった

「…?どうしたんですか?」

俺がそう聞くとウィアベルさんは俺に振り向き口を開いた

「ここがハビリオン魔法学院じゃよ」










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