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:第1章 「令和のサムライと村娘、そしてとある村の運命」
・1-22 第37話 「蹄の音」
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・1-22 第37話 「蹄の音」
村には馬が1頭しかいない。
それなのに、村の遠くの方からいくつもの馬のいななく声が聞こえてくる。
源九郎が刀を手に立ち上がり、本差しと脇差を帯に挟み込むころには、蹄(ひづめ)の音がはっきりと聞こえるようになっていた。
そしてその蹄のカッポカッポという音の中には、カチャカチャと、鎧が鳴る音も混ざっている。
武装した者が、馬に乗ってこの村へと近づいてきているのだ。
その音が示す事実は、絞られる。
1つは、国家権力が重い腰をあげ、この村のために兵士たちを差し向けたという可能性。
そしてもう1つは、野盗たちがこの村へと近づいてきているという可能性だった。
前者は、残念ながら望み薄だった。
税を取るだけ取って、村のためになにもしてこなかった相手が今さら動くことなど、考えられない。
野盗たちがこの村に向かってきているのに違いなかった。
いったい、なんのために?
考えられるのは、源九郎を探している、という可能性だった。
源九郎に蹴散らされた野盗たちは、当然、なにがあったかをカシラに報告しているだろう。
だとすれば、野盗たちは報復しようと考えてもおかしくはない。
彼らが村から略奪することができているのは、その武力による脅しがあるからなのだ。
源九郎に一方的にやられたことで、野盗たちの武力にはケチがついた。
つまり、自分たちのメンツを守り、その武力の怖さを村人たちにもう1度思い知らせる必要が野盗たちにはあるのだ。
そして野盗たちが源九郎に報復するためにどこを探すかと言えば、まず真っ先に、この村だろう。
源九郎が助けた村娘、フィーナはこの村の住人であり、野盗たちに逆らった流れ者はフィーナを連れて村に向かったと考えるのが自然なことだからだ。
「な、なんだっぺ?
これは、馬の蹄の音けぇっ!? 」
源九郎が険しい表情で扉の脇に立ち、外の様子に耳を澄ませていると、異変に気づいた長老が、慌てた様子で起き上がってくる。
「まだ姿は見えません。
ですが、多分……、野盗たちではないかと」
「この馬の蹄の音、多分じゃなくて、間違(まちげ)ぇなく野盗たちだんべ。
今さらお上がこの村に兵隊さ出してくれるはずがね。
しかも、こんな時間だべ!
夜は、戦でもねぇ限り、兵隊たちが大勢で来ることはねぇんだ! 」
扉を薄く開けて外の様子を確かめながら源九郎が考えを述べると、長老もそれに同意してうなずき、険しい表情を作る。
それから長老は杖を突きながらできるだけ急いで源九郎の近くまで来ると、源九郎と入れ代わりに扉の隙間から外の様子をうかがう。
「だけんど、なして、こんな時間に……。
オラぁ、来るとしても、明日だと思っとっただよ」
「逃げて行った野盗たちが、カシラに知らせたんだと思います」
「んなっ!?
旅のお人、まさか、野盗どもを殺さねぇで帰(けぇ)したんか!? 」
源九郎の言葉に、長老は酷く驚いた様子で振り返る。
「えっと……、確かに、命までは取りませんでしたけど……」
なぜ長老が驚いているのかわからない。
源九郎はそんな、きょとんとした表情でいる。
その様子を月明かりの中で観察した後、長老は、「本当なんか? 」とたずねるように、異変に気づいて目を覚ましたものの、どうすれば良いかわからずベッドの上で起き上がっているだけのフィーナに顔を向ける。
するとフィーナは、源九郎と同じように戸惑いながら、コクン、とうなずいていた。
「……はぁ、そんで、こんな早くに来ちまったんだ」
源九郎は、野盗たちを生かしたまま帰している。
その事実を確認した長老は、「もっと早くに聞いておくんだった」と後悔するようにため息をついていた。
「旅のお人、なして、殺さなかっただべか? 」
それから長老は、やや責めるような口調で源九郎にそうたずねていた。
「なぜって、そりゃぁ……、相手は、人間でしたし」
源九郎は、なぜ長老に責められているのかがわからない。
人間は、殺してはならない。
それが源九郎の常識だったからだ。
「旅のお人、あんた、甘ぇお人だよ」
長老は険しい表情でまた扉の隙間から外の様子をうかがいながら、少し呆れたように言う。
「野盗どもを殺しておきゃぁ、奴ら、なにが起こったんか知らずに、もっと時間が稼げてたはずだぁ。
そんでその間に、旅のお人は安全に、この村を出て行けたんだべ。
それを、情けなんかかけるから、野盗どもが来るんだべ。
おまけに、野盗どもに旅のお人の面も割れてっから、シラを切るわけにもいかねぇだ」
長老の言っていることは、理屈としては源九郎にも理解することができた。
だが、納得はできない。
いくら野盗たちに苦しめられているとはいえ、長老の言い方は少し、命の扱いが軽過ぎるように思われたからだ。
(いや、これが……、こっちの世界の常識、なのか? )
源九郎は、ここが異世界なのだということを思い出していた。
まだ転生してから実時間で1日も経過しておらず、この世界についてほとんど知識はなかったが、村人たちの暮らしぶりを見れば、日本とは大きく異なっていることは明らかだ。
まったく違う世界なのだから、命という重大な事柄に対しても、村人たちと源九郎とではとらえ方が違うのはむしろ、当然のことかもしれなかった。
「ま、過ぎちまったことは、もうどうにもなんねぇべ。
なんとか、今を切り抜けることを考えねぇと」
長老は、クドクドと源九郎を責め続けることはなかった。
野盗たちが源九郎に報復するために向かってきている。
この現実に対処するために、すでに思考を切り替えているのだ。
その切り替えの早さは、源九郎には、辛い現実の中で生き続けてきた長老の、たくましさのように思えた。
村には馬が1頭しかいない。
それなのに、村の遠くの方からいくつもの馬のいななく声が聞こえてくる。
源九郎が刀を手に立ち上がり、本差しと脇差を帯に挟み込むころには、蹄(ひづめ)の音がはっきりと聞こえるようになっていた。
そしてその蹄のカッポカッポという音の中には、カチャカチャと、鎧が鳴る音も混ざっている。
武装した者が、馬に乗ってこの村へと近づいてきているのだ。
その音が示す事実は、絞られる。
1つは、国家権力が重い腰をあげ、この村のために兵士たちを差し向けたという可能性。
そしてもう1つは、野盗たちがこの村へと近づいてきているという可能性だった。
前者は、残念ながら望み薄だった。
税を取るだけ取って、村のためになにもしてこなかった相手が今さら動くことなど、考えられない。
野盗たちがこの村に向かってきているのに違いなかった。
いったい、なんのために?
考えられるのは、源九郎を探している、という可能性だった。
源九郎に蹴散らされた野盗たちは、当然、なにがあったかをカシラに報告しているだろう。
だとすれば、野盗たちは報復しようと考えてもおかしくはない。
彼らが村から略奪することができているのは、その武力による脅しがあるからなのだ。
源九郎に一方的にやられたことで、野盗たちの武力にはケチがついた。
つまり、自分たちのメンツを守り、その武力の怖さを村人たちにもう1度思い知らせる必要が野盗たちにはあるのだ。
そして野盗たちが源九郎に報復するためにどこを探すかと言えば、まず真っ先に、この村だろう。
源九郎が助けた村娘、フィーナはこの村の住人であり、野盗たちに逆らった流れ者はフィーナを連れて村に向かったと考えるのが自然なことだからだ。
「な、なんだっぺ?
これは、馬の蹄の音けぇっ!? 」
源九郎が険しい表情で扉の脇に立ち、外の様子に耳を澄ませていると、異変に気づいた長老が、慌てた様子で起き上がってくる。
「まだ姿は見えません。
ですが、多分……、野盗たちではないかと」
「この馬の蹄の音、多分じゃなくて、間違(まちげ)ぇなく野盗たちだんべ。
今さらお上がこの村に兵隊さ出してくれるはずがね。
しかも、こんな時間だべ!
夜は、戦でもねぇ限り、兵隊たちが大勢で来ることはねぇんだ! 」
扉を薄く開けて外の様子を確かめながら源九郎が考えを述べると、長老もそれに同意してうなずき、険しい表情を作る。
それから長老は杖を突きながらできるだけ急いで源九郎の近くまで来ると、源九郎と入れ代わりに扉の隙間から外の様子をうかがう。
「だけんど、なして、こんな時間に……。
オラぁ、来るとしても、明日だと思っとっただよ」
「逃げて行った野盗たちが、カシラに知らせたんだと思います」
「んなっ!?
旅のお人、まさか、野盗どもを殺さねぇで帰(けぇ)したんか!? 」
源九郎の言葉に、長老は酷く驚いた様子で振り返る。
「えっと……、確かに、命までは取りませんでしたけど……」
なぜ長老が驚いているのかわからない。
源九郎はそんな、きょとんとした表情でいる。
その様子を月明かりの中で観察した後、長老は、「本当なんか? 」とたずねるように、異変に気づいて目を覚ましたものの、どうすれば良いかわからずベッドの上で起き上がっているだけのフィーナに顔を向ける。
するとフィーナは、源九郎と同じように戸惑いながら、コクン、とうなずいていた。
「……はぁ、そんで、こんな早くに来ちまったんだ」
源九郎は、野盗たちを生かしたまま帰している。
その事実を確認した長老は、「もっと早くに聞いておくんだった」と後悔するようにため息をついていた。
「旅のお人、なして、殺さなかっただべか? 」
それから長老は、やや責めるような口調で源九郎にそうたずねていた。
「なぜって、そりゃぁ……、相手は、人間でしたし」
源九郎は、なぜ長老に責められているのかがわからない。
人間は、殺してはならない。
それが源九郎の常識だったからだ。
「旅のお人、あんた、甘ぇお人だよ」
長老は険しい表情でまた扉の隙間から外の様子をうかがいながら、少し呆れたように言う。
「野盗どもを殺しておきゃぁ、奴ら、なにが起こったんか知らずに、もっと時間が稼げてたはずだぁ。
そんでその間に、旅のお人は安全に、この村を出て行けたんだべ。
それを、情けなんかかけるから、野盗どもが来るんだべ。
おまけに、野盗どもに旅のお人の面も割れてっから、シラを切るわけにもいかねぇだ」
長老の言っていることは、理屈としては源九郎にも理解することができた。
だが、納得はできない。
いくら野盗たちに苦しめられているとはいえ、長老の言い方は少し、命の扱いが軽過ぎるように思われたからだ。
(いや、これが……、こっちの世界の常識、なのか? )
源九郎は、ここが異世界なのだということを思い出していた。
まだ転生してから実時間で1日も経過しておらず、この世界についてほとんど知識はなかったが、村人たちの暮らしぶりを見れば、日本とは大きく異なっていることは明らかだ。
まったく違う世界なのだから、命という重大な事柄に対しても、村人たちと源九郎とではとらえ方が違うのはむしろ、当然のことかもしれなかった。
「ま、過ぎちまったことは、もうどうにもなんねぇべ。
なんとか、今を切り抜けることを考えねぇと」
長老は、クドクドと源九郎を責め続けることはなかった。
野盗たちが源九郎に報復するために向かってきている。
この現実に対処するために、すでに思考を切り替えているのだ。
その切り替えの早さは、源九郎には、辛い現実の中で生き続けてきた長老の、たくましさのように思えた。
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