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ゾル王国3
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「アイリーン様に、ちゃんと従って、迷惑を掛けないでください!」
「どうしてあなたにそんなことを言われないといけないのよ!」
「これ以上、お父様やお母様を失望させたいですか?大人しくも出来ないのですか!約束したでしょう!」
「っ」
黙ったところで、アイリーンはシシリーヌに告げた。
「大人しくしていてくだされば、陛下と王妃陛下に会えるようにお願いしてみます。守っていただけないのなら、叶いませんよ。よろしいですか?」
「…分かったわ」
一度、シシリーヌはゾル王国に二度と戻ることはないとしているために、勝手をされては困るが、自分の立場を理解させることもしなければならない。
実はそのことで両陛下はソアリスの案を渋ったが、王女として戻るわけではない、ただ年を重ねただけのシシリーヌという名前の女だという、ソアリスのとんでも屁理屈で説き伏せた。
まず明日、両陛下共にというのは難しいために、マリエンヌ王妃陛下がシシリーヌに会いに来ることになっている。
「お食事はお届けします、あとお風呂もメイドが介助いたしますので、従ってください。分かりましたね?」
「食事くらい一緒に」
「シシリーヌ様は、現在、ゾル王国にとって、招かざる者ですよ」
「っな」
「では、外を歩いてみますか?王家の裏切り者として、襲われる可能性だって高いのですよ?メイドの指示に従い、大人しくしてください」
「わ、分かったわ」
アイリーン、マイノス、エクシアーヌは、別邸にシシリーヌを残して、本日泊まる本邸に戻った。公爵や息子夫妻には何か起こるか分からないために、不在にして貰っていたので、ようやく3人となった。
「アイリーン様、ご迷惑をお掛けして申し訳ありません」
「母が申し訳ございません」
「いえ、引き受けたのは私ですから!むしろ、なぜ気付かなかったのか、元王族としても、臣下としても情けないことです」
不甲斐ないとアイリーンは、嘆いていた。
「母は変なところ?いえ、肝心なところと言った方がいいでしょうか。想像力が意外と豊かですから、ケイトに言わせるとアンテナが働いたようです」
「アンテナ?」
「ケイト曰く、母にはアンテナがあって、それが閃いたりするそうです。それを自分にも授けられていると言っているのです」
「あはは、さすがケイトね。あの子は本当に面白いわ。お父様とお母様が振り回されているけど、楽しいってよく手紙に書いてあるわ」
アイリーンは今でも両親と、こまめに手紙のやり取りをしている。
「はい、今も振り回していることでしょう」
「この前は、お父様は腰痛があるでしょう?それは運動不足だと言われたと、最近は一緒に運動していると書いてあったわ」
「ああ…でも実は理にかなっているようですよ。少し軽くなったと」
「まあ、素晴らしいじゃない」
すぐにイタタタと腰痛を訴えるロランに、ケイトはピシャリと言い切り、末孫に言われてはやらねばと、柔軟体操などを行うようになった。
「アイリーン様、姉は使用人の方に辛く当たっていないでしょうか?」
「伝えるのを忘れていたわ、別邸の使用人、護衛はマリエンヌ王妃陛下の実家から、厳しい方々が派遣されているの」
マリエンヌはガルヴェート公爵家の別邸を使うと決めた際に、実家に使用人と警備の派遣を頼んでいた。現在はマリエンヌの弟が継いでいるが、姉思いで、迷惑を掛けたシシリーヌに怒り、任せて欲しいとすぐさま派遣することが決まったそうだ。
「そうだったのですか」
エクシアーヌにとっても、叔父であり、祖父母の家である。
「ええ、マリエンヌ王妃陛下を想ってらっしゃる方で固められていますから、心配は無用ですわ。何を言われても、大丈夫ですからと逞しい方々でしたもの」
「まあ、それは心強いです」
エクシアーヌはソアリスが言い出したこととはいえ、自分の姉の情けない様に迷惑を掛けることが心苦しかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
本日もお読みいただきありがとうございます。
お気に入りが急に増えまして、嬉しいなと思っていたのですが、
『小説 年間アクセスランキング2024』の1位になっていたのですね!
知らずに開いてビックリ停止しました。
本当に読者の皆様のおかげです。ありがとうございます。
お礼になるかは分かりませんが、
本日は17時にもう1話、久し振りに投稿いたします。
このところ忙しくて、1日1話が限界だったのですが、
落ち着きつつありますので、
可能な限り、他の作品でも書けたらいいなと思っています。
いつも私の拙い文章をお読みいただき、感謝しかありません。
これからも、どうぞよろしくお願いいたします。
「どうしてあなたにそんなことを言われないといけないのよ!」
「これ以上、お父様やお母様を失望させたいですか?大人しくも出来ないのですか!約束したでしょう!」
「っ」
黙ったところで、アイリーンはシシリーヌに告げた。
「大人しくしていてくだされば、陛下と王妃陛下に会えるようにお願いしてみます。守っていただけないのなら、叶いませんよ。よろしいですか?」
「…分かったわ」
一度、シシリーヌはゾル王国に二度と戻ることはないとしているために、勝手をされては困るが、自分の立場を理解させることもしなければならない。
実はそのことで両陛下はソアリスの案を渋ったが、王女として戻るわけではない、ただ年を重ねただけのシシリーヌという名前の女だという、ソアリスのとんでも屁理屈で説き伏せた。
まず明日、両陛下共にというのは難しいために、マリエンヌ王妃陛下がシシリーヌに会いに来ることになっている。
「お食事はお届けします、あとお風呂もメイドが介助いたしますので、従ってください。分かりましたね?」
「食事くらい一緒に」
「シシリーヌ様は、現在、ゾル王国にとって、招かざる者ですよ」
「っな」
「では、外を歩いてみますか?王家の裏切り者として、襲われる可能性だって高いのですよ?メイドの指示に従い、大人しくしてください」
「わ、分かったわ」
アイリーン、マイノス、エクシアーヌは、別邸にシシリーヌを残して、本日泊まる本邸に戻った。公爵や息子夫妻には何か起こるか分からないために、不在にして貰っていたので、ようやく3人となった。
「アイリーン様、ご迷惑をお掛けして申し訳ありません」
「母が申し訳ございません」
「いえ、引き受けたのは私ですから!むしろ、なぜ気付かなかったのか、元王族としても、臣下としても情けないことです」
不甲斐ないとアイリーンは、嘆いていた。
「母は変なところ?いえ、肝心なところと言った方がいいでしょうか。想像力が意外と豊かですから、ケイトに言わせるとアンテナが働いたようです」
「アンテナ?」
「ケイト曰く、母にはアンテナがあって、それが閃いたりするそうです。それを自分にも授けられていると言っているのです」
「あはは、さすがケイトね。あの子は本当に面白いわ。お父様とお母様が振り回されているけど、楽しいってよく手紙に書いてあるわ」
アイリーンは今でも両親と、こまめに手紙のやり取りをしている。
「はい、今も振り回していることでしょう」
「この前は、お父様は腰痛があるでしょう?それは運動不足だと言われたと、最近は一緒に運動していると書いてあったわ」
「ああ…でも実は理にかなっているようですよ。少し軽くなったと」
「まあ、素晴らしいじゃない」
すぐにイタタタと腰痛を訴えるロランに、ケイトはピシャリと言い切り、末孫に言われてはやらねばと、柔軟体操などを行うようになった。
「アイリーン様、姉は使用人の方に辛く当たっていないでしょうか?」
「伝えるのを忘れていたわ、別邸の使用人、護衛はマリエンヌ王妃陛下の実家から、厳しい方々が派遣されているの」
マリエンヌはガルヴェート公爵家の別邸を使うと決めた際に、実家に使用人と警備の派遣を頼んでいた。現在はマリエンヌの弟が継いでいるが、姉思いで、迷惑を掛けたシシリーヌに怒り、任せて欲しいとすぐさま派遣することが決まったそうだ。
「そうだったのですか」
エクシアーヌにとっても、叔父であり、祖父母の家である。
「ええ、マリエンヌ王妃陛下を想ってらっしゃる方で固められていますから、心配は無用ですわ。何を言われても、大丈夫ですからと逞しい方々でしたもの」
「まあ、それは心強いです」
エクシアーヌはソアリスが言い出したこととはいえ、自分の姉の情けない様に迷惑を掛けることが心苦しかった。
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本日もお読みいただきありがとうございます。
お気に入りが急に増えまして、嬉しいなと思っていたのですが、
『小説 年間アクセスランキング2024』の1位になっていたのですね!
知らずに開いてビックリ停止しました。
本当に読者の皆様のおかげです。ありがとうございます。
お礼になるかは分かりませんが、
本日は17時にもう1話、久し振りに投稿いたします。
このところ忙しくて、1日1話が限界だったのですが、
落ち着きつつありますので、
可能な限り、他の作品でも書けたらいいなと思っています。
いつも私の拙い文章をお読みいただき、感謝しかありません。
これからも、どうぞよろしくお願いいたします。
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