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ロンド王国王妃3
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「申し訳ございません」
「謝って欲しいのではないのです。理由が分からないのです。それとも、建前だから察しろということでしょうか?」
「いえ、私は本当に側妃の娘だからとは思っておりません」
だから、それが理解が出来ないと言っているのに、どうして伝わらないのか。
「王妃陛下は、側妃様のせいで辛い思いをされているのです!側妃のいらっしゃらない、ソアリス王妃陛下に分かりません」
「クーナ!」
先程の侍女が、急に声を上げ、サブリナが叱りつけた。
「大変、申し訳ございません」
「ん?ちょっと待って頂戴」
ソアリスはそのまま真顔で停止し、静寂が訪れた。
無音が不安になる質の人間には、耐えられない空間が出来上がり、ソアリスが待ったを掛けた以上、話すことは許されない。
サブリナとクーナは、この時間を、後に自分が生きているのか、分からなかったと言い合ったという。
「ああ…側妃がいるから私より辛いと、なるほど…なるほど」
実際はソアリスは王妃になった時に、初めて側妃がいないことを知っている。
「申し訳ございません」
「いえ、構いませんわ。苦労されているのでしたら、側妃に責任を取らせればいいのにと思ってしまいますわ」
「それはそうなのですが…」
優しいのか、嫌がらせなのか、王妃としての矜持なのか分からないが、ソアリスに側妃などというおもちゃがあれば、今以上に悪い口が放たれていただろう。
「なぜ、来ないのかは、私の前に出せないということでしょうか?」
「…お恥ずかしい話ですが、その通りです。未だに令嬢のような気分で、王妃陛下の前に出せるような者ではありません」
「私より年上ですわよね?」
「はい…今年50歳になります」
ソアリスはこのどうにも中途半端なサブリナよりも、その側妃が来ていた方が、面白かったなとすら思っていた。
「ですが、陛下はその様子に癒されるようでして」
「50のばばあを?」
「え?」
時折、本当にソアリスが言ったのかなという言葉は感じていたが、サブリナは完全にばばあと言ったことを聞き逃せなかった。
「失礼しました、ポロっと本音が。聞かなかったことにしてくださいまし」
ソアリスは上品にふふっと笑い、サブリナを見つめた。
メディナとポーリアだけは、本音ではあるが、話の主導権を完全にこちらに持つために、わざとだなと理解していた。
「それで、話を戻しますが、フローラ王女は離縁されて身の程を知ったのではないのですか?」
「そう思っておりました、ですがこのような結果です」
「なぜ王女は、エスザール王国にいらしたのですか?」
「遊びに行っていただけです。一応、国王に許可を取り、滞在していたのですが、今となっては許可を出したことを、後悔しております」
ロンド王国もなかなかの王女を抱えていたのだと、ソアリスは思ったが、この優しさなのか、甘えなのかが招いているようにも感じた。
「男漁りをしているのは、さすがに見過ごせませんでしたから」
「男漁り…」
「男漁りの以外に例えようがありませんでした。男性の方だけに話し掛けたり、乳房を寄せたり」
「っ、申し訳ございません」
「乳房が彼女の売りなのでしょうけど、王女は売りにしてはなりませんでしょう?」
「はい」
国王は結婚はどうにもならなかったが、自分に似ているフローラ王女を溺愛とはまではいかないが、甘いところがある。
「あの夜会は婚約者がいる方や、結婚されている方だけだったのに、どうして男漁りが出来るのか不思議だったのですが、なぜでしたの?」
「知らなかったと本人は言っておりましたが、そのようなことは通用しません」
「でも、知らなかったから、あのようなドレスを選んだのかもしれませんわね」
男漁りには最適なドレスだと勘違いしている時点で、王女としては失格である。
「謝って欲しいのではないのです。理由が分からないのです。それとも、建前だから察しろということでしょうか?」
「いえ、私は本当に側妃の娘だからとは思っておりません」
だから、それが理解が出来ないと言っているのに、どうして伝わらないのか。
「王妃陛下は、側妃様のせいで辛い思いをされているのです!側妃のいらっしゃらない、ソアリス王妃陛下に分かりません」
「クーナ!」
先程の侍女が、急に声を上げ、サブリナが叱りつけた。
「大変、申し訳ございません」
「ん?ちょっと待って頂戴」
ソアリスはそのまま真顔で停止し、静寂が訪れた。
無音が不安になる質の人間には、耐えられない空間が出来上がり、ソアリスが待ったを掛けた以上、話すことは許されない。
サブリナとクーナは、この時間を、後に自分が生きているのか、分からなかったと言い合ったという。
「ああ…側妃がいるから私より辛いと、なるほど…なるほど」
実際はソアリスは王妃になった時に、初めて側妃がいないことを知っている。
「申し訳ございません」
「いえ、構いませんわ。苦労されているのでしたら、側妃に責任を取らせればいいのにと思ってしまいますわ」
「それはそうなのですが…」
優しいのか、嫌がらせなのか、王妃としての矜持なのか分からないが、ソアリスに側妃などというおもちゃがあれば、今以上に悪い口が放たれていただろう。
「なぜ、来ないのかは、私の前に出せないということでしょうか?」
「…お恥ずかしい話ですが、その通りです。未だに令嬢のような気分で、王妃陛下の前に出せるような者ではありません」
「私より年上ですわよね?」
「はい…今年50歳になります」
ソアリスはこのどうにも中途半端なサブリナよりも、その側妃が来ていた方が、面白かったなとすら思っていた。
「ですが、陛下はその様子に癒されるようでして」
「50のばばあを?」
「え?」
時折、本当にソアリスが言ったのかなという言葉は感じていたが、サブリナは完全にばばあと言ったことを聞き逃せなかった。
「失礼しました、ポロっと本音が。聞かなかったことにしてくださいまし」
ソアリスは上品にふふっと笑い、サブリナを見つめた。
メディナとポーリアだけは、本音ではあるが、話の主導権を完全にこちらに持つために、わざとだなと理解していた。
「それで、話を戻しますが、フローラ王女は離縁されて身の程を知ったのではないのですか?」
「そう思っておりました、ですがこのような結果です」
「なぜ王女は、エスザール王国にいらしたのですか?」
「遊びに行っていただけです。一応、国王に許可を取り、滞在していたのですが、今となっては許可を出したことを、後悔しております」
ロンド王国もなかなかの王女を抱えていたのだと、ソアリスは思ったが、この優しさなのか、甘えなのかが招いているようにも感じた。
「男漁りをしているのは、さすがに見過ごせませんでしたから」
「男漁り…」
「男漁りの以外に例えようがありませんでした。男性の方だけに話し掛けたり、乳房を寄せたり」
「っ、申し訳ございません」
「乳房が彼女の売りなのでしょうけど、王女は売りにしてはなりませんでしょう?」
「はい」
国王は結婚はどうにもならなかったが、自分に似ているフローラ王女を溺愛とはまではいかないが、甘いところがある。
「あの夜会は婚約者がいる方や、結婚されている方だけだったのに、どうして男漁りが出来るのか不思議だったのですが、なぜでしたの?」
「知らなかったと本人は言っておりましたが、そのようなことは通用しません」
「でも、知らなかったから、あのようなドレスを選んだのかもしれませんわね」
男漁りには最適なドレスだと勘違いしている時点で、王女としては失格である。
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