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ミレスゴート公爵家の夜会2
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「ソアリス王妃陛下、お会いしとうございました。キャロラインがいつもお世話になっております」
ミアンナは他の招待客と同じような態度ではあるが、表情が隠し切れないほどの喜びに満ちていた。
「ソアリスで結構よ。こちらこそ、キャロラインにいつも感謝しているわ、ミフルのことも頼まれてくれてありがとう」
「はい、ソアリス様。勿体ないお言葉でございます。こちらが夫のディラードでございます」
「ディラード・ミレスゴートでございます」
ミアンナは大きな夫を紹介し、ソアリスは自己紹介を待ってから、注意を入れた。
「頭は下げないでね、ごきげんよう。目立ってしまうから」
公爵が頭を下げる人間は限られる。ミフルの結婚式の際は、ディラードとは顔を合わせただけで、しっかり挨拶は出来ていなかった。
「は!承知しました」
頭を下げようと思っていたディラードは背筋を伸ばし、ミアンナにもうと言われながら、肘で小突かれている。
「食事やお酒はいかがでしょうか?」
「はい、とても気に入りまして、食べ過ぎてしまったわ。ねえ、キャロライン」
「はい、沢山頂きました」
「それはようございました」
ソアリスはディラードは彫の深い顔で、背は高いが、とても話し方の穏やかな男性だと感じていた。
「もう少ししたら、私も混ぜていただいてもよろしいですか?」
「勿論ですわ」
「ありがとうございます。頑張って参ります」
「ええ、頑張って」
「はい!」
再び、ミレスゴート公爵夫妻は夜会の中心に戻って行った。
「最後の返事の仕方はキャロラインにそっくりだったわね、似ていたのね」
「そうですか?」
「キャロラインの残像が見えたわ」
「ええ!声や顔立ちは似ていると言われていたのですが」
「キャロラインの返事と同じだったわ、ふふっ」
キャロラインは初めて言われたことで、何だか嬉しくなってしまった。
「この年で、何だか嬉しいです。ありがとうございます」
ソアリスは自身の姉のろくでもない過去を思い出し、お互いが尊敬が出来る姉妹を、微笑ましく感じていた。
しばらくすると、ミアンナが再び満面の笑みで戻って来た。
「何か食べられますか?」
「よろしいですか」
「ええ、美味しいのだから、主催者も頂かないとね」
「ありがとうございます」
メイドが用意をして、ミアンナも食べ始めた。ソアリスとキャロラインも、相変わらず食べており、これがとても美味しかったと感想を伝えながら、談笑した。
「素敵な邸ですわね、とても好みですわ」
ミレスゴート邸は、古くはあるが、大事に手入れされていることが分かる邸であった。応接室の家具も、古いものと新しいものが上手く融合していると感じた。
「ありがとうございます」
「時間があったら、帰る前にもう一度、キャロラインと寄らせて貰ってもいいかしら?」
「勿論でございます」
お忍びということで、参加は出来たが、時間は限られていた。それでも、ソアリスは美味しい料理にお酒に、とても満足していた。
そんな話をしていると、ソアリスには聞き捨てならない言葉が聞こえた。
「王女なのよ!」
声のする方を見ると、華美に着飾った若い女性がいた。
「あれって?」
「フローラ王女殿下です。招待はしていないのですが、キズラー侯爵に無理を言って連れて来て貰ったようで…大人しくしていると言う約束で、追い返すわけにもいかず、入れたのですが…申し訳ございません」
「ロンド王国の?」
「はい」
「ミアンナのせいではないわ。確か出戻った側妃の娘だったわよね?」
「はい、その通りでございます」
ロンド王国は王妃が息子を二人産んだが、その際にもう次の子は望めないとされたことで、側妃が娶られて、フローラ王女が一人生まれている。
正直、側妃は要らなかったのではというのが、概ねの意見である。
ミアンナは他の招待客と同じような態度ではあるが、表情が隠し切れないほどの喜びに満ちていた。
「ソアリスで結構よ。こちらこそ、キャロラインにいつも感謝しているわ、ミフルのことも頼まれてくれてありがとう」
「はい、ソアリス様。勿体ないお言葉でございます。こちらが夫のディラードでございます」
「ディラード・ミレスゴートでございます」
ミアンナは大きな夫を紹介し、ソアリスは自己紹介を待ってから、注意を入れた。
「頭は下げないでね、ごきげんよう。目立ってしまうから」
公爵が頭を下げる人間は限られる。ミフルの結婚式の際は、ディラードとは顔を合わせただけで、しっかり挨拶は出来ていなかった。
「は!承知しました」
頭を下げようと思っていたディラードは背筋を伸ばし、ミアンナにもうと言われながら、肘で小突かれている。
「食事やお酒はいかがでしょうか?」
「はい、とても気に入りまして、食べ過ぎてしまったわ。ねえ、キャロライン」
「はい、沢山頂きました」
「それはようございました」
ソアリスはディラードは彫の深い顔で、背は高いが、とても話し方の穏やかな男性だと感じていた。
「もう少ししたら、私も混ぜていただいてもよろしいですか?」
「勿論ですわ」
「ありがとうございます。頑張って参ります」
「ええ、頑張って」
「はい!」
再び、ミレスゴート公爵夫妻は夜会の中心に戻って行った。
「最後の返事の仕方はキャロラインにそっくりだったわね、似ていたのね」
「そうですか?」
「キャロラインの残像が見えたわ」
「ええ!声や顔立ちは似ていると言われていたのですが」
「キャロラインの返事と同じだったわ、ふふっ」
キャロラインは初めて言われたことで、何だか嬉しくなってしまった。
「この年で、何だか嬉しいです。ありがとうございます」
ソアリスは自身の姉のろくでもない過去を思い出し、お互いが尊敬が出来る姉妹を、微笑ましく感じていた。
しばらくすると、ミアンナが再び満面の笑みで戻って来た。
「何か食べられますか?」
「よろしいですか」
「ええ、美味しいのだから、主催者も頂かないとね」
「ありがとうございます」
メイドが用意をして、ミアンナも食べ始めた。ソアリスとキャロラインも、相変わらず食べており、これがとても美味しかったと感想を伝えながら、談笑した。
「素敵な邸ですわね、とても好みですわ」
ミレスゴート邸は、古くはあるが、大事に手入れされていることが分かる邸であった。応接室の家具も、古いものと新しいものが上手く融合していると感じた。
「ありがとうございます」
「時間があったら、帰る前にもう一度、キャロラインと寄らせて貰ってもいいかしら?」
「勿論でございます」
お忍びということで、参加は出来たが、時間は限られていた。それでも、ソアリスは美味しい料理にお酒に、とても満足していた。
そんな話をしていると、ソアリスには聞き捨てならない言葉が聞こえた。
「王女なのよ!」
声のする方を見ると、華美に着飾った若い女性がいた。
「あれって?」
「フローラ王女殿下です。招待はしていないのですが、キズラー侯爵に無理を言って連れて来て貰ったようで…大人しくしていると言う約束で、追い返すわけにもいかず、入れたのですが…申し訳ございません」
「ロンド王国の?」
「はい」
「ミアンナのせいではないわ。確か出戻った側妃の娘だったわよね?」
「はい、その通りでございます」
ロンド王国は王妃が息子を二人産んだが、その際にもう次の子は望めないとされたことで、側妃が娶られて、フローラ王女が一人生まれている。
正直、側妃は要らなかったのではというのが、概ねの意見である。
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