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騎士団へ2
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「キャロライン夫人、義母上はいつもやられておるのか?」
「はい、ソアリス様は体を動かすのがお好きございますので、余程のことがない限りは、ほぼ毎日でございます」
「毎日?」
公務が立て込んでいたり、妊娠中以外は何らかの運動をしている。
「太らないためとストレス発散ですわ」
話の聞こえたソアリスが、グレイに答えた。
「いや、実に健康的です」
「いちゅもはね、あのくそだいじんめぇ~っていっちぇます」
「こら、バラさないで」
「ああ…それは分かる気がします」
キャロラインはもっと酷いことを言っているが、その程度で良かったとすら思っていたが、ケイトの言葉で一変し始める。
「ちょれで、ぶんぶんしゅぶりをするのでしゅよ。にゃにがおうひさまにはわかりませんかにぇ~だと、わかりゃねぇのはおめえのこんきょのないじしんだよぉ!」
「ケイト…よく覚えているわね」
言った覚えのある言葉、聞いたことのある言葉に、キャロラインは焦ったが、ソアリスは不味いよりも、よく覚えているなと思っていた。
「ちょっとまちがえてちまっただけで?わざと、わざとだろうがよぉ」
「さすがに、不味いわ。もういいわ」
「かえりにうまにあちでもふまれてちまえ」
「ケイト…」
「ふふっ」
側近たちも顔を背けて、笑っている。
「言いたい気持ちはよく分かります」
「聞かなかったことにしてくださいませ。おかしな貴族や商人がたまにおりますの、ほほほ」
そんな話をしていたが、実はこっそりと国王夫妻と、王太子夫妻が素振りと屈伸運動を見に来ていた。
「な?本当だろう?」
「凄いわ、騎士を目指していたわけではないよね?」
クート国王と、エバー王妃はその様子を遠くから食い入るように見ていた。
「ああ、そのようなことは聞いたことがない」
「ケイトまで…まあ、立派だわ」
「ああ、それでもやっぱり愛らしい」
ケイトがやあ、やあと頑張っている姿がクートは可愛らしくて堪らない。
「まあ、本当に肩車を…しかも、足を曲げて…」
「あれは結構しんどいと思うぞ?」
「だからこそ、肩車も出来るのでしょう」
「そうだな」
そして、別の場所から見ていたトリー王太子と、カシア王太子妃。
「何と…ブレておらぬ、綺麗な筋だな」
「振るだけでも大変なのですよね?」
「ああ、鍛えてらっしゃる証拠だろうな」
トリー王太子も鍛えてはいるが、公務も多いために昔ほど鍛えてはいない。
「そこまで年は変わらないのに、私には無理ですわ」
「いや、多くの夫人が無理だろう」
「まあ!肩車を…」
「しかも、あの状態で屈伸を?私も何度も出来るかは分からないぞ…」
「上半身を鍛え、下半身を鍛えているのですね。素晴らしいわ」
いくらコルセットがあるとはいえ、昔より太りやすくなってしまったことを気にしていたカシアは、ソアリスの体形が変わっていないことに、体質だとか運がいいとかではなく、努力をされているからだと実感した。
「王妃陛下はコルセットを付けていないのではないかしら?」
「そうかもしれないな」
「私も食事を減らすのではなく、やれることをやってみますわ」
「そうだな」
ひっそりとこちらでも、士気を高め、奮起したのである。
そして、大丈夫だったかと思っていたミフルに、グレイが戻って、素振りに肩車屈伸で、満足をしていたよと報告をした。
「義母上は凄い方だね」
「規格外ですから…でも、幼い頃は気付かないんですよ。ケイトは気付いているかもしれませんが」
「気付かない?」
「私にとって、あの母親は普通なのです。でも、普通ではないでしょう?」
「あ、ああ…」
そんなことないよとは、さすがに言えないグレイであった。
「齟齬が出ることになるわけですよ」
「ああ…」
「幼い頃にユリウス兄様が、どうしてなのかと、お父様に聞いたそうなんですが、ソアリスは王太子妃だから特別なんだなんて、誤魔化したそうですけど…時期に気付くことになるのです」
確かにグレイも母であるカシア王太子妃が、素振りも、肩車をしているところはおろか、運動をしているところを見たことがない。
「カイルスが今、その辺りかしら?でもあの子はお母様が大好きですから、関係ないかもしれませんけど、ふふっ」
ミフルの勘は当たっており、カイルスはあまり気にしていない。
「はい、ソアリス様は体を動かすのがお好きございますので、余程のことがない限りは、ほぼ毎日でございます」
「毎日?」
公務が立て込んでいたり、妊娠中以外は何らかの運動をしている。
「太らないためとストレス発散ですわ」
話の聞こえたソアリスが、グレイに答えた。
「いや、実に健康的です」
「いちゅもはね、あのくそだいじんめぇ~っていっちぇます」
「こら、バラさないで」
「ああ…それは分かる気がします」
キャロラインはもっと酷いことを言っているが、その程度で良かったとすら思っていたが、ケイトの言葉で一変し始める。
「ちょれで、ぶんぶんしゅぶりをするのでしゅよ。にゃにがおうひさまにはわかりませんかにぇ~だと、わかりゃねぇのはおめえのこんきょのないじしんだよぉ!」
「ケイト…よく覚えているわね」
言った覚えのある言葉、聞いたことのある言葉に、キャロラインは焦ったが、ソアリスは不味いよりも、よく覚えているなと思っていた。
「ちょっとまちがえてちまっただけで?わざと、わざとだろうがよぉ」
「さすがに、不味いわ。もういいわ」
「かえりにうまにあちでもふまれてちまえ」
「ケイト…」
「ふふっ」
側近たちも顔を背けて、笑っている。
「言いたい気持ちはよく分かります」
「聞かなかったことにしてくださいませ。おかしな貴族や商人がたまにおりますの、ほほほ」
そんな話をしていたが、実はこっそりと国王夫妻と、王太子夫妻が素振りと屈伸運動を見に来ていた。
「な?本当だろう?」
「凄いわ、騎士を目指していたわけではないよね?」
クート国王と、エバー王妃はその様子を遠くから食い入るように見ていた。
「ああ、そのようなことは聞いたことがない」
「ケイトまで…まあ、立派だわ」
「ああ、それでもやっぱり愛らしい」
ケイトがやあ、やあと頑張っている姿がクートは可愛らしくて堪らない。
「まあ、本当に肩車を…しかも、足を曲げて…」
「あれは結構しんどいと思うぞ?」
「だからこそ、肩車も出来るのでしょう」
「そうだな」
そして、別の場所から見ていたトリー王太子と、カシア王太子妃。
「何と…ブレておらぬ、綺麗な筋だな」
「振るだけでも大変なのですよね?」
「ああ、鍛えてらっしゃる証拠だろうな」
トリー王太子も鍛えてはいるが、公務も多いために昔ほど鍛えてはいない。
「そこまで年は変わらないのに、私には無理ですわ」
「いや、多くの夫人が無理だろう」
「まあ!肩車を…」
「しかも、あの状態で屈伸を?私も何度も出来るかは分からないぞ…」
「上半身を鍛え、下半身を鍛えているのですね。素晴らしいわ」
いくらコルセットがあるとはいえ、昔より太りやすくなってしまったことを気にしていたカシアは、ソアリスの体形が変わっていないことに、体質だとか運がいいとかではなく、努力をされているからだと実感した。
「王妃陛下はコルセットを付けていないのではないかしら?」
「そうかもしれないな」
「私も食事を減らすのではなく、やれることをやってみますわ」
「そうだな」
ひっそりとこちらでも、士気を高め、奮起したのである。
そして、大丈夫だったかと思っていたミフルに、グレイが戻って、素振りに肩車屈伸で、満足をしていたよと報告をした。
「義母上は凄い方だね」
「規格外ですから…でも、幼い頃は気付かないんですよ。ケイトは気付いているかもしれませんが」
「気付かない?」
「私にとって、あの母親は普通なのです。でも、普通ではないでしょう?」
「あ、ああ…」
そんなことないよとは、さすがに言えないグレイであった。
「齟齬が出ることになるわけですよ」
「ああ…」
「幼い頃にユリウス兄様が、どうしてなのかと、お父様に聞いたそうなんですが、ソアリスは王太子妃だから特別なんだなんて、誤魔化したそうですけど…時期に気付くことになるのです」
確かにグレイも母であるカシア王太子妃が、素振りも、肩車をしているところはおろか、運動をしているところを見たことがない。
「カイルスが今、その辺りかしら?でもあの子はお母様が大好きですから、関係ないかもしれませんけど、ふふっ」
ミフルの勘は当たっており、カイルスはあまり気にしていない。
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