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仁義なき対決15
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「あの子は自分に婚約者がいたのにも関わらず、私の夫、当時は婚約者でしたが、自分の方が魅力的であると勘違いをして言い寄り、夫に顔を見せるなと言わせるほど嫌われて、自身の婚約者にも解消された人間ですよ?」
「…そんなこと聞いていないわ、ファーリン様は優秀だとおっしゃっていたわ」
ファーリンもララシャと同じで、出来ないとは言いたくない質であるために、見栄を張っていたに過ぎない。
「母が何を思って優秀だと言ったのかは知りませんが、学園での成績はよくありませんでした」
「じゃあ、私は騙されたのよ!ね?そうでしょう?」
ララシャはソアリスではなく、まだオードエル公爵に問うているが、目を向けることはない。
「普通、王家の側妃にしようという者なら、調べるはずよ?そのくらいの責任が必要なの。どうせ、あなたは鵜呑みみにしただけでしょう?皆、あなたのようには普通、騙されないわよ?やっと、馬鹿だと認める?」
「私は友人を信用しただけよ!」
「それが愚かだと言っているの!馬鹿だと認めるか、公爵家の人間だというのならば、そのくらいしなさいよ!」
「私は、友人を信じて、騙されただけよ…私は悪くないわ」
ララシャは鼻を啜り、悲しげな表情を作ったが、誰も心配する者はいない。
「はあ…もう選択肢なんてないんだよ!」
「領地で一人で働くなんて…私には、無理よ…」
このままでは本当に領地に行かされると悟ったララシャは、無理だと訴えることにした。離れて座っている両親にも、助け船を出して欲しいと目で訴えてみたが、ララシャの方など一切見ていない。
「だったら、王都で住み込みで働くか?人の目があって、無理だろう?都合のいいように公爵家の人間がと、言うのだろう?」
ソアリスに代わって、サイラスが訊ねた。
「当たり前じゃない」
「だから、領地で働いて暮らせと言っているんだ!そもそも、お前の持参金は全て慰謝料になったんだ、使えるお金など本当はないんだよ!」
ララシャに使うべきお金は、持参金ですべて支払っていた。その後も増やすようなことがあれば、別だっただろうが、ララシャは何もせずにいただけであった。
持参金だけで済んで、良かったというべきだろう。
「っな、どうしてよ…」
「はあ…あれだけのことを仕出かして、離縁だけで済むはずないだろう!何度も言わせるな!本来ならお前が支払うべきだっただろうが、免除してくれたんだ」
「当たり前じゃない!」
「何が当たり前だ?」
「リベルが」
「リベル殿下だ、お前にはもうそんな風に呼ぶ資格はない!いい加減にしてくれ」
サイラスは嫌悪感を隠しもせず、ピシャリと言い切った。
「でもエミアンローズの母親なのよ、縁が切れるなんてことはないわ」
「はあ…お前はエミアンローズ殿下が、お前のせいで、今後厳しい道になると分かっていて、言っているんだよな?お前が母親だからと言われることも、分かっているんだよな?」
話にならないと思っていた妹であったが、そもそも理解が出来ていないのならば、話が通じる相手ではなかったのかと、心底情けなく思った。
「そんなこと…私は悪くないもの、あの子のためにしたことなのだから、分かってくれるわ。そうでしょう?」
「手紙さえ来ないのにか?」
「それはリベルが「リベル殿下だと何度言ったら分かる!本当に頭が悪いな!」」
「っっっ、お兄様はいつもそうやって」
「何だ?」
「お兄様は、もっと優しくしてくれたっていいじゃない!私は傷付いているの!それなのに、あれも駄目これも駄目だって」
ララシャは悲劇のヒロインであるために、サイラスも両親もどうして優しくしてくれないのか、優しくしてくれないことの方が間違っていると認識している。
「…そんなこと聞いていないわ、ファーリン様は優秀だとおっしゃっていたわ」
ファーリンもララシャと同じで、出来ないとは言いたくない質であるために、見栄を張っていたに過ぎない。
「母が何を思って優秀だと言ったのかは知りませんが、学園での成績はよくありませんでした」
「じゃあ、私は騙されたのよ!ね?そうでしょう?」
ララシャはソアリスではなく、まだオードエル公爵に問うているが、目を向けることはない。
「普通、王家の側妃にしようという者なら、調べるはずよ?そのくらいの責任が必要なの。どうせ、あなたは鵜呑みみにしただけでしょう?皆、あなたのようには普通、騙されないわよ?やっと、馬鹿だと認める?」
「私は友人を信用しただけよ!」
「それが愚かだと言っているの!馬鹿だと認めるか、公爵家の人間だというのならば、そのくらいしなさいよ!」
「私は、友人を信じて、騙されただけよ…私は悪くないわ」
ララシャは鼻を啜り、悲しげな表情を作ったが、誰も心配する者はいない。
「はあ…もう選択肢なんてないんだよ!」
「領地で一人で働くなんて…私には、無理よ…」
このままでは本当に領地に行かされると悟ったララシャは、無理だと訴えることにした。離れて座っている両親にも、助け船を出して欲しいと目で訴えてみたが、ララシャの方など一切見ていない。
「だったら、王都で住み込みで働くか?人の目があって、無理だろう?都合のいいように公爵家の人間がと、言うのだろう?」
ソアリスに代わって、サイラスが訊ねた。
「当たり前じゃない」
「だから、領地で働いて暮らせと言っているんだ!そもそも、お前の持参金は全て慰謝料になったんだ、使えるお金など本当はないんだよ!」
ララシャに使うべきお金は、持参金ですべて支払っていた。その後も増やすようなことがあれば、別だっただろうが、ララシャは何もせずにいただけであった。
持参金だけで済んで、良かったというべきだろう。
「っな、どうしてよ…」
「はあ…あれだけのことを仕出かして、離縁だけで済むはずないだろう!何度も言わせるな!本来ならお前が支払うべきだっただろうが、免除してくれたんだ」
「当たり前じゃない!」
「何が当たり前だ?」
「リベルが」
「リベル殿下だ、お前にはもうそんな風に呼ぶ資格はない!いい加減にしてくれ」
サイラスは嫌悪感を隠しもせず、ピシャリと言い切った。
「でもエミアンローズの母親なのよ、縁が切れるなんてことはないわ」
「はあ…お前はエミアンローズ殿下が、お前のせいで、今後厳しい道になると分かっていて、言っているんだよな?お前が母親だからと言われることも、分かっているんだよな?」
話にならないと思っていた妹であったが、そもそも理解が出来ていないのならば、話が通じる相手ではなかったのかと、心底情けなく思った。
「そんなこと…私は悪くないもの、あの子のためにしたことなのだから、分かってくれるわ。そうでしょう?」
「手紙さえ来ないのにか?」
「それはリベルが「リベル殿下だと何度言ったら分かる!本当に頭が悪いな!」」
「っっっ、お兄様はいつもそうやって」
「何だ?」
「お兄様は、もっと優しくしてくれたっていいじゃない!私は傷付いているの!それなのに、あれも駄目これも駄目だって」
ララシャは悲劇のヒロインであるために、サイラスも両親もどうして優しくしてくれないのか、優しくしてくれないことの方が間違っていると認識している。
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