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仁義なき対決2
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「皆さま、ようこそ、お越しくださいました」
「今日は、お邪魔いたしますわね」
さすがに二十年以上帰っていない実家に、戻って来たという感覚はない。
「オードエル公爵も、夫人も関わっており、同席したいということでしたので、ご一緒させていただいてよろしいかしら?」
「はい、どうぞよろしくお願いいたします」
「こちらこそ、ご迷惑をお掛けします」
オードエル公爵、ミクシワ伯爵を呼び出して、既に話はしている。
「マーニー夫人も、お邪魔いたします」
「よろしくお願いいたします」
ソアリスにとって義姉となるが、親しい間柄ではないため、王妃陛下と臣下である公爵夫人という立場でしかない。
「ろあんすらーこしゃく、おかしはよういしてあるかしら?」
ブレないケイトは今日も、絶好調である。そして、サイラスとはソアリスが復讐として、ぐりぐり攻撃の際に会い、紹介をされている。
ケイトは表にはまだほとんど出ることがないので、ペラペラ話す様に、ロアンスラー公爵邸の者は驚いたが、サイラスはやはりソアリスにそっくりだったなと思ったくらいである。
「ケイト、お菓子は少しだけって約束でしょう?」
「殿下、お菓子はございますが…」
ソアリスから昼食は要らない、菓子も沢山用意しなくていいと手紙に書いてあったが、ケイトのことだったのだろうかと、サイラスは思っていた。
だが、両親も執事も、ソアリスの好みが分からないので、お菓子は沢山用意してしまっているので、あるにはあるが、一体どういうことなのだろうか。
「まあ、ぜひいただきましょ」
「お兄様、山盛り出さないで頂戴。ぜ~んぶ、食べちゃうから」
「そうなのか?」
「そうなのよ、はち切れそうになっても、食べるのよ。恐ろしいんだから」
ケイトはお腹をポ~ンと叩いており、その姿にサイラスはソアリスが、同じことをしていたことを思い出していた。
その様子を後ろから悶える様に覗いていたのは、キリスとマルシャであった。可愛い、一番幼い孫が我が邸にいるだけでも、感動ものであった。
「お父様、お母様もお邪魔いたしますわね」
「王妃陛下、ようこそおいでくださいました」
「ようこそおいでくださいました」
二人はまるで別人かのように、ソアリスに遜り、鼻で笑いそうになった。
ソアリスたちは応接室に通され、ケイトと一緒に座り、後ろにメディナ、左横にオードエル公爵と後ろにミソラ、右横はサイラスとマーニーという布陣となった。
護衛は配置につき、キリスとマルシャは少し離れた場所に座っている。
そして、お茶と菓子が用意され、ソアリスはケイトの前に置かれたお菓子の量を確認していた。
「ちゅくないわ~」
サイラスとマーニー、運んできたメイドはその言葉にビクっとした。
「少ないですか」
「いえ、十分です!いつもより多いくらいだわ」
「もっとたべれますのよ」
「いいえ、これで十分です」
「ちょんな~せっちょ~な」
「駄目よ」
いつも付いている者も、ミソラもいつもの光景であり、オードエル公爵もこの前、見た時は驚いたが、今は微笑ましい目で見つめていた。
「昼食が食べられなくなるのではありませんか?」
「たべるのよ」
「お兄様、それは効果がないの。三食はきっちり食べるんだから」
「そ、そうなのか…」
サイラスは自身の子どもに話していたことから、言ってみたが、ケイトには意味がなかったようだ。
「ご褒美はあげるから、そういう約束でしょう?」
「ちょうだった!」
「ね?すぐなくなるんだから、ゆっくり食べるのよ?」
「はい!」
おいちと言いながら、少しずつ菓子を頬張るケイトのおかげで、これからララシャと対決をするとは思えないほど穏やかであった。
ソアリスとケイトの前に座るのは、ララシャとなる。
「誰か来ているの?」
その声と同時に、ようやく今日で最後の主役の登場となった。
「今日は、お邪魔いたしますわね」
さすがに二十年以上帰っていない実家に、戻って来たという感覚はない。
「オードエル公爵も、夫人も関わっており、同席したいということでしたので、ご一緒させていただいてよろしいかしら?」
「はい、どうぞよろしくお願いいたします」
「こちらこそ、ご迷惑をお掛けします」
オードエル公爵、ミクシワ伯爵を呼び出して、既に話はしている。
「マーニー夫人も、お邪魔いたします」
「よろしくお願いいたします」
ソアリスにとって義姉となるが、親しい間柄ではないため、王妃陛下と臣下である公爵夫人という立場でしかない。
「ろあんすらーこしゃく、おかしはよういしてあるかしら?」
ブレないケイトは今日も、絶好調である。そして、サイラスとはソアリスが復讐として、ぐりぐり攻撃の際に会い、紹介をされている。
ケイトは表にはまだほとんど出ることがないので、ペラペラ話す様に、ロアンスラー公爵邸の者は驚いたが、サイラスはやはりソアリスにそっくりだったなと思ったくらいである。
「ケイト、お菓子は少しだけって約束でしょう?」
「殿下、お菓子はございますが…」
ソアリスから昼食は要らない、菓子も沢山用意しなくていいと手紙に書いてあったが、ケイトのことだったのだろうかと、サイラスは思っていた。
だが、両親も執事も、ソアリスの好みが分からないので、お菓子は沢山用意してしまっているので、あるにはあるが、一体どういうことなのだろうか。
「まあ、ぜひいただきましょ」
「お兄様、山盛り出さないで頂戴。ぜ~んぶ、食べちゃうから」
「そうなのか?」
「そうなのよ、はち切れそうになっても、食べるのよ。恐ろしいんだから」
ケイトはお腹をポ~ンと叩いており、その姿にサイラスはソアリスが、同じことをしていたことを思い出していた。
その様子を後ろから悶える様に覗いていたのは、キリスとマルシャであった。可愛い、一番幼い孫が我が邸にいるだけでも、感動ものであった。
「お父様、お母様もお邪魔いたしますわね」
「王妃陛下、ようこそおいでくださいました」
「ようこそおいでくださいました」
二人はまるで別人かのように、ソアリスに遜り、鼻で笑いそうになった。
ソアリスたちは応接室に通され、ケイトと一緒に座り、後ろにメディナ、左横にオードエル公爵と後ろにミソラ、右横はサイラスとマーニーという布陣となった。
護衛は配置につき、キリスとマルシャは少し離れた場所に座っている。
そして、お茶と菓子が用意され、ソアリスはケイトの前に置かれたお菓子の量を確認していた。
「ちゅくないわ~」
サイラスとマーニー、運んできたメイドはその言葉にビクっとした。
「少ないですか」
「いえ、十分です!いつもより多いくらいだわ」
「もっとたべれますのよ」
「いいえ、これで十分です」
「ちょんな~せっちょ~な」
「駄目よ」
いつも付いている者も、ミソラもいつもの光景であり、オードエル公爵もこの前、見た時は驚いたが、今は微笑ましい目で見つめていた。
「昼食が食べられなくなるのではありませんか?」
「たべるのよ」
「お兄様、それは効果がないの。三食はきっちり食べるんだから」
「そ、そうなのか…」
サイラスは自身の子どもに話していたことから、言ってみたが、ケイトには意味がなかったようだ。
「ご褒美はあげるから、そういう約束でしょう?」
「ちょうだった!」
「ね?すぐなくなるんだから、ゆっくり食べるのよ?」
「はい!」
おいちと言いながら、少しずつ菓子を頬張るケイトのおかげで、これからララシャと対決をするとは思えないほど穏やかであった。
ソアリスとケイトの前に座るのは、ララシャとなる。
「誰か来ているの?」
その声と同時に、ようやく今日で最後の主役の登場となった。
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