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私が主役1
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「ファシリアから、バート伯爵家の夜会に誘われたの。だからドレスを新調したいの。商会を呼んでくださる?」
「は?」
どうせ誰にも誘われることはないと思っていたサイラスは、ドレスも含めて、二つ分驚くことになった。
「自分で払うなら、いくらも買えばいい」
「っな!どうして私が…」
「なぜ、私が払わなければならない?」
「私はロアンスラー公爵家の人間よ?」
権利があると言わんばかりだが、そんなものはないし、不良債権でしかない。
面倒を看ているのは、ソアリスへの罪滅ぼしと、迷惑を掛けないためであって、ララシャのためではない。
「はあ…置いてやっているだけでも感謝して貰いたいものだが?立場を弁えろ」
「な!ドレスは諦めるわ、どうせ今からでは間に合わないし」
夜会は二週間後で、オーダーメイドになると、今からでは間に合わない。それでも新しいドレスも欲しかったので、レディーメードも買っておこうと思ったのだ。
「買いたいなら働くんだな。生地の代金も、前より割り増しになるんじゃないか?」
「そんなわけないじゃない!馬鹿にして」
サイラスもララシャが自身は太っていないと思っていることを実感し、チクチク嫌味を言っている。
「出席者は確認したんだな?」
「当たり前でしょう」
確認などしていなかったが、その場しのぎで生きている、ララシャにはしていないということを認めることはない。
ララシャはから弾みな行動が、自分の首を絞めることになることを、痛い目に合うまで分からない、自身の立場を分かっていないと家族の意見は一致しており、ソアリスからもララシャの自己責任でいいと言われている。
ゆえに誘われたのならば、参加したければしたらいい。
そもそも、ピデム王国の王家から相応しくない行動をしたと発表されているのに、よくもノコノコと行けるものだとすら思う。
ローザ公爵家は現状、ソアリスのプラスと、ララシャのマイナスで、プラスマイナスゼロという状態である。
だが、オイエン侯爵夫人はともかく、バート伯爵夫人はどういった意図で誘ったのかというところだろう。
「ローザ公爵家に関する権限は、お前にはないこと。絶対にソアリスに王家に、迷惑を掛けるようなことをするなよ?何か問題を起こしたら、即日、修道院に行って貰うからな」
「それまだ言っているの?」
「言っているも何も、誓約書にサインしただろう?まさか読みもせず、サインするなど愚かではないだろう?」
「当たり前じゃない!」
ララシャは粗相するとでも思っているのか、私は王太子の婚約者で、王子妃だったのよ、そんなことするはずないじゃないと考えていた。
しかも、運悪く離縁されたのだから、優しくしてくれてもいいのに、どうしてそういった気遣いが出来ないのだろうかとサイラスに口には出さないが、非難するばかりだった。
そして、夜会の日となり、ララシャは今日はきっと私が中心になるだろうと、浮足立っていた。
ララシャ付きのメイドはいないので、マルシャにメイドを借りることになった。
「もっと美しさが際立つようにしなさい」
「やっぱり王家のメイドの方が上手ね」
「ああ、もうそんなに締めないで。そんなに締めなくても、私は美しいの、もう分かっていないんだから」
メイドは話す必要はないと言われているので、言われた通りに行うだけで、サイラスも文句を言っているのではないかと思い、顔を出すと案の定であった。
胴体は凹凸がなくなり、顔だけは小さいが、それでも限界まで肉を携えており、小さな鼻に、小さな口、痩せていた頃は気付かなかったが、華奢な体に合っていた顔だったようで、滑稽なことになっている。
「元が悪いんだから、どうにかなるはずないだろう」
肉のおかげで皴こそ少ないが、これで痩せようとすれば皺々になるだろう。
「は?」
どうせ誰にも誘われることはないと思っていたサイラスは、ドレスも含めて、二つ分驚くことになった。
「自分で払うなら、いくらも買えばいい」
「っな!どうして私が…」
「なぜ、私が払わなければならない?」
「私はロアンスラー公爵家の人間よ?」
権利があると言わんばかりだが、そんなものはないし、不良債権でしかない。
面倒を看ているのは、ソアリスへの罪滅ぼしと、迷惑を掛けないためであって、ララシャのためではない。
「はあ…置いてやっているだけでも感謝して貰いたいものだが?立場を弁えろ」
「な!ドレスは諦めるわ、どうせ今からでは間に合わないし」
夜会は二週間後で、オーダーメイドになると、今からでは間に合わない。それでも新しいドレスも欲しかったので、レディーメードも買っておこうと思ったのだ。
「買いたいなら働くんだな。生地の代金も、前より割り増しになるんじゃないか?」
「そんなわけないじゃない!馬鹿にして」
サイラスもララシャが自身は太っていないと思っていることを実感し、チクチク嫌味を言っている。
「出席者は確認したんだな?」
「当たり前でしょう」
確認などしていなかったが、その場しのぎで生きている、ララシャにはしていないということを認めることはない。
ララシャはから弾みな行動が、自分の首を絞めることになることを、痛い目に合うまで分からない、自身の立場を分かっていないと家族の意見は一致しており、ソアリスからもララシャの自己責任でいいと言われている。
ゆえに誘われたのならば、参加したければしたらいい。
そもそも、ピデム王国の王家から相応しくない行動をしたと発表されているのに、よくもノコノコと行けるものだとすら思う。
ローザ公爵家は現状、ソアリスのプラスと、ララシャのマイナスで、プラスマイナスゼロという状態である。
だが、オイエン侯爵夫人はともかく、バート伯爵夫人はどういった意図で誘ったのかというところだろう。
「ローザ公爵家に関する権限は、お前にはないこと。絶対にソアリスに王家に、迷惑を掛けるようなことをするなよ?何か問題を起こしたら、即日、修道院に行って貰うからな」
「それまだ言っているの?」
「言っているも何も、誓約書にサインしただろう?まさか読みもせず、サインするなど愚かではないだろう?」
「当たり前じゃない!」
ララシャは粗相するとでも思っているのか、私は王太子の婚約者で、王子妃だったのよ、そんなことするはずないじゃないと考えていた。
しかも、運悪く離縁されたのだから、優しくしてくれてもいいのに、どうしてそういった気遣いが出来ないのだろうかとサイラスに口には出さないが、非難するばかりだった。
そして、夜会の日となり、ララシャは今日はきっと私が中心になるだろうと、浮足立っていた。
ララシャ付きのメイドはいないので、マルシャにメイドを借りることになった。
「もっと美しさが際立つようにしなさい」
「やっぱり王家のメイドの方が上手ね」
「ああ、もうそんなに締めないで。そんなに締めなくても、私は美しいの、もう分かっていないんだから」
メイドは話す必要はないと言われているので、言われた通りに行うだけで、サイラスも文句を言っているのではないかと思い、顔を出すと案の定であった。
胴体は凹凸がなくなり、顔だけは小さいが、それでも限界まで肉を携えており、小さな鼻に、小さな口、痩せていた頃は気付かなかったが、華奢な体に合っていた顔だったようで、滑稽なことになっている。
「元が悪いんだから、どうにかなるはずないだろう」
肉のおかげで皴こそ少ないが、これで痩せようとすれば皺々になるだろう。
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