私のバラ色ではない人生

野村にれ

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身勝手

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 戻っているのか分からなかったが、すぐにでも押し掛けたかったが、オイエン侯爵に様子が分かるまで、関わるなと止められて、行動に移せなかった。

 だが、ミリンティーの婚約者を頼んだ矢先で、茶会でも王子殿下とは今でも仲が良く、とても愛されていると話していたはずだ。

 しかもピデム王国からの発表で、王族として相応しくない行動を取ったとされており、ピデム王国での縁談など紹介が出来るのだろうか。

 夫の目に盗み、先触れもなく、ロアンスラー公爵家に押し掛けた。

 執事はロアンスラー公爵に確認すると言ったが、ララシャがローティーに気付いてしまい、話をさせることにした。

「ララシャ様どういうことなのですかぁ?」
「ローティー…」

 すっかり同じような体形になった二人。ローティーも驚きはしたが、常に自分より高い立場にいるララシャには太りましたねとは言えなかった。

 ララシャは小顔のままなので、ソアリスに言わせれば同じ種類の仲間のようなものだろう。

「何があったのですぅ?」

 ララシャはほら心配してくれる友人がいると思っているだろうが、ローティーが心配しているのはミリンティーの婚約の件である。

「不幸なことが重なって、離縁ということになってしまったのよ。リベルはまだ私を愛しているのに、引き裂かれてしまったの」
「まあ!そんなぁ…」
「王族として相応しくない行動を取ったというのは、どういうとなのですかぁ?」

 ララシャは得意のおちょぼ口をして見せていたが、動揺していた。

「そう発表されているの?」
「はい、発表されてらっしゃいますよぉ」

 ララシャは離縁が発表されることは知っていたが、いつなのかは知らされず、そんな理由になっているとは思わなかった。

「…あの、意見したことが、気に入らなかったみたいなの。そう、私って他国の人間でしょう?だから、母国の方がお気に召さなかったのよ」
「え…そんなことがあるんですかぁ」
「そうなのよ、エミアンも帰ってしまったのよ!私の娘なのに」
「そんなぁ!無理矢理ですのぉ?」

 ローティーは素直に娘と離れ離れになったララシャを思い、悲しんだ。

「そうなの。だから、ピデム王国で娘さんのお相手は止めて置いた方がいいわ」
「あ…そうですかぁ、そうですよねぇ。でも、残念ですわぁ」

 ミリンティーにも話してしまっており、ララシャが離縁されたことで、もう無理じゃないと、ほとんど部屋から出て来なくなってしまっている。

「ソアリスに頼んだらいいんじゃないの?」
「え?王妃陛下ですかぁ?」
「ええ、ソアリスの紹介なら相手も断れないんじゃないかしら?」

 相手に断られる前提であることが失礼なのだが、ローティーの娘なら同じような感じだろうと思っており、下に見る発言をしている。

 自分も同じなのだが、そうは思っていない。

「手紙を書いてみなさいよ。私もソアリスに助言しておくわ」
「良いんですかぁ」
「勿論よ、姉なんだから」

 何も知らないローティーは嬉しそうに帰って行った。

 ララシャは家族にただ関わらないようにされているだけだが、離婚の発表を耳に入れないようにしてくれていたのだと、やはり家族は私に優しいと勘違いしていた。

 だからきっとソアリスもそろそろ、役に立つべきだろう。

 だって私は娘のためにやったことなのに、大袈裟に騒がれて、リベルも離縁せざる得なかったのだから、いずれ迎えが来るとしても、それまでは王妃の姉として、優遇されないといけない。

 茶会やパーティーは、お母様は行けるわけがないと言ったが、直後に参加していたら、質問責めに遭ってしまうからだろう。

 もう少し我慢してから、華々しく復帰しようと、そう思うと楽しくなって来た。おかげでローティーのことはすっかり忘れてしまっていた。
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