186 / 401
身勝手
しおりを挟む
戻っているのか分からなかったが、すぐにでも押し掛けたかったが、オイエン侯爵に様子が分かるまで、関わるなと止められて、行動に移せなかった。
だが、ミリンティーの婚約者を頼んだ矢先で、茶会でも王子殿下とは今でも仲が良く、とても愛されていると話していたはずだ。
しかもピデム王国からの発表で、王族として相応しくない行動を取ったとされており、ピデム王国での縁談など紹介が出来るのだろうか。
夫の目に盗み、先触れもなく、ロアンスラー公爵家に押し掛けた。
執事はロアンスラー公爵に確認すると言ったが、ララシャがローティーに気付いてしまい、話をさせることにした。
「ララシャ様どういうことなのですかぁ?」
「ローティー…」
すっかり同じような体形になった二人。ローティーも驚きはしたが、常に自分より高い立場にいるララシャには太りましたねとは言えなかった。
ララシャは小顔のままなので、ソアリスに言わせれば同じ種類の仲間のようなものだろう。
「何があったのですぅ?」
ララシャはほら心配してくれる友人がいると思っているだろうが、ローティーが心配しているのはミリンティーの婚約の件である。
「不幸なことが重なって、離縁ということになってしまったのよ。リベルはまだ私を愛しているのに、引き裂かれてしまったの」
「まあ!そんなぁ…」
「王族として相応しくない行動を取ったというのは、どういうとなのですかぁ?」
ララシャは得意のおちょぼ口をして見せていたが、動揺していた。
「そう発表されているの?」
「はい、発表されてらっしゃいますよぉ」
ララシャは離縁が発表されることは知っていたが、いつなのかは知らされず、そんな理由になっているとは思わなかった。
「…あの、意見したことが、気に入らなかったみたいなの。そう、私って他国の人間でしょう?だから、母国の方がお気に召さなかったのよ」
「え…そんなことがあるんですかぁ」
「そうなのよ、エミアンも帰ってしまったのよ!私の娘なのに」
「そんなぁ!無理矢理ですのぉ?」
ローティーは素直に娘と離れ離れになったララシャを思い、悲しんだ。
「そうなの。だから、ピデム王国で娘さんのお相手は止めて置いた方がいいわ」
「あ…そうですかぁ、そうですよねぇ。でも、残念ですわぁ」
ミリンティーにも話してしまっており、ララシャが離縁されたことで、もう無理じゃないと、ほとんど部屋から出て来なくなってしまっている。
「ソアリスに頼んだらいいんじゃないの?」
「え?王妃陛下ですかぁ?」
「ええ、ソアリスの紹介なら相手も断れないんじゃないかしら?」
相手に断られる前提であることが失礼なのだが、ローティーの娘なら同じような感じだろうと思っており、下に見る発言をしている。
自分も同じなのだが、そうは思っていない。
「手紙を書いてみなさいよ。私もソアリスに助言しておくわ」
「良いんですかぁ」
「勿論よ、姉なんだから」
何も知らないローティーは嬉しそうに帰って行った。
ララシャは家族にただ関わらないようにされているだけだが、離婚の発表を耳に入れないようにしてくれていたのだと、やはり家族は私に優しいと勘違いしていた。
だからきっとソアリスもそろそろ、役に立つべきだろう。
だって私は娘のためにやったことなのに、大袈裟に騒がれて、リベルも離縁せざる得なかったのだから、いずれ迎えが来るとしても、それまでは王妃の姉として、優遇されないといけない。
茶会やパーティーは、お母様は行けるわけがないと言ったが、直後に参加していたら、質問責めに遭ってしまうからだろう。
もう少し我慢してから、華々しく復帰しようと、そう思うと楽しくなって来た。おかげでローティーのことはすっかり忘れてしまっていた。
だが、ミリンティーの婚約者を頼んだ矢先で、茶会でも王子殿下とは今でも仲が良く、とても愛されていると話していたはずだ。
しかもピデム王国からの発表で、王族として相応しくない行動を取ったとされており、ピデム王国での縁談など紹介が出来るのだろうか。
夫の目に盗み、先触れもなく、ロアンスラー公爵家に押し掛けた。
執事はロアンスラー公爵に確認すると言ったが、ララシャがローティーに気付いてしまい、話をさせることにした。
「ララシャ様どういうことなのですかぁ?」
「ローティー…」
すっかり同じような体形になった二人。ローティーも驚きはしたが、常に自分より高い立場にいるララシャには太りましたねとは言えなかった。
ララシャは小顔のままなので、ソアリスに言わせれば同じ種類の仲間のようなものだろう。
「何があったのですぅ?」
ララシャはほら心配してくれる友人がいると思っているだろうが、ローティーが心配しているのはミリンティーの婚約の件である。
「不幸なことが重なって、離縁ということになってしまったのよ。リベルはまだ私を愛しているのに、引き裂かれてしまったの」
「まあ!そんなぁ…」
「王族として相応しくない行動を取ったというのは、どういうとなのですかぁ?」
ララシャは得意のおちょぼ口をして見せていたが、動揺していた。
「そう発表されているの?」
「はい、発表されてらっしゃいますよぉ」
ララシャは離縁が発表されることは知っていたが、いつなのかは知らされず、そんな理由になっているとは思わなかった。
「…あの、意見したことが、気に入らなかったみたいなの。そう、私って他国の人間でしょう?だから、母国の方がお気に召さなかったのよ」
「え…そんなことがあるんですかぁ」
「そうなのよ、エミアンも帰ってしまったのよ!私の娘なのに」
「そんなぁ!無理矢理ですのぉ?」
ローティーは素直に娘と離れ離れになったララシャを思い、悲しんだ。
「そうなの。だから、ピデム王国で娘さんのお相手は止めて置いた方がいいわ」
「あ…そうですかぁ、そうですよねぇ。でも、残念ですわぁ」
ミリンティーにも話してしまっており、ララシャが離縁されたことで、もう無理じゃないと、ほとんど部屋から出て来なくなってしまっている。
「ソアリスに頼んだらいいんじゃないの?」
「え?王妃陛下ですかぁ?」
「ええ、ソアリスの紹介なら相手も断れないんじゃないかしら?」
相手に断られる前提であることが失礼なのだが、ローティーの娘なら同じような感じだろうと思っており、下に見る発言をしている。
自分も同じなのだが、そうは思っていない。
「手紙を書いてみなさいよ。私もソアリスに助言しておくわ」
「良いんですかぁ」
「勿論よ、姉なんだから」
何も知らないローティーは嬉しそうに帰って行った。
ララシャは家族にただ関わらないようにされているだけだが、離婚の発表を耳に入れないようにしてくれていたのだと、やはり家族は私に優しいと勘違いしていた。
だからきっとソアリスもそろそろ、役に立つべきだろう。
だって私は娘のためにやったことなのに、大袈裟に騒がれて、リベルも離縁せざる得なかったのだから、いずれ迎えが来るとしても、それまでは王妃の姉として、優遇されないといけない。
茶会やパーティーは、お母様は行けるわけがないと言ったが、直後に参加していたら、質問責めに遭ってしまうからだろう。
もう少し我慢してから、華々しく復帰しようと、そう思うと楽しくなって来た。おかげでローティーのことはすっかり忘れてしまっていた。
3,916
お気に入りに追加
8,463
あなたにおすすめの小説
いつか彼女を手に入れる日まで
月山 歩
恋愛
伯爵令嬢の私は、婚約者の邸に馬車で向かっている途中で、馬車が転倒する事故に遭い、治療院に運ばれる。医師に良くなったとしても、足を引きずるようになると言われてしまい、傷物になったからと、格下の私は一方的に婚約破棄される。私はこの先誰かと結婚できるのだろうか?
愛しの婚約者に「学園では距離を置こう」と言われたので、婚約破棄を画策してみた
迦陵 れん
恋愛
「学園にいる間は、君と距離をおこうと思う」
待ちに待った定例茶会のその席で、私の大好きな婚約者は唐突にその言葉を口にした。
「え……あの、どうし……て?」
あまりの衝撃に、上手く言葉が紡げない。
彼にそんなことを言われるなんて、夢にも思っていなかったから。
ーーーーーーーーーーーーー
侯爵令嬢ユリアの婚約は、仲の良い親同士によって、幼い頃に結ばれたものだった。
吊り目でキツい雰囲気を持つユリアと、女性からの憧れの的である婚約者。
自分たちが不似合いであることなど、とうに分かっていることだった。
だから──学園にいる間と言わず、彼を自分から解放してあげようと思ったのだ。
婚約者への淡い恋心は、心の奥底へとしまいこんで……。
※基本的にゆるふわ設定です。
※プロット苦手派なので、話が右往左往するかもしれません。→故に、タグは徐々に追加していきます
※感想に返信してると執筆が進まないという鈍足仕様のため、返事は期待しないで貰えるとありがたいです。
※仕事が休みの日のみの執筆になるため、毎日は更新できません……(書きだめできた時だけします)ご了承くださいませ。
わたくしが社交界を騒がす『毒女』です~旦那様、この結婚は離婚約だったはずですが?
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
※完結しました。
離婚約――それは離婚を約束した結婚のこと。
王太子アルバートの婚約披露パーティーで目にあまる行動をした、社交界でも噂の毒女クラリスは、辺境伯ユージーンと結婚するようにと国王から命じられる。
アルバートの側にいたかったクラリスであるが、国王からの命令である以上、この結婚は断れない。
断れないのはユージーンも同じだったようで、二人は二年後の離婚を前提として結婚を受け入れた――はずなのだが。
毒女令嬢クラリスと女に縁のない辺境伯ユージーンの、離婚前提の結婚による空回り恋愛物語。
※以前、短編で書いたものを長編にしたものです。
※蛇が出てきますので、苦手な方はお気をつけください。
私が出て行った後、旦那様から後悔の手紙がもたらされました
新野乃花(大舟)
恋愛
ルナとルーク伯爵は婚約関係にあったが、その関係は伯爵の妹であるリリアによって壊される。伯爵はルナの事よりもリリアの事ばかりを優先するためだ。そんな日々が繰り返される中で、ルナは伯爵の元から姿を消す。最初こそ何とも思っていなかった伯爵であったが、その後あるきっかけをもとに、ルナの元に後悔の手紙を送ることとなるのだった…。
金の亡者は出て行けって、良いですけど私の物は全部持っていきますよ?え?国の財産がなくなる?それ元々私の物なんですが。
銀杏鹿
恋愛
「出て行けスミス!お前のような金のことにしか興味のない女はもううんざりだ!」
私、エヴァ・スミスはある日突然婚約者のモーケンにそう言い渡された。
「貴女のような金の亡者はこの国の恥です!」
とかいう清廉な聖女サマが新しいお相手なら、まあ仕方ないので出ていくことにしました。
なので、私の財産を全て持っていこうと思うのです。
え?どのくらいあるかって?
──この国の全てです。この国の破綻した財政は全て私の個人資産で賄っていたので、彼らの着てる服、王宮のものも、教会のものも、所有権は私にあります。貸していただけです。
とまあ、資産を持ってさっさと国を出て海を渡ると、なんと結婚相手を探している五人の王子から求婚されてしまいました。
しきたりで、いち早く相応しい花嫁を捕まえたものが皇帝になるそうで。それで、私に。
将来のリスクと今後のキャリアを考えても、帝国の王宮は魅力的……なのですが。
どうやら五人のお相手は女性を殆ど相手したことないらしく……一体どう出てくるのか、全く予想がつきません。
私自身経験豊富というわけでもないのですが、まあ、お手並み拝見といきましょうか?
あ、なんか元いた王国は大変なことなってるらしいです、頑張って下さい。
◆◆◆◆◆◆◆◆
需要が有れば続きます。
(完結)嘘をありがとう
七辻ゆゆ
恋愛
「まあ、なんて図々しいのでしょう」
おっとりとしていたはずの妻は、辛辣に言った。
「要するにあなた、貴族でいるために政略結婚はする。けれど女とは別れられない、ということですのね?」
妻は言う。女と別れなくてもいい、仕事と嘘をついて会いに行ってもいい。けれど。
「必ず私のところに帰ってきて、子どもをつくり、よい夫、よい父として振る舞いなさい。神に嘘をついたのだから、覚悟を決めて、その嘘を突き通しなさいませ」
心の中にあなたはいない
ゆーぞー
恋愛
姉アリーのスペアとして誕生したアニー。姉に成り代われるようにと育てられるが、アリーは何もせずアニーに全て押し付けていた。アニーの功績は全てアリーの功績とされ、周囲の人間からアニーは役立たずと思われている。そんな中アリーは事故で亡くなり、アニーも命を落とす。しかしアニーは過去に戻ったため、家から逃げ出し別の人間として生きていくことを決意する。
一方アリーとアニーの死後に真実を知ったアリーの夫ブライアンも過去に戻りアニーに接触しようとするが・・・。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる