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災い来たる2
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「ほら!妹が来たわ、失礼なことをしたと謝らせてやるんだから」
門番に鼻息荒く言っているが、怒られるのはララシャである。
「皆様、ご迷惑をお掛けしましたわね」
「王妃陛下、仕事ですので」
皆、ソアリスに向かって頭を下げた。
「ソアリス!許可のない方は、入れませんって言われたのよ、ちゃんと怒って頂戴。どうなっているのかしら」
「控えなさい!先触れもない者が、入れるわけないでしょう!王子妃ともあろう者が、そんなことも分からないの?」
正直、近付いて見ても、事前に肥え太ったことを知らなかったら、『誰?』と言いたいところであった。
遠くから見たら、マルシャと話しているように見えるのではないか。
パーツはララシャだが、顔も前より肥え太っているが、顔には贅肉が付きにくいようで、限界に来たのか、首が肥え太っていた。
樽マルシャを見て、太ってはいけない人の太り方だと思っていたが、改めて気を付けていて良かったと思った。
「っな!私はあなたの姉なのよ」
「今の立場は?」
「はあ?あなた、王妃になったからって」
「そうではないわ、あなたの立場を聞いているのです」
「ピデム王国の第二王子妃よ!」
誇らしそうに樽の身体を、見せ付けるように胸を張った。ソアリスはあまりの姿に、眉を顰めそうになった。
痩せていると言われることが一番の誉め言葉で、食べても太らないと口にすることが誇りだった姉は、どこにいったのだろうか。
まるで別人と話しているかのようだった。
「あなたの行いが、ピデム王国の王家に泥を塗る行為になると、分かるわよね?王族が先触れも出さず、黙って来たのではないでしょうね?」
ララシャはリベルにも相談はしたが、絶対に駄目だ、いい加減にしろと言われ、喧嘩になって、実家に帰るとクロンデール王国に来ていた。
ロアンスラー公爵家でも、久し振りなこともあって、両親には歓迎されたが、兄は驚いた顔で見られた。
そして、ピデム王国から連れて来た侍女は、ロアンスラー公爵家に置いて、馬車だけを借りて、護衛だけ連れて王宮にやって来ていた。
「言ったわよ」
「本当に?なぜ先触れがなかったの?こんなことはなかったわよ?」
「母国なのよ!」
「実家に帰るならば別ですが、ここは王宮です。王族同士の話になります。分かりますわよね?」
「ママ~!まだなの?」
樽に隠れていたリリアンローズ(仮)がララシャに話し掛けたが、再び絶句してしまった。育ち盛りなのは分かるが、代謝のいい、今年16歳のはずなのに、ララシャよりは太くはないが、既に樽体形であった。
ソアリスは、ドリアンローズでいいのではないかとすら思った。
「エミアン、妹がママをいじめるの」
その言葉に、ああ!エミアンローズだったと、皆が思った。
「ええ!酷い!ママの妹なんでしょう?」
ソアリスはエミアンローズを無視して、ここで揉めていても仕方ないので、追い返すか、入れるしかないと腹を括った。
「何の用事なのですか」
「話があって来たのよ、通しなさい」
「はあ…あまり時間は取れませんよ」
「すぐに済むから」
「そう…」
まどろっこしい自慢が始まる前に、ぶった切ってやろうと思いながら、ララシャを応接室に通し、お茶だけを用意させた。
ポーリアも戻って来て、陛下にとりあえず樽2号は任せて欲しい、何かあったら呼びに行くと伝言を頼んだ。
「ママ~お菓子は?」
その言葉に、16歳にもなって、王族がママと呼ばせていること、当たり前にお菓子が出て来ると思っていることが、この体形にさせたのだと思った。
門番に鼻息荒く言っているが、怒られるのはララシャである。
「皆様、ご迷惑をお掛けしましたわね」
「王妃陛下、仕事ですので」
皆、ソアリスに向かって頭を下げた。
「ソアリス!許可のない方は、入れませんって言われたのよ、ちゃんと怒って頂戴。どうなっているのかしら」
「控えなさい!先触れもない者が、入れるわけないでしょう!王子妃ともあろう者が、そんなことも分からないの?」
正直、近付いて見ても、事前に肥え太ったことを知らなかったら、『誰?』と言いたいところであった。
遠くから見たら、マルシャと話しているように見えるのではないか。
パーツはララシャだが、顔も前より肥え太っているが、顔には贅肉が付きにくいようで、限界に来たのか、首が肥え太っていた。
樽マルシャを見て、太ってはいけない人の太り方だと思っていたが、改めて気を付けていて良かったと思った。
「っな!私はあなたの姉なのよ」
「今の立場は?」
「はあ?あなた、王妃になったからって」
「そうではないわ、あなたの立場を聞いているのです」
「ピデム王国の第二王子妃よ!」
誇らしそうに樽の身体を、見せ付けるように胸を張った。ソアリスはあまりの姿に、眉を顰めそうになった。
痩せていると言われることが一番の誉め言葉で、食べても太らないと口にすることが誇りだった姉は、どこにいったのだろうか。
まるで別人と話しているかのようだった。
「あなたの行いが、ピデム王国の王家に泥を塗る行為になると、分かるわよね?王族が先触れも出さず、黙って来たのではないでしょうね?」
ララシャはリベルにも相談はしたが、絶対に駄目だ、いい加減にしろと言われ、喧嘩になって、実家に帰るとクロンデール王国に来ていた。
ロアンスラー公爵家でも、久し振りなこともあって、両親には歓迎されたが、兄は驚いた顔で見られた。
そして、ピデム王国から連れて来た侍女は、ロアンスラー公爵家に置いて、馬車だけを借りて、護衛だけ連れて王宮にやって来ていた。
「言ったわよ」
「本当に?なぜ先触れがなかったの?こんなことはなかったわよ?」
「母国なのよ!」
「実家に帰るならば別ですが、ここは王宮です。王族同士の話になります。分かりますわよね?」
「ママ~!まだなの?」
樽に隠れていたリリアンローズ(仮)がララシャに話し掛けたが、再び絶句してしまった。育ち盛りなのは分かるが、代謝のいい、今年16歳のはずなのに、ララシャよりは太くはないが、既に樽体形であった。
ソアリスは、ドリアンローズでいいのではないかとすら思った。
「エミアン、妹がママをいじめるの」
その言葉に、ああ!エミアンローズだったと、皆が思った。
「ええ!酷い!ママの妹なんでしょう?」
ソアリスはエミアンローズを無視して、ここで揉めていても仕方ないので、追い返すか、入れるしかないと腹を括った。
「何の用事なのですか」
「話があって来たのよ、通しなさい」
「はあ…あまり時間は取れませんよ」
「すぐに済むから」
「そう…」
まどろっこしい自慢が始まる前に、ぶった切ってやろうと思いながら、ララシャを応接室に通し、お茶だけを用意させた。
ポーリアも戻って来て、陛下にとりあえず樽2号は任せて欲しい、何かあったら呼びに行くと伝言を頼んだ。
「ママ~お菓子は?」
その言葉に、16歳にもなって、王族がママと呼ばせていること、当たり前にお菓子が出て来ると思っていることが、この体形にさせたのだと思った。
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