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妖精1
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ユリウスは殺されるような物騒なことにはなっていないだろうが、社交界からは消されたのだろうと思った。母に喧嘩を売った時点で、勝てるはずがない。
「妖精…そうか、全部妖精の悪戯だったのか」
「ああ…」
「年甲斐もなくフリフリピンクで、目の痛い娘も?」
「ああ」
「黒子だと思っていたら、小鼻に黒ゴマの挟まっていた娘も?」
「あ?ああ」
鼻にほくろがあるのかと思っていたら、ゴマではないか?となった娘。なぜあんなところに、ゴマが挟まったのかが気になって仕方なかった。
「私はララシャ様に似ているとよく言われているのですと、何の自慢にもならないことを言った娘も?」
「あ、ああ」
「私は男勝りだと、慎ましい乳房の言いわけにしていた娘も?」
「あ?ああ」
「ん?あれはクイオの妹ではなかったか?」
「その節は申し訳ありませんでした!」
クイオはガバっと深く頭を下げた。
ソアリス様に後ろ手に拘束されて、連れて来られた妹・リパールを見た時、何があったのかとソアリス様に敵意を向けてしまったが、今となっては、あの時のことは思い出したくもないほどであった。
あれはリパールが私を訪ねて、王宮にやって来た日であった。
ソアリス様はなぜかリパールを連れて、執務室にやって来た。拘束を解いて、ポンと押して投げ込んだ。
『リパール?』
『歩いていたら、この娘が、殿下の側妃になってあげてもいいと言い出しましてね』
『リパール!』
『あなたと違って、私は男性の友人が多いから、男性の気持ちを心得ている。だから、男勝りだと言われてしまうそうです。ということは、男性を悦ばせるテクニックを沢山お持ちでしょうから、連れて来たのですよ、良き妻でしょう?』
『どういう意味ですか!』
クイオはこの時、声を上げるべきではなかった。ソアリスは投げ入れて、そのまま去るつもりだったが、クイオが火を付けてしまったのであった。
『そのままの意味ですけど?だってそういうことでしょう?テクニシャンの妹をお持ちだったのね?』
『リパール!どういうことだ?』
『違うの、お兄様、誤解よ』
『何度も男、男と仰っていたでしょう?男を隅々まで知っているのでしょう?そ・れ・と・も、男勝りは慎ましい乳房の言いわけだったのかしら?』
『っな!酷い』
『やっぱり、それがコンプレックスだったのね!貧乳?ペチャパイ?まな板?洗濯板?ペンタンコ?つるぺったん?』
慎ましい乳房への例えのオンパレードである。
『ソ、ソアリス、そこまで侮辱することは…』
『殿下ぁ』
リパールは、甘ったるい声を上げ、アンセムに触れようとした。
『なぜかしら?私は売られた喧嘩を買っているだけよ?私もその娘に、その程度の顔でと、言われたの』
『リパール!そんなことを言ったのか!』
『…』
『顔の造りなんて、言われても困るわ。あなたの乳房がどうにもならないように、そうでしょう?だから応報は真っ当ではなくて?コンプレックスを突いてこそでしょう?しっかりと、グリグリ抉らないとでしょう?』
全く手を緩める気はないと、とびきりの笑顔をしている。
『あ!本当に女なのか?と、生まれたままの姿の際に、言われたのではなくて?』
リパールは怒りで、キッっとソアリスを睨み付けたが、問題はそこではない。
『リパール!お前、そんなふしだらなことを』
『ち、違うわ、私はそんなこと』
もはや、リパール・リックソー伯爵令嬢が男性経験豊富だと、疑惑の目でしか見られていない。リパールは当時、16歳であった。
『わ、私は、まだそんなことをしたことはないわ』
『あんなに自信満々だったのに?』
『男性の気持ちが分かるって言ったの!』
『だから、ここをこうすると気持ちいいとかでしょう?』
ソアリスはすっかり、男勝りのテクニシャン扱いである。
「妖精…そうか、全部妖精の悪戯だったのか」
「ああ…」
「年甲斐もなくフリフリピンクで、目の痛い娘も?」
「ああ」
「黒子だと思っていたら、小鼻に黒ゴマの挟まっていた娘も?」
「あ?ああ」
鼻にほくろがあるのかと思っていたら、ゴマではないか?となった娘。なぜあんなところに、ゴマが挟まったのかが気になって仕方なかった。
「私はララシャ様に似ているとよく言われているのですと、何の自慢にもならないことを言った娘も?」
「あ、ああ」
「私は男勝りだと、慎ましい乳房の言いわけにしていた娘も?」
「あ?ああ」
「ん?あれはクイオの妹ではなかったか?」
「その節は申し訳ありませんでした!」
クイオはガバっと深く頭を下げた。
ソアリス様に後ろ手に拘束されて、連れて来られた妹・リパールを見た時、何があったのかとソアリス様に敵意を向けてしまったが、今となっては、あの時のことは思い出したくもないほどであった。
あれはリパールが私を訪ねて、王宮にやって来た日であった。
ソアリス様はなぜかリパールを連れて、執務室にやって来た。拘束を解いて、ポンと押して投げ込んだ。
『リパール?』
『歩いていたら、この娘が、殿下の側妃になってあげてもいいと言い出しましてね』
『リパール!』
『あなたと違って、私は男性の友人が多いから、男性の気持ちを心得ている。だから、男勝りだと言われてしまうそうです。ということは、男性を悦ばせるテクニックを沢山お持ちでしょうから、連れて来たのですよ、良き妻でしょう?』
『どういう意味ですか!』
クイオはこの時、声を上げるべきではなかった。ソアリスは投げ入れて、そのまま去るつもりだったが、クイオが火を付けてしまったのであった。
『そのままの意味ですけど?だってそういうことでしょう?テクニシャンの妹をお持ちだったのね?』
『リパール!どういうことだ?』
『違うの、お兄様、誤解よ』
『何度も男、男と仰っていたでしょう?男を隅々まで知っているのでしょう?そ・れ・と・も、男勝りは慎ましい乳房の言いわけだったのかしら?』
『っな!酷い』
『やっぱり、それがコンプレックスだったのね!貧乳?ペチャパイ?まな板?洗濯板?ペンタンコ?つるぺったん?』
慎ましい乳房への例えのオンパレードである。
『ソ、ソアリス、そこまで侮辱することは…』
『殿下ぁ』
リパールは、甘ったるい声を上げ、アンセムに触れようとした。
『なぜかしら?私は売られた喧嘩を買っているだけよ?私もその娘に、その程度の顔でと、言われたの』
『リパール!そんなことを言ったのか!』
『…』
『顔の造りなんて、言われても困るわ。あなたの乳房がどうにもならないように、そうでしょう?だから応報は真っ当ではなくて?コンプレックスを突いてこそでしょう?しっかりと、グリグリ抉らないとでしょう?』
全く手を緩める気はないと、とびきりの笑顔をしている。
『あ!本当に女なのか?と、生まれたままの姿の際に、言われたのではなくて?』
リパールは怒りで、キッっとソアリスを睨み付けたが、問題はそこではない。
『リパール!お前、そんなふしだらなことを』
『ち、違うわ、私はそんなこと』
もはや、リパール・リックソー伯爵令嬢が男性経験豊富だと、疑惑の目でしか見られていない。リパールは当時、16歳であった。
『わ、私は、まだそんなことをしたことはないわ』
『あんなに自信満々だったのに?』
『男性の気持ちが分かるって言ったの!』
『だから、ここをこうすると気持ちいいとかでしょう?』
ソアリスはすっかり、男勝りのテクニシャン扱いである。
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