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説得
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「ええ、そのためには教育を受けていないと、許可が出ないかもしれないの」
「ええ~」
「私がパパに求婚されたように、エミアンにも素敵な人が出来るけど、認めて貰えなかったら、婚約が出来ないかもしれないの。そんなの困るでしょう?」
「パパがどうにかしてくれるんじゃない?」
エミアンはいつものようにフルーツ、チョコレート、クリームたっぷりのパンケーキを頬張っており、真剣には聞いていない。
「パパだけはどうにもならないかもしれないわ」
「じゃあ、ママがどうにかしてくれたらいいでしょう?」
「ママもどうにか出来るならしてあげたいけど、エミアンのために言っているのよ?お断りすることになってもいいの?」
「う~ん、エミアンよく分かんない」
「素敵な人と結婚したいと思わないの?」
ララシャは12、13歳の頃は既に結婚のことを考えていた。婚約者がいたので、婚約者がいない人より優れたような気持ちになれて、気分が良かった。
「別に思わないけど?」
「ママは婚約者がいなかったことがないから、感覚が違うのかしら」
「みんないるの?」
「そうじゃないけど…もういてもいい年頃ではあるの。ママの妹が、クロンデール王国の王妃なのは知っているわよね?」
「うん」
「エミアンと同い年の子がいるんだけど、婚約者が出来たそうなの」
ララシャは傷付けるのではないかと話すのを迷っていたが、エミアンローズの焦る様子のない様に話すことにした。
「ふーん、良かったじゃない」
「え?いいなとか、ずるいとか思わないの?」
「うん、だってエミアン、その子のこと知らないし」
「そう…」
まだ親しい女の子もおらず、会うと言えば、王太子の子どもになるが、ルイスにまだ婚約者を選定中のように、下二人にも婚約者がいない状態である。
先にミフルに婚約者が出来て、悔しいと思ってしまったが、エミアンローズの態度を見ていると、まだ焦るようなことではないのかもしれないと感じた。
「でも授業はきちんと受けて欲しいの。ママはエミアンに、ママとパパの様に素敵な結婚をして欲しいって何度も話したでしょう?それは分かってくれるでしょう?」
「うーん、分かった」
ララシャはこれで安心だと思っていたが、ララシャの娘の言うべき、分かっているような振りをして授業を聞いているだけで、試験を行えばもう覚えていないと言って、出来ないのである。
ララシャもリベルも再三、エミアンローズに言って聞かせたが、その時はきちんとすると約束するが、結局やらないということを繰り返すことになる。
ソアリスがその様子を知れば、「さすがララシャの娘!王族教育の無駄の権化」だと言うだろう状況である。
さすがにララシャも自分のことを横に置いて、頭を抱えることになった。
「どうして真面目に受けてくれないの…」
「受けてるわ、出来ないだけじゃない」
自身と同じだが、自覚もないので、思い出すことも、反省することもない。
「ママはエミアンに幸せになって貰いたいから言っているの」
「エミアン、うるさく言われない方が幸せよ?」
「結婚が出来なくてもいいの?女の子の幸せは結婚なのよ?」
「それはママがそう思っているだけじゃない?」
「もうどうして分かってくれないの」
ララシャが苛立つようになったのは、ルイスにも国内でようやく婚約者が決まり、すると立て続けに第二王子と第一王女も婚約が決まったのである。
下手に動いて、ルイスの婚約者にされたくない者が、決まるまで待っていたのかもしれないと、王太子夫妻は思わざる得なかった。
第一王女であるサーラ王女は、シシリーヌの逃避行先であるロンド王国の王太子の弟に嫁ぐことになった。いずれは王族を抜けて、公爵となる。
これでピデム王国の王族で婚約者がいないのはエミアンローズだけとなった。
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お読みいただきありがとうございます。
予約時間を間違えておりました!
30分遅れで申し訳ございません。
「ええ~」
「私がパパに求婚されたように、エミアンにも素敵な人が出来るけど、認めて貰えなかったら、婚約が出来ないかもしれないの。そんなの困るでしょう?」
「パパがどうにかしてくれるんじゃない?」
エミアンはいつものようにフルーツ、チョコレート、クリームたっぷりのパンケーキを頬張っており、真剣には聞いていない。
「パパだけはどうにもならないかもしれないわ」
「じゃあ、ママがどうにかしてくれたらいいでしょう?」
「ママもどうにか出来るならしてあげたいけど、エミアンのために言っているのよ?お断りすることになってもいいの?」
「う~ん、エミアンよく分かんない」
「素敵な人と結婚したいと思わないの?」
ララシャは12、13歳の頃は既に結婚のことを考えていた。婚約者がいたので、婚約者がいない人より優れたような気持ちになれて、気分が良かった。
「別に思わないけど?」
「ママは婚約者がいなかったことがないから、感覚が違うのかしら」
「みんないるの?」
「そうじゃないけど…もういてもいい年頃ではあるの。ママの妹が、クロンデール王国の王妃なのは知っているわよね?」
「うん」
「エミアンと同い年の子がいるんだけど、婚約者が出来たそうなの」
ララシャは傷付けるのではないかと話すのを迷っていたが、エミアンローズの焦る様子のない様に話すことにした。
「ふーん、良かったじゃない」
「え?いいなとか、ずるいとか思わないの?」
「うん、だってエミアン、その子のこと知らないし」
「そう…」
まだ親しい女の子もおらず、会うと言えば、王太子の子どもになるが、ルイスにまだ婚約者を選定中のように、下二人にも婚約者がいない状態である。
先にミフルに婚約者が出来て、悔しいと思ってしまったが、エミアンローズの態度を見ていると、まだ焦るようなことではないのかもしれないと感じた。
「でも授業はきちんと受けて欲しいの。ママはエミアンに、ママとパパの様に素敵な結婚をして欲しいって何度も話したでしょう?それは分かってくれるでしょう?」
「うーん、分かった」
ララシャはこれで安心だと思っていたが、ララシャの娘の言うべき、分かっているような振りをして授業を聞いているだけで、試験を行えばもう覚えていないと言って、出来ないのである。
ララシャもリベルも再三、エミアンローズに言って聞かせたが、その時はきちんとすると約束するが、結局やらないということを繰り返すことになる。
ソアリスがその様子を知れば、「さすがララシャの娘!王族教育の無駄の権化」だと言うだろう状況である。
さすがにララシャも自分のことを横に置いて、頭を抱えることになった。
「どうして真面目に受けてくれないの…」
「受けてるわ、出来ないだけじゃない」
自身と同じだが、自覚もないので、思い出すことも、反省することもない。
「ママはエミアンに幸せになって貰いたいから言っているの」
「エミアン、うるさく言われない方が幸せよ?」
「結婚が出来なくてもいいの?女の子の幸せは結婚なのよ?」
「それはママがそう思っているだけじゃない?」
「もうどうして分かってくれないの」
ララシャが苛立つようになったのは、ルイスにも国内でようやく婚約者が決まり、すると立て続けに第二王子と第一王女も婚約が決まったのである。
下手に動いて、ルイスの婚約者にされたくない者が、決まるまで待っていたのかもしれないと、王太子夫妻は思わざる得なかった。
第一王女であるサーラ王女は、シシリーヌの逃避行先であるロンド王国の王太子の弟に嫁ぐことになった。いずれは王族を抜けて、公爵となる。
これでピデム王国の王族で婚約者がいないのはエミアンローズだけとなった。
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