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アリルとルーファの茶会2
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「母は、王妃様に会うのに、荒ぶる鼻毛を二本も携えて来たの?って意見なの」
傲慢な言い方ではあるが、そうは聞こえないところが、ソアリスならではである。
「一緒に来た方をチラッと見たらしいのだけど、にこにこしていて、ここで鼻毛が出ておりますなんて、言えないからかなと思ったらしいのだけど、待ってよ、この方は敢えて出しているのかもしれないと思ったけど…いやいや、鼻毛を見せびらかすなんて話、聞いたこともないわって。王族がなんて話をしているのかと思うでしょうけど、いつもそんな感じなのですわ」
「ははははは!」
ソアリスのちょっと聞いてくれる?から始まる、概ね不愉快だったという話。子どもたちは、捕まえられては、よく聞かされている。
「パーティーでもコソコソときょうだいに、何か言っていることもあって、犠牲者がいつも悶絶する羽目になるんですの。だからルーシェも鍛えてね、あの母はやりかねないわ。しかもね、その方、髪が薄かったようなんですけど、サイドに少し希望があったようで」
「き、きぼう…」
「そう、それもね、母は残った毛を希望っていうの。これも気を付けて」
ソアリスは私室で悪口としてハゲとは言うが、普段は希望と使っている。
「ふっ、耐えられるかなぁ」
「それでその希望が、どうもくるんとされていたようなの」
「あっ!だから鼻毛もカールしていたのか!」
「そう、正解。鼻毛もカールするのねって、何の考察してるのよって、きょうだいで大笑いしたわ」
そして、ソアリスが一番好きなのは、茶会やパーティーなどで、わざと悪い口で、きょうだいや友人に、コソコソ話すこと。大笑いするわけにもいかず、耐える姿が堪らないらしい。
禿げている人と話していると、艶のある頭部ですねって話していたの?などと言ったり、香水の強い女性には、家畜でも連れて来ていたの?などと言うのだ。
幼い頃は絶対に言わなかったが、分別が付くようになると、子どもたちも一人ずつ犠牲者が増えていった。今ではカイルス以外は全員である。
そして鼻毛率は非常に高い。ちょうど、背の高い男性の鼻の穴が見える位置に、ソアリスがいるのだ。
ある時は、一度太い毛を携えた、身なりのきちんとした紳士に遭遇した。ちょうど、ユリウスと一緒だったのだが、母の視線に気づき、嘘だろと思ったという。
その後、ソアリスは素知らぬ顔で話し終えたが、絶対に倒れない一本柱と名付け、今でも陰で一本柱と呼んでいる。一番小さいミフルにあなたなら、ぶら下がれるんじゃないかしら?あなたちょっと行ってみなさいと言い出し、きょうだいを悶絶の渦に巻き込み、さらにもう一本出て来たら、立派なブランコを作りましょうなどと、追い打ちをかけるのだ。
六人は仲良しだと言われているが、アンセムが悶絶する子どもたちが、また毒でも盛られたのかと思ったほどだ。
「そ、それは鍛えられるかな?でも母上もよく悶絶しているのは、そういうことだったんですね」
「そちらにも犠牲者がいましたか、申し訳ないですわ」
「いいえ、王妃様とよくこそこそ話してて、母上が堪えるために真っ赤になっていくものですから、幼い頃は何だろうと思っていたんですよ」
「母の悪い口ですわ」
「あと、私も鼻毛に気を付けなければなりませんね」
「失礼だけど、せめて母の前では気を付けて」
ルーファに出ていようものなら、ソアリスに弄ばれること間違いなしである。
「はい!」
「父もきょうだいも、母に厳しくチェックされているわ。色気のない話になってしまって、申し訳ないですわ」
「いえ、ファンですからいくらでも聞きたいです。勿論、アリルのことも」
「ええ、ありがとうございます」
ソアリスの奇行は、アリルとルーファの会話を盛り上げる彩となっていった。
傲慢な言い方ではあるが、そうは聞こえないところが、ソアリスならではである。
「一緒に来た方をチラッと見たらしいのだけど、にこにこしていて、ここで鼻毛が出ておりますなんて、言えないからかなと思ったらしいのだけど、待ってよ、この方は敢えて出しているのかもしれないと思ったけど…いやいや、鼻毛を見せびらかすなんて話、聞いたこともないわって。王族がなんて話をしているのかと思うでしょうけど、いつもそんな感じなのですわ」
「ははははは!」
ソアリスのちょっと聞いてくれる?から始まる、概ね不愉快だったという話。子どもたちは、捕まえられては、よく聞かされている。
「パーティーでもコソコソときょうだいに、何か言っていることもあって、犠牲者がいつも悶絶する羽目になるんですの。だからルーシェも鍛えてね、あの母はやりかねないわ。しかもね、その方、髪が薄かったようなんですけど、サイドに少し希望があったようで」
「き、きぼう…」
「そう、それもね、母は残った毛を希望っていうの。これも気を付けて」
ソアリスは私室で悪口としてハゲとは言うが、普段は希望と使っている。
「ふっ、耐えられるかなぁ」
「それでその希望が、どうもくるんとされていたようなの」
「あっ!だから鼻毛もカールしていたのか!」
「そう、正解。鼻毛もカールするのねって、何の考察してるのよって、きょうだいで大笑いしたわ」
そして、ソアリスが一番好きなのは、茶会やパーティーなどで、わざと悪い口で、きょうだいや友人に、コソコソ話すこと。大笑いするわけにもいかず、耐える姿が堪らないらしい。
禿げている人と話していると、艶のある頭部ですねって話していたの?などと言ったり、香水の強い女性には、家畜でも連れて来ていたの?などと言うのだ。
幼い頃は絶対に言わなかったが、分別が付くようになると、子どもたちも一人ずつ犠牲者が増えていった。今ではカイルス以外は全員である。
そして鼻毛率は非常に高い。ちょうど、背の高い男性の鼻の穴が見える位置に、ソアリスがいるのだ。
ある時は、一度太い毛を携えた、身なりのきちんとした紳士に遭遇した。ちょうど、ユリウスと一緒だったのだが、母の視線に気づき、嘘だろと思ったという。
その後、ソアリスは素知らぬ顔で話し終えたが、絶対に倒れない一本柱と名付け、今でも陰で一本柱と呼んでいる。一番小さいミフルにあなたなら、ぶら下がれるんじゃないかしら?あなたちょっと行ってみなさいと言い出し、きょうだいを悶絶の渦に巻き込み、さらにもう一本出て来たら、立派なブランコを作りましょうなどと、追い打ちをかけるのだ。
六人は仲良しだと言われているが、アンセムが悶絶する子どもたちが、また毒でも盛られたのかと思ったほどだ。
「そ、それは鍛えられるかな?でも母上もよく悶絶しているのは、そういうことだったんですね」
「そちらにも犠牲者がいましたか、申し訳ないですわ」
「いいえ、王妃様とよくこそこそ話してて、母上が堪えるために真っ赤になっていくものですから、幼い頃は何だろうと思っていたんですよ」
「母の悪い口ですわ」
「あと、私も鼻毛に気を付けなければなりませんね」
「失礼だけど、せめて母の前では気を付けて」
ルーファに出ていようものなら、ソアリスに弄ばれること間違いなしである。
「はい!」
「父もきょうだいも、母に厳しくチェックされているわ。色気のない話になってしまって、申し訳ないですわ」
「いえ、ファンですからいくらでも聞きたいです。勿論、アリルのことも」
「ええ、ありがとうございます」
ソアリスの奇行は、アリルとルーファの会話を盛り上げる彩となっていった。
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