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説得
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母・マルシャはララシャに子どもが出来ないことを、気を揉んでいたので、緩和されるのではあればと、素直に意見に賛同した。
「でしょう?なのにアンセム様は国の問題にするって脅して来るし、だからソアリスを説得して欲しいの」
「私たちもソアリスには会えないんだよ、文がなくてね…」
「どうして?」
「公式の場で挨拶するくらいで」
何か困っていることはないか、たまにはロアンスラー公爵家に遊びに来たらいいと文を出しているが、一度も返事はない。
「昔みたいに言うことを利かせればいいじゃない!お母様、得意でしょう?」
「相手は王太子妃なのよ、もう簡単にはいかないわ」
「私に子どもが出来ればいいけど、出来ないんだもの。一人くらいいじゃない」
それを言われると、誰も何も言えなかった。実はソアリスは第四子を妊娠していたが、アンセムは二人には言わなかったのだ。
「ソアリスは口が悪いでしょう、アリルが私のことをおばって言ったのよ」
「まあ!でも伯母なのだから」
「でも私もじいさんと言われたが」
「おじいさまと言うべきでしょう!ソアリスが育てているから駄目なのよ」
「でもユリウスとマイノスはもうロアンスラー公爵としか呼んでくれぬからの」
「お母様は何て呼ばれたの?ばあさん?」
「それは言うな」
あの天使のような顔で、ばあさんと言われる衝撃はなかなか堪えるものだろう。
「ソアリスに言えば絶対従うと思うのよ、あの子は私に憧れているから」
「でもソアリスの一存では無理でしょう」
「そうだな。王家じゃなければ、養子にすると言えば通るだろうが、公爵家でどうにかなる話ではないだろう」
王太子殿下の婚約者にするにしても、他国の王家の子どもを、いくら姉妹だからと言って、「はい、どうぞ」ということは難しい。
「でもソアリスが是非と言えばいいことじゃない?」
「ああ、ララシャが育ててくれるなんて聞いたら、喜ぶんじゃないか」
「そうよ、なのに殿下が邪魔するから」
「仕方ないよ、殿下の子なのだから」
リベルはララシャが全てだ。何でも叶えてやりたいが、子どものことはどうにもならない。リベルは王太子である兄・カリルと休憩を取り、ソアリスの第四子妊娠の情報を聞いたところだ。
「また妊娠とは…ララシャが気にするだろうな」
「割り切った側妃か愛妾を考えてはどうだ?」
「そんなことをしたら、耐えられぬだろう」
元々、ララシャは王太子妃になる予定で、王家のことも分かっていると思っていたが、リベルが側妃や愛妾を娶らないと言ってしまっているからである。
「妹君の子を欲しがってるようだが、お前の子が欲しいんだろう?他の者に産んでもらうか、とりあえず諦めるか話したらどうだ?側妃と言われれば改めるかもしれんぞ、最近は目に余るものがあるしな」
兄の言うことももっともなのだ。ルイスに将来、私の娘になるとアリルを押し売りしているのだ。
「ララシャ、ルイスにアリル王女を勧めるのは止めて欲しい」
「どうして?」
「兄上も困っているそうだ」
「どうしてよ!」
「私の娘だと言っているだろう?」
「だってそうじゃない!」
「アリル王女はソアリス妃、王太子妃の娘なんだよ。それと触れ回ったせいで、君が懐妊したと誤解した者もいるのだ」
「そんな、つもりは」
考えが及ばないララシャは娘と仲良くしてあげてねなどと、勝手に母親気分で、妊娠したのかと思っていた者も多いのだ。
「分かっているよ。君が傷付くことになったら堪らない、だから誤解を招かないように控えて欲しい」
「分かったわ」
「ありがとう。ソアリス妃は四人目を懐妊したそうだよ」
「…えっ」
「おめでたいと祝おうじゃないか。私はララシャがいるだけで幸せなんだから、互いの幸せを祝うべきじゃないか」
「…そうね」
ララシャは明らかに沈んだ顔をしたが、嬉々とした顔に変わった。
「でしょう?なのにアンセム様は国の問題にするって脅して来るし、だからソアリスを説得して欲しいの」
「私たちもソアリスには会えないんだよ、文がなくてね…」
「どうして?」
「公式の場で挨拶するくらいで」
何か困っていることはないか、たまにはロアンスラー公爵家に遊びに来たらいいと文を出しているが、一度も返事はない。
「昔みたいに言うことを利かせればいいじゃない!お母様、得意でしょう?」
「相手は王太子妃なのよ、もう簡単にはいかないわ」
「私に子どもが出来ればいいけど、出来ないんだもの。一人くらいいじゃない」
それを言われると、誰も何も言えなかった。実はソアリスは第四子を妊娠していたが、アンセムは二人には言わなかったのだ。
「ソアリスは口が悪いでしょう、アリルが私のことをおばって言ったのよ」
「まあ!でも伯母なのだから」
「でも私もじいさんと言われたが」
「おじいさまと言うべきでしょう!ソアリスが育てているから駄目なのよ」
「でもユリウスとマイノスはもうロアンスラー公爵としか呼んでくれぬからの」
「お母様は何て呼ばれたの?ばあさん?」
「それは言うな」
あの天使のような顔で、ばあさんと言われる衝撃はなかなか堪えるものだろう。
「ソアリスに言えば絶対従うと思うのよ、あの子は私に憧れているから」
「でもソアリスの一存では無理でしょう」
「そうだな。王家じゃなければ、養子にすると言えば通るだろうが、公爵家でどうにかなる話ではないだろう」
王太子殿下の婚約者にするにしても、他国の王家の子どもを、いくら姉妹だからと言って、「はい、どうぞ」ということは難しい。
「でもソアリスが是非と言えばいいことじゃない?」
「ああ、ララシャが育ててくれるなんて聞いたら、喜ぶんじゃないか」
「そうよ、なのに殿下が邪魔するから」
「仕方ないよ、殿下の子なのだから」
リベルはララシャが全てだ。何でも叶えてやりたいが、子どものことはどうにもならない。リベルは王太子である兄・カリルと休憩を取り、ソアリスの第四子妊娠の情報を聞いたところだ。
「また妊娠とは…ララシャが気にするだろうな」
「割り切った側妃か愛妾を考えてはどうだ?」
「そんなことをしたら、耐えられぬだろう」
元々、ララシャは王太子妃になる予定で、王家のことも分かっていると思っていたが、リベルが側妃や愛妾を娶らないと言ってしまっているからである。
「妹君の子を欲しがってるようだが、お前の子が欲しいんだろう?他の者に産んでもらうか、とりあえず諦めるか話したらどうだ?側妃と言われれば改めるかもしれんぞ、最近は目に余るものがあるしな」
兄の言うことももっともなのだ。ルイスに将来、私の娘になるとアリルを押し売りしているのだ。
「ララシャ、ルイスにアリル王女を勧めるのは止めて欲しい」
「どうして?」
「兄上も困っているそうだ」
「どうしてよ!」
「私の娘だと言っているだろう?」
「だってそうじゃない!」
「アリル王女はソアリス妃、王太子妃の娘なんだよ。それと触れ回ったせいで、君が懐妊したと誤解した者もいるのだ」
「そんな、つもりは」
考えが及ばないララシャは娘と仲良くしてあげてねなどと、勝手に母親気分で、妊娠したのかと思っていた者も多いのだ。
「分かっているよ。君が傷付くことになったら堪らない、だから誤解を招かないように控えて欲しい」
「分かったわ」
「ありがとう。ソアリス妃は四人目を懐妊したそうだよ」
「…えっ」
「おめでたいと祝おうじゃないか。私はララシャがいるだけで幸せなんだから、互いの幸せを祝うべきじゃないか」
「…そうね」
ララシャは明らかに沈んだ顔をしたが、嬉々とした顔に変わった。
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