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姪へ告知7
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「アベリー、本当にそんな相手がいるのか?」
「いません」
「はあ?嘘だったって言うの!」
「メルベール、黙れ!君が嘘を責める権利はない」
嘘のせいで蟄居させられているのに、人のことを責める権利があると思っているのか。本当にどうしようもない。
「で、でも」
「考えたら分かるだろう?分からないのか?」
「分からないわよ、どういう意味?」
誰もアベリーに公爵家の方と、縁談が本当にあるなんて思っていない。メルベールだけが信じた。せめて下位貴族や平民である方が説得力があっただろう。
「公爵家の方が本気で結婚を考えているのならば、アベリーのことを調べないはずがない。それでも結婚したいというのであれば、確実に反対されるか、それこそ縁を切られるかだろう?」
まともな公爵家であれば、いくらこちらが侯爵家であろうが、調べもせずに結婚など許すはずがない。特に他国ともなれば、きちんと調べるだろう。
そして、まともではなかった場合は騙すこともあり得るだろう。後、考えられるのは脅しの材料にする。
だが、脅しの材料にされても、息子たちには申し訳ないが、アベリーに関しては隠す気はない。ユーリのことは守りたいと思っているが、おそらくラオン大公家が明かすことは許しはしないだろう。
「キリアム、分かっていたの?」
「君以外は分かっていたんじゃないか?何も言わなかっただろう?」
「嘘でしょう?えっ、そうなの?」
メルベールは皆の顔を見ると、情けないと言わんばかりだった。
「子どもの言うことを信じて何が悪いのよ」
「違うよ、君がメルベールのことを見てもいなければ、置かれた状況も分かっていない証拠だ」
「っな」
「どこの公爵家かも言わない、修道院に行きたくない、子どもの考えた浅知恵ではないかと疑う方が自然だと思うが?」
そして、続いて答えたはマトムであった。
「そして、キリアムが言ったように、公爵家だとするなら調べないはずがない。ユーリのことは伏せられても、怪我をさせたことが目撃者も多い、簡単に手に入れられる情報だ。他国の寄宿学校に入っている時点で、何かあると思われても仕方ない」
「そんな…」
驚いていたが、どうして今さら驚くのかも分からない。
「お祖父様が言った通りです。寄宿学校の友人に打ち明けたんです。そうしたら、相手が公爵家の人だと言ったら、考え直してくれるのではないかって」
「相手がいないなら、いずれバレるじゃない!」
どの口がバレるなどと言えるのだろうか、アベリーは知らないからいいと思っているのか?メルベールとの会話には意味も価値もない。
「公爵家の方と親戚だという子がいて、その子が頼んでくれると」
「寄宿学校にそんな子いるわけないじゃない!騙されてるのよ!」
「いえ、本当に親戚なんです」
「じゃあ、本当に結婚してくれるって言ったの?」
キリアムは事実なのかもしれないとは思った、そしてアベリーに好意を持っているなどではなく、何か要求があるのだろう。一番高い可能性はお金…。
「持参金か?」
「…はい、持参金で結婚をしてくれるだろうと、それから離縁して、好きな相手と結婚すればいい。修道院に行くよりマシだろうと」
「何よそれ!私たちを騙そうとしただけじゃない!信じられない!ねえ、キリアム、信じられないわね」
メルベールは一変して、今度はキリアムに賛同するかのように、アベリーを非難し始めたが、おそらく今までもこうやって、何も考えず、辻褄が合わなくなっても、その場しのぎの嘘で乗り切っていたのだろう。
ユーリがいれば、うまく正しい方へ誘導していた。
メルベールの異常さを成立させてくれていたのがユーリだと、いないことでよく分かる。気付いていないのはメルベールだけだろう。
「いません」
「はあ?嘘だったって言うの!」
「メルベール、黙れ!君が嘘を責める権利はない」
嘘のせいで蟄居させられているのに、人のことを責める権利があると思っているのか。本当にどうしようもない。
「で、でも」
「考えたら分かるだろう?分からないのか?」
「分からないわよ、どういう意味?」
誰もアベリーに公爵家の方と、縁談が本当にあるなんて思っていない。メルベールだけが信じた。せめて下位貴族や平民である方が説得力があっただろう。
「公爵家の方が本気で結婚を考えているのならば、アベリーのことを調べないはずがない。それでも結婚したいというのであれば、確実に反対されるか、それこそ縁を切られるかだろう?」
まともな公爵家であれば、いくらこちらが侯爵家であろうが、調べもせずに結婚など許すはずがない。特に他国ともなれば、きちんと調べるだろう。
そして、まともではなかった場合は騙すこともあり得るだろう。後、考えられるのは脅しの材料にする。
だが、脅しの材料にされても、息子たちには申し訳ないが、アベリーに関しては隠す気はない。ユーリのことは守りたいと思っているが、おそらくラオン大公家が明かすことは許しはしないだろう。
「キリアム、分かっていたの?」
「君以外は分かっていたんじゃないか?何も言わなかっただろう?」
「嘘でしょう?えっ、そうなの?」
メルベールは皆の顔を見ると、情けないと言わんばかりだった。
「子どもの言うことを信じて何が悪いのよ」
「違うよ、君がメルベールのことを見てもいなければ、置かれた状況も分かっていない証拠だ」
「っな」
「どこの公爵家かも言わない、修道院に行きたくない、子どもの考えた浅知恵ではないかと疑う方が自然だと思うが?」
そして、続いて答えたはマトムであった。
「そして、キリアムが言ったように、公爵家だとするなら調べないはずがない。ユーリのことは伏せられても、怪我をさせたことが目撃者も多い、簡単に手に入れられる情報だ。他国の寄宿学校に入っている時点で、何かあると思われても仕方ない」
「そんな…」
驚いていたが、どうして今さら驚くのかも分からない。
「お祖父様が言った通りです。寄宿学校の友人に打ち明けたんです。そうしたら、相手が公爵家の人だと言ったら、考え直してくれるのではないかって」
「相手がいないなら、いずれバレるじゃない!」
どの口がバレるなどと言えるのだろうか、アベリーは知らないからいいと思っているのか?メルベールとの会話には意味も価値もない。
「公爵家の方と親戚だという子がいて、その子が頼んでくれると」
「寄宿学校にそんな子いるわけないじゃない!騙されてるのよ!」
「いえ、本当に親戚なんです」
「じゃあ、本当に結婚してくれるって言ったの?」
キリアムは事実なのかもしれないとは思った、そしてアベリーに好意を持っているなどではなく、何か要求があるのだろう。一番高い可能性はお金…。
「持参金か?」
「…はい、持参金で結婚をしてくれるだろうと、それから離縁して、好きな相手と結婚すればいい。修道院に行くよりマシだろうと」
「何よそれ!私たちを騙そうとしただけじゃない!信じられない!ねえ、キリアム、信じられないわね」
メルベールは一変して、今度はキリアムに賛同するかのように、アベリーを非難し始めたが、おそらく今までもこうやって、何も考えず、辻褄が合わなくなっても、その場しのぎの嘘で乗り切っていたのだろう。
ユーリがいれば、うまく正しい方へ誘導していた。
メルベールの異常さを成立させてくれていたのがユーリだと、いないことでよく分かる。気付いていないのはメルベールだけだろう。
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