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義兄と義母1
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キリアムがシュアト公爵夫人に謝罪と収支を知りたいと文を書くと、謝罪する相手は私ではないだろうこと、収支はおそらくユーリの荷物を引き取ったサイラ夫人が持っていると書かれていた。
サイラ夫人は見付かっていないため、ひとまずレイアとマトムの貰った物をどのくらいの価値かを調べることにした。
調べて行くと、母・レイアの要求は一番高価なのが、あのサファイアのネックレスの300万ではあったが、毎年値を上げており、マトムもレイアの要望の影響か、高価な物になっていた。
父・マトムは外せない用事で出掛けていたため、レイアと値段を聞いたが、みるみる分が悪い顔になっていった。
「何なんだこれは…なぜ嫁にここまで要求出来るんだ…来年は何を要求するつもりだったのですか?今度はイヤリングですか?」
「違うの、私だってこんなに高価な物だったなんて知らなかったの」
「そんなはずないではありませんか」
「そんなに責めないで!そこまで悪いことではないでしょう!」
「は?」
悪いことではないかもしれないが、嫌がらせ?嫁いびり?とも取れる行為であることすら分かっていないのか。マトムもきちんと確かめれば良かったのにと思ったが、発端は母が唆したことだ。
「いいじゃない、買ってくれたんだから、ユーリだって喜んでいたかもしれないじゃない!どうして私が責められるの…」
「はあ…あなたが親なのが本当に恥ずかしいですよ」
いつも気丈に振舞っていた母が、わざとらしく傷付いているような姿を見せることに吐き気がした。
ユーリとレイラは子どもの頃は会っていたが、一緒に住んでいるわけもなく、親しい嫁姑でもないのに、なぜこんなことが出来たのか。亡くなって、贈り物が貰えなくなったと思っていたのかもしれないとすら思える。
「何てことを言うの!どこが恥ずかしいのよ」
「恥ずかしいに決まっているじゃないですか…」
最初にメルベールに催促されると、聞かされた時も驚いたが、なぜこのような思考なのかが分からない。
「なぜ厚意を受け取るだけでは駄目だったのですか。お祝いは欲しい物を買って貰える日なのは、子どもだけですよ?まさかまだ子どもの気分なのですか?」
「―――っ!」
レイアの酷く驚いた顔に、図星なのだと頭を抱えたくなった。まさか子どもの頃のことを、ずっと引きずっていたとは。それは親だから許されることであって、嫁に強要するものではない。
「もう皆、知っている話だそうですから…何を言っても仕方ありませんね」
「あんなの嘘よ!言われたことないもの」
「言うわけないじゃないですか…一応、侯爵家なんですから。爵位の下の方は皆、心の中で思うだけですよ。でもシュアト公爵家では違っただけですよ。これからは恥ずかしい真似をしていたと思って、生きていってくださいね」
「っな!」
何で私がそんな風に生きて行かなければならないのよ、ちょっと要求しただけじゃない。アベリーのこともあるのに、これ以上肩身の狭い思いをしろって言うの?
「アベリーがそもそもの原因でしょう!」
「それは分かっています。ですが、甘やかしていたのは母上もでしょう?皆が反省すべきなんですよ」
アベリーは反省まではまだ至っていない。いくら話しても、いつも欲しいと言えば貰えたのに、あの子は渡さなかったと、家族だから貰えただけで、皆から貰えるわけではないと言っても、分からないと言って、悪いことだと理解が出来ない。
「私は甘やかしてなどいないわ」
「はあ…」
子どもが奪おうとしたか、いい大人が強請ったかの違いで、レイアのやったことに血筋を感じる行動じゃないか。どうして分からないんだ。
サイラ夫人は見付かっていないため、ひとまずレイアとマトムの貰った物をどのくらいの価値かを調べることにした。
調べて行くと、母・レイアの要求は一番高価なのが、あのサファイアのネックレスの300万ではあったが、毎年値を上げており、マトムもレイアの要望の影響か、高価な物になっていた。
父・マトムは外せない用事で出掛けていたため、レイアと値段を聞いたが、みるみる分が悪い顔になっていった。
「何なんだこれは…なぜ嫁にここまで要求出来るんだ…来年は何を要求するつもりだったのですか?今度はイヤリングですか?」
「違うの、私だってこんなに高価な物だったなんて知らなかったの」
「そんなはずないではありませんか」
「そんなに責めないで!そこまで悪いことではないでしょう!」
「は?」
悪いことではないかもしれないが、嫌がらせ?嫁いびり?とも取れる行為であることすら分かっていないのか。マトムもきちんと確かめれば良かったのにと思ったが、発端は母が唆したことだ。
「いいじゃない、買ってくれたんだから、ユーリだって喜んでいたかもしれないじゃない!どうして私が責められるの…」
「はあ…あなたが親なのが本当に恥ずかしいですよ」
いつも気丈に振舞っていた母が、わざとらしく傷付いているような姿を見せることに吐き気がした。
ユーリとレイラは子どもの頃は会っていたが、一緒に住んでいるわけもなく、親しい嫁姑でもないのに、なぜこんなことが出来たのか。亡くなって、贈り物が貰えなくなったと思っていたのかもしれないとすら思える。
「何てことを言うの!どこが恥ずかしいのよ」
「恥ずかしいに決まっているじゃないですか…」
最初にメルベールに催促されると、聞かされた時も驚いたが、なぜこのような思考なのかが分からない。
「なぜ厚意を受け取るだけでは駄目だったのですか。お祝いは欲しい物を買って貰える日なのは、子どもだけですよ?まさかまだ子どもの気分なのですか?」
「―――っ!」
レイアの酷く驚いた顔に、図星なのだと頭を抱えたくなった。まさか子どもの頃のことを、ずっと引きずっていたとは。それは親だから許されることであって、嫁に強要するものではない。
「もう皆、知っている話だそうですから…何を言っても仕方ありませんね」
「あんなの嘘よ!言われたことないもの」
「言うわけないじゃないですか…一応、侯爵家なんですから。爵位の下の方は皆、心の中で思うだけですよ。でもシュアト公爵家では違っただけですよ。これからは恥ずかしい真似をしていたと思って、生きていってくださいね」
「っな!」
何で私がそんな風に生きて行かなければならないのよ、ちょっと要求しただけじゃない。アベリーのこともあるのに、これ以上肩身の狭い思いをしろって言うの?
「アベリーがそもそもの原因でしょう!」
「それは分かっています。ですが、甘やかしていたのは母上もでしょう?皆が反省すべきなんですよ」
アベリーは反省まではまだ至っていない。いくら話しても、いつも欲しいと言えば貰えたのに、あの子は渡さなかったと、家族だから貰えただけで、皆から貰えるわけではないと言っても、分からないと言って、悪いことだと理解が出来ない。
「私は甘やかしてなどいないわ」
「はあ…」
子どもが奪おうとしたか、いい大人が強請ったかの違いで、レイアのやったことに血筋を感じる行動じゃないか。どうして分からないんだ。
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