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調査報告2
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「そんな話聞いたこともないのだけど、もしかして離縁された方もいるのかしら?」
アンドリューの世代でも、離縁した夫婦もいたが、不貞行為、しかもそのような破廉恥な理由は聞いたことがなかった。
「いたのかもしれません、ですが恥ずかしいと公にしなかった」
「確かに、オリビアのことで我々も恥ずかしい思いをした。オリビアは立場上難しいが、公にしなくていいのならば、そうしただろう」
当事者としてファンドラーも、痛いほど気持ちが分かった。
「はい、それで別の理由で離縁されたのかもしれません」
「だからそのようなことが、まかり通っているとも言えるわよね」
「ええ、その通りです。夫は見て見ぬ振りをしているのか、知らないのか」
「責任はあるでしょう」
「ええ、知らない可能性もありはしますが、おそらく問題になっても、公にはされないと思っているのではないでしょうか」
「ああ、そうだろうな。離縁しても、貴族として恥ずかしいという方が勝るだろう」
「だから、続いているのでしょう」
誰かが声を上げなければ、なくなることはないだろう。ミカエラーが足繫く通っていたように、なくなって困ることなのだろう。
ゆえに皆が進んで行っている証拠でもある。嫌ならば行かなければいい、暴露してしまえばいい、だがそのようなことをする者はいなかった。
そして、アンドリューは両親をじっと見つめた。
「それで、親子鑑定の方なのですが」
ファンドラーとマルエリーは、小さく息を呑んだ。
「ディビット、ディアーナ、ブリジットは私の子ではありませんでした」
「な!」
「う、そ…」
アンドリューとミカエラーの子どもは、第一子である長女・シャルロット、第二子である長男・スチュアート、第三子である次男・ディビット、第四子である次女・ディアーナ、第五子である三女・ブリジットであった。
「まさか半分以上、私の子どもではなかったとは…思いませんでした」
アンドリューも、もしかしたらという気持ちは持っていた。だが、事を荒立ててはならないと思い、自分の子どもではないと思わないようにしていた。
容姿に関してもシャルロットはアンドリューに似ており、ディビットとディアーナはミカエラーに似ていた。
スチュアートとブリジットは、どちらかに強く似ているようなことはなく、隔世遺伝で祖父母に似ているということもなかった。
「ですが、ディビットが生まれる頃には、そういった行為も減っていましたから、納得は出来ます」
アンドリューがミカエラーの性欲に、遠慮したいと思うようになったのはスチュアートが生まれた辺りではあった。ゆえにディビットが生まれる頃には、格段に減っていた。それでも絶対に違うと言えるのは、5年前からである。
「そんな…信じられないわ」
「一体誰の子なんだ…」
「ディビットたちの父親が、あの邸での行為で授かったのならば、貴族令息か、男娼でしょう」
「そうなるのか…」
「当時のことまでは調べられませんが、当時もあの邸に行っていたのは事実です」
ズニーライ侯爵家の馬車を使っていたことから、記録を見れば、ミカエラーを送り届けていることは明白であった。
「もしかしたら、万が一にも妊娠してもいいように、夫に似た相手を選んでいたのかもしれません」
「っな」
「まさか」
濃淡はあるがブラウンの髪色に、ブラウンかブルーの瞳の多い、アジェル王国ではあるが、色味に関しても、ディビット、ディアーナ、ブリジットに子どもではないと疑うような色味は出ていない。
「可能性は高いと思っています」
「信じられん。可哀想だが、はっきりした以上、ディビット、ディアーナ、ブリジットはズニーライ侯爵家には置くことは出来ない」
「はい、承知しております」
「子どもたちに罪はないけど、そうするしかないですわね」
デンバー伯爵夫妻に揃って来て欲しいと連絡を取り、話をすることになった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
17時もお読みいただきありがとうございます。
実は昨日、誤ってこの話だけを削除してしまい、
バックアップもなく、
初めてのミスで泣きそうになりましたが、
丸々書き直しました…書き漏れはないとは思いますが、
洩れていた場合は追々で捕捉します。
そして同じ17時から新作となる、
「ご期待に沿えず、誠に申し訳ございません」を投稿しております。
どうぞよろしくお願いいたします。
アンドリューの世代でも、離縁した夫婦もいたが、不貞行為、しかもそのような破廉恥な理由は聞いたことがなかった。
「いたのかもしれません、ですが恥ずかしいと公にしなかった」
「確かに、オリビアのことで我々も恥ずかしい思いをした。オリビアは立場上難しいが、公にしなくていいのならば、そうしただろう」
当事者としてファンドラーも、痛いほど気持ちが分かった。
「はい、それで別の理由で離縁されたのかもしれません」
「だからそのようなことが、まかり通っているとも言えるわよね」
「ええ、その通りです。夫は見て見ぬ振りをしているのか、知らないのか」
「責任はあるでしょう」
「ええ、知らない可能性もありはしますが、おそらく問題になっても、公にはされないと思っているのではないでしょうか」
「ああ、そうだろうな。離縁しても、貴族として恥ずかしいという方が勝るだろう」
「だから、続いているのでしょう」
誰かが声を上げなければ、なくなることはないだろう。ミカエラーが足繫く通っていたように、なくなって困ることなのだろう。
ゆえに皆が進んで行っている証拠でもある。嫌ならば行かなければいい、暴露してしまえばいい、だがそのようなことをする者はいなかった。
そして、アンドリューは両親をじっと見つめた。
「それで、親子鑑定の方なのですが」
ファンドラーとマルエリーは、小さく息を呑んだ。
「ディビット、ディアーナ、ブリジットは私の子ではありませんでした」
「な!」
「う、そ…」
アンドリューとミカエラーの子どもは、第一子である長女・シャルロット、第二子である長男・スチュアート、第三子である次男・ディビット、第四子である次女・ディアーナ、第五子である三女・ブリジットであった。
「まさか半分以上、私の子どもではなかったとは…思いませんでした」
アンドリューも、もしかしたらという気持ちは持っていた。だが、事を荒立ててはならないと思い、自分の子どもではないと思わないようにしていた。
容姿に関してもシャルロットはアンドリューに似ており、ディビットとディアーナはミカエラーに似ていた。
スチュアートとブリジットは、どちらかに強く似ているようなことはなく、隔世遺伝で祖父母に似ているということもなかった。
「ですが、ディビットが生まれる頃には、そういった行為も減っていましたから、納得は出来ます」
アンドリューがミカエラーの性欲に、遠慮したいと思うようになったのはスチュアートが生まれた辺りではあった。ゆえにディビットが生まれる頃には、格段に減っていた。それでも絶対に違うと言えるのは、5年前からである。
「そんな…信じられないわ」
「一体誰の子なんだ…」
「ディビットたちの父親が、あの邸での行為で授かったのならば、貴族令息か、男娼でしょう」
「そうなるのか…」
「当時のことまでは調べられませんが、当時もあの邸に行っていたのは事実です」
ズニーライ侯爵家の馬車を使っていたことから、記録を見れば、ミカエラーを送り届けていることは明白であった。
「もしかしたら、万が一にも妊娠してもいいように、夫に似た相手を選んでいたのかもしれません」
「っな」
「まさか」
濃淡はあるがブラウンの髪色に、ブラウンかブルーの瞳の多い、アジェル王国ではあるが、色味に関しても、ディビット、ディアーナ、ブリジットに子どもではないと疑うような色味は出ていない。
「可能性は高いと思っています」
「信じられん。可哀想だが、はっきりした以上、ディビット、ディアーナ、ブリジットはズニーライ侯爵家には置くことは出来ない」
「はい、承知しております」
「子どもたちに罪はないけど、そうするしかないですわね」
デンバー伯爵夫妻に揃って来て欲しいと連絡を取り、話をすることになった。
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17時もお読みいただきありがとうございます。
実は昨日、誤ってこの話だけを削除してしまい、
バックアップもなく、
初めてのミスで泣きそうになりましたが、
丸々書き直しました…書き漏れはないとは思いますが、
洩れていた場合は追々で捕捉します。
そして同じ17時から新作となる、
「ご期待に沿えず、誠に申し訳ございません」を投稿しております。
どうぞよろしくお願いいたします。
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