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果て
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『離縁しなさい、私が結婚してあげるから』
『お断りします』
『何ですって!』
『それはこちらの台詞ですよ、あなたはもう王女ではない。伯爵令嬢でしょう?』
『リアンス様の奥様だって、伯爵令嬢でしょう?同じじゃない!』
『彼女は元はランドマーク侯爵令嬢ですよ?』
『は?伯爵令嬢だって…』
ルミアーノは確か妻は伯爵令嬢だとと聞いたことを、調べることもせず、自分と同じ伯爵令嬢だと思い込んだ。
『祖父の養子になったので、旧姓はスノー・ランドマークです。現在の立場を弁えたらいかがですか?困るのはあなたの方ですよ』
ルミアーノは16歳になっていたが、王家の唯一の王女だったのに、伯爵令嬢と言われることが、時間が経っても許せなかった。
元兄と結婚することは出来ないために、元兄たちと一緒にいるのを見たことのあるリアンスを知り合いと認識し、婚約者がいたがその後に婚約を解消したと聞いており、王族ではなくなったが、せめて公爵家に嫁いでやると意気込んでいた。
だが、リアンスは既にその頃には結婚していた。
『でも元は伯爵令嬢でしょう!』
『だから何です?今はローザ公爵家の人間ですよ?』
『私は王女なの!王女として生きて行く人間なのよ!だから、公爵家ぐらいじゃないと、釣り合わないでしょう!』
その言葉で、ルミアーノはオッフェンベル教会行きが決定した。
王家からの推薦で、ルミアーノは未だに出て来れる様子のないレピアのいる、オッフェンベル教会へ入ることになった。
「オッフェンベル教会が気の毒になりますね」
「いや、どうやら努めたいという者が集うそうだから、大丈夫だろう」
「そうですか…私は初めてお会いして、口を挟む間もなく、連れ去られて行きましたね。顔は覚えたので、次に会っても気付けるとは思います」
「でも、顔つきは変わっているはずだよ」
「そうだと良いですね」
レピアもルミアーノもいつ出て来るかは分からないが、スノーはどう変わるのか楽しみであった。
「きっと全部、運命だったんだよ」
「それでも、私の考えていた範疇は超えていました」
「私もこんなことになるなんて思っていなかった。だが、トイズ様もマリエル様も、スノーに感謝しているよ。その後のことは、スノーが考えることではない」
「でも言い出したのは私ですから、後悔はしていませんが、何も言わなければと思うことはどうしてもあります」
スノーはまさかこんなにも悲しい事件を、幾つも浮かび上がらせることになるとは思っていなかった。
「だが、いずれアンダーソン弁護士事務所から連絡があっただろう?」
「それはそうなんですけど」
「スノーは黙ってはいられなかっただろう?」
「はい…おそらく、同じようにしたと思います」
リアンスと関わったことで、色んな点と線が繋がっていっただけであったが、カーラの手紙を受け取っていたら、同じ行動を起こしただろう。
「それが当然だよ、罪を犯した者が、何もなかった顔をして生きていいはずがない。誰にも見られていないと思って、誰も言わないと思って、生きていいわけではない。ジーリス・ユーフレットは亡くなっていたが、それでもそのままにしていていいはずがない。それが運命だったんだよ」
「そうですね」
「今回のことで、爵位のことも、少しは見直されるだろう」
「そうだと良いですね」
リアンスは公爵家の人間になったにも関わらず、淀みなく言えるスノーをまた惚れ直していた。
そして、スノーは無事、男の子を出産した。
今でも公爵家には恐れ多いが、妙な形ではあるが、義両親とも親しい関係を築き、スノーはあまり役に立たないと思っていた特技は、幾度となく役立つことになる。
あの日、トイズに言われた『きっと君の人生はいいものになる』を、実現したと言っていい人生を歩むことになった。
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最後までお読みいただき、ありがとうございます。
自分の書きたいように、こねくり回させていただきました。
いつもながら長くなってしまい、申し訳ございません。
お付き合いいただき、本当にありがとうございました。
『お断りします』
『何ですって!』
『それはこちらの台詞ですよ、あなたはもう王女ではない。伯爵令嬢でしょう?』
『リアンス様の奥様だって、伯爵令嬢でしょう?同じじゃない!』
『彼女は元はランドマーク侯爵令嬢ですよ?』
『は?伯爵令嬢だって…』
ルミアーノは確か妻は伯爵令嬢だとと聞いたことを、調べることもせず、自分と同じ伯爵令嬢だと思い込んだ。
『祖父の養子になったので、旧姓はスノー・ランドマークです。現在の立場を弁えたらいかがですか?困るのはあなたの方ですよ』
ルミアーノは16歳になっていたが、王家の唯一の王女だったのに、伯爵令嬢と言われることが、時間が経っても許せなかった。
元兄と結婚することは出来ないために、元兄たちと一緒にいるのを見たことのあるリアンスを知り合いと認識し、婚約者がいたがその後に婚約を解消したと聞いており、王族ではなくなったが、せめて公爵家に嫁いでやると意気込んでいた。
だが、リアンスは既にその頃には結婚していた。
『でも元は伯爵令嬢でしょう!』
『だから何です?今はローザ公爵家の人間ですよ?』
『私は王女なの!王女として生きて行く人間なのよ!だから、公爵家ぐらいじゃないと、釣り合わないでしょう!』
その言葉で、ルミアーノはオッフェンベル教会行きが決定した。
王家からの推薦で、ルミアーノは未だに出て来れる様子のないレピアのいる、オッフェンベル教会へ入ることになった。
「オッフェンベル教会が気の毒になりますね」
「いや、どうやら努めたいという者が集うそうだから、大丈夫だろう」
「そうですか…私は初めてお会いして、口を挟む間もなく、連れ去られて行きましたね。顔は覚えたので、次に会っても気付けるとは思います」
「でも、顔つきは変わっているはずだよ」
「そうだと良いですね」
レピアもルミアーノもいつ出て来るかは分からないが、スノーはどう変わるのか楽しみであった。
「きっと全部、運命だったんだよ」
「それでも、私の考えていた範疇は超えていました」
「私もこんなことになるなんて思っていなかった。だが、トイズ様もマリエル様も、スノーに感謝しているよ。その後のことは、スノーが考えることではない」
「でも言い出したのは私ですから、後悔はしていませんが、何も言わなければと思うことはどうしてもあります」
スノーはまさかこんなにも悲しい事件を、幾つも浮かび上がらせることになるとは思っていなかった。
「だが、いずれアンダーソン弁護士事務所から連絡があっただろう?」
「それはそうなんですけど」
「スノーは黙ってはいられなかっただろう?」
「はい…おそらく、同じようにしたと思います」
リアンスと関わったことで、色んな点と線が繋がっていっただけであったが、カーラの手紙を受け取っていたら、同じ行動を起こしただろう。
「それが当然だよ、罪を犯した者が、何もなかった顔をして生きていいはずがない。誰にも見られていないと思って、誰も言わないと思って、生きていいわけではない。ジーリス・ユーフレットは亡くなっていたが、それでもそのままにしていていいはずがない。それが運命だったんだよ」
「そうですね」
「今回のことで、爵位のことも、少しは見直されるだろう」
「そうだと良いですね」
リアンスは公爵家の人間になったにも関わらず、淀みなく言えるスノーをまた惚れ直していた。
そして、スノーは無事、男の子を出産した。
今でも公爵家には恐れ多いが、妙な形ではあるが、義両親とも親しい関係を築き、スノーはあまり役に立たないと思っていた特技は、幾度となく役立つことになる。
あの日、トイズに言われた『きっと君の人生はいいものになる』を、実現したと言っていい人生を歩むことになった。
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最後までお読みいただき、ありがとうございます。
自分の書きたいように、こねくり回させていただきました。
いつもながら長くなってしまい、申し訳ございません。
お付き合いいただき、本当にありがとうございました。
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