142 / 154
再婚3
しおりを挟む
問題はダリアとマーガレットの面会で、領地だとまだ幼いので面会の度に連れて来るのは大変なためである。
そして、メリーアンはマーガレットを可愛がってはいるが、どこかダリアの繋がるための存在なのではないかと疑っている。
ダリアに領地まで会いに行くようにするにも、再婚される令嬢は不安に思うことだろう。さて、どうするべきかと頭を悩ませていた。
「お父様が言って頂戴!そんなことは認めないと」
「そんなことを言うはずがないだろう」
「どうしてよ!ダリアが再婚してもいいと言うの?」
「ああ、いずれそうされるだろうと思っていたよ」
「はあ?ふざけないで!」
「いい加減にしてくれないか…お前は自分のことしか考えられないのか?」
思った以上に話の通じない姿に、頭を抱えたくなった。
「ダリアのために言っているの!私がいないと駄目なのよ!」
「もう頭がおかしくなりそうだ!いい加減にしろっ!!」
カーサスは叫びにも似た、悲鳴を上げた。
「何よ、お父様が分かっていないからじゃない」
「どうして、ダリア殿のことをお前が決める?そんな権利はないだろう?所有物だとでも思っているのか?」
カーラスはトーラスの言った言葉を借り、ある疑問を聞いてみようと思った。
「そうよ、ダリアは私の物だもの」
「伯爵家だからか?」
「そうよ」
「やっぱり、ジーリスの娘なんだな…」
「え?」
カーラスはジーリスのことは口にはしなかったが、ついにジーリスの本性のようなメリーアンの姿に、リリーではなく、間違いなくジーリスの血なのだと感じた。
メリーアンもさすがにお父様からそんな言葉が出て来て、驚いた。
「ジーリスも自分より下の女性だからと、あんな行動を取っていた」
「私はそんなことをしていないわ」
「考え方だよ、そっくりだな。私の娘ではないと、今、実感したよ」
「…な、な、どうして…」
さすがのメリーアンも、カーラスの言葉に動揺し始めた。
「事実を知った後でも、娘だと思っていたよ。でも私は親ではないんだろうな、君が言っていることが、全く理解が出来ない…」
「私はお父様の子よ…」
「いや、君は間違いなくジーリスの子どもだよ、ジーリスの言っていたことも、メリーアンの今言っていることも理解が出来ないのだから、そうだろう?私は父親ではないと潔く認めるよ。早くにそうすれば良かったんだな」
「駄目よ、そんなの!そうでしょう?お兄様」
「父上が決めたのなら、私は従うよ」
「嘘よ…」
トーラスはカーラスの言い出したことに驚きはしたが、おそらく限界に達したのだと思い、その様子を見守っていた。
「私はどうなるの…?」
「私の子どもではないのだから、父上と母上に任せるか、ロス伯爵家に行くかだな。私は手を引くよ、父親ではないのだから」
「そんなの駄目よ…」
「後は父上と母上、ロス伯爵家と話してくれ。父親になれなくてすまなかったな」
カーラスは本当に席を立ち、出て行った。
「お兄様…お兄様、助けてくれるわよね?」
「メリーアンが、理解の出来ないことを言うからだろう。ダリア殿を見下して、所有している気になっていたんだな、最低だよ。何様なんだ?」
「だって私は、侯爵令嬢なのよ?それが普通でしょう?」
「普通じゃないよ。でも、これからは両親ともに罪人の娘として生きて行くしかないな…頑張ってくれ」
トーラスもどうする気なのかは分からないが、父の意思を継ぐことにした。
「っ、そんなこと…」
「私より酷いが、自分が言い出したことだからな。養って貰っているのだから、仕方ないよ」
「私はただ、再婚なんて認めたくなくて…」
「それがあんな狂った考えになるのか?私も母上の子だが、そんな風に思ったことはないよ」
トーラスもリリーの息子なのである、だが狂っているのはメリーアンだけである。
そして、メリーアンはマーガレットを可愛がってはいるが、どこかダリアの繋がるための存在なのではないかと疑っている。
ダリアに領地まで会いに行くようにするにも、再婚される令嬢は不安に思うことだろう。さて、どうするべきかと頭を悩ませていた。
「お父様が言って頂戴!そんなことは認めないと」
「そんなことを言うはずがないだろう」
「どうしてよ!ダリアが再婚してもいいと言うの?」
「ああ、いずれそうされるだろうと思っていたよ」
「はあ?ふざけないで!」
「いい加減にしてくれないか…お前は自分のことしか考えられないのか?」
思った以上に話の通じない姿に、頭を抱えたくなった。
「ダリアのために言っているの!私がいないと駄目なのよ!」
「もう頭がおかしくなりそうだ!いい加減にしろっ!!」
カーサスは叫びにも似た、悲鳴を上げた。
「何よ、お父様が分かっていないからじゃない」
「どうして、ダリア殿のことをお前が決める?そんな権利はないだろう?所有物だとでも思っているのか?」
カーラスはトーラスの言った言葉を借り、ある疑問を聞いてみようと思った。
「そうよ、ダリアは私の物だもの」
「伯爵家だからか?」
「そうよ」
「やっぱり、ジーリスの娘なんだな…」
「え?」
カーラスはジーリスのことは口にはしなかったが、ついにジーリスの本性のようなメリーアンの姿に、リリーではなく、間違いなくジーリスの血なのだと感じた。
メリーアンもさすがにお父様からそんな言葉が出て来て、驚いた。
「ジーリスも自分より下の女性だからと、あんな行動を取っていた」
「私はそんなことをしていないわ」
「考え方だよ、そっくりだな。私の娘ではないと、今、実感したよ」
「…な、な、どうして…」
さすがのメリーアンも、カーラスの言葉に動揺し始めた。
「事実を知った後でも、娘だと思っていたよ。でも私は親ではないんだろうな、君が言っていることが、全く理解が出来ない…」
「私はお父様の子よ…」
「いや、君は間違いなくジーリスの子どもだよ、ジーリスの言っていたことも、メリーアンの今言っていることも理解が出来ないのだから、そうだろう?私は父親ではないと潔く認めるよ。早くにそうすれば良かったんだな」
「駄目よ、そんなの!そうでしょう?お兄様」
「父上が決めたのなら、私は従うよ」
「嘘よ…」
トーラスはカーラスの言い出したことに驚きはしたが、おそらく限界に達したのだと思い、その様子を見守っていた。
「私はどうなるの…?」
「私の子どもではないのだから、父上と母上に任せるか、ロス伯爵家に行くかだな。私は手を引くよ、父親ではないのだから」
「そんなの駄目よ…」
「後は父上と母上、ロス伯爵家と話してくれ。父親になれなくてすまなかったな」
カーラスは本当に席を立ち、出て行った。
「お兄様…お兄様、助けてくれるわよね?」
「メリーアンが、理解の出来ないことを言うからだろう。ダリア殿を見下して、所有している気になっていたんだな、最低だよ。何様なんだ?」
「だって私は、侯爵令嬢なのよ?それが普通でしょう?」
「普通じゃないよ。でも、これからは両親ともに罪人の娘として生きて行くしかないな…頑張ってくれ」
トーラスもどうする気なのかは分からないが、父の意思を継ぐことにした。
「っ、そんなこと…」
「私より酷いが、自分が言い出したことだからな。養って貰っているのだから、仕方ないよ」
「私はただ、再婚なんて認めたくなくて…」
「それがあんな狂った考えになるのか?私も母上の子だが、そんな風に思ったことはないよ」
トーラスもリリーの息子なのである、だが狂っているのはメリーアンだけである。
1,801
お気に入りに追加
2,847
あなたにおすすめの小説
将来の義理の娘に夫を寝取られた
無味無臭(不定期更新)
恋愛
死んだはずの私は、過去に戻ったらしい。
伯爵家の一人娘として、15歳で公爵家に嫁いだ。
優しい夫と可愛い息子に恵まれた。
そんな息子も伯爵家の令嬢と結婚したので私達夫婦は隠居することにした。
しかし幸せな隠居生活は突然終わりを告げた。
忘れられた幼な妻は泣くことを止めました
帆々
恋愛
アリスは十五歳。王国で高家と呼ばれるう高貴な家の姫だった。しかし、家は貧しく日々の暮らしにも困窮していた。
そんな時、アリスの父に非常に有利な融資をする人物が現れた。その代理人のフーは巧みに父を騙して、莫大な借金を負わせてしまう。
もちろん返済する目処もない。
「アリス姫と我が主人との婚姻で借財を帳消しにしましょう」
フーの言葉に父は頷いた。アリスもそれを責められなかった。家を守るのは父の責務だと信じたから。
嫁いだドリトルン家は悪徳金貸しとして有名で、アリスは邸の厳しいルールに従うことになる。フーは彼女を監視し自由を許さない。そんな中、夫の愛人が邸に迎え入れることを知る。彼女は庭の隅の離れ住まいを強いられているのに。アリスは嘆き悲しむが、フーに強く諌められてうなだれて受け入れた。
「ご実家への援助はご心配なく。ここでの悪くないお暮らしも保証しましょう」
そういう経緯を仲良しのはとこに打ち明けた。晩餐に招かれ、久しぶりに心の落ち着く時間を過ごした。その席にははとこ夫妻の友人のロエルもいて、彼女に彼の掘った珍しい鉱石を見せてくれた。しかし迎えに現れたフーが、和やかな夜をぶち壊してしまう。彼女を庇うはとこを咎め、フーの無礼を責めたロエルにまで痛烈な侮蔑を吐き捨てた。
厳しい婚家のルールに縛られ、アリスは外出もままならない。
それから五年の月日が流れ、ひょんなことからロエルに再会することになった。金髪の端正な紳士の彼は、彼女に問いかけた。
「お幸せですか?」
アリスはそれに答えられずにそのまま別れた。しかし、その言葉が彼の優しかった印象と共に尾を引いて、彼女の中に残っていく_______。
世間知らずの高貴な姫とやや強引な公爵家の子息のじれじれなラブストーリーです。
古風な恋愛物語をお好きな方にお読みいただけますと幸いです。
ハッピーエンドを心がけております。読後感のいい物語を努めます。
※小説家になろう様にも投稿させていただいております。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
糾弾された直後に幸せになるのは 構いませんよね?だって私もう用済み悪役令嬢ですから
無味無臭(不定期更新)
恋愛
男爵令嬢リリーを虐めた罪で糾弾された公爵令嬢レジーナ。
しかしその直後に隣国の王子と結婚する。
「どうして貴女が幸せ掴んでるの?!」
焦る男爵令嬢と驚く攻略対象達にレジーナは言い放つ。
「役目を果たしたんだから幸せになっても構いませんよね?」
行き場を失った恋の終わらせ方
当麻月菜
恋愛
「君との婚約を白紙に戻してほしい」
自分の全てだったアイザックから別れを切り出されたエステルは、どうしてもこの恋を終わらすことができなかった。
避け続ける彼を求めて、復縁を願って、あの日聞けなかった答えを得るために、エステルは王城の夜会に出席する。
しかしやっと再会できた、そこには見たくない現実が待っていて……
恋の終わりを見届ける貴族青年と、行き場を失った恋の中をさ迷う令嬢の終わりと始まりの物語。
※他のサイトにも重複投稿しています。
王子は婚約破棄を泣いて詫びる
tartan321
恋愛
最愛の妹を失った王子は婚約者のキャシーに復讐を企てた。非力な王子ではあったが、仲間の協力を取り付けて、キャシーを王宮から追い出すことに成功する。
目的を達成し安堵した王子の前に突然死んだ妹の霊が現れた。
「お兄さま。キャシー様を3日以内に連れ戻して!」
存亡をかけた戦いの前に王子はただただ無力だった。
王子は妹の言葉を信じ、遥か遠くの村にいるキャシーを訪ねることにした……。
リアンの白い雪
ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
その日の朝、リアンは婚約者のフィンリーと言い合いをした。
いつもの日常の、些細な出来事。
仲直りしていつもの二人に戻れるはずだった。
だがその後、二人の関係は一変してしまう。
辺境の地の砦に立ち魔物の棲む森を見張り、魔物から人を守る兵士リアン。
記憶を失くし一人でいたところをリアンに助けられたフィンリー。
二人の未来は?
※全15話
※本作は私の頭のストレッチ第二弾のため感想欄は開けておりません。
(全話投稿完了後、開ける予定です)
※1/29 完結しました。
感想欄を開けさせていただきます。
様々なご意見、真摯に受け止めさせていただきたいと思います。
ただ、皆様に楽しんでいただける場であって欲しいと思いますので、
いただいた感想をを非承認とさせていただく場合がございます。
申し訳ありませんが、どうかご了承くださいませ。
もちろん、私は全て読ませていただきます。
※この作品は小説家になろうさんでも公開しています。
強い祝福が原因だった
棗
恋愛
大魔法使いと呼ばれる父と前公爵夫人である母の不貞により生まれた令嬢エイレーネー。
父を憎む義父や義父に同調する使用人達から冷遇されながらも、エイレーネーにしか姿が見えないうさぎのイヴのお陰で孤独にはならずに済んでいた。
大魔法使いを王国に留めておきたい王家の思惑により、王弟を父に持つソレイユ公爵家の公子ラウルと婚約関係にある。しかし、彼が愛情に満ち、優しく笑い合うのは義父の娘ガブリエルで。
愛される未来がないのなら、全てを捨てて実父の許へ行くと決意した。
※「殿下が好きなのは私だった」と同じ世界観となりますが此方の話を読まなくても大丈夫です。
※なろうさんにも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる