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面会4
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リリーは特に会いたくはなかったが、最後だから会って置こうと、父親であるロス前伯爵に会うことになった。
「何てことをしてくれたんだ!」
目を既につり上げたロス前伯爵は入室しながら、怒鳴っていた。
「一言目がそれ?」
「何だ、その態度は反省していないのか!頭の悪いお前には分かっていないのか?どれだけの人に迷惑を掛けたと思っているんだ!」
「それは良かったわ」
「は?ふざけるな!」
「お父様が困って、大満足だわ」
「何だと!」
ドカリを座ったが、身を乗り出して、リリーに向かって大きな声を出した。
「大きな声を出せば、何でも叶うと思ったら大間違いよ?あなたはもう罪人の親なんだから」
「それはお前のせいだろうが!」
「そうよ?バレたら無様に捕まろうと決めていたの、ふふっ」
「お前…」
ロス前伯爵は、頭の悪さや状況を読めないリリーを蔑んできており、馬鹿にされることなど初めてのことであった。
「ジーリス殿のことは…なぜ言わなかった…離縁する前に知っていれば、何か違ったかもしれないのに」
ロス前伯爵がリリーがジーリスに強姦されていたのを知ったのは、離縁を受け入れてからであった。
「変わらないわ、私もトイズ様に同じことをしたんだもの」
「だが、辛かったと訴えればよかったじゃないか!」
リリーはふふっと、馬鹿にしたように鼻で笑った。
「せめて、私に言えば良かっただろう!そうすれば、罪だってもっと軽くなったかもしれないんだぞ!お前は被害者でもあると言えば良かったんだ!頭が悪いと思っていたが、考えることも出来ないのか…情けない」
「お母様に言ったわ」
「は?」
母親は病気で七年前に亡くなっており、何を言っているのかと、ロス前伯爵は眉間に皺を寄せた。
「当時、お母様に言ったの」
「っな!私は何も聞いていない」
「そうでしょうね、誰にも言っては駄目、黙って我慢なさいと言われたんだもの。同じ女性で、母親によ?信じられなかったわ。でも、その時だったらお父様は何かしてくれたの?助けてくれたの?」
「そ、それは抗議したさ」
少し言葉に詰まった様子に、ユーフレット侯爵家に盾突くことは出来ず、うやむやにして、母親と同じことを言ったのではないかと思っていた。
「離縁となることを恐れたんじゃない?」
「そんなことはない!」
「今は離縁されたんだから、どうでもいいわ。ユーフレット侯爵家も今までのように力もなくなったから、一緒に潰れていけばいい」
「子どもたちが心配ではないのか…」
「お父様がその言葉を言うの?」
「私はお前のために!」
「どこがよ、私はトイズ様と結婚出来ないのなら、生きている意味などなかったわ」
トイズ様と婚約が解消になった時、もうどうでも良かった。どうにかならないかと、もがいたりもしたけど、トイズ様は変わらなかった。
結婚させられて、トイズ様も何か思うところがあるのではないかと期待したのも事実だが、何も変わらなかった。とても虚しかった。
「駄目になったのは、お前のせいだろう」
「そうよ、それで嫁がされられて、実家と同じように馬鹿にされて、強姦されて、本当の意味でどうでもよくなったの。皆、不幸になったわね」
「皆?」
「罪人の母親を持ったのよ?メリーアンに至っては両親ともに罪人だわ、離縁もされて」
「…どういう意味だ?」
離縁されたことは聞いていたが、メリーアンの父親については、ロス前伯爵は何も聞かされていなかった。
「聞いていないの?メリーアンは強姦された時に出来た、ジーリス・ユーフレットの子どもだったそうよ」
「っな…」
聞いていなかったロス前伯爵は、言葉が出なかった。
「本当なのか…」
「ええ、最悪でしょう」
「そんな…だが、ユーフレット侯爵家の人間であることは」
「でもあの家も大変よ」
「それは…」
何も言えなくなったロス前伯爵に、リリー別れを済ませたと判断し、リリーとオーロラは北の刑務所へ旅立った。
「何てことをしてくれたんだ!」
目を既につり上げたロス前伯爵は入室しながら、怒鳴っていた。
「一言目がそれ?」
「何だ、その態度は反省していないのか!頭の悪いお前には分かっていないのか?どれだけの人に迷惑を掛けたと思っているんだ!」
「それは良かったわ」
「は?ふざけるな!」
「お父様が困って、大満足だわ」
「何だと!」
ドカリを座ったが、身を乗り出して、リリーに向かって大きな声を出した。
「大きな声を出せば、何でも叶うと思ったら大間違いよ?あなたはもう罪人の親なんだから」
「それはお前のせいだろうが!」
「そうよ?バレたら無様に捕まろうと決めていたの、ふふっ」
「お前…」
ロス前伯爵は、頭の悪さや状況を読めないリリーを蔑んできており、馬鹿にされることなど初めてのことであった。
「ジーリス殿のことは…なぜ言わなかった…離縁する前に知っていれば、何か違ったかもしれないのに」
ロス前伯爵がリリーがジーリスに強姦されていたのを知ったのは、離縁を受け入れてからであった。
「変わらないわ、私もトイズ様に同じことをしたんだもの」
「だが、辛かったと訴えればよかったじゃないか!」
リリーはふふっと、馬鹿にしたように鼻で笑った。
「せめて、私に言えば良かっただろう!そうすれば、罪だってもっと軽くなったかもしれないんだぞ!お前は被害者でもあると言えば良かったんだ!頭が悪いと思っていたが、考えることも出来ないのか…情けない」
「お母様に言ったわ」
「は?」
母親は病気で七年前に亡くなっており、何を言っているのかと、ロス前伯爵は眉間に皺を寄せた。
「当時、お母様に言ったの」
「っな!私は何も聞いていない」
「そうでしょうね、誰にも言っては駄目、黙って我慢なさいと言われたんだもの。同じ女性で、母親によ?信じられなかったわ。でも、その時だったらお父様は何かしてくれたの?助けてくれたの?」
「そ、それは抗議したさ」
少し言葉に詰まった様子に、ユーフレット侯爵家に盾突くことは出来ず、うやむやにして、母親と同じことを言ったのではないかと思っていた。
「離縁となることを恐れたんじゃない?」
「そんなことはない!」
「今は離縁されたんだから、どうでもいいわ。ユーフレット侯爵家も今までのように力もなくなったから、一緒に潰れていけばいい」
「子どもたちが心配ではないのか…」
「お父様がその言葉を言うの?」
「私はお前のために!」
「どこがよ、私はトイズ様と結婚出来ないのなら、生きている意味などなかったわ」
トイズ様と婚約が解消になった時、もうどうでも良かった。どうにかならないかと、もがいたりもしたけど、トイズ様は変わらなかった。
結婚させられて、トイズ様も何か思うところがあるのではないかと期待したのも事実だが、何も変わらなかった。とても虚しかった。
「駄目になったのは、お前のせいだろう」
「そうよ、それで嫁がされられて、実家と同じように馬鹿にされて、強姦されて、本当の意味でどうでもよくなったの。皆、不幸になったわね」
「皆?」
「罪人の母親を持ったのよ?メリーアンに至っては両親ともに罪人だわ、離縁もされて」
「…どういう意味だ?」
離縁されたことは聞いていたが、メリーアンの父親については、ロス前伯爵は何も聞かされていなかった。
「聞いていないの?メリーアンは強姦された時に出来た、ジーリス・ユーフレットの子どもだったそうよ」
「っな…」
聞いていなかったロス前伯爵は、言葉が出なかった。
「本当なのか…」
「ええ、最悪でしょう」
「そんな…だが、ユーフレット侯爵家の人間であることは」
「でもあの家も大変よ」
「それは…」
何も言えなくなったロス前伯爵に、リリー別れを済ませたと判断し、リリーとオーロラは北の刑務所へ旅立った。
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