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「すまなかった…」
「お互い様だわ、私も許されない罪を犯していたんだから」
「反省しているのか?」
「ええ、申し訳なかったと思っているわ。マリエル様ではなく、私が死ねばよかったのよね。罪が公になって、一人になってようやく、それが答えだったのが分かったわ…いえ、ずっと前から分かっていたのよね」
リリーはいつものように騒がしい様子は一切なく、落ち着いた様子で、まるでカーサスの見て来た妻とは別人のようであった。
「メリーアンは捨てられなくて、面倒な存在になったでしょうね。ごめんなさいね」
「そんなことは!」
ないと言いたかったが、メリーアンはこのような時なのに、大人しくしていることも出来ず、ローザ公爵家に行ってリアンスに迷惑を掛けたり、またオスレ伯爵家にも行こうとして止めている状況である。
「私に似ているもの。しかも、離縁したのでしょう?」
「ああ…」
「ダリア様には、その方が良かったと思うわ」
「そう思っているのか…」
リリーはメリーアンに対しては申し訳ないと、悲しんでいると思い、離縁にも自分のせいでと思っていると考えていたカーサスは驚いた。
「ええ、私は今となってはおかしいと思っているわ。でも、メリーアンは違うでしょう?私のせいにするなら仕方ないけど、最悪ダリア様のせいにするのではないかしら…自分のせいではないと思うと、受け入れられないのよ。私がそうだったから…」
「だが…」
メリーアン自身は罪を犯したわけでもなく、巻き込まれて不幸になったと思えており、カーサスはメリーアンを強く叱れないでいた。
「確かに可哀想ではあるけど、あの男の子どもなら、表に出さない方がいいわ。恨んでいる人も多いのよ」
「公にされたわけでは…」
「そういう意味でもあるけど、何をするか分からないもの…って、私には言う資格はないわね、好きにしたらいいわ。私はもう二度と、姿を現すことはないから」
カーサスはこれが別れだと思うと、どこか寂しい気持ちになった。だが、そんなことは今更で、何も言えなかった。
「ジーリスのことは、代わりに謝罪する。すまなかった」
「私へは要らないわ、それよりも被害に遭った方にしてあげて頂戴」
「分かった…」
これが元夫婦の最期の会話になった。
そして、トーラスとメリーアンがリリーに会う日になった。トーラスはリリーの姿に驚いたが、メリーアンはお構いなしに言葉をぶつけ始めた。
「お母様!」
「何かしら」
「私は、あなたのせいで離縁されたのよ!」
「ええ、聞いたわ。ごめんなさいね。でも起こしてしまったんだもの、もう何を言っても変わらないわ」
「母上っ!」
ふてぶてしい態度に苛立って、トーラスは声を上げた。
「あなたにも迷惑を掛けるわね、ごめんなさいね」
「謝って済むことじゃないわ!私は、ダリアと結婚するために生まれて来たの」
「でも、お似合いではなかったわ」
「は?」
メリーアンは、ダリアとの結婚に関して、こんなことになった後でも、リリーだけが味方でいてくれたとは思っていた。
「あなたとダリア様を結び付けようなんて、思っていなかったもの。あなたは思い込みが激しく、愛し愛されたいという思いが強い。だから、ダリア様には合わないと思っていたから」
「っな、そんなはずないわ!応援してくれたじゃない」
「上手くいくとは思っていなかったの」
カーサスが反対するのは分かっていたので、メリーアンの話に合わせていただけで、ダリアの顔は見たいと思っていたので、それが叶えばどうでも良かった。
「でもダリア様も納得していたようだったから、それならばと思ったけど、似合っていなかった。ダリア様は別れて正解だと思うわ」
メリーアンは、リリーが泣いて謝罪する姿しか想像していなかった。
「お互い様だわ、私も許されない罪を犯していたんだから」
「反省しているのか?」
「ええ、申し訳なかったと思っているわ。マリエル様ではなく、私が死ねばよかったのよね。罪が公になって、一人になってようやく、それが答えだったのが分かったわ…いえ、ずっと前から分かっていたのよね」
リリーはいつものように騒がしい様子は一切なく、落ち着いた様子で、まるでカーサスの見て来た妻とは別人のようであった。
「メリーアンは捨てられなくて、面倒な存在になったでしょうね。ごめんなさいね」
「そんなことは!」
ないと言いたかったが、メリーアンはこのような時なのに、大人しくしていることも出来ず、ローザ公爵家に行ってリアンスに迷惑を掛けたり、またオスレ伯爵家にも行こうとして止めている状況である。
「私に似ているもの。しかも、離縁したのでしょう?」
「ああ…」
「ダリア様には、その方が良かったと思うわ」
「そう思っているのか…」
リリーはメリーアンに対しては申し訳ないと、悲しんでいると思い、離縁にも自分のせいでと思っていると考えていたカーサスは驚いた。
「ええ、私は今となってはおかしいと思っているわ。でも、メリーアンは違うでしょう?私のせいにするなら仕方ないけど、最悪ダリア様のせいにするのではないかしら…自分のせいではないと思うと、受け入れられないのよ。私がそうだったから…」
「だが…」
メリーアン自身は罪を犯したわけでもなく、巻き込まれて不幸になったと思えており、カーサスはメリーアンを強く叱れないでいた。
「確かに可哀想ではあるけど、あの男の子どもなら、表に出さない方がいいわ。恨んでいる人も多いのよ」
「公にされたわけでは…」
「そういう意味でもあるけど、何をするか分からないもの…って、私には言う資格はないわね、好きにしたらいいわ。私はもう二度と、姿を現すことはないから」
カーサスはこれが別れだと思うと、どこか寂しい気持ちになった。だが、そんなことは今更で、何も言えなかった。
「ジーリスのことは、代わりに謝罪する。すまなかった」
「私へは要らないわ、それよりも被害に遭った方にしてあげて頂戴」
「分かった…」
これが元夫婦の最期の会話になった。
そして、トーラスとメリーアンがリリーに会う日になった。トーラスはリリーの姿に驚いたが、メリーアンはお構いなしに言葉をぶつけ始めた。
「お母様!」
「何かしら」
「私は、あなたのせいで離縁されたのよ!」
「ええ、聞いたわ。ごめんなさいね。でも起こしてしまったんだもの、もう何を言っても変わらないわ」
「母上っ!」
ふてぶてしい態度に苛立って、トーラスは声を上げた。
「あなたにも迷惑を掛けるわね、ごめんなさいね」
「謝って済むことじゃないわ!私は、ダリアと結婚するために生まれて来たの」
「でも、お似合いではなかったわ」
「は?」
メリーアンは、ダリアとの結婚に関して、こんなことになった後でも、リリーだけが味方でいてくれたとは思っていた。
「あなたとダリア様を結び付けようなんて、思っていなかったもの。あなたは思い込みが激しく、愛し愛されたいという思いが強い。だから、ダリア様には合わないと思っていたから」
「っな、そんなはずないわ!応援してくれたじゃない」
「上手くいくとは思っていなかったの」
カーサスが反対するのは分かっていたので、メリーアンの話に合わせていただけで、ダリアの顔は見たいと思っていたので、それが叶えばどうでも良かった。
「でもダリア様も納得していたようだったから、それならばと思ったけど、似合っていなかった。ダリア様は別れて正解だと思うわ」
メリーアンは、リリーが泣いて謝罪する姿しか想像していなかった。
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