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心憂い3
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「トイズ様のことは口にする気はありません」
「ですが」
「被害者は私です。生きてお話がしたかったとしか思いません」
「でも…」
スノーは静かに首を振り、リアンスがダリアに告げた。
「皆がダリアの気持ちまでは、分かってあげられないかもしれないが、心を痛めていることを忘れないで欲しい」
「…ありがとう、ございます」
「それで、血縁関係を調べるかどうかを考えて欲しい」
バークスがダリアに問い掛けた、二人は罪を犯したわけではない。調べるかどうかは二人に委ねられるべきだろう。
「調べるべきだと思います。結果がどうであれ、見ない振りをしていい話ではありません」
「そうか…そこはメリーアンも一緒の方がいいな」
「はい…彼女は、今聞いているのでしょうか」
「ユーフレット侯爵の子ではないということは、リリーの罪状から、貴族としても托卵となれば、問題だからな」
置き去りのこと以外は、王家や宰相にも話は通してある。だからこそリリーへの聴取を認めて貰えたのである。
「まずはメリーアンとユーフレット侯爵を調べることになると思う」
「そうですか…」
「ユーフレット侯爵はどちらにしても離縁されるでしょうね」
トーサムは冷静に口を開いた。トイズ様が言ってくれていれば、結婚などさせなかった…そんな思いが頭を駆け巡っていた。
メリーアン自身に恨みはない。トイズ様が亡くなって、ダリアとメリーアンが会っていた際も、リリーが付き添っていたわけではない。トーラスと一緒に遊び相手という形だった。トーサムもそれならばと、会わせていたのである。
万が一、きょうだいであったなら、さすがに離縁となるだろうが、違ったとしても問題のある母親を持った嫁というのは、ダリアのためにもならないのではないかと、現当主として考えていた。
「そうなるだろうな…」
「まずは違うということを願うしかないですね…」
「ああ…」
重苦しい空気が流れた、現状ではまだ答えを出せないことばかりである。
そして、メリーアンはトーラスと共に、ユーフレット侯爵と合流して、王城で話を聞かれることになった。3人とも、何も知らなかった。
「そんな…」
一番、衝撃を受けていたのは、罪状だけを聞いていたトーラスであった。
ユーフレット侯爵も驚きはしたが、侯爵として表情を変えることはなかった。メリーアンは、既に感情は滅茶苦茶になっており、茫然としていた。
「そしてもう一つ、調べて貰わなくてはならないことがあります」
「何でしょうか」
「お子様たちがユーフレット侯爵の子どもかどうかです」
「っ」
さすがのユーフレット侯爵も、声が漏れてしまった。そして、メリーアンだけではなく、トーラスも調べるべきだと判断された。
爵位の差が大きいように、貴族として血を重んじる。養子ということも可能ではあるが、その場合はきちんと養子とする。
「私たちが父上の子どもではないというのですか?」
「リリー・ユーフレットから、疑いが出ております」
「分かりました」
「父上っ!」
「調べてハッキリさせた方がいいだろう」
「ですが、誰の子だというのですか!」
ユーフレット侯爵は、思わずメリーアンを見つめた。
トーラスは私に似ている、おそらく違うとすれば、メリーアンとなる。そして、リリーが襲ったことからも、トイズだと考えるのが妥当だろう。
「トイズ、オスレ殿だろうな…」
私も口にはしたくない。だが、罪状からして一人しかいないだろう。やはり結婚は認めるべきではなかったと、後悔したが、今更である。
「っな!何てことを言うのですか!」
メリーアンは頭をグラグラと揺らして、目を回して、後ろに倒れた。
「メリーアン!」
「もう今日は、お休みいただきましょう。明日またいらしてください」
「ああ、すまない」
気絶したメリーアンを連れて、ユーフレット侯爵邸に3人は帰った。オスレ伯爵邸に今、戻すことはすべきではないと思ったからである。
「ですが」
「被害者は私です。生きてお話がしたかったとしか思いません」
「でも…」
スノーは静かに首を振り、リアンスがダリアに告げた。
「皆がダリアの気持ちまでは、分かってあげられないかもしれないが、心を痛めていることを忘れないで欲しい」
「…ありがとう、ございます」
「それで、血縁関係を調べるかどうかを考えて欲しい」
バークスがダリアに問い掛けた、二人は罪を犯したわけではない。調べるかどうかは二人に委ねられるべきだろう。
「調べるべきだと思います。結果がどうであれ、見ない振りをしていい話ではありません」
「そうか…そこはメリーアンも一緒の方がいいな」
「はい…彼女は、今聞いているのでしょうか」
「ユーフレット侯爵の子ではないということは、リリーの罪状から、貴族としても托卵となれば、問題だからな」
置き去りのこと以外は、王家や宰相にも話は通してある。だからこそリリーへの聴取を認めて貰えたのである。
「まずはメリーアンとユーフレット侯爵を調べることになると思う」
「そうですか…」
「ユーフレット侯爵はどちらにしても離縁されるでしょうね」
トーサムは冷静に口を開いた。トイズ様が言ってくれていれば、結婚などさせなかった…そんな思いが頭を駆け巡っていた。
メリーアン自身に恨みはない。トイズ様が亡くなって、ダリアとメリーアンが会っていた際も、リリーが付き添っていたわけではない。トーラスと一緒に遊び相手という形だった。トーサムもそれならばと、会わせていたのである。
万が一、きょうだいであったなら、さすがに離縁となるだろうが、違ったとしても問題のある母親を持った嫁というのは、ダリアのためにもならないのではないかと、現当主として考えていた。
「そうなるだろうな…」
「まずは違うということを願うしかないですね…」
「ああ…」
重苦しい空気が流れた、現状ではまだ答えを出せないことばかりである。
そして、メリーアンはトーラスと共に、ユーフレット侯爵と合流して、王城で話を聞かれることになった。3人とも、何も知らなかった。
「そんな…」
一番、衝撃を受けていたのは、罪状だけを聞いていたトーラスであった。
ユーフレット侯爵も驚きはしたが、侯爵として表情を変えることはなかった。メリーアンは、既に感情は滅茶苦茶になっており、茫然としていた。
「そしてもう一つ、調べて貰わなくてはならないことがあります」
「何でしょうか」
「お子様たちがユーフレット侯爵の子どもかどうかです」
「っ」
さすがのユーフレット侯爵も、声が漏れてしまった。そして、メリーアンだけではなく、トーラスも調べるべきだと判断された。
爵位の差が大きいように、貴族として血を重んじる。養子ということも可能ではあるが、その場合はきちんと養子とする。
「私たちが父上の子どもではないというのですか?」
「リリー・ユーフレットから、疑いが出ております」
「分かりました」
「父上っ!」
「調べてハッキリさせた方がいいだろう」
「ですが、誰の子だというのですか!」
ユーフレット侯爵は、思わずメリーアンを見つめた。
トーラスは私に似ている、おそらく違うとすれば、メリーアンとなる。そして、リリーが襲ったことからも、トイズだと考えるのが妥当だろう。
「トイズ、オスレ殿だろうな…」
私も口にはしたくない。だが、罪状からして一人しかいないだろう。やはり結婚は認めるべきではなかったと、後悔したが、今更である。
「っな!何てことを言うのですか!」
メリーアンは頭をグラグラと揺らして、目を回して、後ろに倒れた。
「メリーアン!」
「もう今日は、お休みいただきましょう。明日またいらしてください」
「ああ、すまない」
気絶したメリーアンを連れて、ユーフレット侯爵邸に3人は帰った。オスレ伯爵邸に今、戻すことはすべきではないと思ったからである。
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