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悲しい事実2
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ダリアはせめて全てがリサナの犯行であったならと思ったが、そんなことを考えても事実は変わらない。
「そんな、ダリア、ごめんなさい…何てことを…」
「…」
ダリアは何も答えられず、メリーアンは両親を亡くして、塞ぎ込んでいた時から知っているので、まさか加害者の娘が励ましていたなどと、受け入れられないと理解していた…だが、信じられなかった。
「お母様、どうして、どうしてそんなことを」
「トイズ様の妻だからよ」
「え?」
「邪魔だったの!だから、リサナを唆したの。絶対に上手くいくとは思わなかったけど、上手くいってしまったの。だからきっと、運命だったのよ」
リリーも上手くいけばいいなというくらいで、リサナに絶対にやるように脅したわけではない。唆しただけである。
「ふざけないで!」
「ふざけてなんていないわ」
「ダリアに申し訳ないと思わなかったの?」
「ええ」
メリーアンは話せば話すほど、ダリアを傷付けるリリーに、口を噤んだ。
「馬に薬を与えて、事故が起こった。証拠も出ている」
「…そうですか、どうして母が、その伯爵夫人に恨まれていたのでしょうか」
リリーは理由を話したようなものであったために、リサナの動機が知りたかった。
ダリアにとって、マリエルは反感を買うような質ではなかったと、記憶していた。周りからもそんな話を聞いたことはなかった。
「これも複雑ではある。確かにリサナはマリエルを気に入らなかった、だから嫌がらせの手紙を送った。そして、その罪をオリラ・リーターの仕業だと思わせたかった」
「なぜですか」
「オリラのせいでコンガル侯爵家が困窮したと、オパール、今の夫人ね。彼女の幼なじみのような関係で、そう吹き込まれていたそうなの」
「そんな…」
「事実、オリラがランドマーク前侯爵の子どもだとは知らなかった。オパールが言わなかったのか、彼女も事情を聞かれることになるでしょうね」
オブレオはバークスとヒューナが話していることから、口を挟むことはせず、事実だと頷いた。
「それで殺したというのですか…」
「殺すつもりはなかったと言っている」
「でも!」
「リサナにとって、オリラの罪を重くする材料くらいに思っていた…」
「でも!実際に」
実際には亡くなっているではないか、嫌がらせでは済まされない。
「ああ…そこで殺人教唆だ、リリーがリサナにある薬を睡眠薬だと渡した。馬が眠って、脅しになるとリサナは使ったそうだ」
「睡眠薬ではなかった?」
「ああ、興奮剤、媚薬と呼ばれるものだった…馬は興奮状態になり、事故は起きた。そして、頭を負傷したマリエルは、急に亡くなってしまった」
「きっと、マリエル自身も亡くなるなんて思っていなかったのかもしれないわ」
メリーアンは頭がガンガンと警告を出して、話を聞いているのだが、現実のものとは思えずに、どこか浮遊しているような気持ちになっていた。
「リリー夫人…事実なのですか」
義母上とは呼びたくなかったダリアは、以前のようにリリー夫人と呼んだ。
「ええ、ダリア様」
答えたリリーはいつもと変わらず微笑んでおり、トイズによく似た顔で名前を呼ばれることだけでも、リリーには笑顔なることであった。
ダリアにとっては、申し訳ないとも思っているとは思えない顔であり、その姿に温厚なダリアの顔はみるみる赤く染まり、目が吊り上がっていった。
そして、ぽたりと涙が零れ落ちた…。
「リリーを外させよう。聞きたいことがあれば、また時間を取る」
既に騎士団には待機して貰っており、リリーはまるで少し出掛けてくるような顔で、王城に連行されていった。あちらにはユーフレット侯爵が待っている。
「ダリア、大丈夫か?」
「そんな、ダリア、ごめんなさい…何てことを…」
「…」
ダリアは何も答えられず、メリーアンは両親を亡くして、塞ぎ込んでいた時から知っているので、まさか加害者の娘が励ましていたなどと、受け入れられないと理解していた…だが、信じられなかった。
「お母様、どうして、どうしてそんなことを」
「トイズ様の妻だからよ」
「え?」
「邪魔だったの!だから、リサナを唆したの。絶対に上手くいくとは思わなかったけど、上手くいってしまったの。だからきっと、運命だったのよ」
リリーも上手くいけばいいなというくらいで、リサナに絶対にやるように脅したわけではない。唆しただけである。
「ふざけないで!」
「ふざけてなんていないわ」
「ダリアに申し訳ないと思わなかったの?」
「ええ」
メリーアンは話せば話すほど、ダリアを傷付けるリリーに、口を噤んだ。
「馬に薬を与えて、事故が起こった。証拠も出ている」
「…そうですか、どうして母が、その伯爵夫人に恨まれていたのでしょうか」
リリーは理由を話したようなものであったために、リサナの動機が知りたかった。
ダリアにとって、マリエルは反感を買うような質ではなかったと、記憶していた。周りからもそんな話を聞いたことはなかった。
「これも複雑ではある。確かにリサナはマリエルを気に入らなかった、だから嫌がらせの手紙を送った。そして、その罪をオリラ・リーターの仕業だと思わせたかった」
「なぜですか」
「オリラのせいでコンガル侯爵家が困窮したと、オパール、今の夫人ね。彼女の幼なじみのような関係で、そう吹き込まれていたそうなの」
「そんな…」
「事実、オリラがランドマーク前侯爵の子どもだとは知らなかった。オパールが言わなかったのか、彼女も事情を聞かれることになるでしょうね」
オブレオはバークスとヒューナが話していることから、口を挟むことはせず、事実だと頷いた。
「それで殺したというのですか…」
「殺すつもりはなかったと言っている」
「でも!」
「リサナにとって、オリラの罪を重くする材料くらいに思っていた…」
「でも!実際に」
実際には亡くなっているではないか、嫌がらせでは済まされない。
「ああ…そこで殺人教唆だ、リリーがリサナにある薬を睡眠薬だと渡した。馬が眠って、脅しになるとリサナは使ったそうだ」
「睡眠薬ではなかった?」
「ああ、興奮剤、媚薬と呼ばれるものだった…馬は興奮状態になり、事故は起きた。そして、頭を負傷したマリエルは、急に亡くなってしまった」
「きっと、マリエル自身も亡くなるなんて思っていなかったのかもしれないわ」
メリーアンは頭がガンガンと警告を出して、話を聞いているのだが、現実のものとは思えずに、どこか浮遊しているような気持ちになっていた。
「リリー夫人…事実なのですか」
義母上とは呼びたくなかったダリアは、以前のようにリリー夫人と呼んだ。
「ええ、ダリア様」
答えたリリーはいつもと変わらず微笑んでおり、トイズによく似た顔で名前を呼ばれることだけでも、リリーには笑顔なることであった。
ダリアにとっては、申し訳ないとも思っているとは思えない顔であり、その姿に温厚なダリアの顔はみるみる赤く染まり、目が吊り上がっていった。
そして、ぽたりと涙が零れ落ちた…。
「リリーを外させよう。聞きたいことがあれば、また時間を取る」
既に騎士団には待機して貰っており、リリーはまるで少し出掛けてくるような顔で、王城に連行されていった。あちらにはユーフレット侯爵が待っている。
「ダリア、大丈夫か?」
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