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手紙2
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「久し振りに泣いて疲れてしまったのね…」
心を壊して、始めは泣いていたこともあった。マリエルが亡くなった後は、特に酷かったと記憶している。
「でも話しただけでも良かったわ。マリエル様のことはずっと引っ掛かっていたのね、きっと。ちゃんと聞くべきだったわ」
半狂乱になったオリラを落ち着かせることばかりで、必死で訴えていたのに聞かなかった。
その後は、オリラも母親に訴えたところで、子爵家では何も出来ないとも感じていたのだろう。何も言わなくなってしまっていた。
「調べて目を付けられでもしていたら、叔母様の言うことが事実だったら、危険だったかもしれません」
「ええ、いくらオリラが話しても、心を壊したオリラの言葉は、信じて貰えなかったかもしれないしね…」
「叔母様もそう思ったのかもしれませんね、だから言えなかった」
高位貴族に異常者の妄言だと言われたら、いくら怪しくとも、調べようとしなかったかもしれない。
そうなると、おそらくマリエルはトイズに話していなかったのだろう。
辛い境遇を抱えた込んだ者同士だった。マリエルは先にオリラに話したが、オリラはマリエルには言えなくなってしまったのではないか。
マリエルも離縁したことで、ようやくオリラのことを知った。だが、オリラが良くなる前に、マリエルは亡くなってしまった。
オリラはそのことで、心を壊したというより、閉ざされてしまったのではないか。
「ランドマーク侯爵家と、ローザ公爵家、どちらがいいでしょうか?」
「どちらもはどう?今のあなたなら、助けを求められるんじゃない?」
「そうですね。時間も経っていますし、沢山の考えがあったほうがいいかもしれませんね、話してみます」
「お願いね」
オリラは目を覚まさないまま、スノーはリーター子爵家を後にすることになった。
そして、リアンス、祖父に手紙を書くことにした。スノーの次の休みにローザ公爵家で、会うことになった。
リアンスの母で、ヒューナ夫人はリリーを苦手としており、今まで話していなかったが、マリエルのことは知っていたので、この間に公爵から、全ての話を聞かされることになり、同席することになった。
「本当に驚きましたわ!でも今日は、マリエルが嫌がらせを受けていたということなのね」
「はい…私の叔母から手紙を差し出されました。読むに堪えないものですが、目を通していただきたいと思い、お持ちしました」
缶のまま、持ってきた手紙を、皆がそれぞれに手に取って読み始めたが、全員が苦痛の表情を浮かべた。
「何よ、これ…」
「酷いな…」
ローザ公爵夫妻が一番に声を上げた。オブレオは疎遠にはなってしまっているが、娘が預かっていた手紙となり、黙ったまま眉間にしわを寄せている。
「こちらに言ってくれていたら…」
アンリは悲痛な気持ちであった、オリラの時も随分、動いてくれたと聞いている。
「叔母様はリリー・ユーフレットの名前を出したら、『マリーを殺したのは、あの女よ』そう言いました」
「オリラが?」
オブレオもオリラは、まともに会話ができない状態だということを聞いている。
「はい…何もかも証拠がないと、自分ではどうにも出来なかったと泣いていました」
悲痛な沈黙が流れた。
「筆跡が、違うのね…」
「はい」
「あの事故をもしも、リリーが仕組んだものだったとしたら…本当に許せないわ」
「きちんと調べられたのですよね?」
嫌がらせを受けていたとしても、オスレ伯爵家の夫人だったのだ。きちんと調べられているだろうと思っていた。
「再度、報告書を読んだのだが、可能性はないとは言えない」
「どういうことだ?」
「馬が急に暴れたということだっただろう?それで転倒して、マリエル夫人は体を強く打った。それが原因で亡くなられた」
「馬に何かしたとしたら…ということか」
心を壊して、始めは泣いていたこともあった。マリエルが亡くなった後は、特に酷かったと記憶している。
「でも話しただけでも良かったわ。マリエル様のことはずっと引っ掛かっていたのね、きっと。ちゃんと聞くべきだったわ」
半狂乱になったオリラを落ち着かせることばかりで、必死で訴えていたのに聞かなかった。
その後は、オリラも母親に訴えたところで、子爵家では何も出来ないとも感じていたのだろう。何も言わなくなってしまっていた。
「調べて目を付けられでもしていたら、叔母様の言うことが事実だったら、危険だったかもしれません」
「ええ、いくらオリラが話しても、心を壊したオリラの言葉は、信じて貰えなかったかもしれないしね…」
「叔母様もそう思ったのかもしれませんね、だから言えなかった」
高位貴族に異常者の妄言だと言われたら、いくら怪しくとも、調べようとしなかったかもしれない。
そうなると、おそらくマリエルはトイズに話していなかったのだろう。
辛い境遇を抱えた込んだ者同士だった。マリエルは先にオリラに話したが、オリラはマリエルには言えなくなってしまったのではないか。
マリエルも離縁したことで、ようやくオリラのことを知った。だが、オリラが良くなる前に、マリエルは亡くなってしまった。
オリラはそのことで、心を壊したというより、閉ざされてしまったのではないか。
「ランドマーク侯爵家と、ローザ公爵家、どちらがいいでしょうか?」
「どちらもはどう?今のあなたなら、助けを求められるんじゃない?」
「そうですね。時間も経っていますし、沢山の考えがあったほうがいいかもしれませんね、話してみます」
「お願いね」
オリラは目を覚まさないまま、スノーはリーター子爵家を後にすることになった。
そして、リアンス、祖父に手紙を書くことにした。スノーの次の休みにローザ公爵家で、会うことになった。
リアンスの母で、ヒューナ夫人はリリーを苦手としており、今まで話していなかったが、マリエルのことは知っていたので、この間に公爵から、全ての話を聞かされることになり、同席することになった。
「本当に驚きましたわ!でも今日は、マリエルが嫌がらせを受けていたということなのね」
「はい…私の叔母から手紙を差し出されました。読むに堪えないものですが、目を通していただきたいと思い、お持ちしました」
缶のまま、持ってきた手紙を、皆がそれぞれに手に取って読み始めたが、全員が苦痛の表情を浮かべた。
「何よ、これ…」
「酷いな…」
ローザ公爵夫妻が一番に声を上げた。オブレオは疎遠にはなってしまっているが、娘が預かっていた手紙となり、黙ったまま眉間にしわを寄せている。
「こちらに言ってくれていたら…」
アンリは悲痛な気持ちであった、オリラの時も随分、動いてくれたと聞いている。
「叔母様はリリー・ユーフレットの名前を出したら、『マリーを殺したのは、あの女よ』そう言いました」
「オリラが?」
オブレオもオリラは、まともに会話ができない状態だということを聞いている。
「はい…何もかも証拠がないと、自分ではどうにも出来なかったと泣いていました」
悲痛な沈黙が流れた。
「筆跡が、違うのね…」
「はい」
「あの事故をもしも、リリーが仕組んだものだったとしたら…本当に許せないわ」
「きちんと調べられたのですよね?」
嫌がらせを受けていたとしても、オスレ伯爵家の夫人だったのだ。きちんと調べられているだろうと思っていた。
「再度、報告書を読んだのだが、可能性はないとは言えない」
「どういうことだ?」
「馬が急に暴れたということだっただろう?それで転倒して、マリエル夫人は体を強く打った。それが原因で亡くなられた」
「馬に何かしたとしたら…ということか」
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