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馬鹿息子の謝罪1
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「ヨルレアン嬢が、突き返したものではないわよ?」
「は、はい…」
エルドールはお前のせいで、抱えていた文献は進んでいないと言われていることを察し、再び反省した。
「ザッハンデル前伯爵と一緒に伯爵邸で、解読を手伝ってくれているわ。ヨルレアン嬢がいるか、いないかだけで、進み具合は雲泥の差なのだから」
「話だけでもさせて貰えませんか」
「分かったわ。手紙を出してみるけど、断ってもいいと書かせて貰うわ。それでいいかしら?」
「はい、よろしくお願いいたします」
オーバンはヨルレアンに手紙を書いたが、今、解読が作者か、モデルかはまだ分からないが、名前が分かるかもしれないところであるために、遠慮したいが、どうしてもというのであれば少しの時間ならと返事が返って来た。
「これは…どうしようかしらね」
どうしたものかと頭を悩ませていると、ダズベルト陛下がやって来た。
「嫌だと書いてあったか?」
「ザッハンデル前伯爵は、絵画の文献だと思われる解読をされているでしょう?」
「ああ」
ザッハンデル前伯爵は、コーランド王国にある絵画についての文献らしき物を解読している。らしきというのは、解読してみないと分からないからである。
「作者か、モデルか分からないが、名前が分かるかもしれないところだと」
「な!誠か?」
ダズベルトは、大きな目をさらに大きく見開いた。
「ええ、そう書かれているわ。そんな時だから、解読を進めたいのでしょう。そこへなんて、邪魔なのは馬鹿息子の方でしょう?」
すっかりオーバンも、陛下には馬鹿息子=エルドールとして話している。
「当たり前だ!」
「少しの時間ならということだけど…」
「ヨルレアン嬢は、伯爵邸にいるのだろう?そちらに馬鹿息子を、少しの間だけ行かせればいいのではないか?」
「そうね、ザッハンデル前伯爵に頼んでみようかしら?行くべきなのか馬鹿息子なのは確かですからね」
ダズベルトとオーバンは、ヨルレアンを呼び出すことは勿論、可能であったが、そんなことは出来ないと判断していた。
「茶も菓子も要らんと書いて置け」
「そうするわ」
ザッハンデル前伯爵に連絡を取ると、いつでも来て貰って構わない。菓子は用意しないが、お茶だけは用意させて貰うと書かれており、当たり前ではあるが、事情を知っているのだと感じた。
息子の現ザッハンデル伯爵は本邸に住んでいるが、前伯爵夫妻であるデズールとモアリーは横の邸に暮らしている。
そこへ、エルドールがやって来ることになった。
ヨルレアンはこちらにご迷惑を掛けるわけにはと言ったが、夫妻に一度話をして置きなさいと言われて会うことになった。
まだ婚約者同士であり、護衛やメイドがいるので、二人きりではないが、応接室でそろそろ二ヶ月が経つ頃、ようやく顔を合わせることになった。
「忙しいのに時間を取って貰って、ありがとう。そして、独りよがりな考えで、酷い物言いをして申し訳なかった」
まずは謝罪をと思い、エルドールは小さくではあるが頭を下げた。
「殿下は正しいという思いだったのではありませんか」
「いや、それは」
気持ちを隠すことも可能な高位貴族でありながら、ヨルレアンの顔にはあんなに偉そうに言っていたのに?と、書いているかのようであった。
「正義感はあったとは思う、それは認める」
「トドック男爵令嬢に、格好いいところを見せたかったのですか?」
「それは違う。ただ、生徒会の仲間として、頼れる存在でありたいとは思っていた…ただ、彼女を特別だと思っていたわけではない。誰であっても、あんな風に言ってしまったと思う」
「さようですか」
「君には関係のないことなのに、あんな真似をして、反省をした」
この間の威勢が一切なくなり、さすがに神妙な様子のエルドールに、ヨルレアンも理解はしたのだと、受け取った。
「は、はい…」
エルドールはお前のせいで、抱えていた文献は進んでいないと言われていることを察し、再び反省した。
「ザッハンデル前伯爵と一緒に伯爵邸で、解読を手伝ってくれているわ。ヨルレアン嬢がいるか、いないかだけで、進み具合は雲泥の差なのだから」
「話だけでもさせて貰えませんか」
「分かったわ。手紙を出してみるけど、断ってもいいと書かせて貰うわ。それでいいかしら?」
「はい、よろしくお願いいたします」
オーバンはヨルレアンに手紙を書いたが、今、解読が作者か、モデルかはまだ分からないが、名前が分かるかもしれないところであるために、遠慮したいが、どうしてもというのであれば少しの時間ならと返事が返って来た。
「これは…どうしようかしらね」
どうしたものかと頭を悩ませていると、ダズベルト陛下がやって来た。
「嫌だと書いてあったか?」
「ザッハンデル前伯爵は、絵画の文献だと思われる解読をされているでしょう?」
「ああ」
ザッハンデル前伯爵は、コーランド王国にある絵画についての文献らしき物を解読している。らしきというのは、解読してみないと分からないからである。
「作者か、モデルか分からないが、名前が分かるかもしれないところだと」
「な!誠か?」
ダズベルトは、大きな目をさらに大きく見開いた。
「ええ、そう書かれているわ。そんな時だから、解読を進めたいのでしょう。そこへなんて、邪魔なのは馬鹿息子の方でしょう?」
すっかりオーバンも、陛下には馬鹿息子=エルドールとして話している。
「当たり前だ!」
「少しの時間ならということだけど…」
「ヨルレアン嬢は、伯爵邸にいるのだろう?そちらに馬鹿息子を、少しの間だけ行かせればいいのではないか?」
「そうね、ザッハンデル前伯爵に頼んでみようかしら?行くべきなのか馬鹿息子なのは確かですからね」
ダズベルトとオーバンは、ヨルレアンを呼び出すことは勿論、可能であったが、そんなことは出来ないと判断していた。
「茶も菓子も要らんと書いて置け」
「そうするわ」
ザッハンデル前伯爵に連絡を取ると、いつでも来て貰って構わない。菓子は用意しないが、お茶だけは用意させて貰うと書かれており、当たり前ではあるが、事情を知っているのだと感じた。
息子の現ザッハンデル伯爵は本邸に住んでいるが、前伯爵夫妻であるデズールとモアリーは横の邸に暮らしている。
そこへ、エルドールがやって来ることになった。
ヨルレアンはこちらにご迷惑を掛けるわけにはと言ったが、夫妻に一度話をして置きなさいと言われて会うことになった。
まだ婚約者同士であり、護衛やメイドがいるので、二人きりではないが、応接室でそろそろ二ヶ月が経つ頃、ようやく顔を合わせることになった。
「忙しいのに時間を取って貰って、ありがとう。そして、独りよがりな考えで、酷い物言いをして申し訳なかった」
まずは謝罪をと思い、エルドールは小さくではあるが頭を下げた。
「殿下は正しいという思いだったのではありませんか」
「いや、それは」
気持ちを隠すことも可能な高位貴族でありながら、ヨルレアンの顔にはあんなに偉そうに言っていたのに?と、書いているかのようであった。
「正義感はあったとは思う、それは認める」
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「それは違う。ただ、生徒会の仲間として、頼れる存在でありたいとは思っていた…ただ、彼女を特別だと思っていたわけではない。誰であっても、あんな風に言ってしまったと思う」
「さようですか」
「君には関係のないことなのに、あんな真似をして、反省をした」
この間の威勢が一切なくなり、さすがに神妙な様子のエルドールに、ヨルレアンも理解はしたのだと、受け取った。
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