魔術師セナリアンの憂いごと

第１２話

親と子（親子鑑定について）

　出生についての揉め事が多いことを鑑みて、親子鑑定（血縁鑑定）を行う。下記の条件に合えば誰でも可能である。

【条件】
・魔力（魔法）を使うことのできる国でしか判定はできない
・許可した国でのみ行う
・事前に申請書を提出し、基づき鑑定を行う
・魔法省で承認された魔術師のみが行い、魔法省と鑑定国の長の顔入りの承認状を必ず提示する（長の変更があった場合は速やかに手続きを行うこと）
・鑑定は出生し、心臓が動いている者のみが可能（亡くなった者、まだ生まれていない者は鑑定できない）
・鑑定は血液で行う
・真名で行うため真名を持たないものはできない（偽名では判定できない）
・何らかの理由で名が分からぬ場合は鑑定はできるが、名は記載されないので鑑定書としては認められない
・国の長は鑑定書を提出された際は、魔法省に確認を取り署名をすること
・鑑定書は魔法省の印と国の長の署名が入っていないものは無効とする
・依頼料は前払いとし、依頼主の都合・虚偽などでキャンセルとなった場合は、キャンセル料（五分の一）を差し引いた金額を返金する

【注意事項】
・一人につき、血縁関係のある父母・きょうだい・おじおば・甥姪・祖父母、一組ずつ鑑定（片方のみも鑑定可能）
・対象となる者が同性一人以上の場合は、一件×人数分となる
・虚偽の申請があった場合は、魔術師は鑑定を拒否することができる
・承認を受けた魔術師は魔法省からの依頼のみを受け、個別の依頼は受けない
・魔力を持たない一卵性の多胎の場合は判定ができない

【罰則】
・魔術師に危害を加えた場合、虚偽の鑑定、偽造など不正を行った場合、その他、親子鑑定に何らかの不正があった場合は、魔法省を侮辱したとみなし、拘束し、国に移送する。罰則は国ごとに任せることとするが、処罰を魔法省で行うことも可能である。ただし、罰則の費用と諸経費は国が持つこととする。国で拘束された場合も、同様である。

　この鑑定にて、悲しい辛い思いをする者、混乱も起こるかもしれない、ただ血縁が全てではないが、救える者がいると信じて親子鑑定（血縁鑑定）を行う。そして、許可していただく国はどうか取り締まりをよろしくお願いいたします。　魔法省