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第4章 魔王軍との戦い
第44話 エピローグ
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戦士と腕輪 第44話 エピローグ
聖女の反転の指輪を無効化させて、聖女が魔王に変身できなくなってから数時間が
経過したのち、少年たちは元の姿に戻っていた。
「本当に副作用で先ほどの女性の方々に変身されていたのですね。すごいわ。」
「あなたも魔王に変身されていたので、そのことの方が衝撃的でしたよ。」
「これで魔王を倒したことになるから、一件落着だな。」
「魔王の正体が聖女だってことはこの4人だけの秘密だよ。僕たちが魔王を跡形もなく
消滅させたってことにしておこう。」
魔法使いが魔王のことは秘密にしておこうと他の3人に釘を刺すのであった。こうして、
少年たちは魔王を倒したのち、部隊の隊長に報告をするのであった。
「隊長。俺たちが、激闘の末、ついに魔王を倒してきました。」
「よくやってくれた。古城の周辺や内部の魔王軍も壊滅に追い込めたので、我々の
大勝利だよ。本当に感謝するよ。君たちの活躍は大都市の方々に報告しておくよ。」
隊長は少年たちの活躍に大変感謝しており、賛辞の言葉を述べるのであった。そのあと、
前線基地に戻った少年たちは戦いの疲れを癒すために一晩休むと次の日の朝に出発して
大都市を目指すのであった。目的は魔王征伐のクエスト完了の報告と元聖女を教会に
送り届けることであった。少年たちは途中で野営をしながら、大都市へと移動し続けると
3日後に大都市へ無事に到着するのであった。
「はあー。やっと、大都市に着いたぞ。まずは教会にあなたを送り届けないとな。」
「そうだな。教会の人たちが聖女がいなくなったと大騒ぎしているはずだろうからな。
早く送り届けてやろう。」
「そうだね。そのあとは斡旋所に行って、今回のクエストの報告をして、報酬をたんまり
いただかないとね。僕はとりあえずご馳走をたらふく食べたいよ。」
まずは、少年たちは元聖女を教会に送り届けようと教会へ移動するのであった。数分後、
教会の玄関まで来た少年たちは、神父を呼ぶのであった。
「神父様。神父様。いらっしゃいますか?」
「どなたでしょうか。実は今、取り込み中で。あ、あなたたちは。」
少年の呼びかけに神父は玄関まで来るのであったが、やはり、聖女がいなくなって取り込み中であった。しかし、神父は教会の玄関で少年たちを出迎えに来ると元聖女の姿を目に
するのであった。
「あ、あなたは聖女。今までどこに行っておられたのですか。教会中のものが必死に
なって、いなくなったあなたを探していたのですよ。」
「す、すいません。皆様には大変な心配をさせたようで、本当にごめんなさい。」
神父は目の前に現れた元聖女にびっくりするのであった。元聖女は教会の人間たちがいなく
なった自分を必死に探していると聞いて、大変申し訳なく思い、謝るのであった。神父は
一安心するとさっそく元聖女と少年たちを司教の部屋へ連れていくのであった。
「司教様。聖女がたった今お戻りになられました。前回来られたパーティーの方々が
連れて来てくださったようです。」
「よ、よかった。すぐにこちらに通してください。」
司教は元聖女が無事であると聞くと安心したようで部屋に招くのであった。
「ご心配をおかけして申し訳ございません。」
「いや。構わないよ。4日前に君が突然いなくなって、教会のもの総出で探したが
見つからず、どうしたものかと考えていたんだ。ところでどこにいたんだね。」
「あ、あの。実は。」
「司教様。実は、聖女は魔王に誘拐されてしまって、古城にいたんです。俺たちが古城に
攻め込んで、彼女が魔王といっしょにいるところを見つけて、魔王を倒して、
救出しました。ただ、1つだけ問題が発生しました。」
元聖女が事情を司教に伝えようとしたところ、少年が割って入って、事情を説明するので
あった。しかし、少年は本当のことを言うわけにはいかず、適当に言うのであった。
「問題とは何かね。」
「魔王の狙いが聖女の回復能力にありました。彼女をあきらめさせるため、職変の腕輪を
使用して、職業を聖女からシスターに変えてしまいました。」
「な、なんだって。それは本当かね。」
「はい。司教様。私はもう聖女でなくただのシスターなんです。しかも初級のシスター
です。」
「な、なんてことをしてくれたんだ。大都市の教会の象徴的存在である聖女をただの
シスターに変えてしまうなんて、なんて愚かなことをしでかしたんだ。いくら君たちが
魔王を倒したからと言って、さすがにこんなことをしてはただでは済まさないよ。
君たちをこの教会から追い出します。2度とこの教会へは入れないと思ってください。」
司教は聖女がただのシスターになったと知るとご立腹になり、少年たちを教会から追い
出してしまうのであった。少年たちは教会を去る際に元聖女から別れのあいさつをされる
のであった。
「本当は私が原因なのに、あなたたちが責任を負わされるなんて、ごめんなさい。」
「いや、いいんです。俺たちは魔王を倒して、あなたも救えた。それで十分ですよ。」
「あっ。僕たちにはクエストの報酬も入るから問題ないよ。」
「気にするな。これからはシスターとして教会でがんばっていけばいいさ。俺たちは
報酬をたんまりともらって、あとは気楽に暮らしていくさ。」
元聖女は自分のせいで迷惑をかけて、申し訳ない気持ちで謝るのであった。少年たちは
魔王征伐のクエストの報酬があると思い、あまり気にしていなかった。少年たちは元聖女と
別れるとさっそく斡旋所へ向かうのであった。
「こんにちわ。魔王征伐のクエストを完了したので報酬をいただきに来ました。」
「こんにちわ。おひさしぶりです。あなたたちのパーティーが魔王を倒してくれたん
ですね。本当に感謝しております。ぜひ、斡旋所の代表とお会いになってください。」
斡旋所の女性の職員は少年たちに感謝の言葉を述べると斡旋所の代表のいる部屋へ
案内するのであった。
「失礼します。魔王征伐のクエストで魔王を倒されたパーティーの方々をお連れ
しました。」
「入ってもらいなさい。」
斡旋所の代表が少年たちを部屋に招き入れるのであった。
「失礼します。」
「やあ。また会えたね。君たちが魔王を倒してくれるとは、本当にありがとう。斡旋所の
代表として、心から感謝するよ。」
斡旋所の代表が感謝の言葉を述べると、少年たちはクエストの報酬の話になると
期待したが、斡旋所の代表は予想外のことを言ってくるのであった。
「魔王征伐のクエストの報酬のことを話そうと思ったが、先ほど教会から連絡があってね。
君たちが教会に対して問題を起こしたと聞いたよ。我々としては非常に残念だが、
クエストの報酬は大幅に減額しなければいけない。」
「えー。そ、そんな。魔王を倒したのに、報酬が減るなんて。」
「おい。文句を言っても仕方がないだろう。教会があんなにご立腹なんだ。」
教会に対して問題を起こしたために、斡旋所の代表が魔王征伐のクエストの報酬を大幅
減額すると言い出すのであった。少年は納得できなかったが、弓使いが少年を諌めるので
あった。魔法使いは何も言わず、ただ悲しい表情を浮かべるのであった。
「まさか、魔王征伐のクエストの報酬がこれぽっちになるなんて、か、悲しすぎる。」
「仕方ないさ。教会は聖女がただのシスターになってしまって、大変なことになって
いるからな。これで済むならよかったほうだ。」
「はあ。今夜はせっかく豪勢な料理にありつけると思ったのに、これだけじゃあ。普通の
料理を頼むのが限界だね。まあ、今夜は質素にレストランで食事をしよう。」
3人は大幅に減額されたクエストの報酬を手にしてレストランへ向かうと慎ましく料理を
食べるのであった。少年たちは料理を食べながら、明日以降のことを話すのであった。
「明日の予定なんですけど、やはり、新たな街に戻って、クエストをこなして
いきますかね。」
「そのことなんだが、俺は狙撃の能力向上のため、自分の家に戻って、このゴーグルに
慣れる訓練をしていこうと考えている。すまないが、俺はこのパーティーから
抜けるよ。」
「魔王も倒せたし、このパーティーを抜けて、僕もこの幸運の腕輪なしで修行して
いって、魔法の能力を向上させていくよ。」
少年の予想とは異なり、弓使いと魔法使いはパーティーから離れると宣言するので
あった。少年は2人の言葉に驚くが、魔王を倒して一区切りつき、副作用の対策もある程度
できつつあったので仕方がないと思うのであった。
「わかりました。これからは、3人、別々の道を行きましょう。俺もおかしな塔で
修行してだいぶ強くなれたので1人で十分やっていけます。とりあえず、俺は騎士を
目指しながら、この剣士の腕輪の副作用を解決する方法を探していきます。」
「ああ、お前なら初めて会った時よりかなり強くなっているから、1人でもやって
いけるさ。」
「君なら、副作用で変身した後も強力な魔法で戦えるから、僕がいなくても大丈夫だよ。」
少年も1人でやっていくと宣言すると弓使いと魔法使いは少年が1人でやっていけるだけの
実力が十分にあるとお墨付きを与えるのであった。3人での食事は今回で最後となり、これまでのことを思い返しながら、3人は楽しい時間を過ごすのであった。次の日の朝、3人は
大都市の入り口付近で別れのあいさつをするのであった。
「短い間でしたが、本当にありがとうございました。このメンバーでパーティーを
組めたことを誇りに思います。」
「俺もお前たちと組めて、とてもいい経験を積めたよ。新たな街の借りていたお前の
部屋に関しては、俺が自分の部屋とまとめて処分しておくよ。」
「僕も君たちといっしょにクエストができて、本当に楽しかったよ。君たちとのことは
一生忘れられそうにないね。」
少年と弓使いと魔法使いは別れ際に言葉を交わすと大都市を出て、それぞれの道を進んで
いくのであった。少年は大都市を出てどこに行くかまだ決めておらず、歩きながら
考えるのであった。
「うーん。これからどこに行こうかな。行くなら、まだ行ったことのない街がいいよな。
あと、剣士の腕輪の情報も入手していかないとな。まあ、気長にやっていこうかな。」
少年は次に行く街をどこにしようかと考えていたが、そんな少年の背後から声をかけてくる
人物がいた。
「あ、あの。私もいっしょに連れて行ってくれませんか?」
「えっ。あなたは元聖女。どうしてここに、教会でシスターとしてやっていかれると
思ったのに。」
なんと、元聖女が少年に声をかけてきて、旅に同行させてほしいと言ってくるのであった。
少年が事情を聞くと元聖女は次のように答えた。
「私のせいであなた方にご迷惑をかけてしまいました。教会ではシスターとしてやり直す
だけで、聖女のときのように誰からも必要とされていません。まずはあなた方へ
恩返しするのが先だと思って、神父様に頼んで、教会を出ることにしました。あなたに
同行させてください。」
「わ、わかりました。俺も1人で旅をするつもりだったので、仲間がいれば、助かり
ます。いっしょに来てください。」
少年は元聖女もといシスターの同行を受け入れると、少年はシスターといっしょに大都市を
出発して歩き出すのであった。こうして、少年は新たな仲間としてシスターを迎えて旅を
始めるのであった。少年の旅は続く。
聖女の反転の指輪を無効化させて、聖女が魔王に変身できなくなってから数時間が
経過したのち、少年たちは元の姿に戻っていた。
「本当に副作用で先ほどの女性の方々に変身されていたのですね。すごいわ。」
「あなたも魔王に変身されていたので、そのことの方が衝撃的でしたよ。」
「これで魔王を倒したことになるから、一件落着だな。」
「魔王の正体が聖女だってことはこの4人だけの秘密だよ。僕たちが魔王を跡形もなく
消滅させたってことにしておこう。」
魔法使いが魔王のことは秘密にしておこうと他の3人に釘を刺すのであった。こうして、
少年たちは魔王を倒したのち、部隊の隊長に報告をするのであった。
「隊長。俺たちが、激闘の末、ついに魔王を倒してきました。」
「よくやってくれた。古城の周辺や内部の魔王軍も壊滅に追い込めたので、我々の
大勝利だよ。本当に感謝するよ。君たちの活躍は大都市の方々に報告しておくよ。」
隊長は少年たちの活躍に大変感謝しており、賛辞の言葉を述べるのであった。そのあと、
前線基地に戻った少年たちは戦いの疲れを癒すために一晩休むと次の日の朝に出発して
大都市を目指すのであった。目的は魔王征伐のクエスト完了の報告と元聖女を教会に
送り届けることであった。少年たちは途中で野営をしながら、大都市へと移動し続けると
3日後に大都市へ無事に到着するのであった。
「はあー。やっと、大都市に着いたぞ。まずは教会にあなたを送り届けないとな。」
「そうだな。教会の人たちが聖女がいなくなったと大騒ぎしているはずだろうからな。
早く送り届けてやろう。」
「そうだね。そのあとは斡旋所に行って、今回のクエストの報告をして、報酬をたんまり
いただかないとね。僕はとりあえずご馳走をたらふく食べたいよ。」
まずは、少年たちは元聖女を教会に送り届けようと教会へ移動するのであった。数分後、
教会の玄関まで来た少年たちは、神父を呼ぶのであった。
「神父様。神父様。いらっしゃいますか?」
「どなたでしょうか。実は今、取り込み中で。あ、あなたたちは。」
少年の呼びかけに神父は玄関まで来るのであったが、やはり、聖女がいなくなって取り込み中であった。しかし、神父は教会の玄関で少年たちを出迎えに来ると元聖女の姿を目に
するのであった。
「あ、あなたは聖女。今までどこに行っておられたのですか。教会中のものが必死に
なって、いなくなったあなたを探していたのですよ。」
「す、すいません。皆様には大変な心配をさせたようで、本当にごめんなさい。」
神父は目の前に現れた元聖女にびっくりするのであった。元聖女は教会の人間たちがいなく
なった自分を必死に探していると聞いて、大変申し訳なく思い、謝るのであった。神父は
一安心するとさっそく元聖女と少年たちを司教の部屋へ連れていくのであった。
「司教様。聖女がたった今お戻りになられました。前回来られたパーティーの方々が
連れて来てくださったようです。」
「よ、よかった。すぐにこちらに通してください。」
司教は元聖女が無事であると聞くと安心したようで部屋に招くのであった。
「ご心配をおかけして申し訳ございません。」
「いや。構わないよ。4日前に君が突然いなくなって、教会のもの総出で探したが
見つからず、どうしたものかと考えていたんだ。ところでどこにいたんだね。」
「あ、あの。実は。」
「司教様。実は、聖女は魔王に誘拐されてしまって、古城にいたんです。俺たちが古城に
攻め込んで、彼女が魔王といっしょにいるところを見つけて、魔王を倒して、
救出しました。ただ、1つだけ問題が発生しました。」
元聖女が事情を司教に伝えようとしたところ、少年が割って入って、事情を説明するので
あった。しかし、少年は本当のことを言うわけにはいかず、適当に言うのであった。
「問題とは何かね。」
「魔王の狙いが聖女の回復能力にありました。彼女をあきらめさせるため、職変の腕輪を
使用して、職業を聖女からシスターに変えてしまいました。」
「な、なんだって。それは本当かね。」
「はい。司教様。私はもう聖女でなくただのシスターなんです。しかも初級のシスター
です。」
「な、なんてことをしてくれたんだ。大都市の教会の象徴的存在である聖女をただの
シスターに変えてしまうなんて、なんて愚かなことをしでかしたんだ。いくら君たちが
魔王を倒したからと言って、さすがにこんなことをしてはただでは済まさないよ。
君たちをこの教会から追い出します。2度とこの教会へは入れないと思ってください。」
司教は聖女がただのシスターになったと知るとご立腹になり、少年たちを教会から追い
出してしまうのであった。少年たちは教会を去る際に元聖女から別れのあいさつをされる
のであった。
「本当は私が原因なのに、あなたたちが責任を負わされるなんて、ごめんなさい。」
「いや、いいんです。俺たちは魔王を倒して、あなたも救えた。それで十分ですよ。」
「あっ。僕たちにはクエストの報酬も入るから問題ないよ。」
「気にするな。これからはシスターとして教会でがんばっていけばいいさ。俺たちは
報酬をたんまりともらって、あとは気楽に暮らしていくさ。」
元聖女は自分のせいで迷惑をかけて、申し訳ない気持ちで謝るのであった。少年たちは
魔王征伐のクエストの報酬があると思い、あまり気にしていなかった。少年たちは元聖女と
別れるとさっそく斡旋所へ向かうのであった。
「こんにちわ。魔王征伐のクエストを完了したので報酬をいただきに来ました。」
「こんにちわ。おひさしぶりです。あなたたちのパーティーが魔王を倒してくれたん
ですね。本当に感謝しております。ぜひ、斡旋所の代表とお会いになってください。」
斡旋所の女性の職員は少年たちに感謝の言葉を述べると斡旋所の代表のいる部屋へ
案内するのであった。
「失礼します。魔王征伐のクエストで魔王を倒されたパーティーの方々をお連れ
しました。」
「入ってもらいなさい。」
斡旋所の代表が少年たちを部屋に招き入れるのであった。
「失礼します。」
「やあ。また会えたね。君たちが魔王を倒してくれるとは、本当にありがとう。斡旋所の
代表として、心から感謝するよ。」
斡旋所の代表が感謝の言葉を述べると、少年たちはクエストの報酬の話になると
期待したが、斡旋所の代表は予想外のことを言ってくるのであった。
「魔王征伐のクエストの報酬のことを話そうと思ったが、先ほど教会から連絡があってね。
君たちが教会に対して問題を起こしたと聞いたよ。我々としては非常に残念だが、
クエストの報酬は大幅に減額しなければいけない。」
「えー。そ、そんな。魔王を倒したのに、報酬が減るなんて。」
「おい。文句を言っても仕方がないだろう。教会があんなにご立腹なんだ。」
教会に対して問題を起こしたために、斡旋所の代表が魔王征伐のクエストの報酬を大幅
減額すると言い出すのであった。少年は納得できなかったが、弓使いが少年を諌めるので
あった。魔法使いは何も言わず、ただ悲しい表情を浮かべるのであった。
「まさか、魔王征伐のクエストの報酬がこれぽっちになるなんて、か、悲しすぎる。」
「仕方ないさ。教会は聖女がただのシスターになってしまって、大変なことになって
いるからな。これで済むならよかったほうだ。」
「はあ。今夜はせっかく豪勢な料理にありつけると思ったのに、これだけじゃあ。普通の
料理を頼むのが限界だね。まあ、今夜は質素にレストランで食事をしよう。」
3人は大幅に減額されたクエストの報酬を手にしてレストランへ向かうと慎ましく料理を
食べるのであった。少年たちは料理を食べながら、明日以降のことを話すのであった。
「明日の予定なんですけど、やはり、新たな街に戻って、クエストをこなして
いきますかね。」
「そのことなんだが、俺は狙撃の能力向上のため、自分の家に戻って、このゴーグルに
慣れる訓練をしていこうと考えている。すまないが、俺はこのパーティーから
抜けるよ。」
「魔王も倒せたし、このパーティーを抜けて、僕もこの幸運の腕輪なしで修行して
いって、魔法の能力を向上させていくよ。」
少年の予想とは異なり、弓使いと魔法使いはパーティーから離れると宣言するので
あった。少年は2人の言葉に驚くが、魔王を倒して一区切りつき、副作用の対策もある程度
できつつあったので仕方がないと思うのであった。
「わかりました。これからは、3人、別々の道を行きましょう。俺もおかしな塔で
修行してだいぶ強くなれたので1人で十分やっていけます。とりあえず、俺は騎士を
目指しながら、この剣士の腕輪の副作用を解決する方法を探していきます。」
「ああ、お前なら初めて会った時よりかなり強くなっているから、1人でもやって
いけるさ。」
「君なら、副作用で変身した後も強力な魔法で戦えるから、僕がいなくても大丈夫だよ。」
少年も1人でやっていくと宣言すると弓使いと魔法使いは少年が1人でやっていけるだけの
実力が十分にあるとお墨付きを与えるのであった。3人での食事は今回で最後となり、これまでのことを思い返しながら、3人は楽しい時間を過ごすのであった。次の日の朝、3人は
大都市の入り口付近で別れのあいさつをするのであった。
「短い間でしたが、本当にありがとうございました。このメンバーでパーティーを
組めたことを誇りに思います。」
「俺もお前たちと組めて、とてもいい経験を積めたよ。新たな街の借りていたお前の
部屋に関しては、俺が自分の部屋とまとめて処分しておくよ。」
「僕も君たちといっしょにクエストができて、本当に楽しかったよ。君たちとのことは
一生忘れられそうにないね。」
少年と弓使いと魔法使いは別れ際に言葉を交わすと大都市を出て、それぞれの道を進んで
いくのであった。少年は大都市を出てどこに行くかまだ決めておらず、歩きながら
考えるのであった。
「うーん。これからどこに行こうかな。行くなら、まだ行ったことのない街がいいよな。
あと、剣士の腕輪の情報も入手していかないとな。まあ、気長にやっていこうかな。」
少年は次に行く街をどこにしようかと考えていたが、そんな少年の背後から声をかけてくる
人物がいた。
「あ、あの。私もいっしょに連れて行ってくれませんか?」
「えっ。あなたは元聖女。どうしてここに、教会でシスターとしてやっていかれると
思ったのに。」
なんと、元聖女が少年に声をかけてきて、旅に同行させてほしいと言ってくるのであった。
少年が事情を聞くと元聖女は次のように答えた。
「私のせいであなた方にご迷惑をかけてしまいました。教会ではシスターとしてやり直す
だけで、聖女のときのように誰からも必要とされていません。まずはあなた方へ
恩返しするのが先だと思って、神父様に頼んで、教会を出ることにしました。あなたに
同行させてください。」
「わ、わかりました。俺も1人で旅をするつもりだったので、仲間がいれば、助かり
ます。いっしょに来てください。」
少年は元聖女もといシスターの同行を受け入れると、少年はシスターといっしょに大都市を
出発して歩き出すのであった。こうして、少年は新たな仲間としてシスターを迎えて旅を
始めるのであった。少年の旅は続く。
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