しげき君とせじま様2

18限目 化学

しげき君とせじま様2　18限目　化学

　中間テストも無事終わり、滋樹はいつもの生活に戻っていた。滋樹は朝食を食べた後、
高校へ行く支度を済ませると自宅を出るのであった。

「うーん。テストも終わったし、週末はゆっくりできるね。あ、そうだ。最近起こってる
　意識がなくなるのをなんとかしないとね。今度、病院で見てもらおう。」

滋樹はそう言いながら、高校へ向かって歩いていくのであった。そして、高校に到着すると
教室に入って、友達にあいさつをしていくのであった。

「おはよう。剛、優二。」

「お、おはよう。達成感で今週一杯、俺は充実した日々を過ごせるだろう。テスト結果も
　帰ってきたしな。は、は、は。」

「僕もテストの結果がわかって、とっても満足しているよ。」

剛と優二はそれぞれのテスト結果に満足しているようであった。滋樹も優二のテスト結果が
高得点であろうことは予測していたが、剛の得点がいくらなのかは少し気になるので
あった。

「剛。ところで、どれくらいの点数だったんだい？」

「平均65点だぜ。俺の今までの人生で最高得点だぜ。すごいだろ。」

「あ、そうなんだ。学年の平均かそれよりちょっと低いかもしれないね。」

滋樹は剛の得点が意外に高くなかったので、少しがっかりするのであった。剛は相当喜んで
いるので、滋樹は平均80点前後はあるのかと勘違いしていたのだ。

「滋樹。今回は、赤点は１つもないし、数学では自己最高得点の77点だぜ。昔よりだいぶ
　進化したぞ。これで、俺もこの高校でやっていける自信がついたぜ。」

「ま、まあ。そうだね。でも、次もがんばって、勉強していけば、点数ももっと
　上昇するよ。」

滋樹は剛のテスト結果に理解を示し、剛を鼓舞するのであった。そして、このやりとりが
終わる頃に教師が教室に入ってくると朝の最初の授業が始まるのであった。

「それでは、地理の授業を始めます。教科書のこのページを開いてください。」

そして、時間が経過して、午後の最後の授業が終わると滋樹は帰り支度をし始めるので
あった。その最中、紗英が優二に声をかけてくるのであった。

「ねぇ。優二君。お願いがあるんだけど、今いいかな。」

「紗英ちゃん。どうしたんだい。」

「実はさっきの化学の授業のノートを見せて欲しいんだけど。わからないところが
　あって。」

紗英は先ほどの化学の授業でわからないところを復習するために優二にノートを借りに
くるのであった。優二もすぐにノートを貸してあげるのであった。

「ほら、参考にすればいいよ。テストも終わった直後だし、明日、返してもらって
　いいよ。じゃあね。」

「ありがとう。優二君。」

紗英は優二に感謝の言葉を述べ、優二もノートを紗英に渡すと早々に教室を去るので
あった。紗英は自分の席に戻ると化学の復習を始めるのであった。

「うーん。やっぱり、ここがわからないな。」

「どうしたんだい。紗英ちゃん。テストが終わったばかりなのに。」

滋樹は紗英のことが気になり、声をかけるのであった。そして、紗英の席にいくと話を
するのであった。

「滋樹君、実は、私、化学が不得意で中間テストもいまいちだったの、今日も授業で
　わからないことがあったから、ノートを借りて、勉強しようと思ったの。でも、
　誰かに教えてもらったほうがいいみたい。先生に聞こうかしら。」

「そ、そうだね。」

滋樹がそんなことを言ったときに体に異変を感じるのであった。

「ドクン。」

「う、どうしたのかな。胸が少しドキッとしたけど。」

滋樹は胸の動悸を感じるのであった。そして、徐々に体が熱くなるのを感じ始めた。

「ドクン。」

「まただ。胸がドキッとしたぞ。それに体が熱いような。」

滋樹は胸の動悸と体の熱さを感じ取るのであった。

「体調がおかしいな。紗英ちゃん。今日はもう帰るよ。」

滋樹は嫌な予感がして、カバンを持って、教室を出るのであった。

「また、前みたいに意識がなくなっちゃうのかな。」

滋樹の胸の動悸は収まらずに続き、体もさらに熱くなっていくのであった。

「ドクン。」

「念のために、収まるまで、近くで隠れておこう。」

滋樹はそう言うと更衣室へ入っていくのであった。