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8R 伝説の賢者?
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「マリンちゃ⋯マリン先生、これからよろしくお願いいたします。」
危ない危ない。
マリンちゃんって言ってしまいそうになる。
黄色のビキニを着てくれないかな⋯
いかんいかん、また脳内がパチンコで染っている。
先生をソファに促し座ってもらう。
すかさず紅茶を注ぐリンシャーン。
うんうん、偉いぞ。
「失礼します。とてもいい香りですね。」
綺麗な所作で紅茶を嗜むマリン先生。
紅茶じゃなくてトロピカルなジュースの方がお似合いですよ。
そうじゃない。
今はそういうのはいいんだ。
「それでは今日から早速お教えしたいと思います。よろしいですか?」
「はい、そのように伺っているので大丈夫です。」
3歳からお母様にある程度仕込まれてるから、そんなに大したことはないだろう。
「⋯これ、私は必要なんでしょうか?」
何やら先生は困惑している様子だ。
それもそのはず、むしろ俺が教えているではないか。
ちょいちょい間違っている知識を俺が訂正しながら進めているのだ。
3歳の頃から侯爵家にある蔵書をこれでもかというくらい詰め込んだからな。
それでも足りなくて買い足す始末だ。
魔法関連のものはお母様に禁止されていて読めていないがな。
「優秀とは聞いていましたが⋯優秀を通り過ぎてる⋯私は一体⋯これでも私は⋯」
何やらブツブツ言っているが⋯大丈夫だろうか。
どの問題を出しても即答の俺。
先生も何かを感じ取ったのだろう。
最終的に学園の最終学年でやるような問題を出してきた。
即答してしまった⋯
いやさ、簡単なのよ。
どう考えても日本の高校生が解く問題に比べたら簡単すぎるのさ。
方程式すら存在しない世界の学問なんて薄っぺらすぎて⋯
魔法に依存する世界って終わってるんじゃなかろうか。
過去の転生者も何も教えてこなかったのか。
戦闘狂になりすぎて、そっち方面は忘れたか?
全ての自然現象を解明し、再現しようと思わないのかね?
魔法で再現出来るからか?
そうだよな。水を生成する必要ないんだもんな。
魔法でいくらでも出せるんだ。
化学も物理も数学も発展しないわけだ。
他の自然現象も魔法で全て出来るなら必要なくなってくるのかもな。
魔法が出来ない人には地獄な世界だな。
だからと言って俺が学問を普及する気にはならん。
この世界はこの世界の発展の仕方でいいわけだしな。
学問よりも俺のすることは1つしかない。
何度も言う。
ギャンブルだ。
もっと言うならパチンコ屋だ。
バリジャン王国でジャンジャンバリバリよ。
「マリンちゃ⋯マリン先生。僕は学問より学びたいことがあるんです。」
ブツブツ言ってるマリンちゃん、もといマリン先生をしっかり見据えて言った。
「僕は学問より魔法を学びたいんです。」
これでもかと真剣な眼差しで訴えかける。
「そ、それは⋯」
マリン先生の目が泳いだ。
マリンだからって目まで泳ぐのが得意なんだな。
平泳ぎくらいのペースか。
「もしや⋯お母様に言われているのでしょうか?」
更に目が泳ぐマリン先生。
そのスピード⋯バタフライかな?
「いや、その⋯」
「マリン先生。僕の知りたいことは魔法を使うことじゃないんです。僕が知りたいことは⋯」
マリン先生は俺が何を言うのか分からないだろう。
だが俺の真剣な眼差しに感化されたのか、居住まいを正した。
「はい、リーチ様の知りたいこととはなんでしょうか。」
先生もしっかりと俺を見据え、続きを促した。
うむ。可愛い。
いやそうじゃない。
心の中の俺、真面目にやれ。
「僕が知りたいのは魔力量の効率的な増やし方です。」
ついに人に明かしたな。
リンシャーンにも教えてなかったような気がする。
「魔力の増やし方⋯ですか。」
マリン先生は神妙な顔になる。
「元来魔力量は増えるものではありません。」
は?
「人族は生まれながらに魔力量の限界値が定まっていると言われています。」
ひ?
「魔族やエルフは元々の魔力量が多い上に、秘伝により魔力量を増やせると言われています。」
ふ?
「人族は10歳の時の洗礼の儀により適正魔法を授かり、そこから魔法を学び始めます。」
へ?
「人族は洗礼の儀までに魔法を学ぶと、身体が魔力に耐えられずに死ぬと言われています。」
ほ?
「なので人族は10歳の時の洗礼の儀まで魔法に関することは禁忌とされています。」
な、なんてこった。
だからお母様は教えてくれなかったのか。
魔法を教えてくれないのはいいんだが⋯
魔力量が人族は決まっているだと?
それじゃあ俺の魔力量が増えてる感じがするのはいったいなんなんだ?
「マリン先生、人族の魔力総量が決まっているというのはどういうことなんですか?」
マリン先生は不思議そうに俺を見ている。
「なぜ、リーチ様はそれほどまでに魔力量にこだわりを見せているのでしょう?」
「そ、それは⋯今はまだ言えません。ただ僕が将来やりたいことをやるためには、魔力量が多くないと達成出来ない可能性があるんです。」
パチ屋を作りたいなんて言っても伝わらないからな。
言いたくても言えないんだ。
「リーチ様はかの有名な伝説の賢者様のようですね。」
ん?かの有名な?賢者?
「その賢者様は人族でありながら、どの種族よりも魔力量が多く、多彩な魔法を使えたと伝承で言い伝えられています。」
ほう、その人は転生者の可能性があるな。
「賢者様は多彩な魔法を駆使し魔を滅ぼした、と言い伝えられているのです。」
魔を滅ぼす、か。転生者は戦闘狂なんだろう。
話し合いが通じないから武力制圧と。
もしくは、その魔というのがコミュニケーションも取れない人族絶対殺すマンみたいな奴らなのかもしれないがな。
どちらにせよ⋯異世界怖いわぁ。
仲良くやろうぜ。
賢者様の話はどうでもいいんだ。
マリン先生、俺に魔力量の話を詳しく教えてくれないかねぇ。
「賢者様が凄いのは分かりました。僕は賢者様みたいに多彩な魔法は使えません。将来の為に魔力量を伸ばしたいんです。世界を平和に導きたいとかそんな大層な思想は抱えてないんです。」
「ではリーチ様のやりたい事がなんかのかお教え頂いてもよろしいですか?」
ふぅ、まぁそうなるよな。
言ったところで子供が何を言っているんだってなるよなぁ。
さて、どうしたものか。
危ない危ない。
マリンちゃんって言ってしまいそうになる。
黄色のビキニを着てくれないかな⋯
いかんいかん、また脳内がパチンコで染っている。
先生をソファに促し座ってもらう。
すかさず紅茶を注ぐリンシャーン。
うんうん、偉いぞ。
「失礼します。とてもいい香りですね。」
綺麗な所作で紅茶を嗜むマリン先生。
紅茶じゃなくてトロピカルなジュースの方がお似合いですよ。
そうじゃない。
今はそういうのはいいんだ。
「それでは今日から早速お教えしたいと思います。よろしいですか?」
「はい、そのように伺っているので大丈夫です。」
3歳からお母様にある程度仕込まれてるから、そんなに大したことはないだろう。
「⋯これ、私は必要なんでしょうか?」
何やら先生は困惑している様子だ。
それもそのはず、むしろ俺が教えているではないか。
ちょいちょい間違っている知識を俺が訂正しながら進めているのだ。
3歳の頃から侯爵家にある蔵書をこれでもかというくらい詰め込んだからな。
それでも足りなくて買い足す始末だ。
魔法関連のものはお母様に禁止されていて読めていないがな。
「優秀とは聞いていましたが⋯優秀を通り過ぎてる⋯私は一体⋯これでも私は⋯」
何やらブツブツ言っているが⋯大丈夫だろうか。
どの問題を出しても即答の俺。
先生も何かを感じ取ったのだろう。
最終的に学園の最終学年でやるような問題を出してきた。
即答してしまった⋯
いやさ、簡単なのよ。
どう考えても日本の高校生が解く問題に比べたら簡単すぎるのさ。
方程式すら存在しない世界の学問なんて薄っぺらすぎて⋯
魔法に依存する世界って終わってるんじゃなかろうか。
過去の転生者も何も教えてこなかったのか。
戦闘狂になりすぎて、そっち方面は忘れたか?
全ての自然現象を解明し、再現しようと思わないのかね?
魔法で再現出来るからか?
そうだよな。水を生成する必要ないんだもんな。
魔法でいくらでも出せるんだ。
化学も物理も数学も発展しないわけだ。
他の自然現象も魔法で全て出来るなら必要なくなってくるのかもな。
魔法が出来ない人には地獄な世界だな。
だからと言って俺が学問を普及する気にはならん。
この世界はこの世界の発展の仕方でいいわけだしな。
学問よりも俺のすることは1つしかない。
何度も言う。
ギャンブルだ。
もっと言うならパチンコ屋だ。
バリジャン王国でジャンジャンバリバリよ。
「マリンちゃ⋯マリン先生。僕は学問より学びたいことがあるんです。」
ブツブツ言ってるマリンちゃん、もといマリン先生をしっかり見据えて言った。
「僕は学問より魔法を学びたいんです。」
これでもかと真剣な眼差しで訴えかける。
「そ、それは⋯」
マリン先生の目が泳いだ。
マリンだからって目まで泳ぐのが得意なんだな。
平泳ぎくらいのペースか。
「もしや⋯お母様に言われているのでしょうか?」
更に目が泳ぐマリン先生。
そのスピード⋯バタフライかな?
「いや、その⋯」
「マリン先生。僕の知りたいことは魔法を使うことじゃないんです。僕が知りたいことは⋯」
マリン先生は俺が何を言うのか分からないだろう。
だが俺の真剣な眼差しに感化されたのか、居住まいを正した。
「はい、リーチ様の知りたいこととはなんでしょうか。」
先生もしっかりと俺を見据え、続きを促した。
うむ。可愛い。
いやそうじゃない。
心の中の俺、真面目にやれ。
「僕が知りたいのは魔力量の効率的な増やし方です。」
ついに人に明かしたな。
リンシャーンにも教えてなかったような気がする。
「魔力の増やし方⋯ですか。」
マリン先生は神妙な顔になる。
「元来魔力量は増えるものではありません。」
は?
「人族は生まれながらに魔力量の限界値が定まっていると言われています。」
ひ?
「魔族やエルフは元々の魔力量が多い上に、秘伝により魔力量を増やせると言われています。」
ふ?
「人族は10歳の時の洗礼の儀により適正魔法を授かり、そこから魔法を学び始めます。」
へ?
「人族は洗礼の儀までに魔法を学ぶと、身体が魔力に耐えられずに死ぬと言われています。」
ほ?
「なので人族は10歳の時の洗礼の儀まで魔法に関することは禁忌とされています。」
な、なんてこった。
だからお母様は教えてくれなかったのか。
魔法を教えてくれないのはいいんだが⋯
魔力量が人族は決まっているだと?
それじゃあ俺の魔力量が増えてる感じがするのはいったいなんなんだ?
「マリン先生、人族の魔力総量が決まっているというのはどういうことなんですか?」
マリン先生は不思議そうに俺を見ている。
「なぜ、リーチ様はそれほどまでに魔力量にこだわりを見せているのでしょう?」
「そ、それは⋯今はまだ言えません。ただ僕が将来やりたいことをやるためには、魔力量が多くないと達成出来ない可能性があるんです。」
パチ屋を作りたいなんて言っても伝わらないからな。
言いたくても言えないんだ。
「リーチ様はかの有名な伝説の賢者様のようですね。」
ん?かの有名な?賢者?
「その賢者様は人族でありながら、どの種族よりも魔力量が多く、多彩な魔法を使えたと伝承で言い伝えられています。」
ほう、その人は転生者の可能性があるな。
「賢者様は多彩な魔法を駆使し魔を滅ぼした、と言い伝えられているのです。」
魔を滅ぼす、か。転生者は戦闘狂なんだろう。
話し合いが通じないから武力制圧と。
もしくは、その魔というのがコミュニケーションも取れない人族絶対殺すマンみたいな奴らなのかもしれないがな。
どちらにせよ⋯異世界怖いわぁ。
仲良くやろうぜ。
賢者様の話はどうでもいいんだ。
マリン先生、俺に魔力量の話を詳しく教えてくれないかねぇ。
「賢者様が凄いのは分かりました。僕は賢者様みたいに多彩な魔法は使えません。将来の為に魔力量を伸ばしたいんです。世界を平和に導きたいとかそんな大層な思想は抱えてないんです。」
「ではリーチ様のやりたい事がなんかのかお教え頂いてもよろしいですか?」
ふぅ、まぁそうなるよな。
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さて、どうしたものか。
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