ボクは隊長さん？

第１話 モジャぐる君に、ご挨拶。

１１

話し終わった途端、恥ずかしくて思わずうつむいちゃったのですが何故かずっと返事がありません。
恐る恐る見上げると、あれ？
二人とも目を見開いたまま。顔は真っ赤です。
そんなに怒るほど、一緒の学園案内は嫌だったのでしょうか。


　ブシャアァッ（※鼻血噴出音）

「ひっ！？」


たた大変です。モ……成田 翔吾くんが大量の鼻血を噴き出しました。
虹がかかるんじゃないかってくらいの勢いでプシャーッと空高く飛んだ後、今度は地面に向かってぼたぼた落ちて来ます。
し、死んじゃう？　モジャぐる君（※混乱中のため名前変換が出来ていません）が死んじゃうっ！？
だ、誰か助けて――。


　ドンッ　←永太と亮平を突き飛ばす音
「うわっ！？」

　ガシッ　←モジャがまーに抱きつく音
「ひぁっ！？」


「まーッ、お前は平凡のくせにすげぇ可愛くてしかも誰が一番上手にヤれるか比べっこしたいだの色々と教えて欲しいだの、永太と亮平に『一緒にイこ？』なんて真っ赤になりながら誘ったり！　てか二人とも羨ましいなこのヤローッ、いつもこんな可愛いこと言われてんのかよ。恥じらいつつも積極的って何スか、何なんですかこのめちゃくちゃ愛らしくてエロい生き物。初心（うぶ）なのにおねだり上手かこの小悪魔ちゃんめ、もぉ最高だあぁ！　畜生ーッ絶対に手放すもんかあぁ～っ！！」

※勘違い妄想モード発動中



「はああっ！？」

「え。あ、悪魔……？　何言ってるのモジャぐる君っ、鼻血が出てるんだよ、早く止めないと死んじゃうよぉ！」

「大丈夫、俺の最期は腹上死って決めてあるから！　てか何、まーはそんっなに俺のことが心配なんだ？　もぉ本当に優しいなぁー。うは、だめだやっぱたまんねえぇ♪」


　ギュウゥゥ～ッ　すりすり


「なっ！　テメ、まーに何しやがる！？」

「まー！」


うえぇっ？　モジャぐる君、本当に大丈夫なんですか！？
痛いくらいにぎゅっと抱きしめられて何だか僕の方がくらくらしてきました。
それに『ふくじょうし』って何だろう。
えっと……副上司？　副だから二番目に偉い人ってことかな。それくらい出世するまでは絶対死なないぞ、ってことでしょうか。
つまりそんな大きな目標に向かって毎日頑張っているんですね。立派です！
流石は副会長さまがお好きになった方です。
僕、これからも全力でお二人の恋を応援していきますね。


「あああ！？　あいつ、鼻血のついた顔を隊長のぷにぷに頬っぺたに！」
「ひいいっ鼻血まみれの赤い顔で鼻の下伸ばしながらニタニタ笑ってる……き、気持ち悪すぎるッ」
「羨まし……っじゃない。くぉらああ！　お前、僕たちの隊長から離れろー！？」
「たた隊長の愛らしい体が奴のおぞましい鼻血で汚されちゃうぅ」


　ギュウゥゥウ～ッ　すりすりすり♪
　サワサワサワッ　なでなでなで♪

「ふ……ヤぁっ、痛い、です……っ」

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