18 / 89
第二章
7
しおりを挟む
「じゃあ、瀬戸の席は最後列の窓から三番目な。あの空いてるトコだから」
千葉ちゃんが席を指示すると王道くん、じゃないや「歩くん」は真っ直ぐに歩き出した。
って何か、ダジャレみたいだね。
あ、転ばそうとしてんのかな。机の脇から足を出す人がいるー。でも歩くん、気付いてないっぽいのに全然引っ掛からないし。
これはかなり運動神経良さそう。
さすが王道くん。
ハッ!
もしかして歩くん、実は族(チーム)に入ってて喧嘩が異常に強く通り名を持ってたりして!?
……対立関係にある族のトップが生徒会メンバーで構成され、しかも橘会長がそこの総長だったり。そんで抗争の最中に運命の悪戯か、敵である筈の歩くんに一目惚れ。
だがしかし、ある日突然行方をくらました彼を必死に捜す橘総長。
「必ずお前を見つけ出して、俺様のモノにしてやるからな」
なんて想われてるのにも気付かず「バレたら絶対ボコボコにされる」と勘違いした歩くんは、超麗しい素顔を下手な変装でもって隠し逃げ続ける――といった腐設定や展開をこれから生で観賞出来るわけだよねっ!
(※あくまでも郁人の妄想です)
なーんて腐な考え事をしていたら、バチッと歩くんと目が合った。
……あれ?
ぼさぼさ前髪(いや、ヅラだけどね)と瓶底眼鏡で目とか全然見えてないけど、すっごく驚いた顔して俺のこと見てるよー。何で?
「あ……嘘。さ、さっきの人!?」
そう言うと、顔を真っ赤にさせて嬉しそうに近付いて来る。ありゃりゃ、せっかく静かだった教室内がまた騒がしくなっちゃった。
千葉ちゃんごめんね。
え、というか俺すでに攻め要員決定?
むうぅ、出来れば傍観していたかったんだけどな。ま、いいや。
ここはチャラ男設定を生かしてーっと。
ニコッ
「うっ!」
「う? えーと、さっきぶりだねー。俺はぁ千賀郁人でーす。何か俺、君のこと気に入っちゃった♪ これからよろしくねぇ歩くん?」
んー。この場合「歩ちゃん」か呼び捨ての方が良かったかなぁ。
でも既に俺の中では「王道イコール歩くん」呼びが定着してるし。
「じ、じゃあ郁人って呼んで良いか? 俺は」
「ダメだ歩、千賀には近付くな!」
おおお!?
いきなり歩くんが、後ろから抱きすくめられましたっ。
グッジョブそこの君。えーと確か名前は。
.
千葉ちゃんが席を指示すると王道くん、じゃないや「歩くん」は真っ直ぐに歩き出した。
って何か、ダジャレみたいだね。
あ、転ばそうとしてんのかな。机の脇から足を出す人がいるー。でも歩くん、気付いてないっぽいのに全然引っ掛からないし。
これはかなり運動神経良さそう。
さすが王道くん。
ハッ!
もしかして歩くん、実は族(チーム)に入ってて喧嘩が異常に強く通り名を持ってたりして!?
……対立関係にある族のトップが生徒会メンバーで構成され、しかも橘会長がそこの総長だったり。そんで抗争の最中に運命の悪戯か、敵である筈の歩くんに一目惚れ。
だがしかし、ある日突然行方をくらました彼を必死に捜す橘総長。
「必ずお前を見つけ出して、俺様のモノにしてやるからな」
なんて想われてるのにも気付かず「バレたら絶対ボコボコにされる」と勘違いした歩くんは、超麗しい素顔を下手な変装でもって隠し逃げ続ける――といった腐設定や展開をこれから生で観賞出来るわけだよねっ!
(※あくまでも郁人の妄想です)
なーんて腐な考え事をしていたら、バチッと歩くんと目が合った。
……あれ?
ぼさぼさ前髪(いや、ヅラだけどね)と瓶底眼鏡で目とか全然見えてないけど、すっごく驚いた顔して俺のこと見てるよー。何で?
「あ……嘘。さ、さっきの人!?」
そう言うと、顔を真っ赤にさせて嬉しそうに近付いて来る。ありゃりゃ、せっかく静かだった教室内がまた騒がしくなっちゃった。
千葉ちゃんごめんね。
え、というか俺すでに攻め要員決定?
むうぅ、出来れば傍観していたかったんだけどな。ま、いいや。
ここはチャラ男設定を生かしてーっと。
ニコッ
「うっ!」
「う? えーと、さっきぶりだねー。俺はぁ千賀郁人でーす。何か俺、君のこと気に入っちゃった♪ これからよろしくねぇ歩くん?」
んー。この場合「歩ちゃん」か呼び捨ての方が良かったかなぁ。
でも既に俺の中では「王道イコール歩くん」呼びが定着してるし。
「じ、じゃあ郁人って呼んで良いか? 俺は」
「ダメだ歩、千賀には近付くな!」
おおお!?
いきなり歩くんが、後ろから抱きすくめられましたっ。
グッジョブそこの君。えーと確か名前は。
.
20
お気に入りに追加
974
あなたにおすすめの小説
平凡な俺、何故かイケメンヤンキーのお気に入りです?!
彩ノ華
BL
ある事がきっかけでヤンキー(イケメン)に目をつけられた俺。
何をしても平凡な俺は、きっとパシリとして使われるのだろうと思っていたけど…!?
俺どうなっちゃうの~~ッ?!
イケメンヤンキー×平凡
平凡ハイスペックのマイペース少年!〜王道学園風〜
ミクリ21
BL
竜城 梓という平凡な見た目のハイスペック高校生の話です。
王道学園物が元ネタで、とにかくコメディに走る物語を心掛けています!
※作者の遊び心を詰め込んだ作品になります。
※現在連載中止中で、途中までしかないです。
実は俺、悪役なんだけど周りの人達から溺愛されている件について…
彩ノ華
BL
あのぅ、、おれ一応悪役なんですけど〜??
ひょんな事からこの世界に転生したオレは、自分が悪役だと思い出した。そんな俺は…!!ヒロイン(男)と攻略対象者達の恋愛を全力で応援します!断罪されない程度に悪役としての責務を全うします_。
みんなから嫌われるはずの悪役。
そ・れ・な・の・に…
どうしてみんなから構われるの?!溺愛されるの?!
もしもーし・・・ヒロインあっちだよ?!どうぞヒロインとイチャついちゃってくださいよぉ…(泣)
そんなオレの物語が今始まる___。
ちょっとアレなやつには✾←このマークを付けておきます。読む際にお気を付けください☺️
第12回BL小説大賞に参加中!
よろしくお願いします🙇♀️
顔だけが取り柄の俺、それさえもひたすら隠し通してみせる!!
彩ノ華
BL
顔だけが取り柄の俺だけど…
…平凡に暮らしたいので隠し通してみせる!!
登場人物×恋には無自覚な主人公
※溺愛
❀気ままに投稿
❀ゆるゆる更新
❀文字数が多い時もあれば少ない時もある、それが人生や。知らんけど。
どうやら手懐けてしまったようだ...さて、どうしよう。
彩ノ華
BL
ある日BLゲームの中に転生した俺は義弟と主人公(ヒロイン)をくっつけようと決意する。
だが、義弟からも主人公からも…ましてや攻略対象者たちからも気に入れられる始末…。
どうやら手懐けてしまったようだ…さて、どうしよう。
俺の義兄弟が凄いんだが
kogyoku
BL
母親の再婚で俺に兄弟ができたんだがそれがどいつもこいつもハイスペックで、その上転校することになって俺の平凡な日常はいったいどこへ・・・
初投稿です。感想などお待ちしています。
BLR15【完結】ある日指輪を拾ったら、国を救った英雄の強面騎士団長と一緒に暮らすことになりました
厘/りん
BL
ナルン王国の下町に暮らす ルカ。
この国は一部の人だけに使える魔法が神様から贈られる。ルカはその一人で武器や防具、アクセサリーに『加護』を付けて売って生活をしていた。
ある日、配達の為に下町を歩いていたら指輪が落ちていた。見覚えのある指輪だったので届けに行くと…。
国を救った英雄(強面の可愛い物好き)と出生に秘密ありの痩せた青年のお話。
☆英雄騎士 現在28歳
ルカ 現在18歳
☆第11回BL小説大賞 21位
皆様のおかげで、奨励賞をいただきました。ありがとう御座いました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる