守るべきモノ

神崎

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逢引

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 胸に触れる手のひらが熱い。指が乳首を摘む度に痛みとともに、体が熱くなるような気がした。
「んっ……。」
「痛い?」
 春樹の声が低く響いて、顔が赤くなる。
「痛いけど……もっとして。」
「倫子はちょっとマゾヒストだな。そういうのの方が俺も燃える。」
「サディスト。」
「そんな部分があると思ってなかった。どうせそうならとことんしていい?」
「叩かないで。」
「そんなことはしない。」
 春樹はそういって倫子の手を掴むと、上に上げた。
「ちょっと……。」
「縛るものがないかな。」
「イヤよ。何を言ってるの?」
「されたことはない?」
 無いことはない。百戦錬磨の男が一度抱いたとき、倫子の性癖に気がついたのだろう。手錠を持ってきたことがある。だが痛いだけだった。それだけ感情がなかったからかもしれない。
 感情がないのは今もそうだ。これは小説のネタなのだから。
 手を挙げたわきの下に春樹は顔を近づけてきて、その瞬間ぬるっとした感触が伝わってきた。
「や……ちょっと、くすぐったい。」
 止めようとする倫子の態度を止めるように、手を上に上げて握ったままそのまま首筋に舌を這わせた。
「あっ……。」
「すごいな。胸に触れてないのに、さっきよりも立ってる。」
 舌を出して倫子に見えるようにわざと乳首に舌を這わせた。音を立てると倫子は恥ずかしそうに顔を背ける。
「あっ……あっ……。」
 乳首に少し痛みを感じた。少し噛んだのかもしれない。もう片方の乳首には、指が這っている。
「んっ……。」
 胸しか当たっていない。なのに体がびくびくと反応してきた。
「あっ!駄目……春……。春樹!」
 ひときわ大きな声を上げて、倫子は高みに達してしまった。息切れをさせながら、春樹から視線を避ける。
「気持ちよかった?」
「うん……。」
「敏感だよね。本当。まだここ触ってないのに、シミが出来てる。」
 そういって太股に触れられた。足を開くと、もう性器から愛液が溢れている。底に春樹の太い指が触れると、倫子はさらに声を上げた。
「あっ!」
 まだ表面しか当たっていない。なのにぐじゅぐじゅと音を立てる。
「中まですごい濡れてる。どこ?倫子の良いところ。教えて。」
「んっ!んっ!」
 腰を持ち上げると、倫子に見えるように指を突き立てた。
「ほら。こんなに指が入ってる。」
「や……ちょっと見せないで……。」
 指を抜いてそこを広げる。赤く充血していて、その上の堅いところはもう立っているようだ。
「超濡れてて嫌らしいな。舐めていい?」
「んっ。もう……。」
 聞いているそばからもう既に舐めている。舌を差し込んで、声を上げていた。
「あっ……春……。」
 何度も絶頂に達して、それでも春樹はやめてくれなかった。お腹の奥が求めている。早く突いて欲しいと言っているようだった。
「倫子。またイった?」
 口を離して、顔を赤くしている倫子の方をみる。何度も何度も絶頂に導かれて、頭がどうにかなりそうだ。だが欲しいなんて言えない。自分が求めているようだから。
「……あなたのも……。」
「ん?」
「あなたのも触らせて。」
「俺の?良いよ。だったら俺が下になるから、乗り上げて。」
 横たわった春樹の上に乗り上げると、倫子はそのまま春樹の唇にキスをする。舌を舐め合ううちに春樹はそのまま倫子の胸に触れた。
「や……ちょっと……。」
「家の中じゃ触れないから、触れるうちに触っておきたいんだ。」
「ん……。ん……。」
 腰のあたりに倫子の感触がする。それは徐々に下に下がっていき、春樹の性器と倫子の性器がこすれあう。ぐちゃ、ぐちゃとさらに卑猥な音がした。
「まだ入ってないよね。」
「うん……あっ……クリにあたる……。」
「そこわかる。ごりってしてるし……。気持ちいい。倫子、クリ好き?」
「わからない。全部……気持ちよくて……んっ……。」
 びくびくと倫子は体を震わせた。また絶頂に達してしまったのだろう。思わずそのまま入れ込んでしまいそうだ。
「入れる?」
「……欲しい……。春樹。欲しいの……。」
 やっと素直になったように倫子は口走る。すると春樹は体を起こすと、倫子を膝の上に載せる。そしてそのまま唇を重ねた。
「倫子……。」
 春樹も限界だ。倫子が欲しい。広げている足の間に指を這わせて、そそり立っている自分を支えるとそのまま倫子の中に入っていく。ずぶっと音がした。
「ああああ!春……春樹!」
「倫子!」
 奥まで入り込んだようで、春樹の体を抱きしめる。
「すごい。溶けそう。」
「溶けないよ……。」
 倫子は少し笑うと、春樹の唇にキスをした。舌を絡めている間にも倫子は腰を動かし、春樹も下から突き上げる。
「すごい……倫子の中ぐっちょぐちょ。そんなに締めないで。」
「んっ……わからない。あっ……あっ……。激しい……春樹。激しいよぉ。」
「一度出してるから、何度もイかせる。」
「これ以上?」
「まだ入れただけだろう?」
「あっ……あっ!駄目……!そこが!」
「倫子……。」
 頬にかかる髪を避けて、キスをする。
「好き。愛してるよ。」
「ずるい……今そんなことを言うなんて。」
「言ったら締まってきたよ。」
 体を仰向けにされて、腰を持ち上げて突き上げる。そのたびに倫子の胸も揺れてきた。
「あっ……あっ……。春樹……春……好きよ……。」
「それ、聞きたかったんだ。んっ……。」
「や……中で大きくなってる。」
「倫子……。」
「春樹……あっ!ああああ!駄目!イく!」
「捕まって。ほら。」
 抱き上げて、奥まで入れ込んだ。そのとき首に少し痛みを感じた。捕まっていた倫子の指が、無意識に爪を立てたのだろう。
 その跡を沢山付けて欲しい。倫子が自分のものだと思うように、自分も倫子のものだと思って欲しいと思ったから。その入れ墨に寄り添うように、自分の跡を残したい。
 倫子といると、自分がこんなにエゴイストだっただろうかと思えてくる。
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