448 / 633
キノコの和風パスタ
447
しおりを挟む
昼前に沙夜は会社の最寄り駅の時刻表のある位置ほどで、芹を待っていた。芹は共同しても行かないといけないところがあると、デートの前に出版社へ行っていたのだ。芹だって特に暇なわけでは無い。しかしこうやって都合を付けてデートをしてくれるのだ。
一馬は今日は朝からある仕事をこなしたあと、奥さんの祖父が眠る霊園へ行くと言っていた。奥さんの祖父は喫茶店を経営していて、コーヒーがとても美味しかったらしい。沙夜は飲んだことが無いが、一馬は一度前に組んでいたジャズバンドのメンバーと共にたまたま入ったその喫茶店でコーヒーを飲んだのだ。
その時から奥さんとは顔を合わせていたのかもしれない。
なのでその祖父の墓参りをするというのは一馬にとっても意味があるのだ。それに家族なのになかなか会えない状況でもある。数時間かもしれないが、隠れるように家族に会える貴重な時間なのだ。
そして沙夜もなかなか芹とこうしてデートをすることは無い。沙夜にとってもこの時間は貴重なのだ。だが後ろめたさがあるし、一馬のことを思うと複雑だった。
携帯電話のメッセージから、一馬はもう仕事を終えて霊園へ向かったらしい。そしてそこで遥人に会い、四人でお茶をしているようだ。きっと一馬自体も他人が居た方が楽かもしれない。そう思っていたときだった。
「沙夜さん?」
声をかけられて携帯電話から目を離す。そこには純の姿があった。ギターを背負っているが、ギターはアコースティックのように見える。エレキギターでは無いのが珍しいと思った。
「夏目さん。今から別の現場へ行くの?」
「俺、今から仕事だよ。珍しいけど、この音が欲しいんだって。」
アニメのサントラの仕事だった。入れる曲は数曲で、曲自体も短いようだがアコースティックギターがメインの曲なのだ。それを沙夜も聴いて、面白い曲だと思っていた。星の数ほど作曲家や編曲家がいる中、沙夜のような突拍子も無いような曲を作る人も居るが、それ以上に才能が溢れた人は居る。この狭い国内でもこんなに居るのだから、海外へ行けば尚更だろう。
「どこのスタジオ?」
「Aの方かな。珍しいよね。そんなところにスタジオなんか会ったかなって思ったけど。」
「そうなんだ。」
「沙夜さんは今日は休み?」
「えぇ。」
「海外へ行くのに、買い物なんかはしなくても良いの?」
「大丈夫。ある程度はもう買ってあるから。」
「準備万端だ。」
「えぇ。」
道行く人が純に目が留まり振り返っている。最近、純も遥人とラジオに出たりすることが多いし、個人的にラジオ番組のパーソナリティーになった事もありこうやって振り向かれることも多いのだ。
徐々に遥人だけが注目されるのでは無く、個人個人が注目されている。それだけ「二藍」の知名度は上がっているのだ。
「今日はデート?」
「あら。どうしてそう思うのかしら。」
すると純は少し笑って言う。
「感だよ。待ち合わせみたいに見えるし、それにいつもよりも綺麗な格好をしている。」
「いつもよりって……。普段どんな格好をしていると思ってるの。」
すると純は手を振って益々笑った。
「いつもはスーツだけど、私服の時はもう少しこう……気合いが入っていないような格好だったし。」
田舎へ行くことが多いのだ。なので汚れても構わないような格好をしていることが多いからかもしれない。芹とデートをするから小綺麗にしていると思われて、沙夜は少し恥ずかしいと思った。
「これは沙菜のお下がりなんだけどね。」
白いチュニックは、沙菜が着ると太って見えるらしい。胸がありすぎて、そこだけ盛り上がるのだ。
「デートの相手は芹さん?それとも一馬?」
その言葉に沙夜は驚いたように純を見た。純もまた一馬との関係を知っているのかと思ったのだ。
「え?どうして一馬が出てくるのかしら。」
すると純は少し笑って言う。
「俺、既婚者と付き合うのって別に良いと思うよ。俺だってそうなると思うし。」
純には恋人が居る。バーのオーナーをしている男。加藤英二は、純よりも年上で一緒に住んでいるらしい。だが体の関係は無いのだ。それは昔、純が女にレイプされセックス自体に嫌悪感を示しているから。キスすら男が相手でも嫌だという。
その代わり、英二は純の他に遊ぶ相手やセックスをする相手が居る。それは男であり、遊ぶ相手なのだ。自分がしたくないからと我が儘を言っているから、英二にもそれを付き合わせたくないと純はそれを見てみないふりをしているらしい。
「加藤さんが別の人と、一緒になるかもしれないの?」
すると純は首を横に振る。
「そうじゃないけどね。ただ、英二は女と結婚すると思うよ。そうなった時、俺と別れるかって言われると別れないって言ってる。ただ一緒には住めない。俺の方が愛人みたいなモノだし。」
「……。」
「だから俺は沙夜さんを一馬が求めたのはわかるよ。あの奥さんだったら一馬もずっと気を遣っていたんだろうし。それを沙夜さんに求めたのは仕方ないのかなって思うから。」
もう全部お見通しのように思えた。沙夜は少しため息を付くと、純に言う。
「芹に非は無いのよ。ただ……私が余計なことを言ってしまったからかしらね。それに芹自体もまだ前の恋人を忘れられないこともあるし。」
「沙夜さん自体も求めてたんだ。」
「都合が良いかもしれないけどね。」
すると純は首を振って言う。
「いいや。仕方ないよ。」
もし以前だったら、純はこういう関係を知れば真っ先に反対したかもしれない。潔癖なところがあり、尚且つネガティブなところがあるから。それに相手が一馬だと言うこともあれば、尚更だろう。バンドを組んだ一時期は、純は一馬に惹かれていたこともあったから。だが一馬が結婚すると言うことで、その気持ちに線を引いたのだ。一馬が純の方を振り返ることは絶対無いのだから。
「毎日一馬の所に食事を運んでいるって聞いたよ。それから一緒に食べているって。」
「それでも、それだけよ。」
「え?」
「状況を考えて手を出すかしら。そこまで一馬が非常識だと思う?」
真面目な男なのだ。そんなことをするわけが無い。
「それもそうだ。悪いことを聞いたね。」
「ううん。夏目さん。そろそろ行かなくても大丈夫?」
「あぁ。そうだった。立ち話しちゃったな。」
純はそのまま改札口へ足を向けようとしたときだった。沙夜の携帯電話が鳴る。その名前に、沙夜は驚いて行こうとした純を止めた。
「夏目さん。」
すると純もその足を止めて、沙夜の方を振り返る。
「どうしたの?」
「水川さんからなんだけど……。あなたは一馬の居所とか、奥様の居るところとか伝えていないわよね?」
「水川さん自体に会ったのって、この間合わせたときが最後だよ。」
「そうよね。だったら誰から……。」
「どうしたの?」
遥人からのメッセージだった。遥人と一馬、そして奥さんと子供でAにある霊園からほど近くの植物園でお茶をしていたとき、有佐がその場にやってきたのだという。
どうしてここに居ることがわかったのだろう。そして必要以上に、奥さんと子供に近づいてきていた。それが遥人には違和感だったという。
「……どうして水川さんがそこに居るのを知っていたのかな。遥人が言うとは思えないし。そもそも遥人は結構水川さんのことを嫌っているしなぁ。」
「そうよね……。」
また心がモヤモヤする。有佐はさっぱりしていているが、人の心を考えないところがある。そして一馬の奥さんにずっと執着をしていたのだ。それが一馬にとって少し、複雑な気持ちにさせていた。
有佐の出現は、また六人によどんだ空気を送り込むような存在だったのかもしれない。それを沙夜が守り切れるのだろうか。そう思うと不安になる。
一馬は今日は朝からある仕事をこなしたあと、奥さんの祖父が眠る霊園へ行くと言っていた。奥さんの祖父は喫茶店を経営していて、コーヒーがとても美味しかったらしい。沙夜は飲んだことが無いが、一馬は一度前に組んでいたジャズバンドのメンバーと共にたまたま入ったその喫茶店でコーヒーを飲んだのだ。
その時から奥さんとは顔を合わせていたのかもしれない。
なのでその祖父の墓参りをするというのは一馬にとっても意味があるのだ。それに家族なのになかなか会えない状況でもある。数時間かもしれないが、隠れるように家族に会える貴重な時間なのだ。
そして沙夜もなかなか芹とこうしてデートをすることは無い。沙夜にとってもこの時間は貴重なのだ。だが後ろめたさがあるし、一馬のことを思うと複雑だった。
携帯電話のメッセージから、一馬はもう仕事を終えて霊園へ向かったらしい。そしてそこで遥人に会い、四人でお茶をしているようだ。きっと一馬自体も他人が居た方が楽かもしれない。そう思っていたときだった。
「沙夜さん?」
声をかけられて携帯電話から目を離す。そこには純の姿があった。ギターを背負っているが、ギターはアコースティックのように見える。エレキギターでは無いのが珍しいと思った。
「夏目さん。今から別の現場へ行くの?」
「俺、今から仕事だよ。珍しいけど、この音が欲しいんだって。」
アニメのサントラの仕事だった。入れる曲は数曲で、曲自体も短いようだがアコースティックギターがメインの曲なのだ。それを沙夜も聴いて、面白い曲だと思っていた。星の数ほど作曲家や編曲家がいる中、沙夜のような突拍子も無いような曲を作る人も居るが、それ以上に才能が溢れた人は居る。この狭い国内でもこんなに居るのだから、海外へ行けば尚更だろう。
「どこのスタジオ?」
「Aの方かな。珍しいよね。そんなところにスタジオなんか会ったかなって思ったけど。」
「そうなんだ。」
「沙夜さんは今日は休み?」
「えぇ。」
「海外へ行くのに、買い物なんかはしなくても良いの?」
「大丈夫。ある程度はもう買ってあるから。」
「準備万端だ。」
「えぇ。」
道行く人が純に目が留まり振り返っている。最近、純も遥人とラジオに出たりすることが多いし、個人的にラジオ番組のパーソナリティーになった事もありこうやって振り向かれることも多いのだ。
徐々に遥人だけが注目されるのでは無く、個人個人が注目されている。それだけ「二藍」の知名度は上がっているのだ。
「今日はデート?」
「あら。どうしてそう思うのかしら。」
すると純は少し笑って言う。
「感だよ。待ち合わせみたいに見えるし、それにいつもよりも綺麗な格好をしている。」
「いつもよりって……。普段どんな格好をしていると思ってるの。」
すると純は手を振って益々笑った。
「いつもはスーツだけど、私服の時はもう少しこう……気合いが入っていないような格好だったし。」
田舎へ行くことが多いのだ。なので汚れても構わないような格好をしていることが多いからかもしれない。芹とデートをするから小綺麗にしていると思われて、沙夜は少し恥ずかしいと思った。
「これは沙菜のお下がりなんだけどね。」
白いチュニックは、沙菜が着ると太って見えるらしい。胸がありすぎて、そこだけ盛り上がるのだ。
「デートの相手は芹さん?それとも一馬?」
その言葉に沙夜は驚いたように純を見た。純もまた一馬との関係を知っているのかと思ったのだ。
「え?どうして一馬が出てくるのかしら。」
すると純は少し笑って言う。
「俺、既婚者と付き合うのって別に良いと思うよ。俺だってそうなると思うし。」
純には恋人が居る。バーのオーナーをしている男。加藤英二は、純よりも年上で一緒に住んでいるらしい。だが体の関係は無いのだ。それは昔、純が女にレイプされセックス自体に嫌悪感を示しているから。キスすら男が相手でも嫌だという。
その代わり、英二は純の他に遊ぶ相手やセックスをする相手が居る。それは男であり、遊ぶ相手なのだ。自分がしたくないからと我が儘を言っているから、英二にもそれを付き合わせたくないと純はそれを見てみないふりをしているらしい。
「加藤さんが別の人と、一緒になるかもしれないの?」
すると純は首を横に振る。
「そうじゃないけどね。ただ、英二は女と結婚すると思うよ。そうなった時、俺と別れるかって言われると別れないって言ってる。ただ一緒には住めない。俺の方が愛人みたいなモノだし。」
「……。」
「だから俺は沙夜さんを一馬が求めたのはわかるよ。あの奥さんだったら一馬もずっと気を遣っていたんだろうし。それを沙夜さんに求めたのは仕方ないのかなって思うから。」
もう全部お見通しのように思えた。沙夜は少しため息を付くと、純に言う。
「芹に非は無いのよ。ただ……私が余計なことを言ってしまったからかしらね。それに芹自体もまだ前の恋人を忘れられないこともあるし。」
「沙夜さん自体も求めてたんだ。」
「都合が良いかもしれないけどね。」
すると純は首を振って言う。
「いいや。仕方ないよ。」
もし以前だったら、純はこういう関係を知れば真っ先に反対したかもしれない。潔癖なところがあり、尚且つネガティブなところがあるから。それに相手が一馬だと言うこともあれば、尚更だろう。バンドを組んだ一時期は、純は一馬に惹かれていたこともあったから。だが一馬が結婚すると言うことで、その気持ちに線を引いたのだ。一馬が純の方を振り返ることは絶対無いのだから。
「毎日一馬の所に食事を運んでいるって聞いたよ。それから一緒に食べているって。」
「それでも、それだけよ。」
「え?」
「状況を考えて手を出すかしら。そこまで一馬が非常識だと思う?」
真面目な男なのだ。そんなことをするわけが無い。
「それもそうだ。悪いことを聞いたね。」
「ううん。夏目さん。そろそろ行かなくても大丈夫?」
「あぁ。そうだった。立ち話しちゃったな。」
純はそのまま改札口へ足を向けようとしたときだった。沙夜の携帯電話が鳴る。その名前に、沙夜は驚いて行こうとした純を止めた。
「夏目さん。」
すると純もその足を止めて、沙夜の方を振り返る。
「どうしたの?」
「水川さんからなんだけど……。あなたは一馬の居所とか、奥様の居るところとか伝えていないわよね?」
「水川さん自体に会ったのって、この間合わせたときが最後だよ。」
「そうよね。だったら誰から……。」
「どうしたの?」
遥人からのメッセージだった。遥人と一馬、そして奥さんと子供でAにある霊園からほど近くの植物園でお茶をしていたとき、有佐がその場にやってきたのだという。
どうしてここに居ることがわかったのだろう。そして必要以上に、奥さんと子供に近づいてきていた。それが遥人には違和感だったという。
「……どうして水川さんがそこに居るのを知っていたのかな。遥人が言うとは思えないし。そもそも遥人は結構水川さんのことを嫌っているしなぁ。」
「そうよね……。」
また心がモヤモヤする。有佐はさっぱりしていているが、人の心を考えないところがある。そして一馬の奥さんにずっと執着をしていたのだ。それが一馬にとって少し、複雑な気持ちにさせていた。
有佐の出現は、また六人によどんだ空気を送り込むような存在だったのかもしれない。それを沙夜が守り切れるのだろうか。そう思うと不安になる。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
【R18】溺愛される公爵令嬢は鈍すぎて王子の腹黒に気づかない
かぐや
恋愛
公爵令嬢シャルロットは、まだデビューしていないにも関わらず社交界で噂になる程美しいと評判の娘であった。それは子供の頃からで、本人にはその自覚は全く無いうえ、純真過ぎて幾度も簡単に拐われかけていた。幼少期からの婚約者である幼なじみのマリウス王子を始め、周りの者が
シャルロットを護る為いろいろと奮闘する。そんなお話になる予定です。溺愛系えろラブコメです。
女性が少なく子を増やす為、性に寛容で一妻多夫など婚姻の形は多様。女性大事の世界で、体も中身もかなり早熟の為13歳でも16.7歳くらいの感じで、主人公以外の女子がイケイケです。全くもってえっちでけしからん世界です。
設定ゆるいです。
出来るだけ深く考えず気軽〜に読んで頂けたら助かります。コメディなんです。
ちょいR18には※を付けます。
本番R18には☆つけます。
※直接的な表現や、ちょこっとお下品な時もあります。あとガッツリ近親相姦や、複数プレイがあります。この世界では家族でも親以外は結婚も何でもありなのです。ツッコミ禁止でお願いします。
苦手な方はお戻りください。
基本、溺愛えろコメディなので主人公が辛い事はしません。
【R18】らぶえっち短編集
おうぎまちこ(あきたこまち)
恋愛
調べたら残り2作品ありました、本日投稿しますので、お待ちくださいませ(3/31)
R18執筆1年目の時に書いた短編完結作品23本のうち商業作品をのぞく約20作品を短編集としてまとめることにしました。
※R18に※
※毎日投稿21時~24時頃、1作品ずつ。
※R18短編3作品目「追放されし奴隷の聖女は、王位簒奪者に溺愛される」からの投稿になります。
※処女作「清廉なる巫女は、竜の欲望の贄となる」2作品目「堕ちていく竜の聖女は、年下皇太子に奪われる」は商業化したため、読みたい場合はムーンライトノベルズにどうぞよろしくお願いいたします。
※これまでに投稿してきた短編は非公開になりますので、どうぞご了承くださいませ。
【R18】清掃員加藤望、社長の弱みを握りに来ました!
Bu-cha
恋愛
ずっと好きだった初恋の相手、社長の弱みを握る為に頑張ります!!にゃんっ♥
財閥の分家の家に代々遣える“秘書”という立場の“家”に生まれた加藤望。
”秘書“としての適正がない”ダメ秘書“の望が12月25日の朝、愛している人から連れてこられた場所は初恋の男の人の家だった。
財閥の本家の長男からの指示、”星野青(じょう)の弱みを握ってくる“という仕事。
財閥が青さんの会社を吸収する為に私を任命した・・・!!
青さんの弱みを握る為、“ダメ秘書”は今日から頑張ります!!
関連物語
『お嬢様は“いけないコト”がしたい』
『“純”の純愛ではない“愛”の鍵』連載中
『雪の上に犬と猿。たまに男と女。』
エブリスタさんにて恋愛トレンドランキング最高11位
『好き好き大好きの嘘』
エブリスタさんにて恋愛トレンドランキング最高36位
『約束したでしょ?忘れちゃった?』
エブリスタさんにて恋愛トレンドランキング最高30位
※表紙イラスト Bu-cha作
所詮は他人事と言われたので他人になります!婚約者も親友も見捨てることにした私は好きに生きます!
ユウ
恋愛
辺境伯爵令嬢のリーゼロッテは幼馴染と婚約者に悩まされてきた。
幼馴染で親友であるアグネスは侯爵令嬢であり王太子殿下の婚約者ということもあり幼少期から王命によりサポートを頼まれていた。
婚約者である伯爵家の令息は従妹であるアグネスを大事にするあまり、婚約者であるサリオンも優先するのはアグネスだった。
王太子妃になるアグネスを優先することを了承ていたし、大事な友人と婚約者を愛していたし、尊敬もしていた。
しかしその関係に亀裂が生じたのは一人の女子生徒によるものだった。
貴族でもない平民の少女が特待生としてに入り王太子殿下と懇意だったことでアグネスはきつく当たり、婚約者も同調したのだが、相手は平民の少女。
遠回しに二人を注意するも‥
「所詮あなたは他人だもの!」
「部外者がしゃしゃりでるな!」
十年以上も尽くしてきた二人の心のない言葉に愛想を尽かしたのだ。
「所詮私は他人でしかないので本当の赤の他人になりましょう」
関係を断ったリーゼロッテは国を出て隣国で生きていくことを決めたのだが…
一方リーゼロッテが学園から姿を消したことで二人は王家からも責められ、孤立してしまうのだった。
なんとか学園に連れ戻そうと試みるのだが…
極道の密にされる健気少年
安達
BL
誰にでも愛されるキャラの漲 駿里 (みなぎ しゅんり)。
高校生になってサッカー部として先輩からも愛され生活していたが、容姿端麗な見た目もあってかサッカー部の先輩達から何度もレイプまがいな事をされ退部を決めた。そんな可哀想な少年と鬼畜極道の組長と出会い、、?エロ多めです。
◽︎暴力、レイプ表現あり。
◽︎最後はハッピーエンドです。
私は私で勝手に生きていきますから、どうぞご自由にお捨てになってください。
木山楽斗
恋愛
伯爵令嬢であるアルティリアは、婚約者からある日突然婚約破棄を告げられた。
彼はアルティリアが上から目線だと批判して、自らの妻として相応しくないと判断したのだ。
それに対して不満を述べたアルティリアだったが、婚約者の意思は固かった。こうして彼女は、理不尽に婚約を破棄されてしまったのである。
そのことに関して、アルティリアは実の父親から責められることになった。
公にはなっていないが、彼女は妾の子であり、家での扱いも悪かったのだ。
そのような環境で父親から責められたアルティリアの我慢は限界であった。伯爵家に必要ない。そう言われたアルティリアは父親に告げた。
「私は私で勝手に生きていきますから、どうぞご自由にお捨てになってください。私はそれで構いません」
こうしてアルティリアは、新たなる人生を送ることになった。
彼女は伯爵家のしがらみから解放されて、自由な人生を送ることになったのである。
同時に彼女を虐げていた者達は、その報いを受けることになった。彼らはアルティリアだけではなく様々な人から恨みを買っており、その立場というものは盤石なものではなかったのだ。
巻き込まれ体質な私、転生させられ、記憶も封印され、それでも魔法使い(異種族ハーレム付き)として辺境で生きてます。
秋.水
ファンタジー
異世界に転生させられた主人公(私)は、どうやら記憶を封印されてしまい、転生させられた目的も覚えていないし、膨大な魔力量を持たされたけど、魔法の使い方を知らされず、それなら静かに暮らそうと思ったけど、なぜか異種族家族ができてしまう。(ハーレムとも言うが)その家族との平穏な生活を守るために大きな問題を小さく解決しようと頑張るが、次々と連鎖してどんどん問題が大きくなっていく。悲しき巻き込まれ系主人公(風呂好き)の物語。
この作品は、小説家になろうにも掲載しています。
簡単に読める超スーパーライトノベルです。
【後日談完結】10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~
ばいむ
ファンタジー
剣と魔法の世界であるライハンドリア・・・。魔獣と言われるモンスターがおり、剣と魔法でそれを倒す冒険者と言われる人達がいる世界。
高校の休み時間に突然その世界に行くことになってしまった。この世界での生活は10日間と言われ、混乱しながらも楽しむことにしたが、なぜか戻ることができなかった。
特殊な能力を授かるわけでもなく、生きるための力をつけるには自ら鍛錬しなければならなかった。魔獣を狩り、いろいろな遺跡を訪ね、いろいろな人と出会った。何度か死にそうになったこともあったが、多くの人に助けられながらも少しずつ成長していった。
冒険をともにするのは同じく異世界に転移してきた女性・ジェニファー。彼女と出会い、そして・・・。
初投稿というか、初作品というか、まともな初執筆品です。
今までこういうものをまともに書いたこともなかったのでいろいろと変なところがあるかもしれませんがご了承ください。
誤字脱字等あれば連絡をお願いします。
感想やレビューをいただけるととてもうれしいです。書くときの参考にさせていただきます。
おもしろかっただけでも励みになります。
2021/6/27 無事に完結しました。
2021/9/10 後日談の追加開始
2022/2/18 後日談完結
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる