183 / 633
サンドイッチ
182
しおりを挟む
町の方へ行くと、もう観光客がうろうろしているように見える。だが店はあまり開いていない。観光客向けに開けている店はあるが、昨日見た古着屋も雑貨の店も開店は昼を過ぎてかららしい。それを見て遥人はため息を付いた。
「昨日のうちに来ておくべきだったかなぁ。」
そう言っても夕べホテルに帰ったのは二時を過ぎていた。その時間ではどちらにしても開いていないだろう。
「十二時の便に乗るから、十時にここを出たいわね。」
「だったら一時間くらいか。本当に土産を買うだけだな。」
翔はそう言って携帯電話の時計を見る。一人一人で行くと、集まらない可能性がある。だから六人は一緒に行動することにした。
土産物屋には特有のお菓子、酒、キーホルダー、Tシャツなどが置いている。さすがに海人と書かれているようなTシャツは翔でも手に取らなかった。
その横で沙夜は手際よく菓子や、酒をかごに入れている。あまり買い物には時間をかけないのだ。菓子はおそらく職場へ。二つ買ったのは西川辰雄の所に持って行くためか、何なのかはわからない。
翔も菓子を手にする。世話になっている楽器屋や翔自体の付き合いがある人に渡すためだ。ふと視線を送ると、一馬も菓子を手にしている。おそらく妻の職場や一馬の付き合いの所へ持って行くのだろう。
「多くないか。菓子。」
すると一馬は少し頷いた。
「兄夫婦にもな。それから……妻の両親にも送るから。」
「奥さんの両親って……奥さんあまり仲が良いわけじゃ無いだろう。正月も帰らなかったって言うし。」
「妻には言わない。たまにこうして俺が送るだけだ。どちらも強情でな。謝ることを知らない。だからたまに息子の写真とこういう土産を送るんだ。そうすると父親の方から連絡がある。強がって可愛くないことを言うが、内心は喜んでいると。」
妻のことをずっと心配している。そして息子のことも。それを知って翔は少し笑った。
「良かったよ。」
「ん?」
「最近、沙夜にずっと付いているような気がしてさ。少し疑った。」
それは一馬が浮気をしているのかと思っていたのだろう。しかしここまで妻のことを想っているのだ。その心配は無いだろう。
「妻と出会う前だったらそう思ったかもしれない。妻より安定していると想うし。」
だが依存しているという観点では、妻も沙夜もあまり変わらないような気がする。
「え?」
「だが多分、好きというのは女としてみての好きじゃ無い。人間としてであれば、十分好きになれる。だから「二藍」の担当を外れて欲しくない。」
それは「二藍」のメンバーならみんな思っていることだろう。沙夜の方を見ると、純や遥人と一緒にお土産用の三線を見ていた。純は大分落ち着いたのか、その三線を試しに弾いているようだ。弦楽器だからか、とても扱いが良いように思える。
「買おうかな。これ。」
「辞めとけ。お前なら、この楽器で満足出来ないだろうし。」
「そうね。もっとゆっくり来れるときにでも……そうね。個人的に来ることがあったらじっくり選んで買ったら良いわよ。」
「ま、確かにな。そうかも知れない。」
そう言って純は三線を元の位置に戻す。
「しかし、これを使ってハードロックするか?」
「それに限ったことじゃないんだけどさ。ほら、クリスマスにやったじゃん。ハードロック以外のカバーみたいなヤツ。生演奏で。」
「あぁ……。」
「そういう感じの音楽もしてみたくてさ。」
純はハードロック以外のジャンルも最近気になるらしい。それが「二藍」で出来ればなお良いと思っているのだろう。
「そうね。音を聴いてみないと何とも言えないけれど……。話はしてみようかな。みんなのやる気があればだけど。」
「今度さぁ……。」
純はそう言って話を続けようとしたときだった。治が三人に近づいてくる。
「なぁ、土産ってもう買った?」
「あらかたな。足りない分は空港でも良いかと思ってたんだけど。どうした?」
「向かいの店が開店するんだよ。ちょっと覗かないか。」
ガラス越しに見えるその店は楽器店のようだった。普通にギターやベースも置いていたが、三線や太鼓なんかのこちらの土地特有の楽器も見える。
「良いなぁ。行ってみるか。」
「CDもあるみたいだしさ。」
沙夜の表情が行きたいとうずうずしているようだ。見たことが無い楽器に触れたいと思っているのだろう。
「どうしたんだ。」
翔と一馬も買い物を済ませて、四人の所へやってきた。
「楽器屋があるんだよ。行ってみようかって。」
「良いね。」
翔も一馬も気になるらしい。荷物を持って店を出ると、向かいの店へ足を踏み入れた。
店内はこの土地の音楽が流れ、ベースやギターなどと一緒に土地の楽器も置いている。それを珍しそうに沙夜は見ていた。笛もあるのかと手にするその笛は若干赤みがかった笛で、どうやって吹くのだろうと首をかしげる。
「いらっしゃい。どうぞご自由に手に取ってください。」
出てきた店主はどことなく西川辰雄に似た感じの男だった。ここの土地の人は掘りが深く、はっきりくっきりした顔立ちが多い。役者にでもなれそうだと沙夜は思っていた。
「太鼓が重いな。一キロくらいあるかな。」
治はそう言って太鼓を抱えてみる。普通のドラムでもここまで重くないだろう。小さく見えるのに、割と重量があるようだ。
「こっちの三線の方が質が良いな。すいません。これって弦は……。」
純もそう言って店員に色々と聞いている。もしかしたらもう買ってしまうかもしれない。沙夜はそう思いながら、店内を見ていた。するとふと目にとめたのはキーボードだった。電子楽器もあるのだが、数は少ない。広い店内ではないので、こういう楽器はあまり置いていないのだろう。
鍵盤に触れるのはいつぶりだろうか。翔のアルバムで色々口は出したが、実際に弾くことは無かった。沙夜はそう思いながら、その鍵盤に触れる。
「沙夜?」
翔は手に持っていた小型の打楽器を置いて、沙夜の方を見る。すると沙夜は鍵盤に指を置いて何か弾こうとしているようだった。しかし電源が入っていないらしく、音は出ない。
それを見て翔は沙夜に近づくと、そのキーボードを見る。
「子供向けのキーボードかな。鍵盤が少ないね。」
「えぇ。懐かしいと思って。」
沙夜がピアノを弾きたいと思ったのは、こういうおもちゃのようなキーボードを父親が誰かから貰ってきたのがきっかけだったかもしれない。それを飽きること無く一日中弾き、もっと弾けるようになりたいと小学校に入ったタイミングで母親にピアノ教室へ行きたいとねだったのだ。幸いにも近所にピアノ教室があり、そこへ通いたいと言ったのが良かったのか悪かったのかは今はわからない。
母親は渋っていたが、それでも沙夜はアップライトだがピアノを買って貰い、ピアノ教室へ行くことも出来たのだ。どちらにしてもきっかけはこういうキーボードだったかもしれない。
「電源入れて良いですか?」
翔が店員にそう聞くと、純を相手していた店員では無く違う店員が近づいてきて、そのキーボードのコンセントを入れる。
そして電源を入れて鍵盤を押すと、ピアノの電子音が流れた。やはり子供向けと言うこともあり、あまりいい音では無い。
すると沙夜は荷物を床に置くと、その鍵盤を鳴らす。その音に翔は驚いて身動きが取れなかった。
「これ……。」
店内にいた店員、そして他の「二藍」のメンバーも驚いたように沙夜が奏でる音に耳を傾けていた。
音楽理論などおそらく沙夜は一から習っている。知識も他の人よりもあるはずだ。だがそんな理論はどうでも良いと言うような音だったのだ。
自由に弾いていくその音に、道行く人も足を止める。何のCDを流しているのだろうと思ったのだ。だが翔は気がついていた。沙夜は自由に弾いているのでは無いと。
そしてその道行く人の一人が、その音にまた足を止めた。
「昨日のうちに来ておくべきだったかなぁ。」
そう言っても夕べホテルに帰ったのは二時を過ぎていた。その時間ではどちらにしても開いていないだろう。
「十二時の便に乗るから、十時にここを出たいわね。」
「だったら一時間くらいか。本当に土産を買うだけだな。」
翔はそう言って携帯電話の時計を見る。一人一人で行くと、集まらない可能性がある。だから六人は一緒に行動することにした。
土産物屋には特有のお菓子、酒、キーホルダー、Tシャツなどが置いている。さすがに海人と書かれているようなTシャツは翔でも手に取らなかった。
その横で沙夜は手際よく菓子や、酒をかごに入れている。あまり買い物には時間をかけないのだ。菓子はおそらく職場へ。二つ買ったのは西川辰雄の所に持って行くためか、何なのかはわからない。
翔も菓子を手にする。世話になっている楽器屋や翔自体の付き合いがある人に渡すためだ。ふと視線を送ると、一馬も菓子を手にしている。おそらく妻の職場や一馬の付き合いの所へ持って行くのだろう。
「多くないか。菓子。」
すると一馬は少し頷いた。
「兄夫婦にもな。それから……妻の両親にも送るから。」
「奥さんの両親って……奥さんあまり仲が良いわけじゃ無いだろう。正月も帰らなかったって言うし。」
「妻には言わない。たまにこうして俺が送るだけだ。どちらも強情でな。謝ることを知らない。だからたまに息子の写真とこういう土産を送るんだ。そうすると父親の方から連絡がある。強がって可愛くないことを言うが、内心は喜んでいると。」
妻のことをずっと心配している。そして息子のことも。それを知って翔は少し笑った。
「良かったよ。」
「ん?」
「最近、沙夜にずっと付いているような気がしてさ。少し疑った。」
それは一馬が浮気をしているのかと思っていたのだろう。しかしここまで妻のことを想っているのだ。その心配は無いだろう。
「妻と出会う前だったらそう思ったかもしれない。妻より安定していると想うし。」
だが依存しているという観点では、妻も沙夜もあまり変わらないような気がする。
「え?」
「だが多分、好きというのは女としてみての好きじゃ無い。人間としてであれば、十分好きになれる。だから「二藍」の担当を外れて欲しくない。」
それは「二藍」のメンバーならみんな思っていることだろう。沙夜の方を見ると、純や遥人と一緒にお土産用の三線を見ていた。純は大分落ち着いたのか、その三線を試しに弾いているようだ。弦楽器だからか、とても扱いが良いように思える。
「買おうかな。これ。」
「辞めとけ。お前なら、この楽器で満足出来ないだろうし。」
「そうね。もっとゆっくり来れるときにでも……そうね。個人的に来ることがあったらじっくり選んで買ったら良いわよ。」
「ま、確かにな。そうかも知れない。」
そう言って純は三線を元の位置に戻す。
「しかし、これを使ってハードロックするか?」
「それに限ったことじゃないんだけどさ。ほら、クリスマスにやったじゃん。ハードロック以外のカバーみたいなヤツ。生演奏で。」
「あぁ……。」
「そういう感じの音楽もしてみたくてさ。」
純はハードロック以外のジャンルも最近気になるらしい。それが「二藍」で出来ればなお良いと思っているのだろう。
「そうね。音を聴いてみないと何とも言えないけれど……。話はしてみようかな。みんなのやる気があればだけど。」
「今度さぁ……。」
純はそう言って話を続けようとしたときだった。治が三人に近づいてくる。
「なぁ、土産ってもう買った?」
「あらかたな。足りない分は空港でも良いかと思ってたんだけど。どうした?」
「向かいの店が開店するんだよ。ちょっと覗かないか。」
ガラス越しに見えるその店は楽器店のようだった。普通にギターやベースも置いていたが、三線や太鼓なんかのこちらの土地特有の楽器も見える。
「良いなぁ。行ってみるか。」
「CDもあるみたいだしさ。」
沙夜の表情が行きたいとうずうずしているようだ。見たことが無い楽器に触れたいと思っているのだろう。
「どうしたんだ。」
翔と一馬も買い物を済ませて、四人の所へやってきた。
「楽器屋があるんだよ。行ってみようかって。」
「良いね。」
翔も一馬も気になるらしい。荷物を持って店を出ると、向かいの店へ足を踏み入れた。
店内はこの土地の音楽が流れ、ベースやギターなどと一緒に土地の楽器も置いている。それを珍しそうに沙夜は見ていた。笛もあるのかと手にするその笛は若干赤みがかった笛で、どうやって吹くのだろうと首をかしげる。
「いらっしゃい。どうぞご自由に手に取ってください。」
出てきた店主はどことなく西川辰雄に似た感じの男だった。ここの土地の人は掘りが深く、はっきりくっきりした顔立ちが多い。役者にでもなれそうだと沙夜は思っていた。
「太鼓が重いな。一キロくらいあるかな。」
治はそう言って太鼓を抱えてみる。普通のドラムでもここまで重くないだろう。小さく見えるのに、割と重量があるようだ。
「こっちの三線の方が質が良いな。すいません。これって弦は……。」
純もそう言って店員に色々と聞いている。もしかしたらもう買ってしまうかもしれない。沙夜はそう思いながら、店内を見ていた。するとふと目にとめたのはキーボードだった。電子楽器もあるのだが、数は少ない。広い店内ではないので、こういう楽器はあまり置いていないのだろう。
鍵盤に触れるのはいつぶりだろうか。翔のアルバムで色々口は出したが、実際に弾くことは無かった。沙夜はそう思いながら、その鍵盤に触れる。
「沙夜?」
翔は手に持っていた小型の打楽器を置いて、沙夜の方を見る。すると沙夜は鍵盤に指を置いて何か弾こうとしているようだった。しかし電源が入っていないらしく、音は出ない。
それを見て翔は沙夜に近づくと、そのキーボードを見る。
「子供向けのキーボードかな。鍵盤が少ないね。」
「えぇ。懐かしいと思って。」
沙夜がピアノを弾きたいと思ったのは、こういうおもちゃのようなキーボードを父親が誰かから貰ってきたのがきっかけだったかもしれない。それを飽きること無く一日中弾き、もっと弾けるようになりたいと小学校に入ったタイミングで母親にピアノ教室へ行きたいとねだったのだ。幸いにも近所にピアノ教室があり、そこへ通いたいと言ったのが良かったのか悪かったのかは今はわからない。
母親は渋っていたが、それでも沙夜はアップライトだがピアノを買って貰い、ピアノ教室へ行くことも出来たのだ。どちらにしてもきっかけはこういうキーボードだったかもしれない。
「電源入れて良いですか?」
翔が店員にそう聞くと、純を相手していた店員では無く違う店員が近づいてきて、そのキーボードのコンセントを入れる。
そして電源を入れて鍵盤を押すと、ピアノの電子音が流れた。やはり子供向けと言うこともあり、あまりいい音では無い。
すると沙夜は荷物を床に置くと、その鍵盤を鳴らす。その音に翔は驚いて身動きが取れなかった。
「これ……。」
店内にいた店員、そして他の「二藍」のメンバーも驚いたように沙夜が奏でる音に耳を傾けていた。
音楽理論などおそらく沙夜は一から習っている。知識も他の人よりもあるはずだ。だがそんな理論はどうでも良いと言うような音だったのだ。
自由に弾いていくその音に、道行く人も足を止める。何のCDを流しているのだろうと思ったのだ。だが翔は気がついていた。沙夜は自由に弾いているのでは無いと。
そしてその道行く人の一人が、その音にまた足を止めた。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
【R18】溺愛される公爵令嬢は鈍すぎて王子の腹黒に気づかない
かぐや
恋愛
公爵令嬢シャルロットは、まだデビューしていないにも関わらず社交界で噂になる程美しいと評判の娘であった。それは子供の頃からで、本人にはその自覚は全く無いうえ、純真過ぎて幾度も簡単に拐われかけていた。幼少期からの婚約者である幼なじみのマリウス王子を始め、周りの者が
シャルロットを護る為いろいろと奮闘する。そんなお話になる予定です。溺愛系えろラブコメです。
女性が少なく子を増やす為、性に寛容で一妻多夫など婚姻の形は多様。女性大事の世界で、体も中身もかなり早熟の為13歳でも16.7歳くらいの感じで、主人公以外の女子がイケイケです。全くもってえっちでけしからん世界です。
設定ゆるいです。
出来るだけ深く考えず気軽〜に読んで頂けたら助かります。コメディなんです。
ちょいR18には※を付けます。
本番R18には☆つけます。
※直接的な表現や、ちょこっとお下品な時もあります。あとガッツリ近親相姦や、複数プレイがあります。この世界では家族でも親以外は結婚も何でもありなのです。ツッコミ禁止でお願いします。
苦手な方はお戻りください。
基本、溺愛えろコメディなので主人公が辛い事はしません。
【R18】らぶえっち短編集
おうぎまちこ(あきたこまち)
恋愛
調べたら残り2作品ありました、本日投稿しますので、お待ちくださいませ(3/31)
R18執筆1年目の時に書いた短編完結作品23本のうち商業作品をのぞく約20作品を短編集としてまとめることにしました。
※R18に※
※毎日投稿21時~24時頃、1作品ずつ。
※R18短編3作品目「追放されし奴隷の聖女は、王位簒奪者に溺愛される」からの投稿になります。
※処女作「清廉なる巫女は、竜の欲望の贄となる」2作品目「堕ちていく竜の聖女は、年下皇太子に奪われる」は商業化したため、読みたい場合はムーンライトノベルズにどうぞよろしくお願いいたします。
※これまでに投稿してきた短編は非公開になりますので、どうぞご了承くださいませ。
【R18】清掃員加藤望、社長の弱みを握りに来ました!
Bu-cha
恋愛
ずっと好きだった初恋の相手、社長の弱みを握る為に頑張ります!!にゃんっ♥
財閥の分家の家に代々遣える“秘書”という立場の“家”に生まれた加藤望。
”秘書“としての適正がない”ダメ秘書“の望が12月25日の朝、愛している人から連れてこられた場所は初恋の男の人の家だった。
財閥の本家の長男からの指示、”星野青(じょう)の弱みを握ってくる“という仕事。
財閥が青さんの会社を吸収する為に私を任命した・・・!!
青さんの弱みを握る為、“ダメ秘書”は今日から頑張ります!!
関連物語
『お嬢様は“いけないコト”がしたい』
『“純”の純愛ではない“愛”の鍵』連載中
『雪の上に犬と猿。たまに男と女。』
エブリスタさんにて恋愛トレンドランキング最高11位
『好き好き大好きの嘘』
エブリスタさんにて恋愛トレンドランキング最高36位
『約束したでしょ?忘れちゃった?』
エブリスタさんにて恋愛トレンドランキング最高30位
※表紙イラスト Bu-cha作
所詮は他人事と言われたので他人になります!婚約者も親友も見捨てることにした私は好きに生きます!
ユウ
恋愛
辺境伯爵令嬢のリーゼロッテは幼馴染と婚約者に悩まされてきた。
幼馴染で親友であるアグネスは侯爵令嬢であり王太子殿下の婚約者ということもあり幼少期から王命によりサポートを頼まれていた。
婚約者である伯爵家の令息は従妹であるアグネスを大事にするあまり、婚約者であるサリオンも優先するのはアグネスだった。
王太子妃になるアグネスを優先することを了承ていたし、大事な友人と婚約者を愛していたし、尊敬もしていた。
しかしその関係に亀裂が生じたのは一人の女子生徒によるものだった。
貴族でもない平民の少女が特待生としてに入り王太子殿下と懇意だったことでアグネスはきつく当たり、婚約者も同調したのだが、相手は平民の少女。
遠回しに二人を注意するも‥
「所詮あなたは他人だもの!」
「部外者がしゃしゃりでるな!」
十年以上も尽くしてきた二人の心のない言葉に愛想を尽かしたのだ。
「所詮私は他人でしかないので本当の赤の他人になりましょう」
関係を断ったリーゼロッテは国を出て隣国で生きていくことを決めたのだが…
一方リーゼロッテが学園から姿を消したことで二人は王家からも責められ、孤立してしまうのだった。
なんとか学園に連れ戻そうと試みるのだが…
極道の密にされる健気少年
安達
BL
誰にでも愛されるキャラの漲 駿里 (みなぎ しゅんり)。
高校生になってサッカー部として先輩からも愛され生活していたが、容姿端麗な見た目もあってかサッカー部の先輩達から何度もレイプまがいな事をされ退部を決めた。そんな可哀想な少年と鬼畜極道の組長と出会い、、?エロ多めです。
◽︎暴力、レイプ表現あり。
◽︎最後はハッピーエンドです。
私は私で勝手に生きていきますから、どうぞご自由にお捨てになってください。
木山楽斗
恋愛
伯爵令嬢であるアルティリアは、婚約者からある日突然婚約破棄を告げられた。
彼はアルティリアが上から目線だと批判して、自らの妻として相応しくないと判断したのだ。
それに対して不満を述べたアルティリアだったが、婚約者の意思は固かった。こうして彼女は、理不尽に婚約を破棄されてしまったのである。
そのことに関して、アルティリアは実の父親から責められることになった。
公にはなっていないが、彼女は妾の子であり、家での扱いも悪かったのだ。
そのような環境で父親から責められたアルティリアの我慢は限界であった。伯爵家に必要ない。そう言われたアルティリアは父親に告げた。
「私は私で勝手に生きていきますから、どうぞご自由にお捨てになってください。私はそれで構いません」
こうしてアルティリアは、新たなる人生を送ることになった。
彼女は伯爵家のしがらみから解放されて、自由な人生を送ることになったのである。
同時に彼女を虐げていた者達は、その報いを受けることになった。彼らはアルティリアだけではなく様々な人から恨みを買っており、その立場というものは盤石なものではなかったのだ。
巻き込まれ体質な私、転生させられ、記憶も封印され、それでも魔法使い(異種族ハーレム付き)として辺境で生きてます。
秋.水
ファンタジー
異世界に転生させられた主人公(私)は、どうやら記憶を封印されてしまい、転生させられた目的も覚えていないし、膨大な魔力量を持たされたけど、魔法の使い方を知らされず、それなら静かに暮らそうと思ったけど、なぜか異種族家族ができてしまう。(ハーレムとも言うが)その家族との平穏な生活を守るために大きな問題を小さく解決しようと頑張るが、次々と連鎖してどんどん問題が大きくなっていく。悲しき巻き込まれ系主人公(風呂好き)の物語。
この作品は、小説家になろうにも掲載しています。
簡単に読める超スーパーライトノベルです。
【後日談完結】10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~
ばいむ
ファンタジー
剣と魔法の世界であるライハンドリア・・・。魔獣と言われるモンスターがおり、剣と魔法でそれを倒す冒険者と言われる人達がいる世界。
高校の休み時間に突然その世界に行くことになってしまった。この世界での生活は10日間と言われ、混乱しながらも楽しむことにしたが、なぜか戻ることができなかった。
特殊な能力を授かるわけでもなく、生きるための力をつけるには自ら鍛錬しなければならなかった。魔獣を狩り、いろいろな遺跡を訪ね、いろいろな人と出会った。何度か死にそうになったこともあったが、多くの人に助けられながらも少しずつ成長していった。
冒険をともにするのは同じく異世界に転移してきた女性・ジェニファー。彼女と出会い、そして・・・。
初投稿というか、初作品というか、まともな初執筆品です。
今までこういうものをまともに書いたこともなかったのでいろいろと変なところがあるかもしれませんがご了承ください。
誤字脱字等あれば連絡をお願いします。
感想やレビューをいただけるととてもうれしいです。書くときの参考にさせていただきます。
おもしろかっただけでも励みになります。
2021/6/27 無事に完結しました。
2021/9/10 後日談の追加開始
2022/2/18 後日談完結
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる