75 / 633
七輪の焼き肉
74
しおりを挟む
すっかり重くなった荷物を持って、家に帰ってくる。キッチンでは沙夜が、その買ってきた食材を仕分けていた。
「イカのバター焼きにはエリンギとシシトウを合わせよう。それから……。」
芹は買ってきた塩の袋を見て、沙夜に言う。
「これ炒め物とかにも良いのか?」
「良いけど、一番はドレッシング代わり。」
「ドレッシング?」
「レモン汁みたいな柑橘系の酸味と、塩、それからオリーブオイルでドレッシングが出来るの。レタスももらってるから今日やってみましょうか。」
そう言うと、沙夜は時計を見る。まだ食事の用意をするのには早い時間だろう。
「私、ちょっとシャワーを浴びてくるわ。」
「何で?」
「凄い汗をかいたから、さっと浴びるだけでもしたいの。ベタベタする。」
食材を冷蔵庫に入れると、沙夜はそのままリビングを出て行く。その様子に芹も自分の部屋へ行き、一度パソコンの電源を付けた。
パソコンにはメッセージが届いている。その相手を見て、ため息を付いた。仕事の依頼で良かったと思う。
「明日締め切りの分が……。」
作詞家のカモフラージュとして、ライターもしている。内容は、音楽関係のこと。最近のヒット曲を量産するアーティストのことから、クラシックやジャズまで幅広く、芹は書いていた。そしてその内容はわかりやすく、おそらく子供でもわかるようにかみ砕いて言葉にしている。渡摩季として作詞をするときとは全く違う文章なのだ。
それを教えてくれた人がいる。そしてその人とは未だに付き合いがあり、その人のおかげでライターだと言えるのだ。
「芹。」
外から声が聞こえる。その声に芹は我に返った。
「何?」
ドアを開けると、沙夜は先ほどとは違う服に着替えて眼鏡を外していた。
「シャワーを浴びる?あなたも汗はかいているでしょうし。」
「そうだな。そうするか。」
芹はそういって部屋の中に入る。その時沙夜はその部屋で明かりがあるのに気がついた。
「もうパソコンを開いているの?」
「んー……。メッセージだけ気になってさ。」
「あなたも大概仕事人間ね。」
「……あれだな。沙夜は、あぁいうところに行ってずっとリセットしてたんだろうな。」
「リセット?」
音といえば自然の音だけに聞こえた。雑踏のように騒がしくない。そういう所にいて自分を取り戻したいと思っているように感じた。
「野菜とか魚とかはついでに見えた。」
「ふふっ。わかっていたのね。」
沙夜はそう言って少し笑った。
「何となくわかるよ。俺も……ずっとここにいるのは苦痛じゃ無いけど、違うところに行けば視線が変わるから。」
ついて行きたい。沙夜のお気に入りの場所に、また自分が居ることが出来れば良いと思う。そして沙夜の隣にいたいと思う。
「シャワーを浴びたら、散歩にでも行こうか。」
「え?」
「ここに居たら仕事をしてしまうでしょう?それにエリンギを買いたいの。」
「わかったよ。」
遠く離れたところだったら会うことは無い。だがこの近くでもきっと会うことは無いだろう。こんなベッドタウンにいることは無いのだから。
きっと沙夜は一人ででも買い物に行けたはずだ。だが芹を誘ってくれた。
洗濯物を畳んだあとの夕方の時間。二人は並んでいつもの通りを歩いている。自転車の後ろに子供を乗せた女性が通り過ぎた。自転車の前にはバッグや今日の食事に使うであろう食材が乗っている。
「子供が居ると大変ね。」
「作る気は無いみたいな言い方だな。」
「無いわね。」
沙菜はAVという仕事をしているのだ。不特定多数とセックスをして、それを映像にしているのが仕事なのだから、両親は沙菜がまともに結婚をするわけが無いと思っているらしい。だから沙夜には結婚をして欲しいと思い、もう少ししたらお見合いでもさせようと思っているのだ。
「見合い?」
「余計なお世話だわ。」
もう眼鏡をかけている沙夜は、そう言って首を横に振った。
「親にしたら、孫の顔が早く見たいって所なんだろうな。」
「嫌よ。親のために結婚するなんてまっぴらだわ。」
「だったら結婚をしたいって思ったこともあるのか。」
その言葉に沙夜は口を尖らせていう。」
「無いけどさ……。」
その言葉にあらか様にほっとした。そして辰雄の言葉が蘇ってくる。沙夜を信じているんだろうと。だから何を言っても沙夜は受け入れてくれるかも知れないと。
だが軽蔑されるかも知れない。顔も見たくないといわれるかも知れない。そう思うときが引ける。
しかし沙夜なのだ。そんなことを言わない。あの女とは違うのだ。
「沙夜。」
エコバッグを持った芹が、沙夜に声をかける。すると沙夜は不思議そうに芹を見て言う。
「どうしたの?改まって。」
「家に帰ったらで良いんだ。聞いて欲しいことがあって。」
「聞いて欲しいこと?」
「お前さ……パソコンのメッセージの宛先見ただろ?」
その言葉に沙夜の表情が固まった。芹当てのメッセージ。そこには「石森愛」との名前があったのだ。愛とは絶対女性の名前だろう。携帯電話では無くパソコンのメッセージでやりとりするような女性なのだ。
「……芹にはそういう女性がいるのよね。今日、本当は良くなかったんじゃないのかって思ってて。」
「良くない?」
「メッセージをやりとり出来るような女性がいて……他の女と出掛けるなんてね。」
沙夜の目が少し俯いた。
「けど遠慮するんなら、こうして更に出掛けたりしないだろう。」
「うん……その通りね。」
沙夜はそう言うと芹から目を離した。
「帰ってから話を聞くわ。外では話が出来ないことなんでしょう?」
「うん。」
「聞くわ。」
どんな過去があるのかわからない。だがそのことは芹は誰にも言っていないのだ。一番近い翔も詳しい話はしていない。軽蔑されるのが嫌だったから。
「……沙夜。」
「ん?」
「見合いなんてしないよな。」
「しないわよ。両親が勝手に言っているだけ。それに……両親は多分、私か沙菜に子供が出来たら今度こそはって思って居るみたい。」
「今度こそは?」
「芸能人にさせたいんですって。それかモデル。可愛い、可愛い、格好良いとかいわれてちやほやされる芸能人の親が駄目だったから、祖父母って言われたい見たいね。」
「見栄っ張りだな。」
「知らない。関わりたくないわ。」
子供の人生も自分のモノだと思っていた両親なのだ。今度はそれを孫にも求めようとしている。二人の子供は見事に裏切ったのだから。
「それに、芸能人ってあまり良い立場でも無さそうに見えるよ。」
「人によってって事かしらね。栗山さんのように完全に芸能人になっても自由本坊な人って居るし。翔のように他人と話すのも警戒する人も居る。まぁ……翔はつけ込まれやすいわね。」
「何で?」
「こういってはなんだけど……楽器のメーカーに勤めていた時期があるのよね。」
「そう言っていたな。」
「音楽業界と楽器業界って言うのは、懇意にしないといけない。だから翔の情報がこっちに流れてくることもある。」
「嫌な情報か?」
「その通りよ。大方のことは聞いたわ。寝て仕事を取ってたとか、女子社員にすぐ手を出していたとか。」
「根も葉もない噂だろう?」
「だと思うわ。でもそういう噂を流すって言うことは、楽器のメーカーも自分たちが押すアーティストを売り込んで欲しいって思っているから。そのためには翔をはじめとした「二藍」が邪魔なのよ。」
「……。」
「それに翔はそんなことをするわけが無いわ。」
翔をそこまで信じているのだ。それは翔が沙夜を信用して自分のことを話をしたからだろう。自分だって信じて欲しい。何一つ言わないのが卑怯に思えるから。
「イカのバター焼きにはエリンギとシシトウを合わせよう。それから……。」
芹は買ってきた塩の袋を見て、沙夜に言う。
「これ炒め物とかにも良いのか?」
「良いけど、一番はドレッシング代わり。」
「ドレッシング?」
「レモン汁みたいな柑橘系の酸味と、塩、それからオリーブオイルでドレッシングが出来るの。レタスももらってるから今日やってみましょうか。」
そう言うと、沙夜は時計を見る。まだ食事の用意をするのには早い時間だろう。
「私、ちょっとシャワーを浴びてくるわ。」
「何で?」
「凄い汗をかいたから、さっと浴びるだけでもしたいの。ベタベタする。」
食材を冷蔵庫に入れると、沙夜はそのままリビングを出て行く。その様子に芹も自分の部屋へ行き、一度パソコンの電源を付けた。
パソコンにはメッセージが届いている。その相手を見て、ため息を付いた。仕事の依頼で良かったと思う。
「明日締め切りの分が……。」
作詞家のカモフラージュとして、ライターもしている。内容は、音楽関係のこと。最近のヒット曲を量産するアーティストのことから、クラシックやジャズまで幅広く、芹は書いていた。そしてその内容はわかりやすく、おそらく子供でもわかるようにかみ砕いて言葉にしている。渡摩季として作詞をするときとは全く違う文章なのだ。
それを教えてくれた人がいる。そしてその人とは未だに付き合いがあり、その人のおかげでライターだと言えるのだ。
「芹。」
外から声が聞こえる。その声に芹は我に返った。
「何?」
ドアを開けると、沙夜は先ほどとは違う服に着替えて眼鏡を外していた。
「シャワーを浴びる?あなたも汗はかいているでしょうし。」
「そうだな。そうするか。」
芹はそういって部屋の中に入る。その時沙夜はその部屋で明かりがあるのに気がついた。
「もうパソコンを開いているの?」
「んー……。メッセージだけ気になってさ。」
「あなたも大概仕事人間ね。」
「……あれだな。沙夜は、あぁいうところに行ってずっとリセットしてたんだろうな。」
「リセット?」
音といえば自然の音だけに聞こえた。雑踏のように騒がしくない。そういう所にいて自分を取り戻したいと思っているように感じた。
「野菜とか魚とかはついでに見えた。」
「ふふっ。わかっていたのね。」
沙夜はそう言って少し笑った。
「何となくわかるよ。俺も……ずっとここにいるのは苦痛じゃ無いけど、違うところに行けば視線が変わるから。」
ついて行きたい。沙夜のお気に入りの場所に、また自分が居ることが出来れば良いと思う。そして沙夜の隣にいたいと思う。
「シャワーを浴びたら、散歩にでも行こうか。」
「え?」
「ここに居たら仕事をしてしまうでしょう?それにエリンギを買いたいの。」
「わかったよ。」
遠く離れたところだったら会うことは無い。だがこの近くでもきっと会うことは無いだろう。こんなベッドタウンにいることは無いのだから。
きっと沙夜は一人ででも買い物に行けたはずだ。だが芹を誘ってくれた。
洗濯物を畳んだあとの夕方の時間。二人は並んでいつもの通りを歩いている。自転車の後ろに子供を乗せた女性が通り過ぎた。自転車の前にはバッグや今日の食事に使うであろう食材が乗っている。
「子供が居ると大変ね。」
「作る気は無いみたいな言い方だな。」
「無いわね。」
沙菜はAVという仕事をしているのだ。不特定多数とセックスをして、それを映像にしているのが仕事なのだから、両親は沙菜がまともに結婚をするわけが無いと思っているらしい。だから沙夜には結婚をして欲しいと思い、もう少ししたらお見合いでもさせようと思っているのだ。
「見合い?」
「余計なお世話だわ。」
もう眼鏡をかけている沙夜は、そう言って首を横に振った。
「親にしたら、孫の顔が早く見たいって所なんだろうな。」
「嫌よ。親のために結婚するなんてまっぴらだわ。」
「だったら結婚をしたいって思ったこともあるのか。」
その言葉に沙夜は口を尖らせていう。」
「無いけどさ……。」
その言葉にあらか様にほっとした。そして辰雄の言葉が蘇ってくる。沙夜を信じているんだろうと。だから何を言っても沙夜は受け入れてくれるかも知れないと。
だが軽蔑されるかも知れない。顔も見たくないといわれるかも知れない。そう思うときが引ける。
しかし沙夜なのだ。そんなことを言わない。あの女とは違うのだ。
「沙夜。」
エコバッグを持った芹が、沙夜に声をかける。すると沙夜は不思議そうに芹を見て言う。
「どうしたの?改まって。」
「家に帰ったらで良いんだ。聞いて欲しいことがあって。」
「聞いて欲しいこと?」
「お前さ……パソコンのメッセージの宛先見ただろ?」
その言葉に沙夜の表情が固まった。芹当てのメッセージ。そこには「石森愛」との名前があったのだ。愛とは絶対女性の名前だろう。携帯電話では無くパソコンのメッセージでやりとりするような女性なのだ。
「……芹にはそういう女性がいるのよね。今日、本当は良くなかったんじゃないのかって思ってて。」
「良くない?」
「メッセージをやりとり出来るような女性がいて……他の女と出掛けるなんてね。」
沙夜の目が少し俯いた。
「けど遠慮するんなら、こうして更に出掛けたりしないだろう。」
「うん……その通りね。」
沙夜はそう言うと芹から目を離した。
「帰ってから話を聞くわ。外では話が出来ないことなんでしょう?」
「うん。」
「聞くわ。」
どんな過去があるのかわからない。だがそのことは芹は誰にも言っていないのだ。一番近い翔も詳しい話はしていない。軽蔑されるのが嫌だったから。
「……沙夜。」
「ん?」
「見合いなんてしないよな。」
「しないわよ。両親が勝手に言っているだけ。それに……両親は多分、私か沙菜に子供が出来たら今度こそはって思って居るみたい。」
「今度こそは?」
「芸能人にさせたいんですって。それかモデル。可愛い、可愛い、格好良いとかいわれてちやほやされる芸能人の親が駄目だったから、祖父母って言われたい見たいね。」
「見栄っ張りだな。」
「知らない。関わりたくないわ。」
子供の人生も自分のモノだと思っていた両親なのだ。今度はそれを孫にも求めようとしている。二人の子供は見事に裏切ったのだから。
「それに、芸能人ってあまり良い立場でも無さそうに見えるよ。」
「人によってって事かしらね。栗山さんのように完全に芸能人になっても自由本坊な人って居るし。翔のように他人と話すのも警戒する人も居る。まぁ……翔はつけ込まれやすいわね。」
「何で?」
「こういってはなんだけど……楽器のメーカーに勤めていた時期があるのよね。」
「そう言っていたな。」
「音楽業界と楽器業界って言うのは、懇意にしないといけない。だから翔の情報がこっちに流れてくることもある。」
「嫌な情報か?」
「その通りよ。大方のことは聞いたわ。寝て仕事を取ってたとか、女子社員にすぐ手を出していたとか。」
「根も葉もない噂だろう?」
「だと思うわ。でもそういう噂を流すって言うことは、楽器のメーカーも自分たちが押すアーティストを売り込んで欲しいって思っているから。そのためには翔をはじめとした「二藍」が邪魔なのよ。」
「……。」
「それに翔はそんなことをするわけが無いわ。」
翔をそこまで信じているのだ。それは翔が沙夜を信用して自分のことを話をしたからだろう。自分だって信じて欲しい。何一つ言わないのが卑怯に思えるから。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
【R18】溺愛される公爵令嬢は鈍すぎて王子の腹黒に気づかない
かぐや
恋愛
公爵令嬢シャルロットは、まだデビューしていないにも関わらず社交界で噂になる程美しいと評判の娘であった。それは子供の頃からで、本人にはその自覚は全く無いうえ、純真過ぎて幾度も簡単に拐われかけていた。幼少期からの婚約者である幼なじみのマリウス王子を始め、周りの者が
シャルロットを護る為いろいろと奮闘する。そんなお話になる予定です。溺愛系えろラブコメです。
女性が少なく子を増やす為、性に寛容で一妻多夫など婚姻の形は多様。女性大事の世界で、体も中身もかなり早熟の為13歳でも16.7歳くらいの感じで、主人公以外の女子がイケイケです。全くもってえっちでけしからん世界です。
設定ゆるいです。
出来るだけ深く考えず気軽〜に読んで頂けたら助かります。コメディなんです。
ちょいR18には※を付けます。
本番R18には☆つけます。
※直接的な表現や、ちょこっとお下品な時もあります。あとガッツリ近親相姦や、複数プレイがあります。この世界では家族でも親以外は結婚も何でもありなのです。ツッコミ禁止でお願いします。
苦手な方はお戻りください。
基本、溺愛えろコメディなので主人公が辛い事はしません。
【R18】らぶえっち短編集
おうぎまちこ(あきたこまち)
恋愛
調べたら残り2作品ありました、本日投稿しますので、お待ちくださいませ(3/31)
R18執筆1年目の時に書いた短編完結作品23本のうち商業作品をのぞく約20作品を短編集としてまとめることにしました。
※R18に※
※毎日投稿21時~24時頃、1作品ずつ。
※R18短編3作品目「追放されし奴隷の聖女は、王位簒奪者に溺愛される」からの投稿になります。
※処女作「清廉なる巫女は、竜の欲望の贄となる」2作品目「堕ちていく竜の聖女は、年下皇太子に奪われる」は商業化したため、読みたい場合はムーンライトノベルズにどうぞよろしくお願いいたします。
※これまでに投稿してきた短編は非公開になりますので、どうぞご了承くださいませ。
【R18】清掃員加藤望、社長の弱みを握りに来ました!
Bu-cha
恋愛
ずっと好きだった初恋の相手、社長の弱みを握る為に頑張ります!!にゃんっ♥
財閥の分家の家に代々遣える“秘書”という立場の“家”に生まれた加藤望。
”秘書“としての適正がない”ダメ秘書“の望が12月25日の朝、愛している人から連れてこられた場所は初恋の男の人の家だった。
財閥の本家の長男からの指示、”星野青(じょう)の弱みを握ってくる“という仕事。
財閥が青さんの会社を吸収する為に私を任命した・・・!!
青さんの弱みを握る為、“ダメ秘書”は今日から頑張ります!!
関連物語
『お嬢様は“いけないコト”がしたい』
『“純”の純愛ではない“愛”の鍵』連載中
『雪の上に犬と猿。たまに男と女。』
エブリスタさんにて恋愛トレンドランキング最高11位
『好き好き大好きの嘘』
エブリスタさんにて恋愛トレンドランキング最高36位
『約束したでしょ?忘れちゃった?』
エブリスタさんにて恋愛トレンドランキング最高30位
※表紙イラスト Bu-cha作
所詮は他人事と言われたので他人になります!婚約者も親友も見捨てることにした私は好きに生きます!
ユウ
恋愛
辺境伯爵令嬢のリーゼロッテは幼馴染と婚約者に悩まされてきた。
幼馴染で親友であるアグネスは侯爵令嬢であり王太子殿下の婚約者ということもあり幼少期から王命によりサポートを頼まれていた。
婚約者である伯爵家の令息は従妹であるアグネスを大事にするあまり、婚約者であるサリオンも優先するのはアグネスだった。
王太子妃になるアグネスを優先することを了承ていたし、大事な友人と婚約者を愛していたし、尊敬もしていた。
しかしその関係に亀裂が生じたのは一人の女子生徒によるものだった。
貴族でもない平民の少女が特待生としてに入り王太子殿下と懇意だったことでアグネスはきつく当たり、婚約者も同調したのだが、相手は平民の少女。
遠回しに二人を注意するも‥
「所詮あなたは他人だもの!」
「部外者がしゃしゃりでるな!」
十年以上も尽くしてきた二人の心のない言葉に愛想を尽かしたのだ。
「所詮私は他人でしかないので本当の赤の他人になりましょう」
関係を断ったリーゼロッテは国を出て隣国で生きていくことを決めたのだが…
一方リーゼロッテが学園から姿を消したことで二人は王家からも責められ、孤立してしまうのだった。
なんとか学園に連れ戻そうと試みるのだが…
極道の密にされる健気少年
安達
BL
誰にでも愛されるキャラの漲 駿里 (みなぎ しゅんり)。
高校生になってサッカー部として先輩からも愛され生活していたが、容姿端麗な見た目もあってかサッカー部の先輩達から何度もレイプまがいな事をされ退部を決めた。そんな可哀想な少年と鬼畜極道の組長と出会い、、?エロ多めです。
◽︎暴力、レイプ表現あり。
◽︎最後はハッピーエンドです。
私は私で勝手に生きていきますから、どうぞご自由にお捨てになってください。
木山楽斗
恋愛
伯爵令嬢であるアルティリアは、婚約者からある日突然婚約破棄を告げられた。
彼はアルティリアが上から目線だと批判して、自らの妻として相応しくないと判断したのだ。
それに対して不満を述べたアルティリアだったが、婚約者の意思は固かった。こうして彼女は、理不尽に婚約を破棄されてしまったのである。
そのことに関して、アルティリアは実の父親から責められることになった。
公にはなっていないが、彼女は妾の子であり、家での扱いも悪かったのだ。
そのような環境で父親から責められたアルティリアの我慢は限界であった。伯爵家に必要ない。そう言われたアルティリアは父親に告げた。
「私は私で勝手に生きていきますから、どうぞご自由にお捨てになってください。私はそれで構いません」
こうしてアルティリアは、新たなる人生を送ることになった。
彼女は伯爵家のしがらみから解放されて、自由な人生を送ることになったのである。
同時に彼女を虐げていた者達は、その報いを受けることになった。彼らはアルティリアだけではなく様々な人から恨みを買っており、その立場というものは盤石なものではなかったのだ。
巻き込まれ体質な私、転生させられ、記憶も封印され、それでも魔法使い(異種族ハーレム付き)として辺境で生きてます。
秋.水
ファンタジー
異世界に転生させられた主人公(私)は、どうやら記憶を封印されてしまい、転生させられた目的も覚えていないし、膨大な魔力量を持たされたけど、魔法の使い方を知らされず、それなら静かに暮らそうと思ったけど、なぜか異種族家族ができてしまう。(ハーレムとも言うが)その家族との平穏な生活を守るために大きな問題を小さく解決しようと頑張るが、次々と連鎖してどんどん問題が大きくなっていく。悲しき巻き込まれ系主人公(風呂好き)の物語。
この作品は、小説家になろうにも掲載しています。
簡単に読める超スーパーライトノベルです。
【後日談完結】10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~
ばいむ
ファンタジー
剣と魔法の世界であるライハンドリア・・・。魔獣と言われるモンスターがおり、剣と魔法でそれを倒す冒険者と言われる人達がいる世界。
高校の休み時間に突然その世界に行くことになってしまった。この世界での生活は10日間と言われ、混乱しながらも楽しむことにしたが、なぜか戻ることができなかった。
特殊な能力を授かるわけでもなく、生きるための力をつけるには自ら鍛錬しなければならなかった。魔獣を狩り、いろいろな遺跡を訪ね、いろいろな人と出会った。何度か死にそうになったこともあったが、多くの人に助けられながらも少しずつ成長していった。
冒険をともにするのは同じく異世界に転移してきた女性・ジェニファー。彼女と出会い、そして・・・。
初投稿というか、初作品というか、まともな初執筆品です。
今までこういうものをまともに書いたこともなかったのでいろいろと変なところがあるかもしれませんがご了承ください。
誤字脱字等あれば連絡をお願いします。
感想やレビューをいただけるととてもうれしいです。書くときの参考にさせていただきます。
おもしろかっただけでも励みになります。
2021/6/27 無事に完結しました。
2021/9/10 後日談の追加開始
2022/2/18 後日談完結
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる