夜の声

神崎

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二年目

#137#

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 葵さんもいなくなったその部屋で、私は食事とお風呂だけを済ませる。そして薄い部屋着ではなく、スウェットのズボンと白いTシャツに袖を通した。
 そして部屋を出る。
 夜の道は怖い。だけど震える足で、私はそこへたどり着いた。裏にある崩れそうなアパート。夜はあまり住人がいないらしくて、あまり光がない。その一番奥。私はポケットから鍵を取り出す。
 中にはいると煙草のにおいと油のにおいがした。
 でも肝心の柊さんはいない。知ってる。こんな時間に彼はここにいない事なんて。
 だけど匂いはそこにある。私はベッドに潜り込むと、彼の匂いに包まれて眠りについた。安心する匂いだった。

 目を覚ますと、背中に温かいものが当たっていた。そして太い腕が私の体を後ろから抱きしめている。彼は私の体をぎゅっと抱きしめたまま、眠っていたらしい。
 でもきつい。寝返りの余裕すらない。
「柊さん。」
 彼は私を片手で抱きしめたまま、もう一方の手を頭に持ってきた。
「嬉しい。」
「え?」
「帰ってきたらお前がいるっていうのが嬉しくてな。」
 そういって彼はその手を唇に持ってきた。口の中にその太い指が入ってくる。
「んっ……。」
 すると彼は私のシャツの中に手を入れてきた。すると驚いたように私の耳元で聞いてきた。
「どうして下着をつけてないんだ。」
「近くだから。」
 まるで口の中も愛撫するみたいだった。その濡れた指を胸に押し当ててくる。
「んっ……。」
「もうこんなに立ってる。ずいぶん嫌らしくなったものだ。」
 後ろから責められているためか、どこを責めてくるのかわからない。乳首の先を摘まれると、びりびりと背中がしびれたような感覚になる。
「だめでしょう?こんなに……嫌らしくなって。」
「いいや。むしろいい感じだ。桜。もっと乱れろ。俺だけに見せて。その顔。」
 シャツを脱がされて、後ろを向いていたのを正面に向かせた。そしてやっとみれた柊さんの顔に、私から唇を寄せた。
 水の音が響くようにキスをして、舌を絡ませていく。そしてその舌は首筋から耳たぶにあがっていく。
「あっ!」
 耳たぶに唇が触れて、思わず声がでた。
「感じるのか。」
「わからない。くすぐったいわ。」
 そういうと私の耳たぶに触れ、そしてまたそれを口に含んだ。
「桜。」
 やばい。耳元で名前をささやかれるだけで、吐息と、声が私をやらしくしてしまう。
「だめ。柊さん。もうだめ。」
 スウェットの中に手を入れられて、軽く擦っているだけなのに私は絶頂に達してしまった。
「すごい。濡れてる。いつもより濡れてるな。ずいぶんしてなかったからか。」
「柊さんも……。」
 私は余韻に浸りながら、私の手は彼のズボンの中に手を入れる。本当にやらしい女になったものだ。
 その先はもう大きくなってて、先がわずかに濡れている。
「桜。脱がせてみて。それから……乗って。」
 自分で入れてみろって事なのかな。その彼のスウェットのズボンを脱がせて、下着をとる。すると大きなものが出てきた。
「ん……。」
 彼の上にまたがると、それをすり付けた。私の濡れているものと彼の濡れているものが混ざり、入れていないのに水の音がする。それにその入れる上の堅いところが当たって、気持ちいい。
「いっ……。んっ。」
 声をあまり出さない柊さんも、顔を赤くして耐えているようだった。上になると彼の表情もよくわかる。
「柊さん。こんなになってるんですね。」
「あぁ。お前のせいだ。」
「私の?」
「あぁ。早く一つになりたいと思っている。」
 手を伸ばして、彼は私のそこを探った。
「すごいドロドロだ。朝から何を考えてるんだ。」
「柊さんだって……。」
 抗議しようとしたのに、私にそれを手渡してきた。
「生で味わいたいが、今は出来ないだろう。つけろ。」
 小さな包みを手にすると、それを破り私はそれを彼につける。そしてそれを持ち上げると、私のそのドロドロの中にゆっくりと入れ込もうとした。しかしその膨張はハンパなく、一気に入れるには少し怖い。
「んっ。」
 いくら感じていて、いくら濡れていてもこれだけはまだ慣れない。お腹の中にそれが入ってきて、すごくいっぱいいっぱいになっている。
「あぁ……。いっぱいになってる……。奥に入ってる。」
 やっと根本までたどり着くと、彼は満足そうに笑った。
「頑張ったな。」
 すると彼はそのまま体を起こし、私の腰を支えたまま、下から突き上げた。
「ああああ!」
 衝撃がすごい。奥まで届くような衝撃が。
「締めるな。締めるな。」
「んっ!わからない。だめ。変になる!」
「変になれよ。」
 彼はそういって前かがみになった私の胸にそのまま触れてきた。ぎゅっと乳首を摘まれると、さらに快感がおそってくる。
「あっ!あっ!奥、奥が気持ちいい。」
「桜。名前、呼べ。」
「柊さ……ん。柊。あん!だめ。だめ!」
 彼の肩に捕まり、私はそのまま達してしまい彼の体にもたれかかった。
「桜。名前呼んだら、すごい締まった。思わずイキそうだった。」
「え?」
 肩で息をする私の唇に彼がキスをして、そして私を下に寝かせる。そしてぐっと足を持ち上げると、さらに私の中に打ち付けた。
「だめ!イったばっかりだから!またイクっ!」
「桜。桜。好き。大好きだ。」
「私も……好き。んっ!」
「イくぞ。桜。」
「ああああ!」
 水の音が響き、私たちはたぶん同時くらいに絶頂に達した。
 水の音がやみ、今度は互いの息づかいが響く。柊さんは私の肩に顔を埋め、そして体を持ち上げると私の唇にキスをした。
「朝から元気だな。」
「柊さん。時間は大丈夫ですか。」
「元に戻ってる。」
 彼は少し肩を落としたようだった。
「何が?」
「敬語。それから……さん付け。」
「慣れないです。」
「さっきは何もなかったのにか。」
「一つになってたから。」
 そういうと彼は少し笑い、私の中からそれを抜いた。その先には白いものが溜まっている。それを見て私は少し不安を覚えた。
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