彷徨いたどり着いた先

神崎

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裏切り

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 腕を伸ばして、体に触れようとするのに圭太はそれを拒否するようにそのたびに夏子の手をはたく。繋がっているのは性器だけだといっているようだった。
「こういう体位って、AVではよくやるよな。まぁ……兄から言われているなら、これもお前の仕事なんだろう。」
「ちが……仕事じゃ……。」
「まだ言うのか?」
 そういって圭太はいきなり奥まで入れ込んだ。
「あっ!いきなりそんな!」
「もっと締めろよ。濡れすぎてすぐ抜けるんだよ。緩いのか?お前のマ○コ。まぁ、AVなんかに出てるもんな。緩くて当然か。」
 言葉で言われる度に自分が興奮している。太股や尻を叩かれる度に、性器から蜜があふれシーツを汚している。
「兄には後ろを使わせたのか?」
「んっ……そんなこと……。」
「言えよ。何でもするんだろ?ほら。言わないとここで終わりだからな。」
 そういって圭太は自分の性器をそこから抜く。すると焦ったように夏子は口走る。
「アナ○好きなのよ。あの人。二人ですることもあるし……。」
「だったら準備万端ってわけだ。」
 さっき荷物をチェックしたときに気が付いた。夏子の荷物の中に小さいディルドがあることを。それは性器に入れるためのものではない。ベッドから降りると夏子のバッグの中から、それを取り出してベッドにまた上がる。そして夏子を四つん這いにさせると、性器のその上にある尻に触れる。ローションを垂らし馴染ませると、それを少しずつ入れていく。
「ああああ!」
「尻の方がいいのか。この変態が。どんどん埋め込まれていくな。」
 奥まで入り込むと、性器から汁が吹き出るように出る。これだけでまた絶頂に達してしまったらしい。
 引く引くとしている性器に、また圭太は自分のものを入れ込んでいく。
「動けよ。ほら。抜くなよ。」
 なぜだろう。自分もこの状況を楽しんでいる。好みじゃない。好きなのは響子だけなのに、自分の体が喜んでいる。
「抜くなって言ってんだろ?」
 尻をはたく。それだけでまた夏子は声を上げた。それは悲鳴のような喜びのような声だった。

 風呂から上がると、また一馬は響子を求めてくる。せっかく風呂ですっきりしたのに、またセックスがしたいと思っているのだろうか。
「またするの?」
「イヤか?」
 すると響子は首を横に振る。
「イヤじゃないわ。こうできる時間もないし、二人でいれる時間もないから……。」
「だったらまたって言うな。俺はお前が欲しい。こんな感情になったのは初めてだ。」
「……私もそうよ。」
「電話でもしたのにな。」
 その言葉に響子の頬が赤くなる。あんなことをしたのは初めてだったから。
「部屋であなたもしたの?」
「演奏者は個人の部屋が与えられた。それが良かったと思う。お前と気兼ねなく連絡も取れたし。お前の声が、耳元で囁かれる度に好きだという感情が溢れそうだった。」
 すると響子は少し笑って一馬の頭を撫でる。
「あなたは作詞も出来そうね。」
「お前の前だからだろう?」
 一馬はそういって響子の膝を立てさせる。そして太股に手をかけてそこを広げた。
「や……さっきもそれしたけど……恥ずかしいわ。」
「隠すな。今更。奥までじっくり見せろ。」
 指でそこを広げる。するとそこか少しずつ濡れ始めた。
「あ……。」
 顔を近づけると吐息がかかる。そして温かいものが性器から伝わってきた。それは一馬の舌だ。
 性に無頓着だった。だからこの歳になってそういうことを調べるのも抵抗があったが、響子がそれで喜んでもらえるならいい。自分が気持ちよくなるとともに、響子にも気持ちよくなって欲しいから。
「ああっ……。」
 そこを音を立てて舐める。そのたびにぐちゃぐちゃと音がした。
「あっ!ちょっと……そこ……。」
 性器の上、堅く尖っているところがある。皮が被っているそれをよけてそこに舌をはわせる。すると見たこともないような反応をした。
「あっ!ああああ!駄目!すぐにイっちゃうから!」
 すると響子はがくがくと体を震わせて、絶頂に達したようだった。だが一馬の動きは止まらず、口を避けると今度は指で刺激をする。そのたびに響子は声を上げて、一馬を求めた。
 それがわかり、一馬は横になると響子を自分の体の上に乗せる。すると響子はそのまま一馬の性器に舌をはわせた。一馬もまた響子の尻を自分に向けさせるとそのまままた性器で刺激を与える。
「んっ……んっ……。」
 互いの体液の音が部屋に響き、一馬も響子もそれを丁寧にする。だがもう三度目だ。いくら絶倫といわれても限度がある。一馬は響子の腰を避けると、響子もわかったようにそこから口を離した。そして一馬を見る。
「入れていい?」
 響子は度重なる絶頂に、もうろうとしていたのかもしれない。顔を赤くしてうなづくと、そのまま一馬の体から降りる。
 一馬がベッドサイドにおいていた箱を手にして、その袋を取り出した。
 そしてその性器にコンドームを付けると、響子を自分の上に乗せる。
「自分で入れれるか?」
「私が?」
「あぁ。みたい。ここからなら全部見えるから。」
「変態。何でそんなことを知ってるの。」
「……調べたんだ。お前とこうしていたいから。」
 どうしてこんなに歯の浮くようなことを平気で言うのだろう。だがそう思いかけて、思い出した。一馬はそれを恥ずかしいと思っていない。正直にそう思うから言っているのだ。
 圭太とはやはり違う。
 体の上に乗ると、響子はそのコンドームが被ったその性器に自分の性器を押しつける。今日、何度もそこに入ったはずだ。なのに入る度にゆるゆると性器を締めていく。
「あぁ……響子。ほら入ってるのが見える。嫌らしいな。」
「そんなこと言わないで……。」
「またそんなに締めるな。響子。ほら。」
 大きなものが入り込んでくるその衝撃に、響子はまた意識が飛びそうだった。だが一馬が手をさしのべてくる。その手に捕まり、またゆっくりと腰を屈めていく。
「奥……。奥に……。」
「奥まで入ったな……んっ……。そんなに締めるな。」
「だって……。」
 そのまま手をぎゅっと握ると、響子は体を一馬の方に倒した。そして自分からキスをする。舌を絡ませて、一馬の頬に唾液が垂れていく。唇を離すとそれを拭い、また響子は体を起こす。
「動くわね。」
 夢のようだった。自分の好きな女が自分の上で動いている。はねるように髪が乱れ、それとともに胸も動いている。一馬は手を離し、手を伸ばすと胸に触れる。
「あっ!んっ!」
 体の傷跡を気にしていた。醜いだろうと。見せるのもイヤだった。なのに今はそんなことも気にしていない。気にしないほど、強烈に好きだった。裏切りだとわかっていても。
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