彷徨いたどり着いた先

神崎

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ライバル

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 太っているわけではないのに、胸が大きい。それにその乳首の先も綺麗なピンク色だった。それに何より響子とは違い、傷跡や火傷の跡はない。綺麗なモノだった。
 その胸が、圭太のモノを挟んでくる。温かくて柔らかくて、思わずそのまま射精しそうになる。
「頑張るね。オーナーさん。でも一度出した方が良いよ。」
「……俺、何度もできないんだけど。」
「淡泊ねぇ。」
 夏子は下を向くと、少し出ている亀頭に舌をはわせる。その舌付きも気持ちいい。響子相手では絶対こんなことをさせない。セックスをしたいだけならさせておいても良いが響子は違う。こんな男の射精の道具のようなことをさせたくなかった。
「あっ……あっ!出る!出る!ちょっと……。」
 思わず夏子の口の中で出してしまった。夏子はそれを吸い上げて、満足そうに口を離した。そして口を開けてまだある白いモノを見せ、満足そうに飲み込んだ。
「いいね。オーナーさん。チ○コでかいし、結構耐えれるし。姉さん、満足してるんじゃない?」
「……だと思うけど……。」
「こんなの使わない方が良いよ。AVじゃあるまいし。」
 夏子はそう言って未開封のローターを、テーブルに置いた。
「AVに出てるヤツが言ってもなぁ。」
「ふふっ。ね?これ、使ったことある?」
 そう言って夏子はまたテレビの下から何か棒状のモノを取り出した。ディルドにしては細い。
「見たことはあるけど、手にしたことはないな。」
「姉さんには使わないでね。あたし、仕事で初めてしたけど二穴好きでさ。いつもやってんの。オーナーさんもしてくれる?」
「……準備が居るだろ?」
 その言葉に夏子は目を丸くした。
「いざ使うとなると、下準備が必要なことくらい知ってる。今、帰ってきたばかりなのに出来てるのか?」
 すると夏子は少し笑って言う。
「そう言うところもお勉強してるんだ。すごいね。」
 夏子はそのディルドを置くと、圭太が座っているソファに乗り上げた。そしてその顔を近づける。
 響子とは違う匂いだ。そして女臭い。香水なのか化粧品なのかそんな匂いがする。それに妙にキスも慣れていた。
「オーナーさん。名前なんだっけ。」
「圭太。」
「圭太って強情だよね。あたしのおっぱいでイっておいて、まだセックスしたくないって思ってる?」
「思ってる。」
「けどここはしたいって言ってるよね。また立ってきたし。」
 そう言って夏子はその性器にまた手を置いた。撫で回すその手の感触も、やはり響子とは違う。だが体は正直だった。夏子が触れる度に、堅くなってくる。
「俺、責められるの苦手なんだろうな。」
「あたしが受けになった方が良い?あまり好きじゃないけど、そうしたいなら良いよ。」
 自信満々だ。だが圭太はその言葉に口をとがらせると、夏子の後ろ頭を無理矢理引き寄せた。そして力ずくでキスをする。
「ちょっ……んっ……。」
 響子であれば激しく拒否をするだろう。だがこの女は響子ではない。キスを激しくする。そしてそのまま乳首に指をはわせた。すでに立っているそこをぐっとつかみ、引っ張り上げる。
「あっ!ちょっと!いたっ!痛い!」
 すると圭太はそのまま乳首から指を離すと、手のひらで胸をつかみあげた。
「響子の代わりをするんだろう?自信満々だったもんな。」
 その目を知っている。夏子は少しぞっとした。
「持ち上げられて、淫乱だって、そういうイメージなんだろう?言っておくけど、サディストはマゾヒストにもなれる。それくらいは知ってるよ。いくら性的な知識が無くてもそれくらいはな。」
 そういって圭太は少し怯えている夏子の手を引くと、隣にある寝室のドアを開けた。そしてそこに夏子を乱暴に倒した。
「な……ちょっと!」
 しばらくして圭太も寝室にやってきた。わざと電気を付けなかったのは狙いがあったから。
 そしてそのベッドに乗り上げると、いきなりジーパンと下着を脱がし始める。きちんと処理をしているそこは、さっきの無修正の画像と同じだった。
「あっ!」
 指をはわせると、もう濡れている。濡れやすいのは姉妹揃ってなのだろうか。
「ちょ……。ちょっと待って!あっ!あっ!」
「仕事以外のセックスっていつしたんだよ。」
「え……。」
「仕事なんか数に入らないだろ?いつした?一気に二人でしたのか?それとも三人?」
「何でそんなこと!あっ!ちょっと!」
「言えよ。ほら期待させてるし。」
 指を入れるとますます濡れてきた。
「あっ!」
「ぐちゃぐちゃだな。」
 いつも仕事でされていることだ。なのにその感覚が全く違う。男優によっては相性が悪くて、でも断れなくて、わざと感じているふりをすることもあるのに、そんな演技をしなくても感じてしまう。
「ああああ!駄目!イク!イっちゃう!」
 早々にイってしまった。がくがくと体を震わせてしまう。それは無意識だった。
「意識飛ぶなよ。一回イったくらいで。」
「何?あんた……セックスになると別人になるの?ちょっと!姉さんにそんなことを……。」
 怒りだ。それしかない感じがする。

 愛蜜としての夏子は、淫乱でサディストのようなイメージだろう。騎乗位で男を組み敷く。そういえば人気のあるシリーズは、童貞の男の筆下ろしのシリーズだったか。女のように声を上げている男を、夏子がリードしながらセックスをする。
 そのままサディストの女王様なんかになっても良い。だが本当は違う。男の主導権を握られると、手も足もでない。こうやって男に主導権を握られれば、驚くほど簡単に絶頂に達してしまう。
 ぐったりとベッドに横たわったままになっている夏子を見ながら、圭太は下着を手にして、そしてズボンを履いた。夏子のそばにあるコンドームの箱を手にすると、電気を付ける。そしてベッドのそばにあったスタンドライトに手を伸ばす。傘の部分に小さな機械が取り付けられている。それをはずすと、赤い光がわずかに点滅していた。それを床に落とすと、足で踏んだ。ぱきっという音がして残ったのはただのプラスチックと鉄の残骸だけ。
「何?」
 夏子は裸のままそちらをみる。そしてだるそうに体を動かして、圭太の足元を見る。すると顔色が悪くなった。
「誰に言われたんだ。」
「……誰って……。」
「盗撮機だろうな。メモリーはどこにある?」
「……。」
 全部お見通しか。夏子は体を起こすと、髪をかきあげた。
「決まっているでしょう?あなたと姉さんが別れると都合の良い人。」
「店員とオーナーがくっつくのがそんなに悪いことか。」
「だからお坊ちゃんなのよ。」
 夏子はそういって裸のままベッドから降りる。そしてリビングへ向かった。
「それにしてもあんなセックスを姉さんにもしているの?自分本位で、相手のこととか全く考えてない。よく持つわね。」
「するわけがない。大事だから。」
 ずきっと胸が痛んだ。だが夏子はそのまま携帯電話を手にしてどこかにメッセージを送っている。そしてその携帯電話を置くと、圭太を見上げた。
「どこがいいの?姉さんだってそんなに良い人じゃない。ただの被害者意識が強い人だわ。」
「それはされたことのないヤツの言い分だ。」
 圭太はそのままコンドームの箱を袋にしまう。そして荷物を手にしようとした。するとその背中に温かくて柔らかい感触が伝わってくる。
「泊まっていってよ。」
「……。」
「あたしだって人の温もりを感じたいから。」
 だが圭太はその手を振り払う。
「いや。あんたとしたのは、あんたがそうしろと指示をされたからだろう。それでどれくらいの報酬が入るかわからないが。それに俺は協力しただけ。」
「感情も何もなくて?」
「ない。そういうものだろう。あんたがそういう男を一番知っているはずだ。」
 圭太はそういって玄関の方へ向かう。そして手にすがってくる夏子の手を振り払った。
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