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藍に抱かれるとこんな感じなのかもしれない。大きな手が銘の胸先を摘み、わずかに刺激が加わると思わず声を上げそうになる。
「どうした。もう余裕がないのか。」
乱暴に摘んで引っ張り上げられた夕べとは違う。傷ができているらしくてわずかに痛みを感じていたが、悦がそこに舌を這わせてくると銘は思わず声を上げた。
「んっ……。」
こんなにねちっこく愛撫をされたことがあるだろうか。鼠になり、こういうことにも慣らしていたのは累だけじゃない。自分だってそうだ。だがそれは乱暴なセックスでしかあり得ない。
こんなに大事なモノを扱うように愛撫されたことはない。だから累が羨ましかった。
彩とのセックスは乱暴で、自分のことしか考えない行為だっただろう。だが藍と出会って変わった。藍はきっとこんな風に彼女を抱くのだから。
「綺麗な色だな。慣らされてるように見えたが、あまり舐められたこともなかったのか。」
「あまり……こんな風にされたことはないの……。」
「え?」
「バイブ使われたり、ローターで責められたり、乳首は洗濯バサミで挟まれたこともある。」
その言葉に彼は少しうつむいた。夕べ、彼がしたことばかりだ。それでも彼女が喘いでいた。だから慣れた淫乱な女なのだろうと思っていたのに。
「……銘。」
「気にしないで。先にイった方が負けなんでしょう?」
悦の周りもそんな女ばかりだったのは、彼も花街の出で藍ほどではないが貧しかった。
程なく彼も男娼を始めた。精通したときから客を取らなければ、飢えて死ぬ。叩いて、縛って、それでも彼を求めるような女ばかり相手にしていた。だが彼女は違う。
指で少し乳首をぎゅっと握るだけで高く喘ぎ、とろけるような目で自分を見る。愛されていると勘違いしそうだった。この死んだ女に似ている女を重ねてしまう。
「ここ、もうすごい濡れてる。夕べのヤツも出てきてるみたいだ。」
「あっ……ダメ。クリ……まだ触らないで。」
「どうして?気持ちいいんだろう?」
「あたしが責めてないのに、あたしが先にイってあなたが勝つのはいやよ。」
「勝負にこだわるヤツだ。だったらすぐ入れていいのか。」
彼は自分のそそり立ったそれを、彼女の性器にすり付ける。ぬるっとしてすぐに入りそうだった。
「すぐにイかせてヤるわ。」
強気な言葉を口にしなければ、心が折れる。本気で好きになってしまう。
「ん……すごい熱い。お前の中、すごい熱いな。」
ぐっと彼のモノが入ってきた感覚がする。太い彼のモノは、彼女を喘がせるには十分だった。
「あっ……。あっ……。太い……奥まで……んあっ……ダメ。ああっ……。」
演技かと思った。だが彼女を抱き上げて、その下から打ち込むと彼女はぎゅっと彼の体に手を伸ばしてくる。
「あっ……。」
「銘。お前のここ、締まってきたな。」
「あなたのも……固くなってる。大きいわ……。ああっ……。」
「すごい濡れてる。ぐちゃぐちゃだ。銘。顔をこっちに向けろ。そう……。」
彼はそういうと彼女のその赤い唇にキスをした。舌で十分に愛撫するように舐め上げる。少し傷のような感覚があり、そこを舐めると彼女は感じながらも痛みも同時に感じたようだ。
「だらしない口元だ。」
「あなたもこんなに頬が赤いわ。耐えてるの?いいのよ。イって。」
「お前こそイきそうなんだろう?ほら。ここを突くと良いところに当たるんだろう?」
腰を打ち付けるとまた喘ぐ。そしてまた絞まってくるし、ぐちゃぐじゃと音を立てる。やがて彼女は細かく震えてきた。
「ああっ……。」
「銘。んっ。ああっ!」
「ああああ!ダメ。もうダメっ!悦。悦。」
「銘。イく?いくっ!俺もイく!」
吐息が激しくなり、銘はぎゅっと悦を抱きしめ、そして悦は銘の中に注ぎ込んだ。
「はっ……はっ……。」
しばらく二人で抱きしめあい、ゆっくりと離すと目を合わせた。そしてどちらともなく唇を重ねた。
「どっちが先にイったの?」
「どっちもだろう?すごい中に出たな。夕べと比べものにならない。」
「本当、元気だわ。」
「お前もだろう。ほら。こんなにまだ震えてる。」
まだ彼女の中に入ったまま、彼は彼女を抱きしめたままその背中に触れる。
「同時って事?」
「そんなことどうでも良いくらい良かった。仕事を忘れかけたな。」
「……累もこんな気持ちなのかしら。」
藍にあって、累は変わった。どんどん人間らしくなる。人を殺すときに躊躇い無くなっていた。それは自分の感情を隠すためだと今なら思える。
「紅花様も……そう思っていたのか。」
「悦。」
「……何だ。」
「どちらも同じなら……どちらも話さない。どっちも話す。どちらかしら。」
「どっちだろうな。ただ一つ言えるのは、もう一度するということか。このままな。」
「抜かないまま?」
「抜いても良い。その時は入れないままイかせてヤる。」
「夕べさんざんしておいて、まだするの?」
「そういうお前もまだ腰が動いてる。欲しいのか。本当に第四兵団に投げ込んでやろうか。淫乱な女。」
「あなたは精力馬鹿ね。」
そういって二人で笑いあう。そしてまた唇を重ねた。そして彼が彼女の中から出て行くと、ドロッとした精液と彼女の愛液がシーツを濡らした。
それをみて彼女はその性器に口を付ける。
「恋人にするように……ねぇ。」
紫練はそういいながらそのドアをそっと閉めた。きっと悦の心が揺れて銘に倒れ込んでしまった。それならそれでかまわない。だがいずれ銘は殺さないといけないだろう。
累のことが表に出るわけにはいかないし、それによって自分がしていることが表に出るのも避けたい。
累はすべてを知っている。知らないのは藍のことだけだ。
「紫練様。」
向こうから帯がやってくる。彼をみて紫練は口元だけで微笑む。
「帯。紅花殿へ指令を。」
「何をですか。」
「捕らえた女は自ら鼠であることを自白した。よって第四兵隊の慰み者にした後、処刑するように。」
「……紫練様。殺すのであれば、それだけで十分では?」
「……表向きには鼠はテロリスト。王家に逆らえばそうなるというさらし者にするの。」
彼女はそういってヒールを鳴らしながら教会へ向かった。その足音は軽やかで、すっきりしている。それだけ彼女が非情なのだろう。
「どうした。もう余裕がないのか。」
乱暴に摘んで引っ張り上げられた夕べとは違う。傷ができているらしくてわずかに痛みを感じていたが、悦がそこに舌を這わせてくると銘は思わず声を上げた。
「んっ……。」
こんなにねちっこく愛撫をされたことがあるだろうか。鼠になり、こういうことにも慣らしていたのは累だけじゃない。自分だってそうだ。だがそれは乱暴なセックスでしかあり得ない。
こんなに大事なモノを扱うように愛撫されたことはない。だから累が羨ましかった。
彩とのセックスは乱暴で、自分のことしか考えない行為だっただろう。だが藍と出会って変わった。藍はきっとこんな風に彼女を抱くのだから。
「綺麗な色だな。慣らされてるように見えたが、あまり舐められたこともなかったのか。」
「あまり……こんな風にされたことはないの……。」
「え?」
「バイブ使われたり、ローターで責められたり、乳首は洗濯バサミで挟まれたこともある。」
その言葉に彼は少しうつむいた。夕べ、彼がしたことばかりだ。それでも彼女が喘いでいた。だから慣れた淫乱な女なのだろうと思っていたのに。
「……銘。」
「気にしないで。先にイった方が負けなんでしょう?」
悦の周りもそんな女ばかりだったのは、彼も花街の出で藍ほどではないが貧しかった。
程なく彼も男娼を始めた。精通したときから客を取らなければ、飢えて死ぬ。叩いて、縛って、それでも彼を求めるような女ばかり相手にしていた。だが彼女は違う。
指で少し乳首をぎゅっと握るだけで高く喘ぎ、とろけるような目で自分を見る。愛されていると勘違いしそうだった。この死んだ女に似ている女を重ねてしまう。
「ここ、もうすごい濡れてる。夕べのヤツも出てきてるみたいだ。」
「あっ……ダメ。クリ……まだ触らないで。」
「どうして?気持ちいいんだろう?」
「あたしが責めてないのに、あたしが先にイってあなたが勝つのはいやよ。」
「勝負にこだわるヤツだ。だったらすぐ入れていいのか。」
彼は自分のそそり立ったそれを、彼女の性器にすり付ける。ぬるっとしてすぐに入りそうだった。
「すぐにイかせてヤるわ。」
強気な言葉を口にしなければ、心が折れる。本気で好きになってしまう。
「ん……すごい熱い。お前の中、すごい熱いな。」
ぐっと彼のモノが入ってきた感覚がする。太い彼のモノは、彼女を喘がせるには十分だった。
「あっ……。あっ……。太い……奥まで……んあっ……ダメ。ああっ……。」
演技かと思った。だが彼女を抱き上げて、その下から打ち込むと彼女はぎゅっと彼の体に手を伸ばしてくる。
「あっ……。」
「銘。お前のここ、締まってきたな。」
「あなたのも……固くなってる。大きいわ……。ああっ……。」
「すごい濡れてる。ぐちゃぐちゃだ。銘。顔をこっちに向けろ。そう……。」
彼はそういうと彼女のその赤い唇にキスをした。舌で十分に愛撫するように舐め上げる。少し傷のような感覚があり、そこを舐めると彼女は感じながらも痛みも同時に感じたようだ。
「だらしない口元だ。」
「あなたもこんなに頬が赤いわ。耐えてるの?いいのよ。イって。」
「お前こそイきそうなんだろう?ほら。ここを突くと良いところに当たるんだろう?」
腰を打ち付けるとまた喘ぐ。そしてまた絞まってくるし、ぐちゃぐじゃと音を立てる。やがて彼女は細かく震えてきた。
「ああっ……。」
「銘。んっ。ああっ!」
「ああああ!ダメ。もうダメっ!悦。悦。」
「銘。イく?いくっ!俺もイく!」
吐息が激しくなり、銘はぎゅっと悦を抱きしめ、そして悦は銘の中に注ぎ込んだ。
「はっ……はっ……。」
しばらく二人で抱きしめあい、ゆっくりと離すと目を合わせた。そしてどちらともなく唇を重ねた。
「どっちが先にイったの?」
「どっちもだろう?すごい中に出たな。夕べと比べものにならない。」
「本当、元気だわ。」
「お前もだろう。ほら。こんなにまだ震えてる。」
まだ彼女の中に入ったまま、彼は彼女を抱きしめたままその背中に触れる。
「同時って事?」
「そんなことどうでも良いくらい良かった。仕事を忘れかけたな。」
「……累もこんな気持ちなのかしら。」
藍にあって、累は変わった。どんどん人間らしくなる。人を殺すときに躊躇い無くなっていた。それは自分の感情を隠すためだと今なら思える。
「紅花様も……そう思っていたのか。」
「悦。」
「……何だ。」
「どちらも同じなら……どちらも話さない。どっちも話す。どちらかしら。」
「どっちだろうな。ただ一つ言えるのは、もう一度するということか。このままな。」
「抜かないまま?」
「抜いても良い。その時は入れないままイかせてヤる。」
「夕べさんざんしておいて、まだするの?」
「そういうお前もまだ腰が動いてる。欲しいのか。本当に第四兵団に投げ込んでやろうか。淫乱な女。」
「あなたは精力馬鹿ね。」
そういって二人で笑いあう。そしてまた唇を重ねた。そして彼が彼女の中から出て行くと、ドロッとした精液と彼女の愛液がシーツを濡らした。
それをみて彼女はその性器に口を付ける。
「恋人にするように……ねぇ。」
紫練はそういいながらそのドアをそっと閉めた。きっと悦の心が揺れて銘に倒れ込んでしまった。それならそれでかまわない。だがいずれ銘は殺さないといけないだろう。
累のことが表に出るわけにはいかないし、それによって自分がしていることが表に出るのも避けたい。
累はすべてを知っている。知らないのは藍のことだけだ。
「紫練様。」
向こうから帯がやってくる。彼をみて紫練は口元だけで微笑む。
「帯。紅花殿へ指令を。」
「何をですか。」
「捕らえた女は自ら鼠であることを自白した。よって第四兵隊の慰み者にした後、処刑するように。」
「……紫練様。殺すのであれば、それだけで十分では?」
「……表向きには鼠はテロリスト。王家に逆らえばそうなるというさらし者にするの。」
彼女はそういってヒールを鳴らしながら教会へ向かった。その足音は軽やかで、すっきりしている。それだけ彼女が非情なのだろう。
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