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お食事 生姜焼きと豚汁

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 春人は【雑談遊戯】を使用した。雑談遊戯はチャット型のAIだ。 

「生姜焼きのレシピを教えて」 


『生姜焼きの作り方: 
 材料: 
 500gの豚肉(薄切り) 
 2つの大きな生姜(スライス) 
 2本のレッドグリーンピーマン(スライス) 
 2大さじの砂糖 
 2大さじの酢 
 3大さじの料理酒 
 1大さじのさやいんげん油 
 塩と胡椒を少し 
 新鮮なコリアンダー(適量、飾り用) 

 作り方: 
 豚肉に塩と胡椒を加え、良く混ぜます。 
 鍋に油を熱し、豚肉を加えて炒めます。炒めるのに3~5分かかります。 
 生姜とピーマンを加えて炒めます。さらに2~3分かかります。 
 砂糖、酢、料理酒を加えて炒めます。さらに2~3分かかります。 
 鍋から豚肉と生姜ピーマンを盛り付けます。コリアンダーを散らして完成です。 
 このレシピは4人分です。皆様のお好みで調味料などを変更することも可能です。』 

 
「なんだこの怪しい料理は……あっちの世界ではchatG〇Pが海外製だったもんな。日本のレシピだからなのかな? まだAIが学習していないって事か? うん。今後は雑談遊戯で料理のレシピを聞くのはやめよう。」 

 
 春人は、とりあえず雑談遊戯を使ってはみたが、食材をどうするのかは、もうプランが決まっている。昔から一人暮らしをしていた春人は、愛媛夏の八百屋にも通いつめ自分で食事を作っていた。 

 アクティブで使用出来るスキルの方も既に把握済みだ。 

 春人はレイアの国宝級のナイフを使った事で、本来Lv10では有り得ないDランクの強いモンスターを討伐していた。一気にLv15にまで上がり新たなスキルをたくさん獲得していた。 

 獲得したスキルのうち
 生成スキル:SPの消費が激しいが素材はいらない。
 製造スキル:前回作った武器などのように異世界の素材を元に製作するスキルだ。 

 生成スキルの方はSPと現実世界で貯めたお金を対価に、現実世界にある物を異世界で使えるものに生成する事が出来る。膨大なリストの中には使えそうなものがたくさんあった。 

 だがその前に、考え抜いた末、再び格闘遊戯トゥルトゥルを呼び出し4万円を消費して料理と豊穣のランクをⅢにまで上げていた。 
 きっかけは節約のランクをⅩにした事により、生活の天賦の才で得たスキルが増えたり性能が増したスキルがあるのに気が付いた事で。 生活が料理と豊穣の天賦の才に引っ張られたらどうなるかの確認だった。 

 結果、野菜の種の種類が格段に増え調味料生成スキルや調理器具生成スキルに+2がついた。調味料に関して言えば、調味料以外のものも生成出来るようになった。  

 そして、生成する。
少しSPが足りなくなった分は時間経過と共に回復した。
値段の高い商品には、割引チケットを使った。 

≪ 神大 生成スキル ≫ 
 調味料   SP50,000  
 調理器具  SP100,000  
 道具    SP80,000 
 
【調理器具+2生成】 

『包丁』150円 
『フライパン』160円  
『鍋』150円  
『お玉』50円  
『まな板』100円 
『すりおろし器』100円  

【道具生成】 

『テーブル』800円 
『イス』500円  
『皿』20円  
『茶碗』20円  
『お碗』20円   
『はし』 20円  
『フォーク』50円  
『スプーン』50円 
『金網』20円  

【調味料+2生成】 (+2で調味料以外も)

『醤油』20円 
『さとう』20円  
『みりん』20円   
『味噌』50円  
『和風だし』50円  
『薄力粉(小)』20円 
『油』30円 
『七味唐辛子』20円 
『マヨネース』20円 


「リストを見たけど物価がだいぶ安いな。節約も含めて異世界の特典だから、かなり贅沢な暮らしが出来る事は間違いない。異世界でリタイア最高じゃねーか。」 

 金網を置けるよう石を積み上げ、そこに木の枝やレイアが斬ってきた極細の薪を入れていく。枝の方は春人の生活の才が影響した樹魔法で太く変えている。薪の方も同じく太くした後に春人の生活用風魔法で水分を飛ばしている。何故かそれらが出来るような気がしたのだ。 

 金網を乗せたら火床が2つ完成し、生活用の火魔法で薪を燃やした。 

 春人は先に豚汁の準備をする。 

≪ 豚汁 ≫ 
 豚肉 
 大根  
 じゃがいも 
 にんじん  
 ごぼう  
 長ねぎ 

 味噌  
 油 
 和風だし
 醤油(春人は味噌汁にも大さじ1程度を入れる)

 豚汁の具材を切り鍋に油を入れてはじめに具材を炒める。 
 ある程度炒めた所で、水は生活用の水魔法を火魔法で温めたものを加えた。
 そこに和風だしを入れる。 
 レイアは、その間にも近づくモンスター達の狩りや、木の枝を余分に集めていた。 
 豚汁が、煮る段階に差し掛かると、アクを取ってから、次に生姜焼きの準備に取り掛かる。 

 

≪ 生姜焼き ≫ 
 豚肉 
 タレ(生姜 酒 みりん 醤油 砂糖) 
 たまねぎ 
 キャベツ 
 トマト 

 食材は既に切り分けてある。 
 まずは、合わせ調味料を作った。 
 酒・しょう油・みりん・砂糖調味料を合わせたら、生姜をすり入れる。 
 フライパンに玉ねぎを入れて軽く炒める。 
 春人はしんなりした玉ねぎが好きなので、少し放置し豚肉に薄力粉をまぶしていく。 
 玉ねぎの色が変わった所で豚肉を投入した。 
 良い所で最後に合わせ調味料を加え味をなじませる。 
 キャベツとトマトを盛りつけた皿に、しょうが焼きをのせて料理が完成する。 

 豚汁の方も最後にアクを取り、味噌を加えて完成した。 


「レイアーできたぞー。定番の物になっちゃったけど、どうかな?」 

 調味料の少ない異世界人のレイア。豚汁のやわらかい味噌の香りや野菜の香りと生姜焼きの生姜と甘い醤油の香ばしいにおい。嗅いだ事のない食欲をそそられるにおいに興奮していた。 

「めちゃくちゃ良い香りがするなの!」 

「サンキュー。これは生姜焼きと豚汁だ。しいて言えばお米が欲しいけど、どうぞ召し上がって下さい。」 

「ありがとうなの。……はふはふ。っ!」 

「どう?」 

「お兄ちゃん。私……こんなに美味しい物、はじめてなの。」 

「レイア。そう良かった。……俺も腹が減りすぎた。食べるか。」 

「これが異世界定番なの? この生姜焼き。ふっくらとしたお肉に濃厚な甘辛いソースが絡みついて癖になるの。とっても贅沢なこのタレに浸りたいの。お兄ちゃんとずっと一緒に暮らしたいなの。」 

「そこまでの料理じゃないんだけどな。」 

「このスープ豚汁も、美味い旨すぎるの。あっさりとした味付けなのに、お野菜にまで豚の旨味が染み込んでて、とっても濃厚でクリーミーな味わいなの。」 

「ほめ過ぎだろ。」 

「ほめ過ぎじゃないの。こんな複雑な味のする料理は、今まで食べた事ないなの。この生姜焼きも豚汁も絶妙な味付けなの。」 

 二人は勢いよく食事をかき込んでいく。 
 春人は3日分の空腹が満たされていく。 

「レイア。生姜焼きの味変に、唐辛子とマヨとかもけっこういけるぞ。」 

「むしゃむしゃ。試してみたいなの。……お肉のこってりとした味付けに、まろやかな白いソースがとっても合うなの。特に千切りのお野菜を一緒に食べる時に二つのソースの相性が抜群なの。」 

 
 こうして、春人は、悪くない異世界リタイアを考え始めた。 


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