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大臣達のお願い

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今日は大臣達が来る日だ。



自衛官達も今日は出迎え為整列してる。整列してる中に狼と熊が一緒に居る。



甘えん坊の熊達も、降りて来るヘリを見つめきちんと整列してる。



狼は水嶋さんの横で微動だにせずお座りしてる。



うちに初めて来た時とは大違いだ、マリアの教育の凄さには感心する。



しかしまた、随分大勢が来たな、大臣だけじゃ話が進まないからしょうがないけど、外務省の役人は何しに来たんだ、グリフォンはやらんぞ。



訪問する大臣は2人だったのに、3人居るし、嫌な予感しかしない。



3人の大臣に挨拶し、最近出来た会議用に建てた建物に案内する事に。



農水大臣が質問を投げ掛けた。



「大曽根さん、隊員達のダンジョン改変の修得はいつ頃終わりますか」



「いやいや、まだ始まってもいないので解りませんよ」



「それは困る、話が違う」



「どんな話か知らないけど、先ずはモンスターの教育しないと、下手したら事故で死人が出るよ」



そこで防衛大臣が。



「元々1ヶ月は余裕を見ていた筈です」



その会話を遮ったのが、外務大臣。



「実は今こっちも急いで要るんだ、東南アジアで攻略されたダンジョンを、現地国と日本で折半して、農地化する計画が有ります、南シナ海も海上自衛隊のお陰で落ち着きを取り戻しました。その事により自衛隊の対価に輸入出来ていた石油が止まる可能性が有るのです」



「その為に日本政府としては、新たな対価の為にダンジョン改変は急務なのです」



「石油じゃ国民は食べて行けない、先ずは国内優先でやって行く」



(話を纏めてから来てくれよ、でもちょっと海外行きたいかも)



大臣達よりも後ろの官僚達のバトルの方が白熱してるよ。



隊員達をマリアに任せてダンジョンに行かせたのは正解だったな。



あー外務大臣が俺に顔を向けたよ。



「大曽根さん、日本の為にブルネイに行って頂け無いだろうか」



「待ってくれ、大曽根さんには仲間に成ったモンスターの教育をお願いしたい」



(おいおい、どっちにしても俺を働かせる気か、モンスターの教育はマリアにお任せだけどね)



「それなら、先ずは国内をやってから海外じゃ無いか」



(絶対にこれは総理が纏められなくて、俺に丸投げしたな)



三者による白熱の議論の中、俺は新撰組の彼女達とお茶を飲みながらう小声で話した。



「海外に行く?」



「ブルネイって何が有るの?」



「知らない」



そんな話をしていると、なんか勝手にスケジュールの話をし出した。



「ちょっと、勝手にスケジュール決めてもまだ、俺はやると言って無いよ」



大臣や官僚達は鳩が豆鉄砲食らった顔してるけど、先ずは俺の意志確認が先じゃ無い。



「俺は長期に村を離れるつもりは有りませんよ、それに仕事するなら対価を示して頂かないと」



「ブルネイは日本と同じで食糧自給率が低い、あの国も食糧で困っている日本も困っているが、多くの者が北海道や東北に避難している、夏は良いが冬には燃料が無ければ凍死する者も出て来るかも知れない、だから石油やガスが必要なんだ」



「解りました、此方も相談したいので、一旦お昼休憩にしましょう、再開は3時からで、それまでに対価と土台と成るスケジュールを決めて下さい」



俺達は母家で村の主要メンバー達と話し合った。



話し合うと、色々な問題が有る、最近では俺が居なくても良い様に、対策を取って要るが、俺しか使えないアイテムボックスがネックに成る。



冷凍倉庫が完成すれば少しは余裕が出るが、皆から村長の不在は不安に成るから、出来れば村に居て欲しいと。



冷凍倉庫は急いで要るが、完成にはまだ1ヶ月は掛かる。



話し合った結果、行くなら倉庫が完成してから、期間は10日以内、国内外問わず安全が確保出来ている所に限る。



護衛も兼ねて新撰組が同行する事が決まった。



沖田オヤジの指揮の下、冷凍倉庫に全ての職人を投入する事に成った、それでも冷凍倉庫の機械的な事の解る技術者の派遣も条件に入れる事にした。



時間に成り会議室に行くと、未だに発熱の議論を交わす官僚達がいた。



大臣達は蚊帳の外で、議論している。



結局、午後は官僚達がメインで話す事に。



(大臣達は温泉でも入ってくれば良いのに)



それから夜まで議論を重ねてたが結論がでず、翌日も会議と成った。



夕食後、大臣達は俺を尋ね母家にやって来た。



食糧を何とかしたい大臣と、燃料を何とかしたい大臣と、自衛隊隊員達の安全を考える大臣で、話しは平行線だ、防衛大臣は譲歩するが2人の大臣は譲らない。



結局、彼女達の帰れオーラに負け結論が出ないうちに帰って行った。



翌朝、会議室に行くとヨレヨレな官僚達がいて、こっちも引かないか。



最終的に結論は出た、俺達はブルネイに行く事に、対価はガスやガソリン灯油等の5年間の無償援助、村に各技術者の派遣、技術者が移住を希望した時の条件を決めた。



ブルネイ出発は40日後、自衛隊所属のモンスター達の教育は随時マリアが行う。



マリアからの対価としては、スノータイガーの発見情報の提示を条件に話を纏めた。



国内のダンジョン及び、ブルネイ以外のダンジョンは自衛隊が改変を行う。



それとリザードマン達の自治権も認めさせた。



やっとの思いで纏まった会議なのに、終わったら彼女達はもう海外旅行で頭の中はいっぱいだ、俺も東南アジアはバリ島しか行った事無いから、ちょっと楽しみ。







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