31 / 40
第2部 降臨魔術
第29話 劣等生の快進撃
しおりを挟む
降魔は控え室にて先程の戦闘の振り返りをしていた。
(大体のことはうまくいった……。だが、予想以上にダメージが多い……それにもう少し受け流すことを増やしておけばよかった。ただこれで頑張れば第3回戦までは召喚魔術を使われない筈だ)
きっとほとんどの人が先程の戦闘の結果をこう考えるだろう。
———あれはラッキーなだけ———と。
それが降魔の狙いだった。
降魔は学生にしては召喚魔術以外の殆どを高水準で使用できる。
そしてそれは本気ではないとは言え、ファフニールを10分ほどなら止められることがわかった。
とは言え学生にしては、と言うのがついてくる。
相手が召喚魔術を使ってくると、勿論のことだが本気で召喚獣は攻撃してくるため、そうなった場合は対処をする降魔の体力の消耗が激しくなり過ぎるのだ。
(さて……どこまで皆んなが俺を舐めていてくれるかが鍵だな……)
降魔は控え室のテレビで次に対戦しそうな相手の観察を始めた。
☆☆☆
降魔が退場してからすぐ、双葉はVIPルームで荒れていた。
「何なのよアイツら! 皆んなして降魔を悪く言うなんて!」
勿論降魔が貶されていたことについてだ。
降魔自身はそこまで——と言うか全く気にしていないのだが、双葉はカンカンだった。
そんな娘を見ていた小百合と総司はと言うと……
「降魔君のために怒る双葉ちゃん……健気で可愛いわぁ……。やっぱりあの2人にはくっ付いてもらわないとっ!」
「嘘だ……うちの子にもう恋人ができるだと……!? 絶対に阻止して……」
「そんなことしたら私が許しませんよ」
「……グスッ」
そんな感じで阻止しようとした総司を突然無表情になった小百合に止められると言うことが起きていた。
「———……降魔」
そんな2人を他所に、双葉はただひたすらに降魔を心配していた。
☆☆☆
「それでは第2回戦第4試合、前戦ではラッキー勝ちをした降魔選手の対戦相手の紹介だ!!」
そう言って出てきたのは、降魔が1回戦目に戦った奴と全く体型の違う男が出てきた。
身長は降魔程で、兎に角細い。
触れれば折れてしまいそうなほど細く、病弱だと言われても信じてしまいそうなほどだ。
しかしこの部門に出るからには強者なわけで……
「名は細川大志!! 彼は現在5年生であり、前大会の準々決勝進出者で、その細身からは考えられないほどの強力なパンチを繰り出して来るため、何人もの優勝候補が奴を前にして膝をついた学園での猛者の1人だああああ!!」
彼は慣れたように観客に手を振っている。
それには自分の力への絶対的な自信があり、余裕を持っていると言うことだ。
普通の人間なら腹の立つ行動だが、降魔からすれば嬉しいことしかなかった。
(これはだいぶ楽な戦闘になりそうだぞ……。こんなに俺を舐めてくれているのなら幾らでもやりようはある……!)
降魔は人知れずニヤリと笑う。
「第2回戦第4試合スタートおおお!!」
その合図と同時に動き出したのは意外なことに降魔だった。
「《我が身を強化せよ―――》【身体強化】」
降魔は先程よりも少し強い魔術を発動し、果敢に大志に接近していく。
「おっと降魔選手! 勝てない相手とわかりとち狂ったかああああ!? 対する大志選手は動きません!!」
降魔は大志に向けて速度の乗ったパンチを繰り出す。
あと少しで当たる……と言うところで遂に大志が魔術を発動した。
「《詠唱省略―――》【敏捷性強化】」
そういった瞬間に大志がその場から一歩下がった。
そのため降魔の拳は宙を切る。
降魔は舌打ちをしながら同じく後ろに下がるが、そのときには既に目の前に大志がおり、
「―――遅いよ」
「――ッッ!?」
降魔は避ける間もなく大志のパンチをくらい、先ほどの試合と同じように吹き飛んでいく。
ただ今回は自らも後ろん飛んでいるため、ほとんどダメージを食らっていない。
それに既に降魔は今の大志の弱点に気付いていた。
(コイツは敏捷性を上げると他の能力を上げることは出来ない……。要は諸刃の剣だ。まぁもしかしたら他の能力を強化することもできるかもしれないが……)
降魔はその後更に2発ほどその身に攻撃を受けて確信した。
やはり速度の割には攻撃が軽い。
既に3回ほど受けているにも関わらず、殆どダメージがない。
これなら1回戦目の晴人の方がきつかった、と降魔は思った。
それに降魔は徐々にその速度に慣れつつあった。
先程までは後ろに飛ぶということしか出来ていなかったが、今では体を頑張って捻じれば掠るくらいにまで回避できるようになっている。
「クッ――どうして当たらなくなっていくんだよ……! チッ……それなら――《詠唱省略―――》【腕力強化】」
そう言った大志の速度が突然急激に落ちた。
そのため降魔は完全にタイミングを逃されるが、持ち前の格闘センスで即座に対応し、少し大袈裟に後ろへと避ける。
「フッ―――」
「なッ―――あれも避けるの!?」
降魔の予想外の動きに驚愕する大志。
そのためほんの少し攻撃の手が緩まった。
ここで降魔はこの戦いの流れを変える一手を、誰にも聞こえないように発動させる。
「《我が身を二重に映せ―――》【幻影】」
その魔術式はとても弱々しく光っており、距離の離れた大志には何の魔術式か分からない。
そのため大志は降魔が身体強化魔術を再び使ったと勘違いしてしまった。
―――降魔が落ちこぼれだから、身体強化魔術以外は使えないと思い込んでいるから。
その御蔭で降魔の勝ちは決定した。
降魔が今度は自ら大志に近づき、またしても顎にアッパーを放つ。
しかしそれよりも早く、
「《詠唱省略―――》【敏捷性強化】!! これで終わりだ!!」
大志が降魔に拳を振るった。
2人の拳が交差する。
結果は―――
「しょ、勝者―――八条降魔!!」
降魔がアッパーを決めた状態で立っていた。
そしてその足元には大志が気絶している。
「一体何が起きたのでしょうか……。突然大志選手が何もない所で拳を振るったと思ったら回避することなく降魔選手のアッパーが決まりました……。まるで大志選手にだけ何かが見えていたとでも言う風に……」
観客も司会者もよくわからないと言った顔をしている。
だが司会者の言っていることが的を射ていた。
降魔が使った魔術は幻影魔術であり、その効果は双葉や降魔の対戦相手として使っていた実態型ではなく、相手に幻覚を見せると言った幻覚型で、難易度は実態型よりも低くて使いやすいのが特徴だ。
その代わりに見破られやすいのがデメリットである。
しかし相手は使わないと思いこんでいるため効果は抜群だ。
降魔が大志に見せたのは、降魔の姿が二重に見えるというだけ。
しかし近接戦闘ではバレなければ無双の力を誇る。
大志には降魔の姿が目の前に見えていても実際には少し離れていたと言う、空間の把握違いで大志の空振りを引き起こしたというわけだ。
降魔はうまく言ったことに内心嬉しく思いながら、困惑に静まり返っている第1練習場を後にし、再び控室へと戻って行った。
―――降魔の優勝まで後6戦―――
(大体のことはうまくいった……。だが、予想以上にダメージが多い……それにもう少し受け流すことを増やしておけばよかった。ただこれで頑張れば第3回戦までは召喚魔術を使われない筈だ)
きっとほとんどの人が先程の戦闘の結果をこう考えるだろう。
———あれはラッキーなだけ———と。
それが降魔の狙いだった。
降魔は学生にしては召喚魔術以外の殆どを高水準で使用できる。
そしてそれは本気ではないとは言え、ファフニールを10分ほどなら止められることがわかった。
とは言え学生にしては、と言うのがついてくる。
相手が召喚魔術を使ってくると、勿論のことだが本気で召喚獣は攻撃してくるため、そうなった場合は対処をする降魔の体力の消耗が激しくなり過ぎるのだ。
(さて……どこまで皆んなが俺を舐めていてくれるかが鍵だな……)
降魔は控え室のテレビで次に対戦しそうな相手の観察を始めた。
☆☆☆
降魔が退場してからすぐ、双葉はVIPルームで荒れていた。
「何なのよアイツら! 皆んなして降魔を悪く言うなんて!」
勿論降魔が貶されていたことについてだ。
降魔自身はそこまで——と言うか全く気にしていないのだが、双葉はカンカンだった。
そんな娘を見ていた小百合と総司はと言うと……
「降魔君のために怒る双葉ちゃん……健気で可愛いわぁ……。やっぱりあの2人にはくっ付いてもらわないとっ!」
「嘘だ……うちの子にもう恋人ができるだと……!? 絶対に阻止して……」
「そんなことしたら私が許しませんよ」
「……グスッ」
そんな感じで阻止しようとした総司を突然無表情になった小百合に止められると言うことが起きていた。
「———……降魔」
そんな2人を他所に、双葉はただひたすらに降魔を心配していた。
☆☆☆
「それでは第2回戦第4試合、前戦ではラッキー勝ちをした降魔選手の対戦相手の紹介だ!!」
そう言って出てきたのは、降魔が1回戦目に戦った奴と全く体型の違う男が出てきた。
身長は降魔程で、兎に角細い。
触れれば折れてしまいそうなほど細く、病弱だと言われても信じてしまいそうなほどだ。
しかしこの部門に出るからには強者なわけで……
「名は細川大志!! 彼は現在5年生であり、前大会の準々決勝進出者で、その細身からは考えられないほどの強力なパンチを繰り出して来るため、何人もの優勝候補が奴を前にして膝をついた学園での猛者の1人だああああ!!」
彼は慣れたように観客に手を振っている。
それには自分の力への絶対的な自信があり、余裕を持っていると言うことだ。
普通の人間なら腹の立つ行動だが、降魔からすれば嬉しいことしかなかった。
(これはだいぶ楽な戦闘になりそうだぞ……。こんなに俺を舐めてくれているのなら幾らでもやりようはある……!)
降魔は人知れずニヤリと笑う。
「第2回戦第4試合スタートおおお!!」
その合図と同時に動き出したのは意外なことに降魔だった。
「《我が身を強化せよ―――》【身体強化】」
降魔は先程よりも少し強い魔術を発動し、果敢に大志に接近していく。
「おっと降魔選手! 勝てない相手とわかりとち狂ったかああああ!? 対する大志選手は動きません!!」
降魔は大志に向けて速度の乗ったパンチを繰り出す。
あと少しで当たる……と言うところで遂に大志が魔術を発動した。
「《詠唱省略―――》【敏捷性強化】」
そういった瞬間に大志がその場から一歩下がった。
そのため降魔の拳は宙を切る。
降魔は舌打ちをしながら同じく後ろに下がるが、そのときには既に目の前に大志がおり、
「―――遅いよ」
「――ッッ!?」
降魔は避ける間もなく大志のパンチをくらい、先ほどの試合と同じように吹き飛んでいく。
ただ今回は自らも後ろん飛んでいるため、ほとんどダメージを食らっていない。
それに既に降魔は今の大志の弱点に気付いていた。
(コイツは敏捷性を上げると他の能力を上げることは出来ない……。要は諸刃の剣だ。まぁもしかしたら他の能力を強化することもできるかもしれないが……)
降魔はその後更に2発ほどその身に攻撃を受けて確信した。
やはり速度の割には攻撃が軽い。
既に3回ほど受けているにも関わらず、殆どダメージがない。
これなら1回戦目の晴人の方がきつかった、と降魔は思った。
それに降魔は徐々にその速度に慣れつつあった。
先程までは後ろに飛ぶということしか出来ていなかったが、今では体を頑張って捻じれば掠るくらいにまで回避できるようになっている。
「クッ――どうして当たらなくなっていくんだよ……! チッ……それなら――《詠唱省略―――》【腕力強化】」
そう言った大志の速度が突然急激に落ちた。
そのため降魔は完全にタイミングを逃されるが、持ち前の格闘センスで即座に対応し、少し大袈裟に後ろへと避ける。
「フッ―――」
「なッ―――あれも避けるの!?」
降魔の予想外の動きに驚愕する大志。
そのためほんの少し攻撃の手が緩まった。
ここで降魔はこの戦いの流れを変える一手を、誰にも聞こえないように発動させる。
「《我が身を二重に映せ―――》【幻影】」
その魔術式はとても弱々しく光っており、距離の離れた大志には何の魔術式か分からない。
そのため大志は降魔が身体強化魔術を再び使ったと勘違いしてしまった。
―――降魔が落ちこぼれだから、身体強化魔術以外は使えないと思い込んでいるから。
その御蔭で降魔の勝ちは決定した。
降魔が今度は自ら大志に近づき、またしても顎にアッパーを放つ。
しかしそれよりも早く、
「《詠唱省略―――》【敏捷性強化】!! これで終わりだ!!」
大志が降魔に拳を振るった。
2人の拳が交差する。
結果は―――
「しょ、勝者―――八条降魔!!」
降魔がアッパーを決めた状態で立っていた。
そしてその足元には大志が気絶している。
「一体何が起きたのでしょうか……。突然大志選手が何もない所で拳を振るったと思ったら回避することなく降魔選手のアッパーが決まりました……。まるで大志選手にだけ何かが見えていたとでも言う風に……」
観客も司会者もよくわからないと言った顔をしている。
だが司会者の言っていることが的を射ていた。
降魔が使った魔術は幻影魔術であり、その効果は双葉や降魔の対戦相手として使っていた実態型ではなく、相手に幻覚を見せると言った幻覚型で、難易度は実態型よりも低くて使いやすいのが特徴だ。
その代わりに見破られやすいのがデメリットである。
しかし相手は使わないと思いこんでいるため効果は抜群だ。
降魔が大志に見せたのは、降魔の姿が二重に見えるというだけ。
しかし近接戦闘ではバレなければ無双の力を誇る。
大志には降魔の姿が目の前に見えていても実際には少し離れていたと言う、空間の把握違いで大志の空振りを引き起こしたというわけだ。
降魔はうまく言ったことに内心嬉しく思いながら、困惑に静まり返っている第1練習場を後にし、再び控室へと戻って行った。
―――降魔の優勝まで後6戦―――
0
お気に入りに追加
401
あなたにおすすめの小説
裏庭が裏ダンジョンでした@完結
まっど↑きみはる
ファンタジー
結界で隔離されたど田舎に住んでいる『ムツヤ』。彼は裏庭の塔が裏ダンジョンだと知らずに子供の頃から遊び場にしていた。
裏ダンジョンで鍛えた力とチート級のアイテムと、アホのムツヤは夢を見て外の世界へと飛び立つが、早速オークに捕らえれてしまう。
そこで知る憧れの世界の厳しく、残酷な現実とは……?
挿絵結構あります
ジャック&ミーナ ―魔法科学部研究科―
浅山いちる
ファンタジー
この作品は改稿版があります。こちらはサクサク進みますがそちらも見てもらえると嬉しいです!
大事なモノは、いつだって手の届くところにある。――人も、魔法も。
幼い頃憧れた、兵士を目指す少年ジャック。数年の時を経て、念願の兵士となるのだが、その初日「行ってほしい部署がある」と上官から告げられる。
なくなくその部署へと向かう彼だったが、そこで待っていたのは、昔、隣の家に住んでいた幼馴染だった。
――モンスターから魔法を作るの。
悠久の時を経て再会した二人が、新たな魔法を生み出す冒険ファンタジーが今、幕を開ける!!
※この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「マグネット!」にも掲載しています。
ダンジョンのモンスターになってしまいましたが、テイマーの少女が救ってくれたので恩返しします。
紗沙
ファンタジー
成長に限界を感じていた探索者、織田隆二。
彼はダンジョンで非常に強力なモンスターに襲われる。
死を覚悟するも、その際に起きた天災で気を失ってしまう。
目を覚ましたときには、襲い掛かってきたモンスターと入れ替わってしまっていた。
「嘘だぁぁあああ!」
元に戻ることが絶望的なだけでなく、探索者だった頃からは想像もつかないほど弱体化したことに絶望する。
ダンジョン内ではモンスターや今まで同じ人間だった探索者にも命を脅かされてしまう始末。
このままこのダンジョンで死んでいくのか、そう諦めかけたとき。
「大丈夫?」
薄れていく視界で彼を助けたのは、テイマーの少女だった。
救われた恩を返すために、織田隆二はモンスターとして強くなりながら遠くから彼女を見守る。
そしてあわよくば、彼女にテイムしてもらうことを夢見て。
都市伝説と呼ばれて
松虫大
ファンタジー
アルテミラ王国の辺境カモフの地方都市サザン。
この街では十年程前からある人物の噂が囁かれていた。
曰く『領主様に隠し子がいるらしい』
曰く『領主様が密かに匿い、人知れず塩坑の奥で育てている子供がいるそうだ』
曰く『かつて暗殺された子供が、夜な夜な復習するため街を徘徊しているらしい』
曰く『路地裏や屋根裏から覗く目が、言うことを聞かない子供をさらっていく』
曰く『領主様の隠し子が、フォレスの姫様を救ったそうだ』等々・・・・
眉唾な噂が大半であったが、娯楽の少ない土地柄だけにその噂は尾鰭を付けて広く広まっていた。
しかし、その子供の姿を実際に見た者は誰もおらず、その存在を信じる者はほとんどいなかった。
いつしかその少年はこの街の都市伝説のひとつとなっていた。
ある年、サザンの春の市に現れた金髪の少年は、街の暴れん坊ユーリに目を付けられる。
この二人の出会いをきっかけに都市伝説と呼ばれた少年が、本当の伝説へと駆け上っていく異世界戦記。
小説家になろう、カクヨムでも公開してましたが、この度アルファポリスでも公開することにしました。
魔法少女の異世界刀匠生活
ミュート
ファンタジー
私はクアンタ。魔法少女だ。
……終わりか、だと? 自己紹介をこれ以上続けろと言われても話す事は無い。
そうだな……私は太陽系第三惑星地球の日本秋音市に居た筈が、異世界ともいうべき別の場所に飛ばされていた。
そこでリンナという少女の打つ刀に見惚れ、彼女の弟子としてこの世界で暮らす事となるのだが、色々と諸問題に巻き込まれる事になっていく。
王族の後継問題とか、突如現れる謎の魔物と呼ばれる存在と戦う為の皇国軍へ加入しろとスカウトされたり……
色々あるが、私はただ、刀を打つ為にやらねばならぬ事に従事するだけだ。
詳しくは、読めばわかる事だろう。――では。
※この作品は「小説家になろう!」様、「ノベルアップ+」様でも同様の内容で公開していきます。
※コメント等大歓迎です。何時もありがとうございます!
長女は家族を養いたい! ~凍死から始まるお仕事冒険記~
灰色サレナ
ファンタジー
とある片田舎で貧困の末に殺された3きょうだい。
その3人が目覚めた先は日本語が通じてしまうのに魔物はいるわ魔法はあるわのファンタジー世界……そこで出会った首が取れるおねーさん事、アンドロイドのエキドナ・アルカーノと共に大陸で一番大きい鍛冶国家ウェイランドへ向かう。
魔物が生息する世界で生き抜こうと弥生は真司と文香を護るためギルドへと就職、エキドナもまた家族を探すという目的のために弥生と生活を共にしていた。
首尾よく仕事と家、仲間を得た弥生は別世界での生活に慣れていく、そんな中ウェイランド王城での見学イベントで不思議な男性に狙われてしまう。
訳も分からぬまま再び死ぬかと思われた時、新たな来訪者『神楽洞爺』に命を救われた。
そしてひょんなことからこの世界に実の両親が生存していることを知り、弥生は妹と弟を守りつつ、生活向上に全力で遊んでみたり、合流するために路銀稼ぎや体力づくり、なし崩し的に侵略者の撃退に奮闘する。
座敷童や女郎蜘蛛、古代の優しき竜。
全ての家族と仲間が集まる時、物語の始まりである弥生が選んだ道がこの世界の始まりでもあった。
ほのぼののんびり、時たまハードな弥生の家族探しの物語
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる