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太守の依頼
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「私の後見人は、若さまなのに」
絶対に若さまのはず。
混迷する王位継承問題に巻き込まないための配慮の特魔のはずなのに。
そう思うと涙が溢れてくる。
ルナ自身、ボード夫妻の養女になった時から、自分の魔籍を見たいと思っていた。
だから、二年前の本科進学を待ってから、こっそり養父母に内緒で魔籍管理所に向かった。
しかし、魔籍を持ってきてもらうはずの管理人に、
「あなたの魔籍は自由閲覧不可の場所にありました。いわゆる『特魔』ですね。もし、どうしても閲覧になりたければ、後見人と一緒にいらして下さい」
と言われ、手ぶらで帰されたのだ。
自分を養父母に預けたのは誰なのかを知りたかった。
若さまだという確証を得たかった。
もしかしたら魔籍に何か手がかりがあるのかもしれないと思っていたのに。
それらが何もわからなかった代わりに、自分の魔籍が『特魔』に指定されていたことがわかった。
ルナにはただそれだけで若さまが後見人なのだろうと思われた。
現状の異母兄弟王子たちが四すくみの状態では、政治的配慮からくるものであろうことは理解できたからだ。
それからルナは養父母に、二人に自分を預けた後見人はどんな方なのか断片的な情報でもいいから教えて欲しいと、折々の機会に触れては頼み続けた。
養父母はそのつどルナの願いをそれなりに交わしていたのだが、どうにもやり過ごせなくなると、学校の勉強をしっかりして、期末ごとの実技を含む試験が養父が示す基準を満たしていれば、一つずつ教えていくと約束してくれた。
一つ目の情報は、ルナの後見人は男性である。
二つ目の情報は、後見人はルナより年上で、養父母より年下。
三つ目の情報は、後見人は本業の仕事が忙しいので、自分では育てられないから養父母たちにルナを託した。
一つ、一つ、養父母から後見人の情報を聞き出すのに、ルナは猛勉強した。
「それで太守は、ある御方からお前さんのことをよろしく頼むと言われたんだそうで」
「ある御方?」
一瞬、ルナの脳裏に若さまの姿が浮かんだ。
(若さま、のわけがないか……)
ルナのことを太守によろしく頼むと言える人物は限られている。
若さまの可能性もなくはないが、この場合は養父母からの依頼というのが妥当に思われた。
ルナが養女になる前に、大陸諸国に大使として赴任していた養父なら各国の王侯貴族に伝手ぐらいはあるのだろうし。
ルナは東の城で間近に見た太守の顔を思い出した。
実母譲りの黒髪に褐色の肌。
(ひょっとして東の太守が若さまなのだろうか?)
四人の異母兄弟王子のなかでは、幼い頃の若さまに一番近い雰囲気を残している。
優しくて、穏やかで、人を傷つけるような剣など持たないような。
「さて、これからのことだが、太守にお仕えしておられた錬金術師殿が何人か伴って、太守に事の顛末を報告しに向かわれた。その報告を受けられた太守は、最速で東の軍を率いてこちらに調査に訪れる手はずになっています。こうなった時のために、太守にお前さんをこっそり渡す準備はしています。それまで私の家で申し訳ありませんが、養生して下さい」
鉱夫は丁寧にルナにそう説明すると、軽く頭を下げて部屋を出て行こうとした。
「待ってください!」
慌ててルナは彼を引き留めた。
「何だ?」
ルナはようやく自分自身に命の危険が差し迫っていることが理解できたし、自覚もした。
そしていかに周囲の人間が誰一人信用できないことも。
確かにあの東の太守ならば、ルナを隠してはくれるだろうが、側近にはあのユノーがいる。
さらにユノーの側にはレムリアもいる。
「北に戻るわけにはいかないし……」
まだ誰が若さまかどうかもわからない。
北の太守の自分こそがお前の若さまだという発言も、どこまで信じて良いのかわからない。
卒業試験よりもルナにとって大事なのは若さまのことだ。
だとすると、南か? 西か?
「あのここからなら、東と北の領地を通らずに王都へ向かうには、一旦南に抜けたほうがいいですか?」
零れ落ちたルナの言葉に、鉱夫は目を剥いた。
「な、何を言ってやがんだ! 俺は太守様にあんたを無事に引き渡すっていう命令を受けてんだ! ここの連中をまとめてんのはこの俺だ! その俺を信用して下さって太守様は直々に俺に頼まれたんだ」
鉱山内で縦穴の一つが何者かの手によって勝手に埋められてしまったのだ。
普通なら鉱夫全員引き連れて犯人捜しをして、見つかったらその犯人をその場で半死半生の目にあわせてやりたいところだ。
だが太守からは、黒幕をあぶり出すためにもルナを助けても、見て見ぬふりをしろと命じられた。
そして、その連中がどこに帰っていくかだけを突き止めろ、と依頼された。
くれぐれも深追いはするな、とも釘を刺されていた。
「俺が信用ならねえってのはわかるが、せめて太守様のことだけは信じてやってくれねえかな? 俺たちみたいな鉱夫に頼らなければならねえほど、あの方にも側に信用できる人物がなかなかいねえらしいんだ」
逞しい体躯がしょんぼりと肩をすぼめた。
「東の太守様が信じられないわけではないのですが、いろいろありすぎて人を信じられなくなってました。だから、あなたと東の太守様は信じてみようと思います」
「よかった」
鉱夫はホッとした顔を見せた。
「なので私をこっそり南へ出して下さいませんか? 東の太守がいらっしゃるまでに」
「しかし!」
ルナは何か言いたげな鉱夫を手で押しとどめると、最速で脳を回転させた。
「南から王都へ行くとなると……」
その頃には、大規模な収穫祭が始まっているはずだ。
とにかく今は、自分が生きていることを知られては困るのだ。
(どうやって王都に誰にも知られずに入れるかな?)
王都に戻った後、誰と連絡を取るのかも大事だ。
絶対に若さまのはず。
混迷する王位継承問題に巻き込まないための配慮の特魔のはずなのに。
そう思うと涙が溢れてくる。
ルナ自身、ボード夫妻の養女になった時から、自分の魔籍を見たいと思っていた。
だから、二年前の本科進学を待ってから、こっそり養父母に内緒で魔籍管理所に向かった。
しかし、魔籍を持ってきてもらうはずの管理人に、
「あなたの魔籍は自由閲覧不可の場所にありました。いわゆる『特魔』ですね。もし、どうしても閲覧になりたければ、後見人と一緒にいらして下さい」
と言われ、手ぶらで帰されたのだ。
自分を養父母に預けたのは誰なのかを知りたかった。
若さまだという確証を得たかった。
もしかしたら魔籍に何か手がかりがあるのかもしれないと思っていたのに。
それらが何もわからなかった代わりに、自分の魔籍が『特魔』に指定されていたことがわかった。
ルナにはただそれだけで若さまが後見人なのだろうと思われた。
現状の異母兄弟王子たちが四すくみの状態では、政治的配慮からくるものであろうことは理解できたからだ。
それからルナは養父母に、二人に自分を預けた後見人はどんな方なのか断片的な情報でもいいから教えて欲しいと、折々の機会に触れては頼み続けた。
養父母はそのつどルナの願いをそれなりに交わしていたのだが、どうにもやり過ごせなくなると、学校の勉強をしっかりして、期末ごとの実技を含む試験が養父が示す基準を満たしていれば、一つずつ教えていくと約束してくれた。
一つ目の情報は、ルナの後見人は男性である。
二つ目の情報は、後見人はルナより年上で、養父母より年下。
三つ目の情報は、後見人は本業の仕事が忙しいので、自分では育てられないから養父母たちにルナを託した。
一つ、一つ、養父母から後見人の情報を聞き出すのに、ルナは猛勉強した。
「それで太守は、ある御方からお前さんのことをよろしく頼むと言われたんだそうで」
「ある御方?」
一瞬、ルナの脳裏に若さまの姿が浮かんだ。
(若さま、のわけがないか……)
ルナのことを太守によろしく頼むと言える人物は限られている。
若さまの可能性もなくはないが、この場合は養父母からの依頼というのが妥当に思われた。
ルナが養女になる前に、大陸諸国に大使として赴任していた養父なら各国の王侯貴族に伝手ぐらいはあるのだろうし。
ルナは東の城で間近に見た太守の顔を思い出した。
実母譲りの黒髪に褐色の肌。
(ひょっとして東の太守が若さまなのだろうか?)
四人の異母兄弟王子のなかでは、幼い頃の若さまに一番近い雰囲気を残している。
優しくて、穏やかで、人を傷つけるような剣など持たないような。
「さて、これからのことだが、太守にお仕えしておられた錬金術師殿が何人か伴って、太守に事の顛末を報告しに向かわれた。その報告を受けられた太守は、最速で東の軍を率いてこちらに調査に訪れる手はずになっています。こうなった時のために、太守にお前さんをこっそり渡す準備はしています。それまで私の家で申し訳ありませんが、養生して下さい」
鉱夫は丁寧にルナにそう説明すると、軽く頭を下げて部屋を出て行こうとした。
「待ってください!」
慌ててルナは彼を引き留めた。
「何だ?」
ルナはようやく自分自身に命の危険が差し迫っていることが理解できたし、自覚もした。
そしていかに周囲の人間が誰一人信用できないことも。
確かにあの東の太守ならば、ルナを隠してはくれるだろうが、側近にはあのユノーがいる。
さらにユノーの側にはレムリアもいる。
「北に戻るわけにはいかないし……」
まだ誰が若さまかどうかもわからない。
北の太守の自分こそがお前の若さまだという発言も、どこまで信じて良いのかわからない。
卒業試験よりもルナにとって大事なのは若さまのことだ。
だとすると、南か? 西か?
「あのここからなら、東と北の領地を通らずに王都へ向かうには、一旦南に抜けたほうがいいですか?」
零れ落ちたルナの言葉に、鉱夫は目を剥いた。
「な、何を言ってやがんだ! 俺は太守様にあんたを無事に引き渡すっていう命令を受けてんだ! ここの連中をまとめてんのはこの俺だ! その俺を信用して下さって太守様は直々に俺に頼まれたんだ」
鉱山内で縦穴の一つが何者かの手によって勝手に埋められてしまったのだ。
普通なら鉱夫全員引き連れて犯人捜しをして、見つかったらその犯人をその場で半死半生の目にあわせてやりたいところだ。
だが太守からは、黒幕をあぶり出すためにもルナを助けても、見て見ぬふりをしろと命じられた。
そして、その連中がどこに帰っていくかだけを突き止めろ、と依頼された。
くれぐれも深追いはするな、とも釘を刺されていた。
「俺が信用ならねえってのはわかるが、せめて太守様のことだけは信じてやってくれねえかな? 俺たちみたいな鉱夫に頼らなければならねえほど、あの方にも側に信用できる人物がなかなかいねえらしいんだ」
逞しい体躯がしょんぼりと肩をすぼめた。
「東の太守様が信じられないわけではないのですが、いろいろありすぎて人を信じられなくなってました。だから、あなたと東の太守様は信じてみようと思います」
「よかった」
鉱夫はホッとした顔を見せた。
「なので私をこっそり南へ出して下さいませんか? 東の太守がいらっしゃるまでに」
「しかし!」
ルナは何か言いたげな鉱夫を手で押しとどめると、最速で脳を回転させた。
「南から王都へ行くとなると……」
その頃には、大規模な収穫祭が始まっているはずだ。
とにかく今は、自分が生きていることを知られては困るのだ。
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