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第一章 苦悩

決意 ①

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 和也は自分自身を心底嫌になっていた。

 「結局俺は誰も幸せにできていない・・・嫁だって、娘たちだって、茂だって、智成だって・・・准一・・・」

 「あれ、准一にも嫁がいて子どもも
いる・・・」和也は准一も同じ状況である事を思い出した。

 それは家族を持ち、それでも男を愛すること。

 「准一は苦しんだりはしていないのだろうか・・・?」

 和也は今になり、誠二が放った言葉が気になった。

 「俺は何をしたいのか、何をされたいのか、自分がどうなりたいのか・・・」

 「准一が言っていた、『お前はそこがいかんのだ!』・・・」

 「お前は脚力もあってラグビーの才能もあった!でもお前はある意味人が良すぎる!」

 「同期にも後輩にも遠慮しちゃうだろ!だから抜かされるし、それで良しとしてただろ!」

 「『お前はお前なんだ!理由なんかない!俺はお前に惚れたんだ!』って・・・」

 「准一は凄い・・・」和也は思った。

 「准一は真っすぐに、お前に惚れたんだって自分から胸を張って言い切れる!」

 「俺は・・・俺は・・・」和也は悩み葛藤した。

 「もう一度・・・」

 和也は誠二にメールを打った。

 和也は答えを出したかった。

 嫁や子どもを持ち、男とも関係を持つ和也自身は何者なのか。

 これからどうすればいいのかを知りたかった。

 「メール待ってたよ、答えは出たのかな?」誠ニから返信がきた。

 「相変わらず上から目線で偉そうに・・・」和也は思う。

 和也は再び誠二のタワーマンションの前に立った。

 インターホンで誠二の部屋番号を打つ。

 誠二がエントランスドアを開けてくれて誠二の部屋に向かった。

 和也は誠二の部屋のインターホンを押す。

 誠二が笑顔で出迎え、リビングに招いてくれた。

 リビングのカーテンは全開していて、高層ビル群が広がっていた。

 誠二の容姿は本当にカッコよく髭がよく似あい、笑顔も素敵だと和也は再認識した。

 誠二は缶ビールを和也に手渡し、皮張りのソファーに和也を座らせた。

 誠二は和也に声を掛けた。

 「いやぁよく来てくれたね、また会えて嬉しいよ、きっと和也はまた来てくれると信じていたよ・・・」誠ニは嬉しそうな素振りだ。

 「そうやっていつもウェルカムを装って人をコケにするんだ・・・こいつは・・・でも・・・」和也は心の中で思う。

 和也はもらったビールを一気飲みした。

 和也は意を決して言葉を発しようと思ったその時に、誠二がいきなり笑い出した。

 「あははは、凄い飲みっぷりだなぁ和也!いやぁ気に入った、そうだその意気だ、もう一本飲め!」

 誠二は缶ビールをもう一本和也に手渡した。

 「ありがとうございます」和也は手渡されたビールを開けた、ゴクゴクと口に含んだ。

 ビールを飲み干して和也は話を切り出す。

 「この前の、俺が何をしたいか、何をされたいか、自分がどうなりたいかなんですが・・・!」

 「今はまだ自分がどうなりたいかはわからないけど、俺が何をしたいか、何をされたいかはこうです!」

 和也は誠二の前で、着ているものを全部脱ぎ捨て、ボクサーブリーフ一枚の姿になるのだった。

 そして和也はボクサーブリーフに手を掛けようとした時に、誠ニは和也の手を握りそのまま和也を抱きしめた。

 和也は呆然としてその場に立ち尽くす。

 「和也、一皮剥けたな、俺は嬉しいぞ!」誠二は和也にキスをした。

 それは凄い甘いキスだっ。

 和也はこんなに誠二の唇が甘くて柔らかいとは思はなかった。

 「さぁ和也、お前は俺に何をされたいんだ!」誠二は和也に再び問う。

 和也はボクサーブリーフをずり下げて、ギンギン勃起したチ◯コを握って誠二に見せつけてた。

 その後は後ろを向き、ケツを突き出してケツ穴を広げて見せた。

 「よし、良くやったな和也!それでこそ俺が見込んだ男だ!」

 誠二は突き出した和也のケツをの穴付近を指でなぞるのだった。

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