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第三章 逢瀬

尻のマッサージ ①

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 智成と激しく絡み合った金曜日から、一晩明けた次の日、和也は腰や膝、太ももの筋肉に痛みを感じていた。

 「筋肉痛だな、あの中腰の姿勢で・・・あれだけ智成に激しくやられたらしょうがない・・・」

 高速パーキングエリアのトイレの中で洗面台に手を付きしケツを突き出す姿勢は必然的に中腰となり、和也の腰や膝に負担が掛かったのだった。

 土曜日、今日は長女は朝早くから出かけて家にはいなかった。

 嫁と中学生の次女は家にいて本当は筋肉痛で和也は寝ていたかったが、そうも行かなくなってしまった。

 和也は筋肉痛の事は言い出せず、嫁から掃除と庭の草むしりを頼まれ体を酷使こくしし家中の掃除機がけと草むしりをした。

 その後は嫁と次女と一緒にショッピングモールまで買い物に付き合わされた。

 「あぁ、痛い・・・昔はあのくらいではびくともしなかったのに・・・」

 和也は若い頃とは違う体力のおとろえを感じていた。

 昨日は嫁や次女が家にいたが、今日はそれぞれ出掛けていた。

 和也はいつもの日曜日は公共のジムに行きワークアウトに汗を流していたが、今日は筋肉痛でジムに行く気がしなかった。

 「なんとか筋肉痛も体の疲れをとりたい、茂君のマッサージを頼むかなぁ・・・」

 「でも、今日はきっとアルバイトで忙しいだろうなぁ」和也は思った。

 「さて、マッサージを受けられて、リラックスできて・・・そうだスーパー銭湯だったらマッサージも風呂も昼飯も食べられるじゃん!」

 和也はスーパー銭湯に行くことにし家を出た。

 いつもは自転車で行くところを何となく川沿いの道を歩いてスーパー銭湯に向かう。

 川沿いの道は木々が立ち並び、鳥のさえずりが聴こえてくる。

 和也は筋肉痛はあるものの、初夏の日差しと緑の匂いがする風を全身に受け心地良さを感じた。

 スーパー銭湯に到着しチケットを券売機で購入しいざ入場。

 汗ばんではいたが和也は直ぐに風呂には行かず、最初にマッサージカウンターに向かった。

 「いらっしゃいませ、あ、和也さんどうしたんですか?こんなところで」

 聞き覚えがある声・・・マッサージカウンターではなんと茂が受付をしていた。

 「あれっ、茂君!茂君こそ、ここで働いていたの?」

 「和也さん、ここでというよりは、ここのチェーンのあちらこちらの店舗を回っているんです。今日はたまたまここで勤務でした」

 相変わらず茂は物腰柔らかく丁寧で、マッサージ用の白衣をパツンパツンに着ていた。

 白衣越しにでも茂の逞しい体付きがわかる。

 「茂君は本当にカッコいいなぁ・・・惚れ惚れするような好青年だっ!・・・嫁が惚れ込む理由がわかる・・・」

 「それに引き換え智成は茂君とは正反対だ・・・智成はちょっとがさつでまさに書凸猛進・・・」和也は思い出して、クスっと笑ってしまった。

 「和也さん、どうかなさったんですか?」

 「いやぁあんまり丁寧だから、何だかそれがおかしくって・・・」

 「マッサージ師はサービス業なので!」茂は誇らしげにきっぱりと答えた。

 「さすがっ、それで茂君、その白衣は小さいの?」

 「和也さん、やっぱりわかります?リースなんですけどL LサイズもLサイズもなくて、Mサイズなんです・・・やっぱりパツンパツンで変ですよね・・・」

 「茂君、余計に体格が良く見えるからいいかもね・・・」

 「和也さん、そう言っていただけると幸いです。ところで今日はどうされたんですか?」

 「いやぁ、茂君、筋肉痛が酷くてね・・・」

 「なんだ・・・和也さん、連絡くれたらお宅にお伺いしたのに!この間のお礼もまだだし・・・」

 「いやいや、茂君、普段から忙しいだろうしあんまり頻回じゃ悪いしね」

 「和也さん、お気遣いありがとうございます・・・予約入れていきますか?」

 「あぁ、そうさせてもらうよ」

 和也はマッサージの時間の予約を入れた。

 予約時間まで、少し時間があったので風呂に行くと茂が追いかけてきた。

 「和也さん、マッサージ用の館内着です、下着は着けないでそのまま着られると、マッサージがより効果的になりますよ・・・」

 茂はニコッと微笑み、館内着を和也に手渡した。

 日曜日の昼前、風呂場には人が多くいた。

 どこかの大学の体育会の集団だろうか。二十歳そこそこのがちむち君達が、恥ずかしげもなく、前も隠さずに集団でウロウロとしていた。

 がちむち君達は割と広い風呂場といくつかある湯船を行ったり来たりしていた。

 「いい体だなぁ・・・」和也は見入ってしまう。

 髪型はスポーツ刈り、がちむち君達のケツはプリっとして盛り上がり顔や腕、足だけ日焼けしていた。

 「あの子たちは、どんなスポーツしているんだろう・・・あの日焼け具合からするとラグビーか、サッカーか・・・でも雰囲気はラグビーかな?」

 「可愛い・・・」和也は無意識に視姦しかんして過ごしていると、いつの間にかマッサージの時間が近づいていた。

 「あれ?もうこんな時間だぁっ!行かなきゃっ!」

 和也は急いで風呂から上がり、足早にマッサージカウンターに向かうのだった。
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