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私は一体、誰の血を──
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聖女の子ではあるんだろうけど──。
──キミは多分、勇者の子じゃない。
序列四位を呑まされたと知らされた時と比べると、どこか薄いようにも思える反応を見せ、フェアトはその憶測を受け入れかけた。
……かもしれない、と思っていたからだ。
それこそ、あの辺境の地に居た頃から。
姉は、勇者だった父親と瓜二つであり。
聖女である母親から生まれたという事実からも、まず間違いなく勇者と聖女の子だと断言できる筈だが──対して、自分はどうか。
外見こそ聖女レイティアと瓜二つであり。
聖女の子なのだろうという事は、かつて聖女と知己だった者たちでさえ思うところであろうものの、『この子は勇者の子でもあるのだ』と言われて、『あぁ確かに』──……と思える者たちが、その知己の中に何人居る?
かつて誰の目から見ても──それこそ一時は勇者の仲間だった立花の魔女や始祖の武闘家から見ても勇者と聖女は互いに想い合っており、それを知っていた者たちからすれば特に違和感を覚える事はないのかもしれない。
しかし、それを知らない者たちが『勇者と聖女の娘』と聞いたうえで、『聖女が身籠っていた』という事実さえも確認できたなら。
姉の方はともかく、妹の方は本当に勇者の血を引いているのか? と邪推じみた勘繰りをしてしまってもおかしくないのではないか。
そんな憶測を当の本人が立てていたのだ。
……そんな事、思いたくもなかったが。
実際、彼女に勇者《ちちおや》に似た要素は殆どない。
強いて言えば、ディーリヒトが生まれついて持っていたという全属性への適性程度か。
結局、フェアトにも証明し得ないのだ。
自分が本当に、勇者の子なのかどうかを。
そして今、『多分』というらしくもない前置きこそあれ、この身が誰の血を引いているのかを知っているかもしれない相手が居る。
ならば、こう問わずにはいられなかった。
「──……私は一体、誰の血を……?」
縋るように、問わずにはいられなかった。
ここに来てから最も動揺した瞬間である。
何であれば、アストリットから見せられたそれが序列四位だと告げられたその時より。
そして、紅茶に混入されていたらしいその序列四位を図らずも飲み込んだその時より。
そんな少女からの問いに、アストリットは表情を変える事なく新たな資料を取り出し。
「そもそもの前提として、この世界にボクの力が及ばない物なんてキミ以外に存在しないんだよ。 だから、こういう風に考えたんだ」
あらゆる生物や武器、或いは魔法などに対して【全知全能《オール》】が如何様に作用したのかが記されていたその資料をフェアトに手渡しつつ、この世界に自分の力が及ばない物はフェアト以外に存在しないという事実を前提に。
「キミの力は、この世界の物じゃないって」
「……どういう、事ですか」
確証こそ何一つないが、おそらくフェアトの力は異なる世界の物だ──と告げられたところで納得や理解ができよう筈もなく、猜疑心たっぷりなフェアトが問い返したところ。
「言ったでしょ? ボクの力は、キミ以外の全てに通用するって──この世界の物ならね」
「……通用しないのなら、この世界の物ではないと? いかにも魔族《あなた》らしい傲慢さですね」
自分の称号が有している力に絶対的な自信を持っていた彼女は、この世界に存在する力の中に【全知全能《オール》】が通用しない力があるなどと、たとえ冗談でも言いたくないようで。
全てが自分を中心に回っている──魔王も勇者も居ない以上、言うほど間違いでもないのだが──という何とも傲慢極まりない言動をする序列一位に、フェアトが呆れ返る中。
「これも憶測でしかないんだけどさ、キミの力は多分──……天上の神々の物だと思う」
「神々って──っ、まさ、か……!」
そんな少女からの皮肉をあっさり受け流したアストリットが、もう驚き尽くしたと思っていたフェアトを更に驚愕させる、『フェアトの力は神々由来の物だ』という憶測を口にし、それを聞いた少女が口を覆うのを見て。
「心当たりが、あるんだね?」
「い、いや、でも……っ」
おそらく自分の憶測は間違っておらず、それを証明してくれる何らかの心当たりがフェアト自身にあるのだろうと察したアストリットの問いに、フェアトは首を横に振る──。
まさか──と口にしたのは。
まさか、そんな訳がないと思ったからだ。
……そう、思いたかったからだ。
「少し考えれば分かる事だったんだよ。 キミたちが暮らしていた、あの辺境の地。 陸地どころか岩場さえ存在しなかった大海原の真ん中に自然豊かな大地を創造したのは、誰?」
「……っ」
しかし、そんなフェアトの心境など知る由もなく、アストリットは改めて液晶の方へと向き直りつつ、そこに映した抽象的な世界地図の中の、かつては陸地などなかった筈の海上に出現した豊穣の大地を、レイティアの為にと創造した神は一体? ──と問いかけて。
その神こそが、おそらくは──と分かっているがゆえにフェアトは言葉を詰まらせる。
とはいえ沈黙を貫き続ける訳にもいかず。
「──……地母神、ウムアルマ様……」
「うんうん、そうだよね」
この世界における大地や豊穣、土の属性を司る地母神の名をおずおずと告げた途端、アストリットは満足げにニコニコと微笑んだ。
そして、そのまま彼女が立てた憶測とやらの結論を明かすに至る──のかと思いきや。
「ちょっと話は変わるけどさ、キミは少し前に三神獣の一角に会ったでしょ? 大陸亀《たいりくがめ》に」
「……」
突如、少し前どころか十日も経っていない三神獣の一角、大陸亀《たいりくがめ》の化身との邂逅についての話に遷移した事を疑問に思いつつも、これといって否定する意味もなく、首肯する。
それを見たアストリットは満足げに頷きながら、やはりデフォルメ化されている三神獣たち──大陸亀《たいりくがめ》、広空鳥《こうくうちょう》、深海虎《しんかいこ》を背後の液晶に映した後、ビシッとフェアトを指差し。
「あの亀を含めた大きいだけの鳥や虎が三神獣なんて呼ばれてる理由、知ってるかな?」
「……神の如き、三体の獣だとか……」
「んー、ちょっと違うね」
「え?」
三神獣という総称の由来は? と問いかけてみせ、それを受けたフェアトが数年前に先生である六花の魔女から教わった三神獣についての知識をそのまま口にするも、アストリットからすればその答えは及第点にも至らず。
「三柱の神が自らの手で創造した獣、だからだよ。 その内、大陸亀《たいりくがめ》を創造したのは──」
神にも等しい力を持つのは当然の事、神々が手ずから創造し、そして命と肉体と意志を与えたからこその『三神獣』なのだと告げ。
その一角、大陸亀《たいりくがめ》を創り上げたのは──。
「──他でもない、地母神ウムアルマだ。 あの亀は、ウムアルマの眷属でもあるんだよ」
「……それが、何だと言うんですか」
「またまた、もう分かってるんでしょ?」
かつて双子も暮らしていた、あの辺境の地を創造した女神と同じだと、そして大陸亀《たいりくがめ》は他の二体が別の神々のそれであるのと同じように、ウムアルマの眷属なのだと告げたはいいものの、それが何だと怪訝そうな表情を見せるフェアトに、『キミは姉と違って賢いんだから』ともったいぶる事さえ許さず──。
「大陸亀《たいりくがめ》は他の追随を許さない生命力と自己再生能力を有してるけど、そもそも生半可な攻撃じゃ傷一つ付かない【守備力】をも備えてる。 それこそ、どこかの誰かみたいなね」
「……」
種族柄、大陸亀《たいりくがめ》が有している圧倒的な生命力や自己再生能力──世界の心臓を剥き出しにしたスタークの一撃を受けても死なず、すぐに穴が塞がるほどの──も当然ながら凄まじいが、それ以上に大陸亀《たいりくがめ》はスタークくらいでなければ擦り傷もつけられない、フェアトのそれと類似していながらも僅かに劣る途轍もない【守備力】さえも有しているようで。
確かにとか、そういえばとか──フェアトが無言で砂漠での出来事を振り返る一方で。
「そして、レイティアはそんな地母神の加護を強く受けてた。 だから、あの辺境の地を魔王討伐の功績として賜る事ができたし──」
そもそも、レイティアという少女──当時は少女だった──が聖女に選定された際、彼女に最も強く厚い加護を与えていたのがウムアルマであり、それゆえ勇者一行で唯一の生き残りである聖女に存在しない大地を、わざわざ創造までして賜与するという、まさに神懸かった御業を一人の人間に授けたのだし。
「『我が子には無事に育って欲しい』、『自分を残して死なないで欲しい』というレイティアの潜在的な願いを叶える為、地母神の眷属が持つ生命力や自己再生能力を削って強化を図った理不尽なまでの【守備力】が──」
最愛の人と結ばれる事なく別れを告げなければならなかったレイティアの、どうか私の子供には平穏無事で居て欲しいという平凡でありながら大それた望みを叶えるべく、ウムアルマは大陸亀《たいりくがめ》に与えたような生命力や自己再生能力といった物を全て削り、ただただ。
ただただ、死なない為の力を──。
この世の全ての不条理から何が起ころうとその身を守る、絶対的な【守備力】を──。
「本来、生まれる予定はおろか存在すらしなかった筈の二人目の子供に与えられ、そうしてキミたちは双子となった──分かるよね」
「……じゃあ、私は……」
「そう、キミはおそらく──」
勇者との子を処女懐胎したレイティアの胎内へ、もう一人の子を増やして双子として産まれさせて、その子に与えたのである──。
というのが、アストリットの憶測の全て。
そして、この憶測が正しかったのなら。
もう、フェアトも予想がついている通り。
「──聖女《レイティア》と、地母神《ウムアルマ》の子なんだと思う」
「……!」
フェアトは、半人半神の存在なのだと。
……そういう事に、なってしまうのだ。
──キミは多分、勇者の子じゃない。
序列四位を呑まされたと知らされた時と比べると、どこか薄いようにも思える反応を見せ、フェアトはその憶測を受け入れかけた。
……かもしれない、と思っていたからだ。
それこそ、あの辺境の地に居た頃から。
姉は、勇者だった父親と瓜二つであり。
聖女である母親から生まれたという事実からも、まず間違いなく勇者と聖女の子だと断言できる筈だが──対して、自分はどうか。
外見こそ聖女レイティアと瓜二つであり。
聖女の子なのだろうという事は、かつて聖女と知己だった者たちでさえ思うところであろうものの、『この子は勇者の子でもあるのだ』と言われて、『あぁ確かに』──……と思える者たちが、その知己の中に何人居る?
かつて誰の目から見ても──それこそ一時は勇者の仲間だった立花の魔女や始祖の武闘家から見ても勇者と聖女は互いに想い合っており、それを知っていた者たちからすれば特に違和感を覚える事はないのかもしれない。
しかし、それを知らない者たちが『勇者と聖女の娘』と聞いたうえで、『聖女が身籠っていた』という事実さえも確認できたなら。
姉の方はともかく、妹の方は本当に勇者の血を引いているのか? と邪推じみた勘繰りをしてしまってもおかしくないのではないか。
そんな憶測を当の本人が立てていたのだ。
……そんな事、思いたくもなかったが。
実際、彼女に勇者《ちちおや》に似た要素は殆どない。
強いて言えば、ディーリヒトが生まれついて持っていたという全属性への適性程度か。
結局、フェアトにも証明し得ないのだ。
自分が本当に、勇者の子なのかどうかを。
そして今、『多分』というらしくもない前置きこそあれ、この身が誰の血を引いているのかを知っているかもしれない相手が居る。
ならば、こう問わずにはいられなかった。
「──……私は一体、誰の血を……?」
縋るように、問わずにはいられなかった。
ここに来てから最も動揺した瞬間である。
何であれば、アストリットから見せられたそれが序列四位だと告げられたその時より。
そして、紅茶に混入されていたらしいその序列四位を図らずも飲み込んだその時より。
そんな少女からの問いに、アストリットは表情を変える事なく新たな資料を取り出し。
「そもそもの前提として、この世界にボクの力が及ばない物なんてキミ以外に存在しないんだよ。 だから、こういう風に考えたんだ」
あらゆる生物や武器、或いは魔法などに対して【全知全能《オール》】が如何様に作用したのかが記されていたその資料をフェアトに手渡しつつ、この世界に自分の力が及ばない物はフェアト以外に存在しないという事実を前提に。
「キミの力は、この世界の物じゃないって」
「……どういう、事ですか」
確証こそ何一つないが、おそらくフェアトの力は異なる世界の物だ──と告げられたところで納得や理解ができよう筈もなく、猜疑心たっぷりなフェアトが問い返したところ。
「言ったでしょ? ボクの力は、キミ以外の全てに通用するって──この世界の物ならね」
「……通用しないのなら、この世界の物ではないと? いかにも魔族《あなた》らしい傲慢さですね」
自分の称号が有している力に絶対的な自信を持っていた彼女は、この世界に存在する力の中に【全知全能《オール》】が通用しない力があるなどと、たとえ冗談でも言いたくないようで。
全てが自分を中心に回っている──魔王も勇者も居ない以上、言うほど間違いでもないのだが──という何とも傲慢極まりない言動をする序列一位に、フェアトが呆れ返る中。
「これも憶測でしかないんだけどさ、キミの力は多分──……天上の神々の物だと思う」
「神々って──っ、まさ、か……!」
そんな少女からの皮肉をあっさり受け流したアストリットが、もう驚き尽くしたと思っていたフェアトを更に驚愕させる、『フェアトの力は神々由来の物だ』という憶測を口にし、それを聞いた少女が口を覆うのを見て。
「心当たりが、あるんだね?」
「い、いや、でも……っ」
おそらく自分の憶測は間違っておらず、それを証明してくれる何らかの心当たりがフェアト自身にあるのだろうと察したアストリットの問いに、フェアトは首を横に振る──。
まさか──と口にしたのは。
まさか、そんな訳がないと思ったからだ。
……そう、思いたかったからだ。
「少し考えれば分かる事だったんだよ。 キミたちが暮らしていた、あの辺境の地。 陸地どころか岩場さえ存在しなかった大海原の真ん中に自然豊かな大地を創造したのは、誰?」
「……っ」
しかし、そんなフェアトの心境など知る由もなく、アストリットは改めて液晶の方へと向き直りつつ、そこに映した抽象的な世界地図の中の、かつては陸地などなかった筈の海上に出現した豊穣の大地を、レイティアの為にと創造した神は一体? ──と問いかけて。
その神こそが、おそらくは──と分かっているがゆえにフェアトは言葉を詰まらせる。
とはいえ沈黙を貫き続ける訳にもいかず。
「──……地母神、ウムアルマ様……」
「うんうん、そうだよね」
この世界における大地や豊穣、土の属性を司る地母神の名をおずおずと告げた途端、アストリットは満足げにニコニコと微笑んだ。
そして、そのまま彼女が立てた憶測とやらの結論を明かすに至る──のかと思いきや。
「ちょっと話は変わるけどさ、キミは少し前に三神獣の一角に会ったでしょ? 大陸亀《たいりくがめ》に」
「……」
突如、少し前どころか十日も経っていない三神獣の一角、大陸亀《たいりくがめ》の化身との邂逅についての話に遷移した事を疑問に思いつつも、これといって否定する意味もなく、首肯する。
それを見たアストリットは満足げに頷きながら、やはりデフォルメ化されている三神獣たち──大陸亀《たいりくがめ》、広空鳥《こうくうちょう》、深海虎《しんかいこ》を背後の液晶に映した後、ビシッとフェアトを指差し。
「あの亀を含めた大きいだけの鳥や虎が三神獣なんて呼ばれてる理由、知ってるかな?」
「……神の如き、三体の獣だとか……」
「んー、ちょっと違うね」
「え?」
三神獣という総称の由来は? と問いかけてみせ、それを受けたフェアトが数年前に先生である六花の魔女から教わった三神獣についての知識をそのまま口にするも、アストリットからすればその答えは及第点にも至らず。
「三柱の神が自らの手で創造した獣、だからだよ。 その内、大陸亀《たいりくがめ》を創造したのは──」
神にも等しい力を持つのは当然の事、神々が手ずから創造し、そして命と肉体と意志を与えたからこその『三神獣』なのだと告げ。
その一角、大陸亀《たいりくがめ》を創り上げたのは──。
「──他でもない、地母神ウムアルマだ。 あの亀は、ウムアルマの眷属でもあるんだよ」
「……それが、何だと言うんですか」
「またまた、もう分かってるんでしょ?」
かつて双子も暮らしていた、あの辺境の地を創造した女神と同じだと、そして大陸亀《たいりくがめ》は他の二体が別の神々のそれであるのと同じように、ウムアルマの眷属なのだと告げたはいいものの、それが何だと怪訝そうな表情を見せるフェアトに、『キミは姉と違って賢いんだから』ともったいぶる事さえ許さず──。
「大陸亀《たいりくがめ》は他の追随を許さない生命力と自己再生能力を有してるけど、そもそも生半可な攻撃じゃ傷一つ付かない【守備力】をも備えてる。 それこそ、どこかの誰かみたいなね」
「……」
種族柄、大陸亀《たいりくがめ》が有している圧倒的な生命力や自己再生能力──世界の心臓を剥き出しにしたスタークの一撃を受けても死なず、すぐに穴が塞がるほどの──も当然ながら凄まじいが、それ以上に大陸亀《たいりくがめ》はスタークくらいでなければ擦り傷もつけられない、フェアトのそれと類似していながらも僅かに劣る途轍もない【守備力】さえも有しているようで。
確かにとか、そういえばとか──フェアトが無言で砂漠での出来事を振り返る一方で。
「そして、レイティアはそんな地母神の加護を強く受けてた。 だから、あの辺境の地を魔王討伐の功績として賜る事ができたし──」
そもそも、レイティアという少女──当時は少女だった──が聖女に選定された際、彼女に最も強く厚い加護を与えていたのがウムアルマであり、それゆえ勇者一行で唯一の生き残りである聖女に存在しない大地を、わざわざ創造までして賜与するという、まさに神懸かった御業を一人の人間に授けたのだし。
「『我が子には無事に育って欲しい』、『自分を残して死なないで欲しい』というレイティアの潜在的な願いを叶える為、地母神の眷属が持つ生命力や自己再生能力を削って強化を図った理不尽なまでの【守備力】が──」
最愛の人と結ばれる事なく別れを告げなければならなかったレイティアの、どうか私の子供には平穏無事で居て欲しいという平凡でありながら大それた望みを叶えるべく、ウムアルマは大陸亀《たいりくがめ》に与えたような生命力や自己再生能力といった物を全て削り、ただただ。
ただただ、死なない為の力を──。
この世の全ての不条理から何が起ころうとその身を守る、絶対的な【守備力】を──。
「本来、生まれる予定はおろか存在すらしなかった筈の二人目の子供に与えられ、そうしてキミたちは双子となった──分かるよね」
「……じゃあ、私は……」
「そう、キミはおそらく──」
勇者との子を処女懐胎したレイティアの胎内へ、もう一人の子を増やして双子として産まれさせて、その子に与えたのである──。
というのが、アストリットの憶測の全て。
そして、この憶測が正しかったのなら。
もう、フェアトも予想がついている通り。
「──聖女《レイティア》と、地母神《ウムアルマ》の子なんだと思う」
「……!」
フェアトは、半人半神の存在なのだと。
……そういう事に、なってしまうのだ。
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