幻覚彼女

小学生の時の成績は並、中学生になって落ちこぼれとなり偏差値30の勉強が苦手で猛勉強してついに第一志望校である公立清蘭高校に合格した水野 心(みずの こころ)。その疲労は半端なく、しばらく寝込む程。春休みはほとんど寝て過ごしていた。高校の予習どころではなかった。合格発表の日の夜に夢を見る。自身を夢華(ゆめか)と名乗る女の子が現れ、あなたとはずっと一緒だよと言われる。親友になる子かな?正夢になるかもと浮かれる心。春休みの入学説明会にて夢で現れた夢華が声をかけてくる。そして、友人となる。確かに夢の通り、常に一緒であった。だが、何か変だ。周りには夢華が見えていないかのように振る舞われる。HRや授業中など集中すべき時に歩きまわってても注意されない。休み時間だって、話かけてくるのはいつも心にだけ。時に、周囲を見回しても消えてしまったり……彼女は一体何者なのか。幽霊なのだろうか。の割には触れることができる。触れた感触も温かく柔らかい。心にしか見えない夢華。その存在は、心のとある欲望の抑制装置となっていたのであった――
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