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第34話
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唾液を流し込まれて従順に受け入れると、再び流し込まれ、そのまま濃厚に舌を絡め合っていた。
和彦の喉の嚥下の動きを楽しんだのか、唇が離れると同時に、喉元からも手が退く。その手は、迷うことなく和彦の両足の間へと這わされ、欲望を握り締められる。和彦の欲望は、いつの間にか身を起こしていた。
「賢吾には、しつこいほど言われていた。あんたに痛みを与えることだけは絶対にしてくれるなと。そのあんたは、痛み以外のものには、よく反応する。羞恥や屈辱、さっきのような苦しさにも。――命の危険を感じて反応するとは、本当に、どれだけ淫蕩な性質を持っているのか」
そう言いながら守光のてのひらに欲望を扱かれ、羞恥に身が燃えそうになる。和彦は顔を背けたが、体は無防備なままで、守光に両足を大きく左右に広げられても、抵抗すらしなかった。
「うっ、うっ」
片手では欲望を扱きながら、守光のもう片方の手が柔らかな膨らみに触れてくる。さんざん男たちによって弄ばれ、慣らされたため、本能的に体を強張らせながらも、強い刺激を期待して腰が妖しく揺れる。繊細に蠢く指に柔らかな膨らみを丹念に揉みしだかれ、探り当てられた弱みを弄られる。たまらず和彦は甲高い声を上げて身悶えていた。
「いっ……、あっ、あっ、んんっ――」
欲望の先端を指の腹で擦り上げられて、自分がもう濡れ始めていることを知る。
「苛まれて悦ぶとは、いやらしいオンナだ」
愉悦を含んだ声で呟いた守光が、両足の間に顔を埋める。欲望を口腔に含まれて、和彦は腰を震わせて仰け反っていた。根元を指で擦り上げられながら、口腔の粘膜によって欲望は包み込まれ、締め付けられる。愛撫自体の巧みさもあるが、この愛撫を施しているのが守光だということに、官能を刺激されていた。
「ひっ……」
先端を舌先でくすぐられたあと、括れにそっと歯が当てられる。硬い感触は恐怖を感じるには十分だが、しかし和彦の全身を貫いたのは、快美さだった。隠しようのない反応として、先端からはしたなく透明なしずくを滴らせると、守光は喉を鳴らして笑った。
「こういう反応を見ると、ついこう思ってしまう。――そもそもあんたは、本当に痛みに弱いんだろうか、とな」
先端にも歯が当てられると同時に、柔らかな膨らみをまさぐられ、さきほどよりわずかに力を込めて弱みを弄られる。和彦は苦痛に近い刺激に呻き声を洩らし、なんとか守光の愛撫から逃れようと身を捩っていたが、痩身を押し退けることは叶わず、ついには柔らかな膨らみすら、守光の口腔による淫らな愛撫にさらされる。
下肢が蕩けると思った。和彦は息を喘がせ、ときおり腰を揺すりながら、与えられる快感に対して急速に従順になっていく。
一度守光が身を離し、飾り棚に歩み寄る。そこに何があるか、和彦はすでに把握している。諦めなのか、期待なのか、自分でもわからない吐息をこぼし、両足を開いたまま守光を待つ。
文箱を抱えて戻ってきた守光は、さっそく中から朱色の組み紐を取り出した。
「んっ……」
濡れそぼって震える欲望に組み紐が巻きつき、少しずつ締め上げられる。根元には特にしっかりと組み紐が食い込み痛いほどだが、守光が満足げに目を細め、指先で欲望の形をなぞってくると、狂おしいほどの欲情の疼きを感じる。
守光から与えられるのは、和彦が恐れる痛みではなかった。紙一重で、快感と呼べるものだ。
「あんたにこの色はよく似合う。興奮して赤く染まったものを引き立てて、可虐的な気持ちを刺激する。そして――」
守光に片足を抱え上げられて、今夜はまだまったく愛撫を与えられていない内奥の入り口を露わにさせられる。
「ここも、興奮して染まり始めている。すぐに、もっと艶やかな色にしてあげよう」
守光は潤滑剤を指に取り、内奥へと塗り込め始める。機械的ともいえる手つきだが、和彦の体には関係ない。襞と粘膜は潤いを与えられ、指が行き来するたびにざわつく。それが何度か繰り返されたところで、官能の泉が噴き上がり、肉の悦びが一気に目覚める。
和彦がぎこちなく首を左右に振り、控えめに声を上げ始めると、守光の指の動きが変化する。快感をさらに掘り起こそうとするかのように内奥を掻き回し、浅い部分を執拗に指の腹で押し上げてくるのだ。
「うっ、うぅっ……、うっ、くうっ……ん」
布団の上に爪先を突っ張らせて、和彦は腰を浮かせる。指を深く突き入れられ、意識しないまま内奥をきつく収縮させる。このとき、組み紐に誡められたまま反り返った欲望が、フルッと震えた。
和彦の喉の嚥下の動きを楽しんだのか、唇が離れると同時に、喉元からも手が退く。その手は、迷うことなく和彦の両足の間へと這わされ、欲望を握り締められる。和彦の欲望は、いつの間にか身を起こしていた。
「賢吾には、しつこいほど言われていた。あんたに痛みを与えることだけは絶対にしてくれるなと。そのあんたは、痛み以外のものには、よく反応する。羞恥や屈辱、さっきのような苦しさにも。――命の危険を感じて反応するとは、本当に、どれだけ淫蕩な性質を持っているのか」
そう言いながら守光のてのひらに欲望を扱かれ、羞恥に身が燃えそうになる。和彦は顔を背けたが、体は無防備なままで、守光に両足を大きく左右に広げられても、抵抗すらしなかった。
「うっ、うっ」
片手では欲望を扱きながら、守光のもう片方の手が柔らかな膨らみに触れてくる。さんざん男たちによって弄ばれ、慣らされたため、本能的に体を強張らせながらも、強い刺激を期待して腰が妖しく揺れる。繊細に蠢く指に柔らかな膨らみを丹念に揉みしだかれ、探り当てられた弱みを弄られる。たまらず和彦は甲高い声を上げて身悶えていた。
「いっ……、あっ、あっ、んんっ――」
欲望の先端を指の腹で擦り上げられて、自分がもう濡れ始めていることを知る。
「苛まれて悦ぶとは、いやらしいオンナだ」
愉悦を含んだ声で呟いた守光が、両足の間に顔を埋める。欲望を口腔に含まれて、和彦は腰を震わせて仰け反っていた。根元を指で擦り上げられながら、口腔の粘膜によって欲望は包み込まれ、締め付けられる。愛撫自体の巧みさもあるが、この愛撫を施しているのが守光だということに、官能を刺激されていた。
「ひっ……」
先端を舌先でくすぐられたあと、括れにそっと歯が当てられる。硬い感触は恐怖を感じるには十分だが、しかし和彦の全身を貫いたのは、快美さだった。隠しようのない反応として、先端からはしたなく透明なしずくを滴らせると、守光は喉を鳴らして笑った。
「こういう反応を見ると、ついこう思ってしまう。――そもそもあんたは、本当に痛みに弱いんだろうか、とな」
先端にも歯が当てられると同時に、柔らかな膨らみをまさぐられ、さきほどよりわずかに力を込めて弱みを弄られる。和彦は苦痛に近い刺激に呻き声を洩らし、なんとか守光の愛撫から逃れようと身を捩っていたが、痩身を押し退けることは叶わず、ついには柔らかな膨らみすら、守光の口腔による淫らな愛撫にさらされる。
下肢が蕩けると思った。和彦は息を喘がせ、ときおり腰を揺すりながら、与えられる快感に対して急速に従順になっていく。
一度守光が身を離し、飾り棚に歩み寄る。そこに何があるか、和彦はすでに把握している。諦めなのか、期待なのか、自分でもわからない吐息をこぼし、両足を開いたまま守光を待つ。
文箱を抱えて戻ってきた守光は、さっそく中から朱色の組み紐を取り出した。
「んっ……」
濡れそぼって震える欲望に組み紐が巻きつき、少しずつ締め上げられる。根元には特にしっかりと組み紐が食い込み痛いほどだが、守光が満足げに目を細め、指先で欲望の形をなぞってくると、狂おしいほどの欲情の疼きを感じる。
守光から与えられるのは、和彦が恐れる痛みではなかった。紙一重で、快感と呼べるものだ。
「あんたにこの色はよく似合う。興奮して赤く染まったものを引き立てて、可虐的な気持ちを刺激する。そして――」
守光に片足を抱え上げられて、今夜はまだまったく愛撫を与えられていない内奥の入り口を露わにさせられる。
「ここも、興奮して染まり始めている。すぐに、もっと艶やかな色にしてあげよう」
守光は潤滑剤を指に取り、内奥へと塗り込め始める。機械的ともいえる手つきだが、和彦の体には関係ない。襞と粘膜は潤いを与えられ、指が行き来するたびにざわつく。それが何度か繰り返されたところで、官能の泉が噴き上がり、肉の悦びが一気に目覚める。
和彦がぎこちなく首を左右に振り、控えめに声を上げ始めると、守光の指の動きが変化する。快感をさらに掘り起こそうとするかのように内奥を掻き回し、浅い部分を執拗に指の腹で押し上げてくるのだ。
「うっ、うぅっ……、うっ、くうっ……ん」
布団の上に爪先を突っ張らせて、和彦は腰を浮かせる。指を深く突き入れられ、意識しないまま内奥をきつく収縮させる。このとき、組み紐に誡められたまま反り返った欲望が、フルッと震えた。
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